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炭素循環エネルギーグループ

グループのミッション

地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」にて、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする、という目標が掲げられました。その実現には、2050年までに世界全体の温室効果ガス(GHG)の排出を、森林吸収分などを差し引いて実質ゼロにする必要があると言われています。昨今、世界中で発生する異常気象も相まって、世界各国がその対策に本気で取り組み始めました。欧州連合(EU)は「2050年までに実質ゼロ」、中国も「2060年までに実質ゼロ」を目指すことを宣言する中、我が国もそれに追随する形で、これまでの「2050年までに80%削減」から、「2050年までに実質ゼロ」を目標にすることを2020年10月に宣言しました。
しかし脱炭素社会の実現は一朝一夕にはいきません。我が国は、一次エネルギーのほとんどを海外からの輸入に頼っており、これを国内の再生可能エネルギーで全て賄うことは困難です。最も重要なことは、既存の技術やインフラを最大限活用しながら、脱炭素化社会に向けてどのようにエネルギー転換していくのか、を考えることです。つまり、GHGの排出を実質ゼロにするためには、国内外の再生可能エネルギーの利活用と、既存の技術やインフラを最大限活用できる炭素循環(カーボンリサイクル)エネルギーシステムを構築することが必須なのではないかと考えています。
これまで、炭素循環エネルギーグループ(旧・化石燃料グループ)では、我が国のエネルギーの安定供給とCO2排出量削減のために、化石燃料を如何に確保し、またそれを如何に効率良く利用し、排出されたCO2をどの様に処理すべきかを念頭に置きながら、各々の技術やプロセスをどのようにCO2排出量の削減につなげていくかについて検証するとともに、諸々の技術開発の課題を明らかにしてきました。これに対し、「2050年までにGHG排出量を実質ゼロ」とする目標の達成には、化石燃料を使用せずして我が国のエネルギー供給を成立させよ、とのメッセージに読み替えることができ、より一層の高いハードルをもつ課題を突き付けられたと言っても過言ではないでしょう。
炭素循環エネルギーグループは、従来の化石燃料の確保、安定供給、高効率利用、CO2対策のみならず、この高いハードルをもつ課題を解決すべく、国内外の再生可能エネルギー由来の電力、水素、合成燃料、カーボンリサイクル関連技術などをベースとした我が国独自のエネルギーシステムの構築に向けて、研究開発、技術調査、経済性評価などの研究を実施して参ります。

炭素循環エネルギーグループの調査領域

炭素循環エネルギーシステムの全体像

これからの課題

化石燃料の高度利用技術の開発と普及

  • 各国の一次エネルギー源の状況把握と我が国の先進火力発電技術の海外普及に関する調査
    • 各国の各種一次エネルギー源(石炭、天然ガス、石油など)の供給・消費動向、各種規制、高効率火力発電技術やCCT(Clean Coal Technology)技術の普及状況、我が国の先進火力発電技術の市場展開に関する調査研究
    • エネルギー安定供給のための海外資源(低品位炭、天然ガスなど)の開拓や、その有効利用技術に関する調査研究と技術開発

化石燃料削減に向けたエネルギー利活用に関する調査

  • CO2排出量削減に向けた化石燃料削減(省エネ)技術等の検討
    • 生産プロセスの改善および廃熱の有効利用による省エネ型廃熱利用発電技術の調査
    • 工業地帯での産業間エネルギー連携によるCO2削減マネジメントに関する事業性調査や評価

カーボンリサイクル技術に関する調査および研究開発

  • CO2分離・回収・輸送・貯留技術に関する調査研究
    • CO2分離・回収型IGCC(Integrated Coal Gasification Combined Cycle)の実用化に向けた技術開発動向および市場動向の調査
    • CO2貯留技術(Carbon Capture and Storage)の開発動向調査
  • CO2有効利用技術に関する調査研究
    • CO2からの化成品および合成燃料の製造技術に関する動向調査
    • 海外の再生可能エネルギーを利用したCO2フリー燃料製造の可能性、市場性、環境性、経済性等に関する調査
    • CO2の炭酸塩等による固定化技術に関する調査
  • カーボンリサイクル(炭素循環)エネルギーシステムに関する調査研究
    • 各国のエネルギーフローや地政学的知見に基づく再生可能エネルギーポテンシャルやCO2排出源および排出量の調査
    • カーボンリサイクルに関連するCO2有効利用技術(Carbon Capture and Utilization)に関する調査研究
    • カーボンリサイクル技術を中心としたエネルギーシステムに関する研究

その他

  • カーボンリサイクル(炭素循環)エネルギーシステム構築に関する技術研究会
    • 人為的炭素循環(ACC)技術研究会(Society of Anthropogenic Carbon Cycle Technology)
  • 再生可能エネルギー有効利用システム構築に関する技術研究会
    • 太陽熱・蓄熱技術(STE)研究会(Concentrating Solar Thermal Energy Society)

研究の進め方

炭素循環エネルギーグループでは、長年に渡り化石燃料・資源全般に関する調査研究、天然ガス、石油、石炭の利活用技術に関する研究開発や調査研究を進めてきました。今後は、2050年までにGHG排出量を実質ゼロにすることを目指して、化石燃料・資源のあり方や利用方法を根底から見直し、化石エネルギーから再生可能エネルギーへとエネルギーシフトするための道筋や、そこに必要な新しい技術、新しいプロセスを含めた様々なアイデアを提案し、技術開発、経済性評価や市場性を踏まえながら我が国独自のエネルギーシステムの構築に貢献して参ります。
とは言え、化石エネルギーから再生可能エネルギーへのエネルギーシフトは一朝一夕に実現するものではありません。既存のエネルギーシステムを最大限活用し、経済活動を維持・継続しながら徐々にエネルギーシフトさせ、CO2排出量の削減を図っていくことが肝要です。そして、その方法は業種によって異なっている筈です。そこで、炭素循環エネルギーグループでは、国や民間企業と共同で、次に示すような方法で調査を進め、将来の目標達成を目指して次のステップに進めるようにいたします。

  • 各部門(発電部門、産業部門、運輸部門、民生部門など)ごと、事業ごとのエネルギー消費状況を把握しながら、エネルギー転換技術の導入方法の調査や、最適な転換技術や転換プロセスの調査、検討を実施し、各々評価する。
  • 提案技術やプロセスを基に、民間企業と共同で新しい事業テーマを発案し、国やNEDOに提案しながら新しいプロジェクトを立ち上げる。
  • 特定のテーマに関心の高い関係者(事業者)を中心として研究会等を設立し、民間企業、研究機関、大学等が情報交換や情報共有できる場を設け、国やNEDOに提案できる新たなプロジェクトを発案していく。

研究成果

炭素循環エネルギーグループにおける自主研究の成果、国やNEDOの調査研究の成果としては以下のようなものがあります。化石燃料・資源の利活用をはじめとする新しい技術開発などに関し、長年に渡る調査研究、研究開発に培われた豊富な知識や経験を有しています。

  • <非在来型原油、天然ガス>
    • タイトオイルなどの非在来型原油やシェールガス、メタンハイドレートなどの非在来型天然ガスの将来動向や我が国への影響等に関する検討
  • <天然ガス系エネルギー>
    • 石炭からの代替天然ガス製造などの製造技術に関する調査研究
    • CO2削減に寄与するシステム技術の調査研究
    • 高温COG(コークス炉ガス)を改質して水素やメタノールなどの化学品を製造する技術開発
  • <石油系エネルギー>
    • 新燃料やそれを含有する新たな燃料等の利便性、経済性、市場性等の評価に関する調査研究
  • <石炭利用技術>
    • 低品位炭からの高機能粘結材の製造と利用技術に関する研究
    • 石炭起源の低炭素燃料の導入可能性に関する調査研究
    • CO2回収型革新的高効率石炭火力発電技術に関する調査研究
    • CO2分離型化学燃焼石炭利用技術(ケミカルルーピング)などの新技術に関する調査研究
    • 石炭利活用全般に関する調査研究
  • <その他>
    • 次世代火力発電技術ロードマップの策定や省エネルギー戦略の作成などの施策支援
    • エネルギー・環境分野における革新的技術に関するポテンシャル調査や、2050年頃における将来のエネルギー像の描出等に関する調査(NESTI2050重点技術に関する調査など)
    • 石油関連プラント設備等の寿命予測に関する調査研究
    • 太陽熱などの再生エネルギーと化石燃料を組み合わせた新しいシステム技術の調査検討
    • CO2有効利用技術の開発
以上

連絡先

氏名 E-mail
部長  橋﨑 克雄

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