2022年1月
 

皆様、新年あけまして、おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年は、新型コロナ感染症による緊急事態宣言で始まり、第3波、第4波、第5波とコロナ禍が波状的に襲ってきたために、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間が大変長く、我々の生活も大変大きな影響を受けましたが、ワクチン接種の進展もあり、オリンピック・パラリンピックを開催しても、その後、新規感染者数は減少に転じ、11月には新規感染者数が極少となりました。昨今、オミクロン株の影響もあり、欧米を中心に新規感染者数が再度爆発的に増大しており、わが国でも感染拡大が懸念されるところですが、所員一同、基本的な感染防止対策をしっかりと取りつつ、引き続き、健康に留意し、職務に励んでいきたいと考えています。

さて、年頭にあたり、理事長として改めて「コンプライアンス・ファースト」を不断の認識として、しっかりと胸に留めたいと思います。3年前の不祥事後の対応につきましては、毎月、再発防止対策実施委員会を開催して具体的なアクションプランを作成し、所員一丸となって、着実にこれを実行に移しつつあります。このような我々の活動につきましては、第三者としてのモニタリング機関等からも、実効性のある対策が行われているという、ありがたいご評価をいただいており、今後の一層の信頼回復に向けて、引き続きの努力を継続してゆく所存です。

一昨年、菅前首相が施政方針演説の中で強調された「2050年温室効果ガス実質排出量ゼロ、あるいはカーボンニュートラル」は、まさに我々が志向している方向そのものです。また、それを受けて昨年秋に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2030年のCO2を中心とする温室効果ガス排出量を、2013年度比で46%削減するという極めて高い目標が示されました。これを受けて、様々な業種の企業においても、その方向に向けた取り組みが始まりつつあります。その中で、当研究所の果たすべき役割には大変大きなものがあると思います。具体的には、国や自治体、民間からの受託事業や調査研究、会員サービスの実施等が挙げられます。

例えば、昨年は「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、グローバル水素社会の構築や廃止措置基盤整備等に関する調査研究、 WEBによる月例研究会の開催 、 Newsletterの内容充実、技術分野毎の調査研究の発表と技術提案を盛り込んだ賛助会員会議の開催などを行いました。特に、昨年12月には、 第34回エネルギー総合工学シンポジウム「総合工学的視点からの2050年カーボンニュートラル」を開催し、当研究所でこれまで行ってきた研究部門の幅広い知見を総括し、エネルギーシステム全体の視点から、カーボンニュートラル実現技術の現状と将来展望、およびその背景について、ご紹介・ご議論させていただく機会を設けさせていただき、400名以上の方々にお申し込みいただきました。

また、 次世代電力ネットワーク(APNET)研究会 ACC技術研究会(Society of Anthropogenic Carbon Cycle Technology) 太陽熱・蓄熱技術研究会等の個別分野研究会も、プラットホーム的な機能を担うべく、その活動内容を一層充実させるとともに、会員数の増加に取組んできております。APNET研究会では、東大先端電力エネルギー・環境技術教育研究アライアンス(APET)との共催で、昨年11月に「2050年の再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワークシステムの課題と展望」をメインテーマとしてシンポシウムを開催いたしました。

さらに、昨年秋には、当研究所の編著による 「図解でわかるカーボンニュートラル」を上梓いたしました。本書は、一昨年の秋に刊行いたしました 「図解でわかるカーボンリサイクル」の姉妹編で、カーボンニュートラルの全分野における技術的・社会的課題と今後の展開について取りまとめたものですが、非常に高いご評価をいただき、おかげさまで、売れ行きも好調で、前書同様、10,000部以上の増刷となっております。また、賛助会員の皆様方とスタートアップスをつなぐために、 オープンイノベーションフォーラムという事業も展開しており、好評を博しています。以上のような取組みも、賛助会員をはじめ、ご関係の皆様からのご理解とご支援の賜物であり、改めて御礼を申し上げます。

さて、今年の干支(えと)は寅(とら)ですが、正確に申し上げますと「壬寅(みずのえ とら)」です。十干のうちの「壬」は陰陽五行説(木火土金水)では「水の兄(陽)」で、「妊に通じ、陽気を下に姙(はら)む」(厳冬、静謐、沈滞)という意味があるそうです。一方、十二支の3番目の「寅」ですが、「子」(新しい生命が種子の中に生まれ始める状態)と「丑」(発芽直前の芽が種の中に生じて、種子の硬い殻を破ろうとしている状態)に続く「寅」には「螾(ミミズ)に通じ、春の草木が生ずる」という意味があるそうです。春が来て草木が生ずる状態です。そのため「壬寅」は厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となるイメージととらえることができます。当研究所におきましても、今後とも、皆様のご指導やご支援をもとに、調査研究や事業活動に励み、このイメージにあやかり、一層の飛躍の年にしたいと思っております。

最後になりましたが、改めまして、本年が、皆様方にとって良い年になることを祈念いたしまして、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。