《過酷事故時の被ばくを低減し水素・水蒸気を処理する希ガスフィルタシステムの開発》(BWR)

既設BWRでは過酷事故時の格納容器過圧過温破損防止対策、水素爆発防止対策として格納容器ベントを採用しており、フィルタベントを設置して、よう素、セシウム等の放射性物質の放出量低減を図っているが、放射性希ガスは除去できない。
一般産業用に実用化されている気体分離膜の技術を元に、水蒸気、水素を放出しつつ、希ガスの閉じ込めを可能とする希ガスフィルタシステムの開発を行った。

気体分離膜の動作原理

《先進建設工法の開発》(PWR)

原子力施設では適用が限定的であった先進建設工法を効果的に組合せ、外部ハザードに対する安全性の高い施設構築に資すると共に、工程短縮による経済性向上や建設時の作業環境改善、省力化に資する建設技術の開発を行った。

先進建設工法の適用イメージ

《静的デブリ冷却システムの開発》(BWR)

格納容器破損の主要因である溶融デブリによるコンクリート浸食を抑制する手法として、デブリへの注水に加えて、デブリと接触すると想定されるペデスタル床や側壁のコンクリートに高融点の耐火材を敷設することにより、デブリ落下時にコンクリート浸食を防止し、静的にデブリを冷却するシステムの開発を行った。

静的デブリ冷却システムの例

《RCPシール漏えい防止対策技術の開発》(PWR)

原子力プラントの継続的安全性向上に向けて、長時間SBO状態における1次冷却材ポンプ(RCP)シール漏えい防止対策が一つの課題となる。本開発では、SBO時にRCPシールが高温/高圧条件下に長時間さらされた場合でも、漏えいを防止できる機構の開発を行った。

RCPシールが置かれる状況
(上:通常時、下:SBO等の想定事象時)

《免震システムの評価手法開発》(PWR/BWR共通)

原子力発電施設を対象とした2次元免震設計評価手法を確立することを目的として、水平及び鉛直動の同時入力を考慮した免震建屋挙動評価手法、地震時に相対変位が生じる免震建屋と非免震建屋間を渡る配管の健全性評価手法の開発を行った。また、残余のリスク評価として、免震装置の限界耐力を把握すると共にフラジリティを算定し、免震プラントの耐震裕度の把握を行った。

実規模破断試験試験体

《格納容器構造の健全性評価手法の高度化》(BWR)

SC構造格納容器およびRC構造格納容器を対象とした高温時挙動試験を実施し、試験結果と解析結果を比較することで、高温弾塑性解析技術の高度化を行った。SC構造適用にあたり、性能把握と設計手法の基準化・規格化を念頭に、シビアアクシデント条件も含めて試験データを整備・評価した。

《静的格納容器冷却システム(PCCS)の開発》(BWR)

原子力プラントの十分な安全性を確保するためには、シビアアクシデント発生後でも格納容器破損を防止する緩和対策を設けることが必要である。このため、プラント安全性のフレキシビリティを向上させることを目的として、事故時に格納容器内の蒸気を伝熱管内で凝縮させて除熱減圧する静的格納容器冷却システム(PCCS)の開発を行った。

静的格納容器冷却システム概念図

《蒸気発生器の安全性高度化》(PWR)

PWRでは、事故時にも蒸気発生器(SG)を用いた炉心冷却を想定しており、SGの冷却機能の確保が重要である。今後ますます厳しくなると予想される設計基準地震動に対応するとともに、地震に対する残余のリスクの評価に資するため、SG伝熱管群の耐震評価手法の高度化を検討した。また、除熱特性を向上した三角配列伝熱管蒸気発生器の伝熱管流動励起振動評価手法を確立した。

伝熱管全数試験装置の外観

《炉心の安全性高度化》(PWR)

現行PWR炉心に比べ、制御棒を中心とした炉心の制御能力を大幅に強化し安全停止能力を高めるとともに、炉心の可燃毒物使用の拡大により、ほう酸廃棄物を削減し環境負荷の低減を図ることを目的とし、炉心の安全性を高度化する開発を行った。

《安全システムの高度化》(PWR)

事故時の蒸気発生器(SG)による冷却手段の高度化のために炉心冷却機能を試験で確認すると共に、最終ヒートシンク多様化のために非常用冷却システムの空冷ユニットの耐震性を確認し、これらの安全システムが安全設備としての要件を満たすことを確認した。

《溶融デブリ炉内保持(IVR)の開発》(PWR)

溶融デブリ炉内保持(IVR)に関して、炉心溶融時のデブリ状態評価や原子炉容器(RV)構造健全性の評価、及びRV外部冠水時のRV壁面の冷却性能に関する試験データを取得し、IVRの評価手法を開発するとともに、IVRの成立性の確認を行った。

IVR概念図(AP1000の例)

  • 本ページに掲載されている文章・図・写真等は、原子炉メーカ・電力会社・エネ総研による共同研究(先進建設工法の開発は建設会社を含む)の成果物です。これらの著作権は、共同研究の実施者が共同または単独で保有します。無断での転載・利用は固くお断りいたします。

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