グループのミッション

地球環境グループは、長期的視点から地球環境およびエネルギー問題を解決するための事項を自然科学、社会、技術の側面から総合的に評価することをミッションとしています。

気候変動問題ではパリ協定の合意、SDGsのビジョン共有を経て、具体的かつ実効的な対策が必要とされています。また、脱炭素社会という高い目標の実現、変化の早い世界情勢への対応、技術進展による長期的な社会変化などが構成する多様な将来像に対する個別事項の評価も求められています。
地球環境グループは、このような複雑かつ多角的な分析を必要とする事項に対して、エネルギーシステムを総合的に評価する研究を進めています。具体的には、温暖化対策技術の導入可能性評価を意図して、化石燃料や再生可能エネルギー、原子力の利用、省エネルギー技術からCO2回収貯留にいたるエネルギーシステムの総合的な検討により、CO2などの排出量削減を進めるべく研究を進めています。統合評価では、社会経済面、技術面における背景と動向を正確に把握するとともに、その相互作用を明らかにするため各種ツールを用いて分析しています。
これらの成果は国際的に発信し、企業活動や政策提言に資する情報提供を実施しています。

ソリューション提供

関連する対策技術:再生可能エネルギー、CCS (CO2回収貯留) 、省エネルギー、NETs (Negative Emission Technologies) 、SDG 7 (Affordable and clean energy) 、エネルギー環境システム等

注目している技術の導入可能性や市場規模などを探りたい 大幅なCO2削減を前提とした場合の特定分野における変化を探りたい

活動実績

国、国立研究開発法人および民間企業などの依頼に対して地球環境全般に関する評価、技術や政策動向調査を実施しています。調査においては、当研究所の再生可能エネルギー、水素エネルギー、化石エネルギー利用、原子力、省エネルギー、ネガティブエミッションなどの専門家の知見を踏まえた情報を反映し、エネルギー需給、地球環境への影響や技術導入可能性評価を実施しています。評価分析においては、統合評価モデル、エネルギー需給モデルなどの分析ツールを用います。
当グループにおける調査研究の成果は、国、NEDO等の報告書として公開、学会発表、研究論文、国際機関報告書(IPCC等)への引用をはじめとした学術的な貢献、行政施策への反映がなされています。

  • 統合評価モデル研究

地球環境統合評価モデル(GRAPE)による、今世紀末までの長期にわたるエネルギー・経済・気候変動・環境インパクトに関する調査研究

  • エネルギーモデル研究

GRAPEのエネルギーモジュールを用いた超長期世界エネルギー需給およびCO2削減ポテンシャル評価、および日本エネルギーモデル(TIMES-Japan)による、今世紀中葉までの日本のエネルギー需給およびCO2削減ポテンシャル評価

  • パリ協定・脱炭素社会等への対応についての調査研究

中長期の気候変動政策枠組に関する制度調査

  • 地球環境問題への取組みに関する最新情報交換と発信

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)・国際エネルギー機関(IEA)への貢献、米スタンフォード大学エネルギーモデリングフォーラムなどへの参画と情報発信,気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC COP)での情報発信

  • 地球温暖化以外の個別分野調査

廃棄物問題などの個別環境問題に関する調査

  • 国際標準化への対応

CO2回収・貯留に関する国際標準化(ISO)活動に参画

  • 国際的エネルギー研究開発促進活動への貢献

国際エネルギー機関(IEA)の研究開発プライオリティ設定専門家会議(EGRD)に参画

主要研究メンバー

黒沢 厚志

氏名 黒沢厚志 (Atsushi Kurosawa)
学位 博士 (工学)
専門分野 地球環境・エネルギーのシステム分析,エネルギー技術戦略
主要研究/成果  地球環境システム分析(GRAPEモデル),日本エネルギーシステム分析(TIMES-Japan),エネルギー技術ロードマップ
所属学会 エネルギー・資源学会,環境経済政策学会,化学工学会,日本エネルギー学会,日本オペレーションズ・リサーチ学会,International Association for Energy Economics
その他 国際エネルギー機関(IEA)研究開発プライオリティ設定専門家会議(EGRD)副議長

加藤 悦史

氏名 加藤悦史 (Etsushi Kato)
学位 博士 (地球環境科学)
専門分野 地球規模の炭素循環、統合評価モデルおよびエネルギーシステムモデル分析、ネガティブエミッション技術
主要研究/成果 Global Carbon Budget、正味ゼロ排出に向けたエネルギーシステム分析
所属学会 エネルギー・資源学会、日本気象学会、American Geophysical Union
その他 Associate Editor of Frontiers in Climate

井上 智弘

氏名 井上智弘 (Toshihiro Inoue)
学位 博士 (工学)
専門分野 エネルギーシステム分析、技術経済分析(太陽光発電、風力発電等)
主要研究/成果 エネルギーシステムモデルを用いた再生可能エネルギーの評価、エネルギー需要分析
所属学会 エネルギー・資源学会、電気学会、風力エネルギー学会


連絡先

氏名 E-mail
部長 黒沢 厚志

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