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平成30年度調査研究要旨集

平成30年度調査研究要旨集

 この要旨集は、当研究所の平成30年度の調査研究活動等の成果としてとりまとめられたものの要旨と報告書の目次を収録したものである。平成29年度以前にとりまとめられたものについては、バックナンバーをご覧いただきたい。
本要旨集が関係各位のご参考になるとともに、当研究所の事業に対するご理解の一助となれば幸いである。

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目次
※各項目をクリックすると詳細ページが示されます
1.エネルギー技術全般2.新エネルギー・省エネルギー・電力システム関連3.水素エネルギー関連4.化石エネルギー関連5.原子力関連6.国際標準関連

1.エネルギー技術全般

(ア)地球規模でのエネルギーシステムに関する調査研究

1.1 日本における長期地球温暖化対策経路の複数モデルを用いた評価と不確実性の分析

(プロジェクト名) 日本における長期地球温暖化対策経路の複数モデルを用いた評価と不確実性の分析
(報告書名) 環境研究総合推進費「日本における長期地球温暖化対策経路の複数モデルを用いた評価と不確実性の分析」(2-1704) 平成30年度 委託研究実績報告書
(報告書番号) IAE-1818201
(発行年月) 2019年4月
(要 旨) 緩和策にとって重要な技術(二次電池と負の排出技術(NETs))について、イノベーションに関する文献を同定した。
二次電池のコスト動向の分析やヒアリング、ロードマップや学習曲線に基づいた将来コスト推計の文献を対象にし、コスト要因の分解などから車載用二次電池の将来コスト推計をまとめ、幅を持った複数の価格シナリオを設定した。この値は、2030年頃までにおいて、低位ケースで100$/kWh、中位ケースで150$/kWh、高位ケースで200$/kWh程度であり、実勢価格も低位ケースのレベルに近づきつつある。2050年の推定値としては、次世代技術群により、セル材料のkWhあたり価格の低下可能性がある一方、モジュール化、パック化の材料コストはそれほど大きなコスト低下は見込めないと考えられる。そのため低位ケース50$/kWh、標準ケース75$/kWh、高位ケース100$/kWh 程度の幅と設定した。
負の排出技術としては日本におけるCCS 付きバイオマス(BECCS)の導入可能性についてさらに詳細な検討を行い、排出削減努力が現在比80%を超えるケースにおける役割を分析した。さらに、負の排出技術として、直接空気回収 (DAC) 技術についても文献よりパラメータを抽出し、モデル化および今世紀後半ネット・ゼロ排出に向けた試算を行った。
また、前年度での分析より、産業部門において技術イノベーションによる更なる排出削減の必要性が明らかになった。このため、鉄鋼部門における水素を利用した直接還元製鉄技術の文献を同定し、モデル化検討および試算を行った。
(目 次) 1. 研究の実施日程
2. 研究の実績の説明
2.(1) 成果の概要
2.(2) 成果一覧

1.2 エネルギー・環境技術の世界的なイノベーション促進・普及に向けた動向等調査

(プロジェクト名) 「Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)」の実施に係る運営業務
(報告書名) 「Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)」の実施に係る運営業務 報告書
(報告書番号) IAE-1818509
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 二酸化炭素の直接空気回収(DAC)ロードマップでは、ネガティブエミッション技術におけるDACの位置づけを整理するとともに、DAC技術の分類(液体吸収、固体吸着など)およびパイロットスケール実証例の紹介、DACの長期開発目標としてCO2利用製品寿命とライフサイクル評価、コスト低減の可能性、技術開発の考察・分析を行った。さらに政府や産業界はDACの開発および普及を支援する上で重要な役割を担っており、様々な政策ツール検討(研究開発、税、導入義務、炭素価格、官民協力、政府調達等)が必要であることを挙げた。ステートメントでは、ICEF2018での各議論の結果として得られた、将来のイノベーションの実現と普及に向け必要とされる公的機関および産業部門の行動を、「Inspire」、「Involve」、「Internationalize」の3つの柱に基づく11のキーアクションとしてまとめた。イノベーション実現に向けた情報収集では、イノベーションを加速させるための具体的な参考事例として米国のARPA-E、EUのHORIZON2020などでプログラムに採択され、成功を収めているとされるイノベーション技術について概要を取りまとめた。また、最近、技術開発進展が著しい中国について、政策動向や技術開発投資状況の概要を取りまとめた。
(目 次) 1.概要
2.運営委員会事務局の運営と付随周辺動向調査等
3.フォーラム広報業務
4.フォーラム事務局等運営業務
5.フォーラム運営
6.記録写真

1.3 中長期的に重要となる環境技術等に関する調査

(プロジェクト名) 平成30年度 地球温暖化問題等対策調査(中長期的に重要となる環境技術等に関する調査)
(報告書名) 平成30年度 地球温暖化問題等対策調査(中長期に重要となる環境技術等に関する調査)報告書
(報告書番号) IAE-1818109
(発行年月) 2018年1月
(要 旨) 世界のエネルギー・環境問題の解決に資する中長期的に重要となる環境技術について、国内外における研究開発動向や普及に向けた課題等の調査・分析を行うとともに、経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構主催により、毎年10月に開催する国際会議「Innovation for Cool Earth Forum (ICEF)」において、選定テーマに関する分科会の企画及び運営を実施した。テーマは原子力と脱炭素化に向けた産業界の貢献の2テーマとした。
原子力については、各国の原子力の開発状況、特に最近注目されている小型モジュール炉(SMR)についての開発状況を紹介するとともに、米、英、加などにおける原子力の支援策についても調査した。
脱炭素化に向けた産業界の貢献については、主要産業における製造時のCO2 排出削減に向けた技術開発動向を紹介するとともに、製品のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する方策について議論した。
さらにそれを普及させていくための方策についても議論した。
分科会の運営については、委託元や座長と相談しつつ、講演候補者との連絡調整を行った。また、当日の分科会運営及び同分科会における議事の取りまとめを行った。
原子力分科会では、まず各講演者から、主に、中小型炉、革新的原子炉を対象として研究開発の現状が紹介された。その後のパネルディスカッションでは、コスト削減の重要性、放射性廃棄物の減容など発電以外の付加価値、開発支援策、規制との関係などについて議論された。
脱炭素化に向けた産業界の貢献の分科会では、まず脱炭素化に向けて様々な活動を実施している企業2 社から、どのような事業を実施し、その活動内容をどのように投資家に開示しているかについて紹介した。その後その活動を支えるライフサイクルアセスメントの考え方の重要性や、金融セクターを巻き込んだ温暖化対策について紹介した。
(目 次) 1. はじめに
1.1 目的
1.2 内容
2. 中長期的な観点から重要となる環境技術等に関する調査・分析
2.1 国内外における原子力の現状と課題
2.2 国内外におけるCCS の現状と課題
3. 分科会の企画・運営
3.1 原子力
3.2 CCS 分科会
4. おわりに

1.4 ミッション・イノベーションを通じた国際連携に関する取組等調査

(プロジェクト名) 地球温暖化対策における国際機関等連携事業 (ミッション・イノベーションを通じた国際連携に関する取組等調査)
(報告書名) 地球温暖化対策における国際機関等連携事業 (ミッション・イノベーションを通じた国際連携に関する取組等調査)報告書
(報告書番号) IAE-1818111
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 「ミッション・イノベーション(MI)」に係る取組を通じて、各国の政策動向、及び各分野での各国の技術動向・研究開発動向の調査を行って、国内の技術動向・研究開発動向と比較分析するとともに、特定分野において経済性、LCA の試算などを踏まえながら技術比較及びビジネスモデルを検討し、我が国が他国と連携出来る案件の模索を目的とした検討を実施した。
まず、MIに関連する会合等(第4 回事務方会合、イノベーション・チャレンジ(IC)のワークショップ等、電話会議、Mission Innovation Webinar Series)を対象として、国内外における環境技術の開発や普及における現状と課題、国際連携等について最新動向を踏まえた調査を行った。
次に、ICの対象8 分野から4 分野(IC3:Carbon Capture, Utilization, and Storage、IC5:Converting Sunlight、IC7:Affordable Heating and Cooling of Buildings、IC8:Renewable and Clean Hydrogen)を選定して、各分野での研究開発への取組が活発な国と我が国の技術動向・研究開発動向を研究者・研究室レベル・具体的技術課題レベルで比較し、日本の強み・弱み及びその要因を調査・分析して、リスト化した。
上記検討を踏まえつつ、並行して、クリーン・エネルギーに関連する3分野(A:産業部門の熱利用分野、B:産業部門の電化分野、C:エネルギーキャリア分野)を選定して研究会を開催し、各分野の研究者や産業界等のステークホルダーを含むメンバーで個別分野の技術課題を議論するとともに、各分野における技術課題について、ボトルネック課題、ビジネスモデルを含む経済性、LCAなどの試算の具体的な計算を含む深堀を行いながら検討した。A及びBの分野では、ニーズに由来する研究開発課題を抽出して、今後優先的に取り組むべき課題を選定した。Cの分野では、4種類のエネルギーキャリア(液化水素、MCH、アンモニア、メタネーションによるメタン)に対して共通の前提条件を複数設定して、経済性、環境性及びその他安全性等の評価・コメントを俯瞰的に整理し、さらに深堀検討すべき課題を抽出した。加えて、地球温暖化対策における我が国の国際社会での今後の連携の可能性を探るため、MI参加国が参加するクリーン・エネルギー分野の国際共同研究開発からタイプの異なる8事例を選んで成功のポイントと課題について調査し、類型を分析して、どの分野で国際連携案件の創出があり得るかを分析した。また、ICのワークショップ等に派遣した専門家2 名から、各々、ワークショップ等での議論の内容等を所属産業団体の会議体に報告いただくとともに、その報告内容も踏まえて、当該団体の会員企業または株主に対するアンケートにより、各分野における研究状況、国内企業の国際連携等に対する意欲や意見等の情報を収集した。さらに、MIにおける国際表彰で日本を代表して審査に当たる専門家1名を選定して審査員業務を委嘱し、ウェブトレーニングや審査活動を実施した。
(目 次) 1. はじめに
2. ミッション・イノベーションに関連する会合を通じた調査
2.1 第4 回事務方会合
2.2 イノベーション・チャレンジに関連するワークショップ等
2.3 電話会議
3. イノベーション・チャレンジ対象4分野の調査・分析
3.1 IC3: Carbon Capture, Utilization, and Storage
3.2 IC5: Converting Sunlight
3.3 IC7: Affordable Heating and Cooling of Buildings
3.4 IC8: Renewable and Clean Hydrogen
4. 研究会を通じた調査・分析
4.1 産業熱利用研究会
11
4.2 産業電化研究会
4.3 エネルギーキャリアの特性俯瞰研究会
5. 国際連携に関する分析及び実施
5.1 クリーン・エネルギー分野の国際共同研究開発の類型分析
5.2 国際連携等に関する国内企業等からの意見収集
5.3 ミッション・イノベーションにおける国際表彰に係る業務の実施
6. おわりに
7. APPENDIX 1: イノベーション・チャレンジのワークショップ等概要報告
8. APPENDIX 2: Mission Innovation Webinar Series 概要報告
9. APPENDIX 3: 研究会資料及び研究会における主な議論内容
10. APPENDIX 4: LCA 評価試算

1.5 TIMES-Japanモデルの改造

(プロジェクト名) Japan TIMES モデルの改造
(報告書名)
(報告書番号) IAE-1818304
(発行年月) 2019年2月
(要 旨) 地域や国レベルでのエネルギー経済モデルとして当研究所が基本モデルを提供しているTIMESモデルの日本版であるTIMES-Japanモデルには、CCS(二酸化炭素回収貯留)技術が組み入れられているが、CO2回収段階、輸送・圧入段階で、モデル分析の結果に大きな影響を与えうるパラメータ変更に対応できるように、また重要な競合技術の導入ができるよう以下の改造を行った。
span style=”padding-left: 15px; font-size: small;”>回収段階における排ガスのCO2回収率の違いに対する対応として、 90%の回収率に加えて、95%、99%(あるいは98%)に対応した。また、輸送・圧入段階における船舶輸送の輸送距離の変更への対応として、3つの輸送距離別の貯留上限とコスト設定データを設定して、モデルの改変を行った。さらに輸送・圧入段階における船舶輸送の燃料変更に対する対応として、天然ガスの燃料を利用する船舶に対応できるようにした。
(目 次) 1.目的
2.内容
2.1 CCS 導入に関するモデル変更
3.CCS に関するモデル変更
3.1 回収段階における排ガスのCO2 回収率の違いに対する対応
3.2 輸送・圧入段階における船舶輸送の輸送距離の変更への対応
3.3 輸送・圧入段階における船舶輸送の燃料変更に対する対応
3.4 その他の変更

(イ) その他

1.6 エネルギーに関する公衆の意識調査

(プロジェクト名) エネルギーに関する公衆の意識調査
(報告書名) 平成30年度エネルギーに関する公衆の意識調査報告書
(報告書番号) IAE-1828710
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 平成30年度は10月29日~11月11日にインターネット調査を実施した。これまでと同様、対象を首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の満20歳以上の男女、調査数を男女500名(男性249名、女性251名)、抽出法を割当法(2015年国勢調査による首都圏における性別・年代別人口構成に合わせ、回収数を割当てる方法。年代の区分は、20代、30代、40代、50代、60歳以上で実施)とした。調査項目は、意識の「変化」を比較するために、前回の調査と同様の質問を用いた。質問数は、(1)社会や生活に関する意識、(2)エネルギー問題に関する意識、(3)原子力発電に関する意識、(4)東電福島第一原子力発電所事故(以下「東電福一事故」という。)に関する意識、(5)回答者の分類(性別、年齢、職業)の5区分について、合計49 問とした。
平成30年度の結果と過去に同様の方法で実施した調査(東電福一事故前の平成22年10月、事故後の平成23年10月、平成24年11月、平成25年11月、平成26年11月、平成27年11月、平成28年11月、平成29年11月)の結果を比較し、首都圏住民の意識変化から、事故が与えた影響を考察した。
東電福一事故に対する関心度は、減少傾向にあるものの8 割を超える人たちが、現在も関心を持っている。その中で、原子力発電の利用、有用性および安全性などに関する意見は大きく否定的な方向に変化し、調査時点でも大きな変化は見られなかった。特に、原子力発電の利用や安全性については、否定的な意見が5割を超える状況が続いている。原子力発電所の再稼働についても、肯定的な意見が3割に満たないのに対して、否定的な意見が4割を超えているという状況に大きな変化は見られなかった。この否定的な意見は、男性よりも女性の方が、低い年代よりも高い年代の方が多い傾向にあった。
(目 次) まえがき
第1章 アンケート調査の概要
1.1 調査目的
1.2 調査設計
1.3 調査内容
第2章 アンケート調査の結果
2.1 公衆のエネルギー全般に関する意識
2.2 公衆の原子力発電に関する意識
結論

2.新エネルギー・省エネルギー・電力システム関連

(ア)次世代電力システムに関する調査研究

2.1 次世代電力ネットワーク研究会の運営

(プロジェクト名) 次世代電力ネットワーク研究会
(報告書名)
(報告書番号) IAE-1818901
(発行年月)
(要 旨) 平成30年度は、講演会を3回、見学会を1回、計4回の検討会を開催した。講演会のテーマは、至近の動向を考慮し、「VPP 実証事業」、「再生可能エネルギー導入と火力発電に与える影響」、「太陽光発電の普及拡大」とした。
見学会については、関西電力の基幹制御所や交直変換所を見学した。またシンポジウムについては、テーマを「将来の電力系統」とし、今後の電力インフラや風力発電側の対応動向、次世代電力需給プラットフォームなどについて、最新の取り組み状況も含め講演いただいた。
(目 次)

2.2 バーチャルパワープラントの構築に係る実証事業

(プロジェクト名) 平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業 V2G 調査業務
(報告書名) V2G 調査業務報告書
(報告書番号) IAE-1818108
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 補助事業に参加した4間接補助事業者の実施内容をもとに、公募要領に照らし合わせて横並びで比較し、さらに海外事例調査を加え、V2G 事業の課題としてとりまとめた。主に一般送配電事業者が必要とするピークシフト、出力抑制回避の対策、調整力提供、ダックカーブの緩和、電圧変動対策とも「可能性」について確認することができた。
V2Gを普及・事業化するためには、V2G に関係する一般送配電事業者、アグリゲーター、充放電システム、EV等の蓄電池搭載車間でのデータ交換や制御方式などに各社仕様または固有仕様が含まれていると、普及の阻害要因になり得るため、オープン化の考え方が重要である。オープンとは、関係者全てが従うべき標準化ではなく、既存の異なる制御システムや通信プロトコルを共通基盤の形で受け入れることである。我が国においても重要な指針になるものと考えて、米国で行われているOpen Vehicle Grid Integration Platformの事例紹介と提言を行った。V2Gのビジネス化については世界中の事例を調べたが、ビジネスとして成立しているのはデンマークのパーカープロジェクトだけであることがわかった。ユーティリティが有する業務用車両のEV10台を使う、業務用のため平日の走行パターン及び休日は駐車と利用できる時間帯が決まっている、営業時間外に電力系統と接続して需給市場に参加して周波数調整メニューに入札して収入を得る、というビジネスモデルであった。ただし、この例でも初期投資に相当するコストは補助金が出ていること、制御リソースとして電気自動車は一部に過ぎないことが判明している。本格的にビジネス化を目指すには、提供するサービスと対価を得るためのメニューのマッチングを第一義とし、次に提供するために必要なEV 台数の確保が挙げられる。対価メニュー、EV台数とも見通しレベルのままでは、具体的な検討に入れない。さらに充放電器については設置費用も含め低コスト化の見通しが得られていない。メニューとしては2021年に開設される需給調整市場を想定するのが妥当と思われるが、2018年10月時点で検討されている調整力メニューでは、最も少ない入札量でも1MW が要求される。10kW充放電をベースにして100台が確実に使えなければならず、EVだけのリソースで市場が求める仕様を満たすのは難しいと言える。単品で仕様を満たす量を調達するより、EVを各種リソースの一つとし、バーチャルパワープラント全体の枠組みに入ることでビジネスに参加することが現実的である。最後にEVに搭載される蓄電池をV2G目的で使用した場合の自動車メーカー保証が明確化されていない問題がある。実証事業においてもV2G実施について自動車メーカーへの事前通告を求められたり、電池残存容量を指標とする利用制約を課せられた例があった。V2Gモードで使うと蓄電池の劣化を速め、寿命が短くなるとの指摘が米国の研究機関から出されており、充電と放電サイクルのトータル回数、サイクルごとの放電深度、そして温度影響がV2Gに関連する。しかし自動車メーカーが自ら、V2Gによる電池の劣化の実証は行っておらず、問題の認識レベルで留まってる。自動車メーカーとしての見解が出ることが望ましい。
(目 次) 1.事業者実施内容・結果の充足度
(1) 調査方法
(2) 4事業者の実証成果概観
2.海外事例等の調査
(1) V2Gの可能性検証
(2) EV制御システムの開発と検証
(3) 系統連系機能付き充放電スタンドの認証制度の整備への協力
(4) 通信規格の整備への協力
(5) SOC情報活用可能性の検討
(6) ビジネスモデルの検証
3.V2G 事業に向けての課題
付録:あらゆるEV メーカーのEVリソースを系統へ組込むオープン共通基盤

2.3 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発①

(プロジェクト名) 平成29年度 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業費補助金
(報告書名) 平成29年度 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業 成果報告書
(報告書番号) IAE-1818101
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 連系線は、事故(送電線の切断等)が生じた場合でも安全に運転ができるように一定程度の空き容量を確保した上で利用されている。一方、連系線事故発生時において発電所を瞬時に系統から遮断することが可能となれば、連系線の利用量を増やすことができ、結果として連系線事故以外の通常時の再生可能エネルギーの出力制御量の低減が可能となる。
そこで、再生可能エネルギーの出力制御の可能性がある九州エリアの関門連系線の事故発生時に瞬時に系統から遮断できる「転送遮断システム」(IoT技術等を活用して発電所の発電量等をリアルタイムで取込み、自動演算により必要制御量を計算し、遮断する対象発電所を瞬時に決定するシステム)を開発した。本システムの開発により、関門連系線の利用量を30 万kW 拡大し、九州エリア外への再生可能エネルギーの送電可能量を拡大することで、九州エリア内の再生可能エネルギー出力制御量の低減を可能とした。
また、将来の転送遮断システムの遮断対象箇所の拡大を目的として、出力予測が難しく、事前に発電出力の把握が困難な太陽光、風力発電の転送遮断システムとしての制御対象の効果について、当該電源の出力予測値と実績値を分析・評価した結果、地理的に離れた複数箇所の発電所を制御対象とすることで、一定程度の制御効果が期待できることを明らかにした。
また、将来の転送遮断システムの通信構築費用のコスト低減を目的として、携帯無線回線による簡易伝送システムを構築し、伝送性能(伝送遅延時間、受信率)を分析・評価した結果、転送遮断システムへの適用は難しく、当該伝送システムのさらなる伝送性能の向上が必要であることがわかった。一方、即応性を必要としない用途(送電線の過負荷対策など)には適用の可能性があることを示した。
また、今回開発した転送遮断システムの他エリアへの適用可能性を検討した結果、関門連系線と同じ運用ルールの他エリア連系線に対して、基本的に適用可能性があることを示した。一方、他エリアへの展開にあたっては、他エリア連系線の系統状況や既存の自動給電システムとの連携に対応するための詳細な仕様検討が必要となる。
(目 次) 第1編 事業概要
第2編 事業成果の他エリアへの活用方法の検討
第3編 平成29年度 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業 成果報告書
1章 事業の目的
2章 事業の概要
3章 転送遮断システムの開発
4章 自然変動電源の制御対象の実効性検証
5章 IoT技術を活用した通信システムの実効性検証
6章 他一般送配電事業者エリアへの展開
7章 まとめと課題
付録

2.3 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発②

(プロジェクト名) 平成30年度 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業費補助金金
(報告書名) 平成30年度 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業 成果報告書
(報告書番号) IAE-1818102
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 再生可能エネルギーを出力制御する場合、遠隔で出力制御を行える装置を設置していない発電事業者に対しては、前日に電話やメールにて指令を伝達し、発電事業者は指令を確認した後に出力制御を行っている。このため、指令通りに出力制御が行われない場合も想定されるため、系統運用者は実際に必要な量より多くの出力制御指令を出す必要がある。
そこで、再生可能エネルギーの出力制御の可能性がある九州エリアにおいて、遠隔出力制御装置を設置していない発電事業者に発電実績計測器を設置するとともに、指令どおり出力制御が行われたか、人手を介さず遠隔かつ瞬時に確認できる「出力制御実施状況確認システム」を開発した。本システムの開発により、実運用の出力制御を通じて、九州エリア内の一部の発電事業者の出力制御未対応状態を改善するとともに、発電事業者間の公平性の確保を可能とした。また、他エリアへの展開を見据え、今後普及が想定される高圧スマートメータの計測データを活用できるように、スマートメータ管理システムと出力制御実施状況確認システムの連携を行った。

また、今回開発した出力制御実施状況確認システムで得られた、各発電事業者の出力制御実施状況の統計データを活用し、出力制御に応じない発電事業者を精度良く予測して、再生可能エネルギーの発電機会を最大限確保するための出力制御の経済的調整手法を開発した。本手法の導入効果をシミュレーションにより検証した結果、必要以上の出力制御指令を回避し、九州エリア内において、年間数億円規模の再生可能エネルギーの発電機会逸失を回避できる可能性を示した。なお、出力制御指令は国のルールに則って行われることから、本手法は他エリアにおいても展開できると考える。
(目 次) 第1編 事業概要
第2編 平成30年度 再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業 成果報告書
1章 事業の目的
2章 事業の概要
3章 出力制御実施状況確認システムの開発
4章 出力制御量の低減・経済的調整手法の確立
5章 他一般送配電事業者エリアへの展開
6章 まとめと課題
付録

2.4 脱炭素社会実現のためのエネルギーシステムに係るエネルギーマネジメントに関する研究

(プロジェクト名) SIP「脱炭素社会実現のためのエネルギーシステム」エネルギーマネジメント研究会
(報告書名) 「平成29年度CO2脱炭素社会実現のためのエネルギーシステム エネルギーマネジメント研究会成果報告書
(報告書番号) IAE-1818605
(発行年月) 2019年4月
(要 旨) 産官学の取り組みを通じて、温室効果ガスの抜本的排出削減に向けて早期に適用可能な基盤技術分野を特定し、社会実装を図るため、脱炭素社会を支えるエネルギーシステムを、System of Systems として統合的なエネルギーマネジメントのグランドデザインを目指すための研究を行った。具体的には①電力系統への再生可能エネルギーの導入、②分散電源としての再生可能エネルギーの導入という主題をもとに、「系統電力の脱炭素化」、「地域エネルギーシステム」、「運輸と電力の統合エネルギーマネジメントシステム」について事前調査、研究会、フォローアップを通して、今後脱炭素化を進めるための課題を整理し、展望を提言した。
系統電力の脱炭素化では、再生可能エネルギーの導入拡大に伴って電力系統に顕在化または顕在化しつつある課題を電圧変動、送電容量不足、周波数変動、需給バランスに整理し、課題に対する対応策を提示し、かつコスト、効果、環境影響の観点で評価した。さらに脱炭素化として再エネをCO2フリー水素の製造へ活用する手段が考えられており、コスト、効果、適用時期が明確化されていることを確認した。
地域エネルギーシステムでは、自治体をベースとした1200強の地域エネマネの調査事例があるため、まず類型整理を行った。類型の例としてはクラスター分析の提案、また再エネ大量導入を考慮した地域エネルギーマネジメントの検討では、小グリッドの提案が行われた。クラスター分析の場合、分類の切り口の考え方が重要であり、
・地域社会システムの特異性と普遍性の要因抽出と分析
・データ要因分析に基づく統合デザイン手法のモデル開発
を取り上げた。今後、これらの提案を融合させ類型を決定し、類型毎の脱炭素化の手段など、実現に必要な対策を整理していくことになる。
運輸と電力の統合エネルギーマネジメントシステムでは、EVと電力システムの統合はセクターカップリングを背景とし、需要家の観点を入れた三つ巴で考えることが指摘された。
再生可能エネルギーがもたらす余剰電力を効果的に使用する負荷としてEVがあり、さらに太陽光等の変動電源には調整能力が必要となるが、ここに電池が望まれるため、自動車と電力のマッチングは相性がよい。そこに需要家にとってのインセンティブの組合わせ方が重要である。EVを持つのが家庭でも事業者でも、サービスに参加し自分のエナジーストレージを行使し、インセンティブを多く得ることが最大の目的となる。EVと電力系統の統合によって多彩なサービスが考えられる。受益者も主としてEV利用者たる家庭、系統管理者、両者をつなぐ中間的なベンダーである。普及を念頭に置いた場合のコストの重要性は言うまでもない。ここまでの議論はV2Gを前提としている。
V2GはEVと電力系統統合によるサービスとして多くのメリットを有することは認識されているが、まだ課題が多いため、各地で実証実験が展開されており、そのポテンシャル並びに事業価値の評価と基盤技術は開発中である。とりわけ、EVの普及に伴い、『より安全に』『より効果的に』『より快適に』するために関連する多数の技術の確立が望まれている。
新たなエネルギー供給形態やスマート化が進展する電力系統及び運用をみると新たな事業の登場が考えられる。
これらは様々なシステムが連携あるいは統合というSystem of Systems の形態となるため、マネジメントのあり方が肝要であり、そのためにはエネルギーに関するデータの共有化が最重要課題である。
(目 次) 序章
第1章 研究のスコープ
1.1 対象としたSystem of Systems
1.2 評価指標
第2章 系統電力の脱炭素化
2.1 再生可能エネルギー大量導入に向けた電力系統側の検討
2.2 海外のCO2フリーエネルギーの導入
第3章 地域エネルギーシステム
3.1 全体像と対象領域
3.2 実現に必要な課題とその対策
第4章 運輸と電力の統合エネルギーマネジメントシステム
4.1 背景
4.2 実現に必要な課題とその対策
第5章 今後の課題と展望
5.1 評価指標に関する課題
5.2 各 System of Systemsに関する課題
5.3 エネルギーデータ関連の課題

(イ)再生可能エネルギーに関する調査研究

2.5 熱を活用した次世代型蓄エネルギー技術の検討

(プロジェクト名)
(報告書名) 平成30年度熱を活用した次世代型蓄エネルギー技術実用化推進事業委託業務
(報告書番号) IAE-1818205
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 2030 年度の温室効果ガス26%、2050年80%削減の実現に向けて、再生可能エネルギーの最大限の活用が必要であり、そのためには蓄エネルギー施設の導入が必須となる。そこで、蓄エネルギー技術の一つである蓄熱について、日本での実証を目指して、大容量蓄熱施設の設計検討を行った。本施設は、再エネ余剰電力などを一旦熱に変換して、蓄熱で平準化することで、用事に発電するものである。
海外では太陽熱発電に付随して多数の実績があるが、日本では実績がなかった。そこで試設計を行い、日本での建設に関しても法規等・許認可等問題がないことがわかった。予測建設コストは100MWh-th※規模にて約16億円となった。
電熱変換部は単純なヒーターが適用可能であるが、稼働率が低く発電コストに大きく影響する。そこでコスト低減を目指し、回転発熱機の実証可能性の検討を行った。誘導機型、誘導子型の二種類が、単位重量あたり発熱量および抜熱性能が良好であると、机上検討で有望な候補としてあげられた。コストも既存の抵抗型ヒーターよりも抑えられる。さらに同期機を用いるため系統安定化に必要な慣性力も持つ。
余剰電力を利用しての平準化であるため、年間を通して蓄エネルギーによる平準化が必要である。その際に蓄熱設備が大きくなるので蓄熱設備の更なる低コスト化・省スペース化についても検討した。海外で実証されつつあるサーモクライン方式が有望と分かったが、商用に向けての実証・実装には未だに技術的な課題がある。
全国7エリアの余剰電力発生量をシミュレートし、蓄熱発電の発電コストを推定した。推定には現状のPV導入量が2倍、3倍となった状況を想定した。蓄熱発電を新規に設置する場合には、最低でも22円/kWh となり、事業所に設置するには経済合理性がないことがわかった。しかし既存火力発電と蓄熱発電とのハイブリッド方式や次世代蓄熱発電であれば、数円/kWhレベルとなり事業採算性が見込めることを明らかにした。蓄熱発電の事業化については、再生可能エネルギーの普及の進展に合わせ、まずは、既設火力発電所の一定割合を蓄熱発電に置き換え、さらに普及が進んだ段階で、全量を次世代蓄熱技術にリプレースすることで、CO2の排出量の大幅削減に貢献できるシナリオを提示した。
全国の事業所を調査し熱電併給も含めた需要について調査を行った。炭素繊維産業などが蓄熱発電所の適用として有望な産業であることが判明している。
全世界の再エネ導入状況等も調査した。欧州などでは再エネ大量導入の状況にあっても今のところは顕著な電力コストの増加にはなっていないこと、さらに蓄熱発電所の実証計画が立ち上がりつつあることもわかった。技術的には熱電変換技術として超臨界二酸化炭素タービンの現状も調査し、米国で相当に進みつつある一方、日本はかなり遅れていることが判明した。
(目 次) 第I編 実施概要
第II編 内容
1. はじめに
2. 大容量蓄熱施設による蓄エネルギー技術の実証
3. 再エネ電力の低コスト熱変換機構の検討
4. 高度蓄熱技術に関する検討
5. 余剰再エネ電力の発生量及び購入価格に基づいた発電コストの検討
6. 蓄熱発電適用に関する初期的市場調査
7. 海外先行事例調査
8. 蓄熱発電の事業実現に関する課題について
9. 検討委員会及び招聘
10. まとめ

2.6 小水力発電所に係る電気事業法に基づく工事計画届出に関する調査

(プロジェクト名) 平成30年度電気工作物工事計画届出における添付書類の必要性検討に係る調査
(報告書名) 平成30年度電気工作物工事計画届出における添付書類の必要性検討に係る調査
(報告書番号) IAE-1818116
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 2012 年7 月のFIT 制度の創設、環境意識の高まりなどにより、燃料が不要でクリーンな小水力発電所が改めて注目されている。
小水力発電設備の設置には、電気事業法に基づく工事計画届出が必要で、その添付書類として、発電機および変圧器の短絡強度計算書が必要になる。一方、短絡強度計算書作成に係る負担を踏まえ、関係団体より規制緩和要望も出ている。そこで、大型の水力発電設備との構造の違いなどを踏まえ、短絡強度計算書の必要性を含む取り扱いについて技術的検討を行った。
関連法令、規格および国内外の文献調査を踏まえ、配電系統連系時の短絡時の挙動の検討、有識者委員会による審議、関係者へのインタビューにより調査・検討を進めた。
発電機については、大型水力では同期発電機が用いられるのに対して、小水力では安価で保守が容易な誘導発電機が用いられることが多い。しかし、誘導機は電動機として用いられることが多く、誘導発電機の短絡時の様相についての解析・検討事例は極めて少ない。誘導発電機は、短絡時に励磁電圧が急激に低下して残留電圧のみで発電を行うため、短絡電流は定格電流の数倍程度と大きいが継続時間が短いため安全上の問題はないとの考え方もあった。

本検討では、発電機の系統側直下短絡時の突発トルクが、最大トルクの2倍程度となり、最も厳しい条件となることを示した。
誘導発電機の強度計算の考え方・手法はメーカーにより異なり、弱点箇所もメーカー(製品)により異なっている。また、JEC、JISなどの規格には誘導発電機の短絡強度の規定はなく、標準的な短絡強度計算の評価手法もない。
電気事業法では、事業用電気工作物の技術基準への適合維持を求めており、安全を担保するためには、誘導発電機に関しては、製品ごとに弱点箇所を特定した短絡強度計算書を作成する必要があり、省略は困難であることを技術的根拠とともに示した。
変圧器については、小水力では、6kV 配電系統連系の昇圧用として、JEC、JIS規格品が使われることが多い。変圧器の短絡強度は、熱的強度と機械的強度の検討が必要であり、JEC、JIS 規格において、熱的強度および機械的強度の確認手法が規定されている。
また、熱的強度の計算手法は、JEC、JIS 規格で示されており、機械的強度の計算には、電気学会の手法が広く使われていることが分かった。
これらにより、小水力発電所に用いられる変圧器については、JEC、JIS規格適合品を用いる場合は、短絡強度計算書の省略が可能であることを技術的根拠とともに示した。
(目 次) 1.調査の背景・目的、実施内容
2.発電設備の短絡強度
3.発電機の調査結果
4.変圧器の調査結果
5.関係者へのインタビュー調査の結果
6.有識者委員会による審議結果
7.まとめ

2.7 バイオマス利活用に関する俯瞰的調査

(プロジェクト名) バイオマス分野に係る脱炭素社会を見据えたエネルギー活用に向けた調査/バイオマス利活用俯瞰的調査
(報告書名) 平成30年度成果報告書「バイオマス分野に係る脱炭素社会を見据えたエネルギー活用に向けた調査/バイオマス利活用俯瞰的調査」
(報告書番号) IAE-1818512
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 2012 年7 月のFIT 制度の創設、環境意識の高まりなどにより、燃料が不要でクリーンな小水力発電所が改めて注目されている。
2030 年における「長期エネルギー需給見通し」および2050 年の地球温暖化対策を鑑みると、バイオマスエネルギーの利用形態としてすでに取り組まれているFIT 制度に加え、地域自立システムの確立も重要であり、2020 年度以降の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)の技術戦略策定およびその先のバイオマス利活用の戦略策定を行うにあたり、幅広くかつ専門的・実践的な情報が必要となっている。
本調査では安定的かつ定常的に供給が可能なバイオマスを想定し、国内でエネルギー使用およびCO2排出量が多い部門である発電および熱利用などにバイオ燃料も加え、核となる要素技術、製造技術、経済性、社会システムなどの情報収集・全体俯瞰を行い、2020 年度以降のバイオマス利活用の戦略策定に活用することを目的として実施した。
バイオマス原料については国内で想定される主なバイオマス種類(「都市ごみ」「家畜糞尿」「木質系バイオマス」「農産廃棄物」「食品廃棄物」「廃食油」「草本系バイオマス」等)について、賦存量および業界・分野における調達・
使用状況(使用量・使用率)等に関する情報の収集・整理および分析を行った。
バイオマスの燃料変換技術および要素技術については上記整理・分析結果を念頭に置いたバイオマスの燃料変換技術およびそれらを構成する要素技術に関わるこれまでの経緯、利用状況、技術開発状況、今後の可能性等について情報の収集・整理および分析を行った。
バイオマスエネルギーの利用形態については同じく上記結果を踏まえ、バイオマスエネルギーの利用形態として、熱、発電、水素等といったエネルギー利用形態にかかる技術動向および将来の可能性にかかる情報の収集・整理および分析を行った。
さらに、バイオマス利活用に関わる副産物を含む経済性・市場性調査を踏まえた有望事業スキームを抽出するにあたり、バイオマス原料、燃料変換技術、およびエネルギー利用形態に関わる経済性や市場の分析・確認を行った。その際に、副産物の高付加価値化や副次的な有効活用や前提となる市場等も念頭とした出口戦略、並びに、研究開発の課題等についても情報の整理・分析を図り、CO2削減効果、収益性、国内エネルギー安定供給への貢献について評価を行った。
調査で得られた知見や評価結果を通じて、将来のバイオマスエネルギー分野にかかる技術開発・普及・サプライチェーン・政策・戦略等について、整理を図り、課題や方向性にかかる提言についてNEDO と検討・協議を図りながら考察・整理した結果、2020年度以降の戦略として、エネルギー基本計画でも謳われている「再生可能エネルギーの主力電源化への布石と低コスト化」に向けたFIT制度に頼らないバイオマスエネルギー利活用の事業化、および地域に分散しているバイオマスの活用対策が重要であること、2030~2050 年に向けてはこれらの戦略を後押しするような支援や規制緩和が必要であることを考察した。
それら戦略に資する技術開発案件としては小型のバイオマス熱利用および発電機器の低コスト化や高効率化、原料コストを低減するような林業・農業機械の自動化、燃料変換やエネルギー利用プロセスを効率的に運用するための前処理など周辺技術の高度化が有効であり、実証案件としては単体のバイオマスエネルギー利用事業のみならず、バイオマスからの高付加価値品製造や地域経済の循環を踏まえた地域システムの実証が必要であることを提言した。
(目 次) I. 成果概要
II. 本編
第1章 全体計画と実施状況
第2章 バイオマスを取り巻く状況
第3章 バイオマス原料調査
第4章 バイオマスの燃料変換技術および要素技術調査
第5章 バイオマスエネルギーの利用形態調査
第6章 バイオマス利活用に関わる副産物を含む経済性・市場性調査を踏まえた有望事業スキームの抽出
第7章 将来戦略に向けた課題の整理・提言
参考資料

(ウ)省エネルギーに関する調査研究

2.8 液式デシカントと水冷媒ヒートポンプの組合せによる高効率空調システムの開発

(プロジェクト名) 平成30年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(液式デシカントと水冷媒ヒートポンプの組合せによる高効率空調システムの開発)
(報告書名) 平成30年度 CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(液式デシカントと水冷媒ヒートポンプの組合せによる高効率空調システムの開発)委託業務
(報告書番号) IAE-1818202
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 液式デシカントと水冷媒ヒートポンプを組み合わせた空調システムにより年間CO2排出量が従来システム比40%以上削減可能な業務用空調システムを目標として開発を実施し、以下の結果を得た。
1.全体システム開発
液式デシカントと水冷媒ヒートポンプを組み合わせた実規模大の実証試験による各季節の代表条件を含む広い範囲の条件で性能検証を実施し、酷暑日に相当する代表条件(外気:温度34℃/絶対湿度20.3g/kg、給気:温度22℃/絶対湿度10.6g/kg、換排気:温度28℃/絶対湿度12.1g/kg、冷水:15℃、温水:35℃) における目標性能と、年間CO2 排出量の従来比40%以上の削減目標を達成した。併せて空調負荷追従性試験と溶液(LiCl)キャリーオーバー計測を実施し、良好な負荷追従制御性と溶液飛沫が外部飛散しないことを確認した。
12.液式デシカント装置の開発
処理空気/吸収溶液/冷温水との3流体熱交換方式を採用した液式デシカント装置を製作し、上記空調システムに組み込んで実証試験を実施し、所定の条件下において除湿性能の目標値を達成することを確認した。
吸収液循環に伴う消費電力も従来比 50%削減が達成できたことを確認した。
13.水冷媒ヒートポンプの開発
一般のヒートポンプ定格運転条件とは異なる冷水供給温度:15℃、温水供給温度:35℃での広い負荷範囲で安定した運転が可能であることを実証試験機により確認し、かつ定格負荷の成績係数目標値(COP≧7)を達成することを確認した。
14.導入可能性評価
地下鉄駅空調の計測・調査を行って負荷データを分析し、年間を通じた負荷変動のモデル化を実施した。実証試験結果を基に空調システムモデルを改良し、負荷変動モデルと空調システムモデルを用いた運用シミュレーションを実施して年間で従来比 40% 以上のCO2 削減が可能であるとの結果を得た。また、本実証事業で開発した空調システムを業務用空調として市場投入する場合の導入可能性について評価を実施した。
(目 次) 第1章 業務の目的
第2章 全体システム開発
第3章 液式デシカント装置の開発
第4章 水冷媒ヒートポンプの開発
第5章 導入可能性評価
第6章 検討会の開催
第7章 共同実施者との打合せ
第8章 学会等での公表・発表
第9章 成果のまとめ

2.9 廃棄物処理システム実証事業に関する実証要件適合性等調査

(プロジェクト名) エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業/廃棄物処理システム実証事業に関する実証要件適合性等調査(ロシア連邦ブリヤート共和国)
(報告書名) エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業/廃棄物処理システム実証事業に関する実証要件適合性等調査(ロシア連邦ブリヤート共和国)調査報告書
(報告書番号) IAE-1818507
(発行年月) 2018年6月
(要 旨) ロシア連邦(以下「連邦」という。)では、2000年代以来の著しい経済発展に伴い増加した廃棄物の埋め立て処理による環境汚染が社会的問題となり、廃棄物処理関係の法整備が進められている。これに対応し、適正に廃棄物を処理する廃棄物処理システムの導入が求められている。
本事業では、自然保護区に指定されているバイカル湖周辺に位置するブリヤート共和国(以下「共和国」という。)における最適な廃棄物処理システムを検討するとともに、廃棄物処理に係る法令等の整備状況や廃棄物処理事業の実態等の周辺状況を調査した。
また、共和国における廃棄物処理計画の策定状況、実証事業中及び実証事業終了後における実証設備の運用形態、実証終了後のビジネスプランの策定状況を確認した。
連邦では、廃棄物に関する制度改革が進められており、廃棄物処理の責任を市町村から州等の連邦構成主体への移管、有用な資源の分別の義務化等が計画されていることがわかった。また、共和国が接するバイカル湖は、自然環境の保護について連邦による規制、予算措置がなされていることがわかった。共和国(特に首都ウラン・ウデ市近郊)においても、廃棄物の最終処分場が逼迫する中で、バイカル湖保護という環境にも配慮した廃棄物処理の近代化が必要であることがわかった。こうした背景から、廃棄物処理システムを他地域に先行して共和国に導入する意義は大きい。
共和国に導入する廃棄物処理技術を検討したところ、最終処分量の縮減、灰の無害化、資源のリサイクルといった共和国のニーズを踏まえ、流動床式ガス化溶融炉が有効であることがわかった。なお、共和国の都市廃棄物の収集・処理の計画によると、廃棄物処理施設では、選別施設で選別された年間72,000トンのごみを処理し、回収エネルギーを当該施設の所内動力並びに地域熱供給に活用する計画となっている。これを踏まえ、施設の処理能力は日量240トンとし、回収エネルギーで所内動力2,200kWの発電をし、余剰分を地域熱供給施設への温水供給に充てる計画が効果的である。
事業化に向けては共和国の計画に設計、建設予算が計上され、それに必要な連邦政府からの補助金の獲得に向けた活動が行われている。さらに、運営資金については補助金、売熱収入、住民から徴収している廃棄物処理料の値上げ等が検討されている。また、体制面においては、設計、建設段階でそれぞれGeneral Designer、General Contractor が入札により選定され、設計、建設をとりまとめ、運営段階においては共和国が委託したプラントオペレータが運営することが想定されている。
流動床式ガス化溶融炉は、人口20~100万人未満の都市に好適であり、連邦では約100基の普及ポテンシャルがあることがわかった。その普及に対し、共和国は以下のような連邦、エリア、共和国の各レベルでの普及計画を策定している。
連邦レベルではBest Available Technology リストへの登録、ECOTECH 等の展示会でのアピール、エリアレベルでは近隣の州、共和国等へ本実証をアピール、その他政府使節団等の受け入れ、ガイドツアー実施、共和国レベルではサイトツアー実施、テレビやWeb での情報発信である。
技術上の課題としては、廃棄物処理施設が十分稼動できる廃棄物量の確保、選別方式、ごみ質の調査を踏まえた設計、運用計画、運転・メンテナンスの体制構築、回収金属・スラグの活用の検討、運転に必要な資材の確保である。
商務上の課題としては、建設資金、運転資金の確保、設計・建設体制の確保である。
(目 次) I 背景と目的、調査の概要
1. 調査の背景と目的
2. 調査方針と実施内容
3. 全体作業工程
4. 実施体制
II プロジェクトの概要
1. ブリヤート共和国の廃棄物管理の現状と問題・今後の課題
2. ブリヤート共和国の問題解決のための技術
III プロジェクトに関する外部環境
1. ブリヤート共和国の概要
2. ロシアの廃棄物管理制度改革とブリヤート共和国の課題
3. ブリヤート共和国の廃棄物管理の現状
IV 実証すべき技術の選定と技術的要件
1. ブリヤート共和国のニーズ
2. 技術の選定
3. 実証プラントの設計・建設・運営に関わる法規制
4. 基本設計
5. 運用と保守
6. コスト
7. 建設工程
V プロジェクトの計画
1. プロジェクトの予算措置
2. プロジェクトの体制
VI 実証事業後の普及可能性
1. ロシアの概要
2. ロシアの廃棄物処理の現状と課題
3. ロシアにおける廃棄物処理・流動床型ガス化溶融技術のニーズと普及可能性
VII 今後の課題
1. 技術上の課題
2. 商務上の課題
VIII まとめ
IX 参考
1. ブリヤート共和国のTerritorial Scheme の概要
2. ブリヤートのRegional Program の概要
3. ブリヤート共和国への提案(ブリヤート共和国において流動床式ガス化溶融炉を導入する際の留意事項)
引用文献

3.水素エネルギー関連

(ア)CO2フリーエネルギーの輸送・貯蔵媒体(キャリア)としての調査研究

3.1 CO2フリー水素普及シナリオ研究

(プロジェクト名) CO2フリー水素普及シナリオ研究
(報告書名) CO2フリー水素普及シナリオ研究 成果報告書(平成30年度)
(報告書番号) 当研究所HPにて公開(https://www.iae.or.jp/report/list/renewable_energy/action_plan/
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 「CO2フリー水素普及シナリオ研究会」を開催し、日本でのCO2フリー水素普及シナリオとシナリオ実現のストーリーを議論のたたき台としてまとめた。CO2フリー水素普及シナリオは2018 年5 月に閣議決定された第5 次「エネルギー基本計画」を反映するとともに、国内外のカーボンニュートラルなメタネーションメタン、アンモニアのガスタービンでの直接利用、水素還元製鉄等を盛込みブラッシュアップした。水素還元製鉄は、日本鉄鋼連盟が平成30 年11 月に長期温暖化対策ビジョン『ゼロカーボン・スチールへの挑戦』と題して発表しており、高炉を用いない究極の水素還元製鉄であるゼロカーボン・スチールを2050年に実機化する目標を明記している。
普及シナリオ実現のストーリーは、コストダウンに伴う各セクターの導入・普及の現状・将来見通しを示した。各セクターの導入・普及目標は、政府が明記している価格目標や普及目標以外に、製油所での普及や水素還元製鉄を示すとともに、LNG 導入経験を踏まえて、導入から普及にいたるステップ(導入決定、導入開始、規模拡大、自立的拡大)、導入・普及の主ドライバー(環境規制、エネルギーセキュリティー、税制優遇・補助金・融資制度)、価格設定の設計、コストダウン等についてまとめた。
水素需要推算は、2030 年と2050 年における日本のエネルギー需給構造及び水素需給構造、地政学的リスクファクターが水素導入にもたらす影響の分析、Joint Crediting Mechanism 的な技術移転の影響分析等を実施した。
海外再エネ由来水素チェーンの経済性は、サウジ太陽光由来の水素とパタゴニア風力由来水素の各々について、川崎重工業(株)が公開している液化・海上輸送のFS結果と組合せる形で検討した。サウジ太陽光発電電力の均等化発電原価が1.79米セント/kWhで、110円/ドルとすると1.97円/kWhとなり、その安い電力がそのまま使えるとすると、水の費用(1円/Nm3-H2)を含めた水素製造コストは19.0円/Nm3となり、輸入水素のCIFコストは32.7 円/Nm3となった。パタゴニア風力の場合、風力発電の当研究所想定電力単価は3.5円/kWh、電力費が15.5円/Nm3で、水素製造コストは22.1円/Nm3となり、輸入水素のCIFコストは38.2 円/Nm3となった。
また、経済産業省「CO2 フリー水素WG」で検討されたカーボンプライシングについて水素発電とLNG/石炭火力のパリティー条件を把握するとともに、CCSありLNG火力の発電単価を一例として当研究所にて推算した。水素発電とLNG 火力のパリティー条件は、2030 年断面で輸入水素のCIF 価格を30 円/Nm3 と設定するとCO2 削減価格は13.3 円/kg-CO2 と評価されている。一方、公開情報を基に当研究所が試算した一例では、2030年でCCSの建設費を62千円/kW、CCSありLNG火力の建設費を180千円/kW、送電端熱効率を47%(HHV)とすると、発電コストは14.1円/kWhとなり、発電等価水素は24円/Nm3となった。
(目 次) 1 概要
2 実施項目
3 実施体制・メンバー
4 成果
4.1 2018年度シナリオ研の総括
4.2 CO2フリー水素WGの総括
4.3 水素需要推算(シミュレーション)の総括
4.4 国内水素配送の絵姿
4.5 海外再エネ由来水素サプライチェーンの経済性
4.6 開発輸入水素の国富流出
4.7 CO2フリー水素普及シナリオ
4.8 水素関連の革新的技術
<添付資料>
<話題提供>

3.2 エネルギーキャリアの製造、輸送・貯蔵、利用を俯瞰した技術評価・分析

(プロジェクト名) エネルギーキャリアの製造、輸送・貯蔵、利用を俯瞰した技術評価・分析
(報告書名) 平成30年度成果報告書 エネルギーキャリアの製造、輸送・貯蔵、利用を俯瞰した技術評価・分析
(報告書番号) IAE-1818514
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 1.サプライチェーンの概念設計
水素等の様々なエネルギーキャリアに関して想定されるサプライチェーンの特性を俯瞰することを目的として、技術経済的分析を行った。まず、共通の前提条件(想定する時期や規模等)を決定し、次に水素製造、エネルギーキャリア合成、輸送、貯蔵、利用を含むサプライチェーンを概念設計した。液化水素、有機ハイドライド、アンモニア等の様々なエネルギーキャリアを検討し、想定した利用部門は、運輸、発電、既存産業分野における原料利用等である。
2.サプライチェーンの定量的分析
概念設計したサプライチェーンのエネルギー収支、CO2 排出量、経済性を分析した。分析は、水素製造、エネルギーキャリアの合成・輸送・貯蔵及び利用を組み合わせて行い、結果は利用技術で整理を行った。
さらに、考察として、エネルギー効率については検討結果と理論効率との比較、経済性については検討結果と現在の市場価格に基づく需要側が要求する許容コストとの比較、採用した前提条件及び検討結果とWE-NET プロジェクト等での調査時の想定条件及び定量評価結果とのそれぞれの比較を行った。
(目 次) 1. はじめに
2. サプライチェーンの概念設計
2.1 サプライチェーンの概要
2.2 共通条件
2.3 水素製造
2.4 長距離海上輸送(海外から日本国内への輸送)の条件
2.5 近・中距離陸上輸送(日本国内、欧州域内等での輸送)の条件
2.6 需要技術
3. サプライチェーンの定量的分析
3.1 分析結果
3.2 分析結果を用いた考察
4. まとめ

3.3 メタネーションによる合成メタンの経済性評価

(プロジェクト名) メタネーションによる合成メタンの経済性評
(報告書名) メタネーションによる合成メタンの経済性評価の調査報告書~国内配送~
(報告書番号) 当研究所HPにて公開(https://www.iae.or.jp/report/list/renewable_energy/metanation/
(発行年月) 2018年10月
(要 旨) 平成29年12月に策定された水素基本戦略 において、CO2フリー水素とCO2より合成(メタネーション)した合成メタンが水素キャリアのひとつとして位置づけられた。合成メタンは既存のエネルギー供給インフラを活用できることから、エネルギーキャリアとして大きなポテンシャルを有する。合成メタンの国内配送の経済性に関して、他のキャリア(液化水素、アンモニア、MCH)と比較し評価した。
国内配送の輸送手段は、ローリー輸送+サテライト基地、既設のパイプライン利用(メタンの託送供給)の2種類とした。メタンはメタンとして直接利用し、水素への変換は行わないものとした。アンモニアは水素に変換する場合と、アンモニアを直接利用(発電所等での直接燃焼)する場合の両方とした。国内配送の輸送手段およびエネルギーキャリアの水素変換・直接利用の組み合わせにより、6種類のケースについて経済性評価した。国内配送の輸送距離は、50km、100km、150km、200kmの4種類とした。国内配送のエネルギー輸送量は、メタン100万Nm3-CH4/年(水素換算312万Nm3-H2/年)とした。
エネルギー輸送量の規模(メタン100万Nm3-CH4/年、水素換算312万Nm3-H2/年)の場合、既設のパイプラインでのメタンの託送供給は、ローリー輸送による配送よりも経済性に優った。したがって、既設の都市ガスパイプラインが利用可能な地域で、都市ガス用途である場合には、既存パイプラインでのメタンの託送供給が経済性に優ることがわかった。既存のパイプラインが使用できない地域で、アンモニアやメタンを燃焼等で直接利用可能な用途である場合には、アンモニアやメタンをローリーで輸送する方法が経済性に優った。今回は、各エネルギーキャリアの国内配送に係る経済性の観点で評価を行ったが、需要家でのエネルギーの利用方法やインフラの整備状況を踏まえた社会資本の有効活用など社会全体としての経済性、CO2の有効利用や大気汚染も含めた環境性、長期的なシナリオを見据えた研究開発や資本投資など、今後さらなる総合的な検討が必要と考えられる。
(目 次) 1. 調査目的
2. 調査内容
3. 経済性評価の条件(全般)
3.1. エネルギー輸送量
3.2. コスト分析の方法
4. ローリー輸送+サテライト基地
4.1. ローリー輸送
4.1.1. 経済性評価の条件
4.1.2. コスト分析結果
4.2. サテライト基地
4.2.1. 経済性評価の条件
4.2.2. コスト分析結果
4.3. ローリー輸送+サテライト基地、コスト分析結果
5. 都市ガスパイプライン(既設利用、託送供給)
5.1. 託送の条件
5.2. 託送供給料金試算結果
6. コスト分析結果まとめ
6.1. 国内配送のコスト分析結果まとめ
6.2. 国際輸送+国内配送のコスト分析結果まとめ
7. 考察
8. 参考
8.1. 掲載グラフの数値データ

(イ)水素の利用技術に関する調査研究

3.4 再生可能エネルギー由来水素等を活用する低環境負荷な内燃機関自動車用燃料に関する調査

(プロジェクト名) 再生可能エネルギー由来水素等を活用する低環境負荷な内燃機関自動車用燃料に関する調査
(報告書名) 平成30年度成果報告書、再生可能エネルギー由来水素等を活用する低環境負荷な内燃機関自動車用燃料に関する調査
(報告書番号) IAE-1818513
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 内燃機関自動車用燃料に関する現状と今後の見通しについて、国内外の各地域における政策動向及び導入状況、今後の導入計画に関して調査、整理した。低環境負荷な内燃機関自動車用燃料に関して、国内外の技術開発動向を調査、整理(候補対象物質の物理化学特性、製造プロセス、安全性(人体、環境等)等)し、競合技術(ガソリン車及びディーゼル車(バイオ燃料利用も含む)、天然ガス自動車、電気自動車、燃料電池自動車)との比較を踏まえて、定量的分析の対象となる有望な合成燃料を複数抽出した。探索に当たっては、文献(論文等)、インターネット、学会、展示会等の情報を基に一次調査を行うとともに、特に有望な候補対象物質についてはヒアリング等を実施し、定量的分析に必要な情報を収集した。なお、当該調査等は再生可能エネルギー由来の電力により製造された水素等(PtoG)を原料として製造された低環境負荷な内燃機関自動車用燃料を対象とした。
抽出した有望な合成燃料に関して、原料から燃料製造、輸送・配送、利用までのサプライチェーンの概念設計を行い、①物質・エネルギー収支、②CO2 排出量(Well to Wheel)、③経済性を分析した。分析結果を基に、対象の合成燃料が競合技術に対して優位/劣位となるサプライチェーンの成立条件を整理し、その感度分析を行った。
原料としては、再生可能エネルギー電力(風力、太陽光)由来水素、バイオマス、天然ガス等を候補とした。
定量的分析の結果を基に、有望な合成燃料が内燃機関自動車用燃料として活用可能な国・地域、使われ方等を特定した上で、必要な技術開発課題や制度的課題等を示した。
(目 次) 1. はじめに
1.1 目的
1.2 内容
2. 低環境負荷な内燃機関自動車用燃料に関する動向の調査
2.1 内燃機関自動車用燃料の現状と今後の見通し
2.2 低環境負荷な内燃機関自動車用燃料の候補物質調査
2.3 定量分析に用いる合成燃料の選定
3. 定量的分析による技術評価
3.1 定量分析方法と前提条件
3.2 サプライチェーンの概念設計
3.3 定量分析結果
4. 導入に向けた課題の抽出
4.1 環境性
4.2 経済性(製造コストの低減)
4.3 効率性(エネルギー効率の向上)
4.4 供給安定性(原料の再エネ・CO2 の安定調達)
4.5 その他の課題
4.6 地域別特長と導入課題
5. 添付資料
5.1 内燃機関用燃料比較

4.化石エネルギー関連

(ア)化石燃料の高度転換技術(CCT、CCS 等)を核としたエネルギーシステム研究

4.1 CO2分離・回収型IGCCの実用化に向けた関連技術調査

(プロジェクト名) CO2 分離・回収型IGCCの実用化に向けたマイルストーン検討のための関連技術調査
(報告書名) CO2分離・回収型IGCCの実用化に向けたマイルストーン検討のための関連技術調査
(報告書番号) IAE-1818911
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) CO2分離・回収型酸素吹きIGCC プロジェクト(以下「本プロジェクト」という。)に関連する海外の開発動向調査として、中国のGreenGen IGCC Project、米国のTampa IGCC、HECA およびCashCreek、英国のTeesside Collective について調査した。GreenGen IGCC Project は2016年7月にPhase II(IGCCの商用運転およびCO2分離回収の実証試験)が完了し、Phase III(IGCCスケールアップおよび水素製造、燃料電池、CCS実証等との検証)の準備が進んでいる。Tampa IGCC は、IGCC およびCO2分離回収に関して新しい情報はなく、順調に稼動していると考えられる。HECA は、予定では2015年に建設を開始し、2020年までに操業であったが、AFC(承認申請書)の撤回により計画が停止状態となっている。4箇所の工場からのCO2を分離回収し、CCSを実施する計画で、Teesside IGCC Power Staionは構想から外れた。2019年度に全バリューチェーンの設計を開始し、2020年代半ばまでにCCSを含めた完全運転を目指している。KoreaCCSプロジェクトではポストコンバッション、プレコンバッション、酸素燃焼の各方式から回収したCO2をCCSとして地下貯留する計画である。2012年にFEEDが完了し、2016年8月にはTaean IGCC(300MW)が運転を開始している。またKEPCO(韓国電力公社)は固体ソルベント法によるCO2分離回収も検討している。CCSに関しては、地質調査を積極的に実施しており、Ulleung 盆地を候補地として選んでいる。2020年代にはCO2の分離回収を開始する。
本プロジェクトに適したCO2分離回収技術の整理のため、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、固体吸収法の各分離法の開発者と開発状況を表にして整理した。
本プロジェクトとCO2回収型USC との比較では、発電単価や建設単価を試算して比較検討したところ、本プロジェクトは、USCの建設単価と比較し、約19%未満の建設単価の増加(約29.8万円/kW)に抑えることができれば、発電単価をUSC 並みに抑えることが出来ることが分かった。空気吹きIGCC との比較では、プロセスフローや設備レイアウトなどを整理し、その特長について整理した。
本プロジェクトにおける負荷調整力向上のため、水素製造プロセスを加味したシステムを想定した。その際の反応装置の位置関係や水素分離法の種類、水素ガスタービンの特徴、コンバインドサイクルに対する影響などを考察し、最適システムフロー案を対案した。また、経済性検討の基礎となる水素コストに対する考察も行った。

再エネ水素とCO2からのメタノール製造を行うシステムを想定するため、メタノールの需給状況や製造法、流通に対する課題、市場性、適用が予想される法令などを簡単にまとめ、メタノール製造システムをIGCC システムに組み込んだ再エネ利用のポリジェネレーションシステムのフロー案を提案した。
その他の付加価値検討材料として、CO2有効利用技術の用途と、製品への転換技術の分類整理を行った。
本プロジェクトの海外事業展開戦略について検討するため、豪州を対象とし、同国の環境規制やCarbon Netプロジェクトに関する情報整理を行った。また本プロジェクトのリプレース需要調査の一環として、Loy Yang A Power
Station に着目し、同発電所の情報整理を行った。
(目 次) 1. はじめに
1.1 はじめに
1.2 スケジュール
1.3 概要
2. CO2分離・回収型IGCC関連技術調査
2.1 CO2分離・回収型プロジェクト動向調査
2.1.1 GreenGen IGCC Project
2.1.2 Tampa IGCC
2.1.3 HECA(Hydrogen Energy California)
2.1.4 Cash Creek
2.1.5 Teeside Collective
2.2 CO2分離・回収型IGCCプロジェクト動向調査のうち詳細調査
2.2.1 KoreaCCS1/KoreaCCS2
2.3 プレコンバッションに適したCO2分離回収技術動向調査
3. CO2分離・回収型IGCCの実用化に向けた調査
3.1 プレコンバッションとポストコンバッションとの比較
3.1.1 酸素吹きIGCCとUSCとの比較
3.1.2 酸素吹きIGCCと空気吹きIGCCとの比較
3.2 CO2分離・回収型IGCC の付加価値検討
3.2.1 負荷調整力向上のための水素製造オプション
3.2.2 再エネ水素とCO2からのメタノール製造
3.2.3 その他のCO2分離・回収型IGCC の付加価値
4. CO2分離・回収型IGCC導入可能性調査
4.1 海外事業展開の検討(豪州)
4.1.1 豪州における環境規制など
4.1.2 CarbonNet プロジェクトの概要
4.1.3 Loy Yang A Power Station の概要
4.1.4 Loy Yang A Power Station Unit2へのリプレース検討
5. まとめ
6. 引用文献

4.2 石炭資源利活用に関する要素研究調査

(プロジェクト名) 次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/石炭資源利活用に関する要素研究調査
(報告書名) 次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/石炭資源利活用に関する要素研究調査 成果報告書
(報告書番号) IAE-1818511
(発行年月) 2019年2月
(要 旨) 石炭の高付加価値利用とCO2排出量削減の視点に立って、現在の技術水準、エネルギーコスト等をベースに、これまでの石炭改質に関するプロジェクト成果を再検証し、比較的早期に実用化が可能な技術を構築することを目的として調査研究を実施した。特に最近になって海外の再生可能エネルギーが安価に得られるエリアでは、石炭改質にこれらの再生可能エネルギーを組み合わせたシステムを検証した。
まず、石炭から製造される高付加価値製品とその市場調査を実施した。我が国で研究・技術開発されてきた高温・低温乾留、直接水素添加、タール蒸留/炭素材、石炭ガス化/合成プロセスなどをベースに石炭を出発原料とする中間体、化成品等への高度化利用に関して、国内外における過去の研究・技術開発プロジェクトの成果を調査し、これらの活用方法、マーケット規模等について調査を行った。
次に石炭高度利用に再生可能エネルギーを取り込む方法の調査を実施した。再生可能エネルギーによる熱や電力、さらにはこれらから製造した水素などを、石炭の高度利用技術に取り込むことで、高カロリー化、高付加価値化、低炭素燃料化を図り、CO2排出量を削減するシステムを調査し提案した。
次に、CO2排出量算出及び経済性評価を実施した。これらの選定した有望案件については、CO2排出量削減効果を算出するとともに、再生可能エネルギーの価格を想定し経済性を評価し、さらに、バリューチェーンを示した。
最後に、文献、特許検索、研究室へのヒアリングを実施し、石炭高度化利用に関する研究についてイノベイティブであるかの観点から有望な革新的技術をピックアップした。
(目 次) 1 背景
1.1 目的
1.2 実施概要
2 石炭から製造される高付加価値製品とその市場調査
2.1 化学工業の概要
2.2 石炭改質技術
2.3 石炭乾留
2.4 石炭ガス化及び合成ガスからの化学品製造
2.5 石炭への直接水素添加
2.6 その他、石炭抽出など
3 石炭高度利用に再生可能エネルギーを取り込む方法の調査
3.1 再生可能エネルギーの最新技術動向及び導入コスト予測
3.2 石炭高度利用に再生可能エネルギーを取り込む方法の調査
4 CO2 排出量算出及び経済性評価
4.1 検討のプロセス選定
4.2 検討の条件
4.3 CO2 排出量削減、経済性試算結果
4.4 導入シナリオ
5 その他、革新的技術の動向調査
5.1 文献等調査結果
5.2 特許等調査結果
6 今後の課題
7 まとめ

4.3 CO2有効利用技術に関する調査

(プロジェクト名) 次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/CO2 有効利用技術開発
(報告書名) 次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/CO2 有効利用技術開発
(報告書番号) IAE-1818506
(発行年月)
(要 旨) CCU技術に必要なCO2分離回収技術については、排ガスが常圧でCO2濃度が低い場合には化学吸収法が有利であり、CO2濃度が高い場合には吸着分離法が有利であることが分かった。一方、IGCCのようにガス圧が高い場合には、圧力差を駆動力とする膜分離法が有利であることが分かった。CO2分離回収技術に求められる条件としては、低コスト、省エネルギー、不純物制御が不可欠である。また高圧ガスから膜分離等を適用してCO2を回収した場合、出口も高圧となり、水素化反応(メタノール合成など)は相性が良い。一方、常圧ガスからCO2を分離回収した場合には、CO2濃度が比較的高い高炉ガスからのPSA による回収を用いれば、同様にメタノール合成等に利用が可能である。
CCUプロセスの一例としてメタノール合成を想定し、反応効率向上を狙ったゼオライト膜によるメンブレンリアクターにおける合成について、シミュレーション分析と合成試験による比較検討を行った。その結果、水透過率1μmol/(m2·s·Pa)、分離係数10,000で、メタノール転化率80%、CO2回収率99%を達成できた。また、膜反応器によるメタノール合成を選択した場合、最適なCO2分離回収技術は、コスト面からPSAが最適であることが分かった。ゼオライト膜の開発については、水/アルコール混合物に対して良好な水透過度と水選択性を持ち、高温(200℃)でも骨格構造が安定な膜の開発に成功した(特許出願準備中)。同時に小型膜反応器も試作して検証した結果、新規ゼオライト膜を用いれば、反応場から水蒸気が引き抜かれ、反応平衡が合成側にシフトし、通常の固定床反応器よりも高い転化率が得られることが分かった。
2019年度内に実証試験を目指すCO2を利用したメタン製造(メタネーション)プロセスについては、反応器内で起こる現象を再現できる熱流体解析技術を開発した。これにより、触媒層内に発生するホットスポットの形成などを予測できた。また、高圧ガスを用いた触媒固定床反応器を用いて、メタネーション反応の原料ガスであるCO2とH2が完全に転換する際の反応速度を実験的に測定し、シミュレーションとの照合を試みながら最適な運転条件の検証を行った。さらに、触媒の熱劣化や不純物依存性などについても実験的に検討を継続している。プロセスとしては、メタネーションの副産物である排熱、電解槽による水素生産の副産物である酸素を外販することにより、実証スケールにおいても経済性が向上することを明らかにした。
ポリジェネレーションシステムについては、IGCCとメタノール製造とを組み合わせたシステムを検証しており、石炭ガス化ガスのメタノール製造側への分岐量が多くなると石炭ガス化炉設備への排熱回収ボイラからの供給蒸気量が不足することが判明した。当初、負荷変動対応に対し、空気分離器の応答性が懸念されたが、広島県で実証試験中の大崎クールジェンプロジェクトでは16%/min の速度変化が報告されており、空気分離器の応答性はかなり高いことも判明した。ポリジェネレーションシステムを構成するメタノール製造技術、開発動向、、IGCC の海外市場性、メタノールの市場性(特に中国での普及状況)について情報収集を行った。
本プロジェクトの進捗状況、推進方法などを評価するための第3 者評価委員会(技術開発推進委員会)を7月に開催し、CCSに求められるCCU関連技術とCCUに求められるCCU関連技術の基準は異なると考えられ、後者のシステム最適化を抑えることの重要性が唱えられた。
(目 次) 1. はじめに
2. CO2有効利用トータルシステムとしての総合評価
2.1 CO2排出源ごとの排出ガス量・性状の調査・解析
2.2 CO2固定化・有効利用技術の開発動向の調査
2.3 CO2有効利用技術の効果検証
2.4 CO2有効利用トータルシステムの総合評価
3. CO2分離回収・有効利用システムの検討・評価
3.1 CCUに適用可能な分離回収技術の検討
3.1.1 現状のCO2分離回収技術と分離回収エネルギー/コストの見通し
3.1.2 CCUに適用可能なCO2 排出源と低コスト分離回収技術の抽出
3.2 最適CCUプロセスの概念設計と試験による有効性検証
4. 高濃度CO2利用品製造プロセスの検討・評価
4.1 高濃度CO2メタネーションプロセスの検討・評価
4.1.1 反応熱マネージメント技術
4.1.2 触媒活性マネージメント技術
4.1.3 プロセス運転マネージメント技術
4.1.4 プロセス適用性・経済性評価
5. 再生可能エネルギー併用CO2 有効利用システム
5.1 CO2有効利用基盤技術適用統合システムの検討
5.2 発電システムの検討
5.3 CO2有効利用統合システムの事業性検討
6. 委員会・会議体等の開催
7. まとめ

4.4 先進火力発電等技術の導入促進に関する検討

(プロジェクト名) 「先進的な火力発電技術等の海外展開推進事業/先進的な火力発電技術等に係る導入促進事業/先進的な火力発電技術等の普及啓発事業」に係るデータの収集及び整理業務
(報告書名) 「先進的な火力発電技術等の海外展開推進事業/先進的な火力発電技術等に係る導入促進事業/先進的な火力発電技術等の普及啓発事業」に係るデータの収集及び整理業務 調査報告書
(報告書番号) IAE-1818705
(発行年月) 2019年2月
(要 旨) わが国の先進火力発電等技術の導入可能性が高い国、地域であるインド、ベトナム、インドネシアについて、わが国の先進火力発電等技術を導入した際に得られる環境負荷低減効果や費用対効果等を定性的かつ定量的に比較・評価分析を実施し、当該技術導入に係る概略コストの比較、整理を行った。また、相手国の政策、ニーズ、プラント情報、電力市場の特徴等を整理した。その際、新設火力だけでなく、既設改造、リプレースケースも対象とし、抽出した案件について、CO2 削減効果、費用対効果、環境負荷低減効果等を評価し、各案件の概略コストの算出及び比較を行った。
抽出案件は、①インドにおける既設亜臨界プラントの超々臨界へのリプレース、②ベトナムで新設が計画されている石炭火力発電ユニットのUSC化、③インドネシアで新設が計画されているプラントの燃料転換(バイオマス混焼)とし、それぞれの費用対効果を算出した。
また、火力発電におけるこれからの事業課題として、太陽光発電、風力発電に代表される変動型再生可能エネルギー(VRE)の導入拡大を挙げた。それらの導入コストは、一部では、化石燃料による発電コストを下回っており、今後、さらに低下するものと考えられる。これまで、新興国では、CO2排出量削減を目的に、高価な太陽光、風力発電を導入することには消極的であったが、今後は、電力コストの削減を目的にVREの導入が加速することが考えられ、石炭火力などの火力発電設備のマーケットが縮小するとともに、VREとの共存を考える必要があることから、①VRE導入拡大時の周波数調整力、需給調整力を備える設備であること、②石炭焚ボイラではバイオマス専焼、混焼が可能なことを重要課題として挙げた。
特にインドでは、石炭火力の比率が高く、周波数調整、需給調整に向いている水力発電、GTCC 発電の比率が低いこと、また、太陽光、風力発電に代表される変動型再生可能エネルギーの導入が加速していることから、今後、石炭火力発電所の増減負荷率や最低安定負荷などの運用性向上が課題となる可能性があり、現地の国内炭性状に対応した改善策を検討することが重要と考えられる。
さらに、化学品原料や代替燃料として活用可能なバイオマスの生産は今後さらに増加するものと考えられ、土地生産性の高いアブラヤシはその代表例である。それらの固体残渣を有効に活用する方法が今後求められると考えられる。そこで石炭焚ボイラでは、バイオマス混焼や専焼が可能で、且つ発電効率が既存設備よりも、少しでも高く、増減負荷、起動停止が容易な“ターンキープラント”を提供していく必要があるものと考えられる。また、これらのプラントは残渣の回収を考慮すると、比較的小型のボイラの需要が延びるものと考えられる。
(目 次) 1. はじめに
2. インドにおける既設亜臨界プラントの超々臨界へのリプレース
2.1. インドの石炭火力発電所の現状
2.2. リプレース対象プラントの検討
2.3. 候補地点の検討結果
3. ベトナムで新設が計画されている火力発電における技術比較
3.1. ベトナムの電力需給の推移と、現状の電力構成
3.2. ベトナムの電力計画
3.3. 新設が計画(確実視)されている火力発電における技術比較と経済性検討
4. インドネシアで新設が計画されているプラントの燃料転換(バイオマス混焼)
4.1. インドネシアの電力需給の推移と、石炭火力発電所の現状
4.2. インドネシアで新設が計画されているプラントの燃料転換(バイオマス混焼)
4.3. インドネシア炭(褐炭)とEFB との混焼プラントの検討結果
5. O&Mの高度管理による効率改善及び環境負荷低減
5.1. 今後の石炭火力に要求される負荷調整機能の調査
5.2. 今後の石炭火力に要求される負荷調整機能の課題と対応策
5.3. 本章の考察
6. まとめ
6.1. インドにおける既設亜臨界プラントの超々臨界へのリプレース
6.2. ベトナムで新設が計画されている火力発電における技術比較
6.3. インドネシアで新設が計画されているプラントの燃料転換(バイオマス混焼)
6.4. O&Mの高度管理による効率改善及び環境負荷低減
7. 今後の課題

4.5 ACC(Anthropogenic Carbon Cycle)技術研究会

(プロジェクト名) ACC(Anthropogenic Carbon Cycle)技術研究会
(報告書名) ACC 技術研究会
(報告書番号) IAE-1818918
(発行年月)
(要 旨) 2018 年11 月13 日にACC技術研究会の設立趣旨説明会を開催した。ガス会社、電力会社、石油会社、エンジニアリング会社、業界団体などから15名の参加者の下、ACC技術研究会の設立に至る背景や社会的必要性などを説明した。また、会長候補(当時)の中垣教授より関連する研究内容の紹介をして頂くとともに、当研究所プロジェクト試験研究部の新エネルギーグループ、水素グループ、化石燃料グループ(当時)の業務内容の紹介をした。参加者のCO2削減のための技術開発に対する関心は高く、ゆえにACC 技術研究会への期待も大きく感じられた。設立趣旨説明会の後、入会案内を配布し、2大学、8社、2業界団体から入会を頂いた。
2019年2月1日に第1回ACC技術研究会を開催した。参加者25名(経済産業省(以下「METI」という。)、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)のオブザーバを含む)の下、参加企業の自己紹介や話題提供をして頂くとともに、研究会会長の中垣教授よりACC 技術研究会の対象となる技術、導入背景、技術選択の骨子と位置付けなどについてご説明頂くとともに、「CO2正味排出ゼロに向けたマクロなエネルギーフローと技術オプション」と題した講演をして頂いた。世界のエネルギー情勢の不透明さや世界の温暖化対策に対する将来の目標と現状との不連続性を鑑み、エネルギーインフラなどの既存アセットを最大限に活用しながら、世界的な目標達成までのつなぎの技術(ブリッジングテクノロジー)を早期に導入し、持続可能でかつ、誰もが無理のない価格で安定的にエネルギーを利用できることを確保しなければならない、と主張された。また当研究所からは、2017年度にNEDO事業で実施したCO2輸送技術についての調査結果の概要を説明した。意外と周知されていないCO2の市場や輸送時の技術的・制度的な課題を改めて示した結果、参加者の関心は非常に高かった。
2019年3月27日に第2回ACC 技術研究会を開催した。参加者22 名(METI、NEDOのオブザーバを含む)の下、「各業界のCO2削減の取り組み」と題して、日本鉄鋼連盟(ゲスト)、電力中央研究所(会員)、日本ガス協会(会員)の取り組み事例を紹介して頂いた。鉄鋼連盟からはこれまでの低炭素社会実行計画や2018 年11 月に発表した長期温暖化対策ビジョンにおける鉄鋼製造分野のCO2 削減に向けた技術開発目標などについて説明して頂いた。電力中央研究所からは2018年5月に同所が発行した「CO2変換プロセスの動向と現行技術の適用可能性評価」(研究報告V17003)に基づき、電解、触媒反応、微生物変換に対するCO2 変換技術の開発動向やコスト簡易評価結果などについて紹介して頂いた。ガス協会からは、都市ガスインフラの有効利用をベースに、将来に向けたメタネーション技術への期待や、再生可能エネルギーと親和性の高いコジェネ・燃料電池による天然ガスの積極的活用、バイオガスや水素の普及拡大による低炭素化/脱炭素化への貢献などについて、同協会の考え方を述べて頂いた。最後に当研究所から、「メタネーションによる合成メタンの経済性評価」と題し、エネルギーキャリアとしてのメタンをアンモニアや液化水素と比較しながら経済性を評価し、その試算結果を紹介した。メタンの強みは既存のインフラを有効活用できる点であり、経済的な優位性を維持しながら低炭素化が図れることを示し、参加者の関心を引いていた。
今後、年数回の研究会を開催し、ACC 技術の早期社会実装に向けて議論を交わしていく予定である。
(目 次)

5.原子力関連

(ア)福島第一原子力発電所事故関連

5.1 発電用軽水炉の安全対策高度化技術開発

(プロジェクト名) 安全対策高度化技術開発「プラント安全性高度化」
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 原子力の安全性向上に資する技術開発は、福島第一事故を踏まえ、深層防護の観点から安全性向上に資する技術を開発することにより、我が国における原子力発電技術の水準の向上を図り、もって発電用原子炉施設の利用促進等を図ることを目的とするものである。なお、要素技術開発は、プラントメーカ3 社が主体的に実施し、当研究所は、プロジェクトの着実な管理を実施した。
平成30年度の成果の概要は、以下の通りである。
(1) 要素技術開発
下記の2つの要素技術開発を継続実施した。
・静的デブリ冷却システム
・RCPシール漏えい防止対策技術
(2) プロジェクト推進
プロジェクト推進は、プロジェクトの推進に係る会議体の運営や関係機関との連絡調整等を通して、効率的かつ計画的に本プロジェクトを推進するものである。
今年度は、プロジェクトの着実な管理として、「運営会議」においてプロジェクト全体に係る計画や技術開発の進捗状況を確認するとともに、開発課題への対応を図り、円滑かつ効率的な技術開発を推進した。また、「運営会議(幹事会)」では技術開発の具体的な計画策定、進捗フォローと調整を行い、具体的かつきめ細かな進捗管理を行った。
(目 次)

5.2 過酷事故条件下における原子炉隔離時冷却系の挙動に関する研究

(プロジェクト名) 平成30年度原子力の安全性向上に資する共通基盤整備のための技術開発事業(過酷事故条件下における原子炉隔離時冷却系の挙動に関する研究)
(報告書名) 平成30年度原子力の安全性向上に資する共通基盤整備のための技術開発事業(過酷事故条件下における原子炉隔離時冷却系の挙動に関する研究)
(報告書番号) IAE-18888102
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 東京電力福島第一原子力発電所事故時の2号機(1F-2)原子炉隔離時冷却系(RCIC)は、設計の作動時間範囲を超える設計外条件下で約66 時間継続して作動した。このような設計外条件下におけるRCICの動作特性を評価するため、RCIC 系統を構成する機器を対象とした個別要素実験を実施するとともに解析モデル構築を進めている。
RCICタービンのノズルから噴出する流体はブレードに衝突してタービンの駆動力となる。このときのノズルから噴出した流体の圧力場・速度場、および噴出流が音速を超える際に現れる衝撃波・反射波の形成など、詳細な流況を実験によって明らかにした。あわせて実施した三次元数値流体解析(CFD 解析)では、実験で得られた流況をほぼ再現できることを確認した。

RCIC配管系統に設置されているガバナ弁およびトリップ・スロットル弁の流動抵抗係数を求めるため、種々の流体条件下で実験を実施した。CFDによる実験解析では実験で得られた流動抵抗係数の測定値を16%以下の差で評価でき、CFD 解析が実用的に実機適用できることを確認した。
RCICタービンの軸受け潤滑油およびベアリングについて高温劣化耐久実験を実施した。実験の結果から1F-2でみられたRCIC 連続作動の期間であればこれらの高温劣化がRCIC 停止の主たる要因とはならないであろうという見通しが得られた。
RCICタービンの小型模型による低圧実験により、タービンに流入する流体中の水の含有量が多くなるとタービン効率が低下することを明らかにした。この結果に基づいて種々の流体条件におけるタービン効率を評価するための解析モデルを検討中である。
次年度以降に計画している実規模タービンを用いた低圧・高圧実験の計画案を策定した。実験の最高圧力は1F-2 でみられた圧力範囲をほぼカバーする5.5MPaとした。実験のパラメータはタービンに流入する流体の圧力、流入蒸気に含まれる水の含有量、およびタービン背圧、ならびにタービン回転数とした。加えて、1F-2でみられた高圧で、かつ水を多く含んだ蒸気条件下での運転持続性についても調べる計画とした。
本事業の成果は実プラントの事故時運転手順書等への反映が期待されている。そのため、電力、メーカーとの技術検討会を継続して実施し、国内の原子力事業者及びメーカー等の意見も踏まえつつ、実用化を視野に入れて事業を推進している。
(目 次) 要旨
1. 緒言
2. 実施内容および実施方法
3. 事業成果
3.1 タービンノズルからの流出実験
3.2 ガバナ弁及びトリップ・スロットル弁を用いた実験
3.3 潤滑油とベアリングに関する実験
3.4 テリーターボポンプに関する実験
3.5 RCICシステム全体評価
3.6 実規模低圧・高圧実験計画の策定
3.7 技術検討会
4. 結言

(イ)原子力全般

5.3 原子力に関する技術開発動向調査

(プロジェクト名) 平成30年度原子力の安全性向上に資する共通基盤整備のための技術開発事業(原子力に関する技術開発動向調査)
(報告書名) 平成30年度原子力の安全性向上に資する共通基盤整備のための技術開発事業(原子力に関する技術開発動向調査)報告書
(報告書番号) IAE-1818115
(発行年月) 2019年2月
(要 旨) 平成30年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、原子力技術開発の推進について、「原子力利用の安全性・信頼性・効率性を抜本的に高める新技術等の開発を進める。」「こうした取組を進めるに当たっては、(中略)民間は創意工夫や知恵を活かしながら、多様な技術間競争と国内外の市場による選択を行うなど、戦略的柔軟性を確保して進める。」とされた。これを受けて本事業は、諸外国における新たな原子力技術開発の動向について調査し、今後目指すべき原子力技術開発の検討に資することを目的とした。
まず、開発中の炉を60基程度抽出し、電気出力、炉型、利用目的、設計段階といった基本データに関する統計的な整理を実施した。各国とも様々な炉型について様々な出力の炉を開発していることを示し、その中で主に炉型と出力規模に基づいてカテゴリー分けを実施した。その上で、調査対象の炉を30基程度選定した。
技術調査は主にプラントメーカへの外注により実施した。調査結果に基づき、カテゴリーごとに技術開発の全体的な状況と、共通的な技術開発項目、各炉の特長などについて整理した。また、付録として1件1~2葉の概要資料も作成した。これらの結果については、電気事業者、プラントメーカの若手技術者及び有識者を含む勉強会にて共有し、その結果を調査に反映した。
規制制度については、米、英、加について、各国の制度の概要を調査するとともに、規制機関の独立性、革新炉を想定した規制制度についての調査・分析を実施した。新技術関連の調査としては、英国で実施されたTechno-Economic Assessment の結果を中心に新型炉の評価についての具体的事例を整理した。

Techno-Economic Assessment は小型モジュール炉(SMR)が経済的、財務的、技術的及び商業的機会を提供する可能性を有しているかどうかについて、それらを達成するためのリスクの特定も含め英国政府に知見を提供することであり、炉型ごとの利害得失を11の指標に基づき評価している。資金については、主に先進原子炉開発のために設立されたベンチャー企業を対象とすることにし、原子炉ベンダーのウェブサイト、ベンチャーキャピタル等の投資情報をまとめているウェブサイトなどの公開情報に基づき調査した。
本件と並行して行われた経済産業省委託事業の平成30 年度原子力の安全性向上に資する共通基盤整備のための技術開発事業(原子力に関する需要動向調査)と協力して、今年度の調査結果に関する国際シンポジウムを運営した。基調講演2件の後、需要動向、技術動向の各セッションで海外招聘者を含む3名程度の講演を実施し、その後パネルディスカッションを実施した。国内の関係者を中心に200名程度の参加を得た。
(目 次) 1. はじめに
1.1 目的
1.2 内容
2. 電気事業者・プラントメーカ向けの集中講義・施設見学の実施
2.1 昨年度からの改善点
2.2 講義の運営
2.3 講義及び施設見学の内容・実績
2.4 講義・総括討論・施設見学内容の詳細
2.5 講義・施設見学の評価
3. 自治体関係者との意見交換および自治体関係者向けの集中講義・施設見学の実施
3.1 講義の主旨
3.2 講義および施設見学の実施
4. 本事業の成果と今後の展望
4.1 講義の成果
4.2 事業の総括
4.3 将来に向けた展望

5.4 原子力人材育成のための支援及び調査

(プロジェクト名) 平成30年度原子力の安全性向上を担う人材の育成事業(リスク概念に関する集中講義)
(報告書名) 平成30年度原子力の安全性向上を担う人材の育成事業(リスク概念に関する集中講義)報告書
(報告書番号) IAE-1818114
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 平成26年度のエネルギー基本計画や「自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループ」で指摘されたような、技術開発だけではなくリスクマネジメントやリスクコミュニケーションの知見も備えた人材の育成を進めるため、教育の実施及びその枠組みの在り方に関する調査を実施した。
教育の実施に関しては、「リスクの基本を概説する」ことに重点を置き、集中講義を全3回開催した。第1回、第2回は電気事業者・プラントメーカを対象とし、セミナー形式による講演を2 日間実施した(各日とも講演70 分+質疑
10分を午前1コマ、午後2コマ、最後にその日の講演テーマについての総合討論)。第1 回については、2日間のセミナー形式による講演のほかに3日目に希望者による電力中央研究所の施設見学を実施した。第3回は自治体関係者を対象とし、初日にセミナー形式による講演で、講演70分+質疑10分を午前1コマ、午後3コマを実施し、2日目は希望者による電力中央研究所の施設見学を実施した。
第1回から第3回の講義についての実施後アンケートにおいては、「内容が理解できた」とした人が7割前後、「現在の業務に役に立つ」とした人が6割以上であり、参加者の日常的業務の背景情報についての理解を深めることができたと考える。また、本講義は、短期的な安全性向上だけではなく、より中長期を見据えて、「自身の業務のバックグラウンドを把握するとともに、将来何らかの形で役に立ててもらう」ことも目標とした。この点において、全体的に「興味が持てた」または「新しい知識が習得できた」、「今後の業務に(将来的に)役に立つ」とする人が8 割以上という結果になっており、期待した成果をある程度実現できた。以上より、本講義は、自主的安全性向上に対して、短期的/中長期的、直接的/間接的に幅広い観点で寄与することができたと考えている。しかしながら、時間配分(資料に対して時間が短い)や講義の内容についての意見があったことから、内容改善の余地は少なくないと考えている。施設見学についての実施後アンケートにおいては、電気事業者、プラントメーカ、自治体とも9割以上の人が「今後の業務に役に立つ」との回答が得られた。原子力安全に関わる実験設備を包括的に見学する機会は少ないと思われるため、参加者に貴重な機会を提供できたと考えている。
今後の教育のあり方について、電気事業者やプラントメーカに対してヒアリングを実施した。大学の先生等を集めて包括的な教育を行う場に対する需要があるとの回答が得られたことから、開催日程(連続の日程ではなく、1 日ごとに分割して開催するなど)について考慮する必要があると考えている。また、自治体関係者向けの講義については、立地地域への出張講義の可能性が指摘されている。特に立地自治体の原子力以外の職員および周辺自治体の関係者に原子力の必要性、将来性及びリスクを理解してもらうことは、原子力の将来展望を改善する上で有効であると考えられるため、実施可能性について日程や費用の問題を含めた柔軟な対応を検討したい。
(目 次) 1. はじめに
1.1 目的
1.2 内容
2. 電気事業者・プラントメーカ向けの集中講義・施設見学の実施
2.1 昨年度からの改善点
2.2 講義の運営
2.3 講義及び施設見学の内容・実績
2.4 講義・総括討論・施設見学内容の詳細
2.5 講義・施設見学の評価
3. 自治体関係者との意見交換および自治体関係者向けの集中講義・施設見学の実施
3.1 講義の主旨
3.2 講義および施設見学の実施
4. 本事業の成果と今後の展望
4.1 講義の成果
4.2 事業の総括
4.3 将来に向けた展望

5.5 諸外国における原子力安全制度の整備状況等に関する調査

(プロジェクト名) 平成30年度 諸外国における原子力安全制度の整備状況等に関する調査)
(報告書名) 平成30年度 諸外国における原子力安全制度の整備状況等に関する調査 報告書
(報告書番号) IAE-1818204
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 1.調査内容
内閣府が公的信用付与実施機関の求めに応じて行う、原子力施設の主要資機材の輸出等に係る公的信用付与に伴う安全配慮等確認業務を適切に行うための知識基盤の整備を図るため、ポーランド、UAE、サウジアラビアにおける原子力関連の安全規制の整備状況等に関する情報の収集・整理を実施した。また、一昨年度、昨年度の調査対象であったイギリス、トルコ、インドについて変更点を調査した。調査項目は以下のとおりである。
(1)国際的取決めの遵守状況:①原子力の安全に関する条約、②使用済燃料及び放射性廃棄物の管理の安全に関する条約、③廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約、④原子力事故の早期通報に関する条約、⑤原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助 の加盟状況及び遵守状況
(2)国内制度の整備状況:①原子力安全に関する法体系、②原子力損害賠償制度、③原子力安全に関する規制当局、④原子力資機材の輸出管理
(3)発電用原子炉の設置の場合におけるIAEA の実施する主要なレビューサービス(①IRRS(総合規制評価サービス)、②INIR(統合原子力基盤レビュー)、③SEED(立地評価・安全設計レビュー)、④GRSR(包括的原子炉安全性レビュー)、⑤OSART(運転安全評価チーム))の受入れ状況等
2.調査結果
ポーランド:2033年に初めてとなる原子力発電所の商業運転を目指している。国際的取決めの遵守状況については調査対象の5つの条約すべてに加盟しており、各条約を遵守している。国内制度については、法規類が体系的に整備されており、独立の規制機関(PAA)が整備されている。PAA は国際条約の検討会合等の指摘事項に着実に対応するなど、原子力安全強化の取組みを継続的に行っている。IAEAレビューサービスについては、原子力計画を進める中で、IRRS、INIR、SEED を実施している。
UAE:国内初の原子力発電所であるバラカ発電所に4基の原子炉を建設するプロジェクトが進行中である。国際的取決めの遵守状況については5つの条約すべてに加盟しており、各条約を遵守している。国内制度については、法規類が体系的に整備され、独立の規制機関(FANR)が整備されている。FANR は世界中の新知見・教訓を取り入れることで原子力安全の強化を図ることにしている。IAEAレビューサービスはIRRS、INIR、SEED、Pre-OSART を実施している。
サウジアラビア:2 基の大型炉、複数基の小型モジュール炉を建設することが計画されている。国際的取決めの遵守状況については、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約に未加盟であったが、同等の国内措置が整備されていることを確認した。ただし、国内法規の中には法案段階又は策定中のものがあり、これらが公開された時点で内容の確認が必要である。国内制度については、独立した規制機関を設立する予定であり、法規類が整備中である。IAEAレビューサービスはINIR、SEEDを実施している。
イギリス:原子力安全に関する規則の改定や規制機関の組織の一部変更等を行うとともに、IAEA レビューサービスを活用しつつ、原子力安全の向上に向けた取組を実施している。
トルコ:新たな政令を整備して独立の原子力規制機関である原子力規制庁を設立するとともに、国内初の原子力発電所であるアックユ発電所のSEEDミッションを実施している。
インド:原子力安全規制委員会は、原子力発電所の更なる安全性向上を図るため、様々な規制活動を着実に進めている。
(目 次) はじめに
第1 章 ポーランドにおける原子力安全制度の整備状況
第2 章 UAE における原子力安全制度の整備状況
第3 章 サウジアラビアにおける原子力安全制度の整備状況
第4 章 イギリス・トルコ・インドにおける原子力安全制度の整備状況
59
第5 章 対象国と日本との(相違)比較

5.6 国際原子力機関等における安全基準の動向調査

(プロジェクト名) 平成30 年度原子炉等施設に係る国際原子力機関の安全基準の動向調査
(報告書名) 平成30年度原子力規制庁委託成果報告書 原子力発電施設等安全技術対策委託費(原子炉等施設に係る国際原子力機関の安全基準の動向調査)事業書
(報告書番号) IAE-1818203
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 我が国の原子炉等施設に係る基準制度の整備及び基準策定に際しては、IAEA等の国際機関における安全基準文書の動向を把握し、これらとの整合性等にも配慮する必要がある。ここでは、原子力規制委員会の実施するIAEA安全基準文書及びその我が国の安全規制に係る検討作業を円滑にするための専門知識を要する支援業務を実施した。
まず、検討作業をより円滑にするため、専門家10名からなる調査会を設置した。2018年6月に開催された第45回NUSSC 会合及び2018年11月に開催された第46 回NUSSC会合に向けて、その開催情報や関連情報を収集した。会合の約2か月前より、NUSSCのウェブサイトに掲載された審議対象文書についての分析を進め、調査会メンバーからのコメント及びNUSCC 調査会での議論結果を踏まえて、IAEAに対するコメント案を作成した。会合の約1か月前からは、各国コメント及びIAEA コメント処理票について、ウェブサイトの掲載情報を収集し、一覧表にまとめた。それらのコメントについて評価及び整理し、調査会にて議論を行った結果を踏まえ、原子力規制庁が行うNUSSC会合における発言案の英語版の作成を行った。その上で、第45回及び第46回NUSSC 会合に参加して情報収集を実施した。調査会については、2018年5月から2018年11月にかけて第45回NUSSC会合の前に2回、第46回NUSSC会合の前に2回の合計4回実施した。
第46回NUSSC会合で加盟国コメント回付が承認された4件(実質10文書)について、加盟国コメントへの対応を実施した。草案がウェブサイトに掲載された後、変更点、確認のポイント、これまでの調査会での議論を踏まえた事務局としてのコメント案などを整理の上、調査会メンバーにコメント依頼を行った。それらのコメントを集約し、コメント者と必要な議論を実施したうえで、事務局案と合わせた加盟国コメント案を作成し、原子力規制庁に報告した。
また、原子力規制庁が実施するIAEA安全基準文書及びその我が国の安全規制に係る検討作業をより円滑に資するため、安全要件2 件、安全指針4件の合計6件の邦訳支援を実施した。
(目 次) 1. 緒言
2. 平成30 年度の業務概要
3. 平成30 年度の業務詳細内容と調査の結果
3.1 原子炉等施設に係る安全基準文書等策定のための情報整理
3.2 原子炉等施設に係る安全基準文書に関連する会合への対応
3.3 調査会の開催
3.4 加盟国コメントの対応
3.5 原子炉等施設に関する安全基準文書等の出版物の邦訳支援
4. 結言
5. 参考文献

(ウ)原子炉廃止措置に関する調査研究

5.7 原子力発電所の廃止措置計画に係る標準素案等の整備

(プロジェクト名) 原子力施設の廃止措置に係る標準類の整備
(報告書名) 平成29年度原子力の安全性向上を担う人材の育成事業 報告書
(報告書番号) IAE-1818203
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 業務目的
以下の標準類制定又は改定のための原子力学会標準委員会準備及び原子力学会対応を行う業務を実施した。
(1) 廃止措置の基本安全原則
(2) 廃止措置計画標準
(3) 廃止措置安全評価手法標準
業務内容
(1) 廃止措置の基本安全原則の原案作成
(2) 廃止措置計画標準(AESJ-SC-A002:20XX)の改定原案作成
(3) 廃止措置安全評価手法標準の新規制定原案作成
(目 次) 1. まえがき
2. 業務計画
3. 業務内容及び成果
3.1 廃止措置の基本安全要件の考え方に係る技術レポートの検討
3.1.1 技術レポートの制定準備
3.1.2 技術レポート原案の作成
3.2 廃止措置計画標準の検討
3.2.1 廃止措置計画標準(AESJ-SC-A002:20XX)の改定準備
3.2.2 廃止措置計画標準(AESJ-SC-A002:20XX)の原案作成
3.3 廃止措置安全評価手法標準の検討
3.2.1 廃止措置安全評価手法標準の制定準備
3.2.2 廃止措置安全評価手法標準の原案作成
4. まとめ
5. あとがき

5.8 廃止措置対象施設の特性調査ガイドラインに係る調査

(プロジェクト名) 「原子力施設の廃止措置に係るガイドラインの整備」助勢業務
(報告書名) 業務委託報告書 「原子力施設の廃止措置に係るガイドラインの整備」助勢業務
(報告書番号) IAE-1878904
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 廃止措置時放射能インベントリ評価ガイドライン原案の検討
以下の文書に示されている放射能インベントリ評価に係る要件を整理した。また、整理の結果を踏まえ、放射能GL 素案の本文、附属書及び解説の見直しを行った。
(1) IAEA NW-T-1.18に係る本文、附属書及び解説の見直し
a) スケーリングファクタの基本的考え方の追加
2 次的汚染の評価を行うためのスケーリングファクタの基本的考え方を附属書N に追加した。
b) 評価対象核種
IAEA NW-T-1.18に記載されている「放射能インベントリ評価対象核種とその特徴」の表を附属書Nに追加した。
(2) IAEA SS-100 に係る本文、附属書及び解説の見直し
a) 信頼性の考え方
信頼性の考え方に係る事項を附属書Oに追加した。
(3) OECD-NEA RWM/WPDD(2013)2に係る本文、附属書及び解説の見直し
a) 付着・脱離計算による系統別2次的汚染計算
附属書G「2次的汚染計算」に付着・脱離計算による系統別2次的汚染計算を追加した。
(目 次) 1. まえがき
2. 業務計画
3. 業務内容及び成果
3.1 廃止措置時放射能インベントリ評価ガイドライン原案の検討
3.1.1 放射能GL 素案の内容の見直し(IAEA、OECD/NEA 文書の要件反映
3.1.2 放射能GL 素案の内容の見直し(分科会審議対応)
3.1.3 放射能GL 原案作成
3.1.4 説明資料等の作成
4. まとめ
5. あとがき
6. 添付資料、参考文献、付録

5.9 国際的視野を持つ廃止措置マネジメントエキスパート育成に係る支援

(プロジェクト名) 国際的視野を持つ廃止措置マネジメントエキスパート育成に係る助成作業
(報告書名) 国際的視野を持つ廃止措置マネジメントエキスパート育成に係る助成作業報告査
(報告書番号) IAE-1878301
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) (1) 助成業務の内容
① 育成の目標とする人材像
廃止措置の計画、実施及び終了の各段階において効果的なプロジェクトマネージメントを実践可能な人材であって、下記のスキルを有する人材の育成を目標とする。
・廃止措置マインド
・廃止措置における統合的なプロジェクトマネージメント能力
・国際的な動向を積極的に取り込める能力
② 実施項目と内容
目標とする人材の育成のため,下記研修及び実習並びに海外研修を実施した。
1) プロジェクトマネージメント(PM)研修
ア)実施項目
廃止措置マインドの醸成及び廃止措置における効果的なプロジェクトマネージメントの習得を目的として机上研修を実施した。
イ)カリキュラムの内容
i)廃止措置マインドの醸成研修(研修時間:1日)
・ 廃止措置の概要について机上研修を行うとともに、廃止措置施設の現場の視察を行った。
ii)プロジェクトマネージメント研修(研修時間:2日)
・ IAEA GSR.Part6 等を教材として、“廃止措置の3要件”である「放射線防護」、「グレーデッドアプローチ」及び「廃止措置時の安全評価」について研修を行った。
・ IAEA GSR.Part6 等を教材として、“ 廃止措置の重要要素” である「施設の特性調査(Characterization)」および「方策(戦略;Strategy)」について研修を行った。
・ IAEA GSR.Part6 等を教材として、統合的なプロジェクトマネージメントについて研修を行った。統合的なプロジェクトマネージメントにはIAEA が示す素を含めた。
2) プロジェクトマネージメント(PM)実習
ア)実施項目
プロジェクトマネージメントに関する知識の習得と技能を確実なものとするために実習を実施した。実習はグループ実習の形式を用いた。
イ)実施内容
実習はグループ実習の形式を用いた。
i)国内の廃止措置の課題抽出:国内の原子力発電所における廃止措置の実施状況を調査し、IAEA の提唱するプロジェクトマネージメントとの比較から課題の抽出を行った。
ii)課題対応の検討:抽出された課題に対して、IAEA やその他海外の事例を参照して改善の提案を作成した。
iii)改善提案に対する議論:改善提案についてプレゼンテーションを行い、グループ間で議論を行い改善提案のブラシュアップを行い報告書にまとめた。
3) 海外研修
ア)実施項目
海外における廃止措置の先行実施例を視察するとともに、現場のエンジニアと議論を行い、プロジェクトマネージメントの実施状況を理解するため、海外研修を実施した。海外研修は,上記国内で実施する研修及び実習の受講生から選抜した。選抜から漏れた国内研修及び実習の受講生には海外研修の報告書の作成の段階から共有を行い,海外研修の訪問先機関との議論に間接的に参加する形式とした。
4) 業務の総括
本年度実施分の内容を総括し,改善事項を抽出した。対象は次の通りとする。
・研修及び実習の教材
・研修及び実習の実施状況
・研修及び実習後の研修生のフォロー
・海外研修の実施方法
(目 次) 1. 一般事項
1.1 件名
1.2 業務の目的
1.3 業務の内容
1.4 提出図書
2. 実施項目と内容
2.1 プロジェクトマネージメント研修
2.1.1 事前/事後研修教材の作成
2.1.2 プロジェクトマネージメント研修プログラムの策定
2.1.3 教材の作成
2.1.4 プロジェクトマネージメント研修の実施
2.2 プロジェクトマネージメント実習
2.1.1 事前実習教材の作成
2.1.2 プロジェクトマネージメント実習プログラムの策定
2.1.3 教材の作成
2.1.4 プロジェクトマネージメント実習の実施
2.3 海外研修
2.3.1 海外研修の概要
2.3.2 海外研修の準備
2.3.3 海外研修の実施
2.3.4 海外研修の成果

5.10 統合型放射能インベントリ評価システムの開発

(プロジェクト名) 統合型放射能インベントリ評価システムの開発(その2)
(報告書名) 統合型放射能インベントリ評価システムの開発(その2)共同研究実施報告書
(報告書番号) IAE-1878907
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 今後、原子炉施設の廃止措置準備作業を進める上で、放射能インベントリ評価のための基盤データベースについて、あらかじめ、ベンチマーク計算を通じて精度検証を行っておくことが重要である。本研究では、実際の原子炉施設で使用された実材料サンプルについて定量分析を行ってベンチマーク計算の入力条件の一つである材料組成データベースの実材料実測データを拡充し、ベンチマーク計算を実施した。
放射能インベントリ評価には、中性子輸送計算コードと放射化計算コードの2種類の計算コードが一般的に用いられており、それぞれ独自に開発が進められてきた経緯がある。ただし、後者による計算には、前者で計算した中性子エネルギースペクトルが必要となるため、ベンチマーク計算を効率的に実施するためには、両者が統合されていると便利である。ここでは、中性子輸送計算コード及び放射化計算コードORIGEN-S、並びに基盤データベースをつなぐインターフェースを作成し、統合型コードシステムとして整備した。本研究は、実機(原子力発電所)を有する電力会社、廃止措置全般にわたる豊富な情報を有する当研究所、及び本共同研究に必要な幅広い基礎・基盤的な知見と実績を有する国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)による三者の共同研究であり非常に大きな相乗効果を生むことが期待できる。本研究により、原子力機構は電力会社及び当研究所が有する実機に関連したデータにアクセスするとともに、開発したシステムを実機に基づくデータによって検証できるメリットが得られ、電力会社及び当研究所は、原子力機構の開発するコードを使用した廃炉関連事業に取り組むことが出来るメリットが得られた。本共同研究で作成された統合型コードシステムが実際の各電力会社の原子炉の放射能インベントリ評価に活用されることにより、統合型コードシステムのみならず、基盤データベースの標準化や普及が期待される。
(目 次) 1. 一般事項
2.研究の成果
2.1 ベンチマーク計算による基盤データベースの適用範囲の検討及び最適化計算手法の確立
2.1.1 JPDR ベンチマーク計算
2.1.2 JRR1 ベンチマーク計算
2.2 統合型コードシステムの整備
2.2.1 原子炉廻り中性子束分布計算用マクロ断面積の作成
2.2.2 対象とした材料
2.2.3 マクロ断面積の作成
2.2.4 マクロ断面積の使用方法
3. まとめ
参考文献

6.国際標準関連

6.1 エネルギーマネジメント・省エネルギーに関する国際標準化に係る調査研究

(プロジェクト名) 平成30年度省エネルギーに関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費 省エネルギー等国際標準化開発(国際標準化分野(新規対応分野))
(報告書名) 平成30年度省エネルギー等国際標準化開発 エネルギーマネジメント・省エネルギーに関する国際標準化 成果報告書
(報告書番号) IAE-1818104
(発行年月) 2019年2月
(要 旨) TC301(エネルギーマネジメント・省エネルギー量)の下で、ISO 50001改定、ISO/TS50008 、ISO50046 、ISO50021 が新たに発行され、ISO50049、ISO50044、ISO50045、ISO50005、ISO50009(日本提案)、ISO50004改定、ISO50003改定の規格開発が実施された。日本提案のISO50009「複数組織が実施する共通のエネルギーマネジメント活動に関するガイダンス」は、2018年6月のTC301 年次総会で正式承認され、直ちに規格開発が開始された。
もう1件の日本提案「エネルギーマネジメント進展の測定」は2019年度の正式提案に向けて国内での検討作業および海外のTC主要国との協議を行った。
こうした規格開発活動は、国内では国内審議委員会およびWGでの検討を通じて、国際面では6月のTC301年次総会・WG、11月の国際WG 会議等の機会を通じて実施された。
(目 次) 1. 事業目的・事業概要
1.1 事業目的
1.2 事業概要
2. 平成30 年度の実施体制及び事業概要
2.1 実施体制
2.2 事業のスケジュール
2.3 事業概要
3.平成30 年度の事業実施内容
3.1 TC301 国際規格開発事業全般
3.2 日本提案による新規格の開発及び検討状況
4. まとめ

6.2 ISOにおけるCCS分野の規格制定に関する活動

(プロジェクト名) 平成30年度地球温暖化対策における国際機関等連携事業(CCS国際連携事業(CCS関連国際機関等との連携事業))におけるCCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイッシュー分野への対応業務
(報告書名) 平成30年度地球温暖化対策における国際機関等連携事業(CCS国際連携事業(CCS関連国際機関等との連携事業))におけるCCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイッシュー分野への対応業務 調査報告書
(報告書番号) IAE-1818106
(発行年月) 2019年3月
(要 旨) 平成23 年度に設置が決定したISO/TC265 の活動のQ&V とクロスカッティングイッシュー分野への対応を実施した。また、CCS 関連の規格化のQ&V とクロスカッティングイッシュー分野に関する各国の議論の動向を調査し、収集した各国の動向について国内関係者へ情報提供を行う等、国内での議論を支援することにより、CCS 関連の規格化のQ&V とクロスカッティングイッシュー分野に関する議論を先導した。
(1) 国内WG の開催
Q&V とクロスカッティングイッシュー分野に関するQ&V・CCI WG を都内で3 回開催し、当該分野で取り組んでいる規格類についての議論を中心に検討を行った。
国内WG の開催にあたっては、日程の調整、会場の手配、WG 各委員の招集、議事内容の記録・報告などの業務を行うとともに、WG 各委員への意見照会や意見のとりまとめ等を行った。さらに、関連する法令、規格等を調査しWG 委員に情報を提供し、WG における議論を支援した。
(2) ISO/TC265 全体会合、ISO/TC265 WG4、WG5 への参加
ISO/TC265 全体会合が2018 年7 月にフランス・パリで、2019 年3 月にWeb 会議により開催された。定量化と検証WG(WG4)とCCIWG(WG5)は、パリのTC 全体会合に合わせて1 回、WG4 はその他に2018 年10 月に豪州・メルボルンで、2019 年3 月に中国・北京で開催された。パリのTC 全体総会へは、専門家として国内WG4から3 名を派遣し、Web による総会には2 名で対応し、各WG へは1~2 名程度の専門家を派遣した。また、WG独自で電話会議が開かれたため、国内WG の専門家が参加した。
(3) CCS 関連の規格化に関する各国の動向調査
TC 会合関係者へのヒアリング等により、CCS 関連のCCI 分野における規格化に関する各国の動向調査を行った。また、WG5 のCO2 Stream Composition 分野のDTR27921、リスクマネジメント分野のTS 27924 の編集に必要な文献調査を行った。上記調査内容を整理し国内WG 等へ情報提供して国内での議論を支援した。
これらの取組みを通じて、Q&V・CCI WG が担当する以下の文書の発行、作成に貢献した。
<H30 年度に発行された文書>
・ISO/TR 27918:Lifecycle risk management for integrated CCS projects
<H30 年度末時点で作成中の文書>
・ISO 27920:Carbon dioxide capture, transportation, and geological storage — quantification and verification
・ISO/TR 27921:Carbon dioxide capture, transportation, and geological storage — Cross Cutting Issues — CO2 stream composition
・ISO/TS 27924:Lifecycle risk management for integrated CCS projects
(目 次) 1章 概要
70
2 章 CCS 関連の規格化への対応
2.1 WG4(Q&V)とWG5(CCI)の概要
2.2 実施内容
2.3 フランス-パリ会合までの活動
2.3.1 国内活動
2.3.2 国際活動
2.4 フランス-パリ会合
2.5 フランス-パリ会合以降の活動
2.5.1 国内活動
2.5.2 国際活動
2.6 第12回ISO/TC265総会(テレコンファレンス)
2.7 テレコンファレンス総会以降の活動
2.7.1 国内活動
2.7.2 国際活動
2.8 文献調査
2.9 今年度の活動のまとめ
2.10 今後の取り組み

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