2021年1月
 皆様、新年あけまして、おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 昨年は、当エネルギー総合工学研究所にとりまして、真にチャレンジングな年でありました。受託事業の不適切会計事案への対応に追われましたし、コロナ禍の影響もあり、新たな事業運営の確立等にかなりの労力を割かれました。
 不祥事につきましては、研究所といたしまして大いに反省を行い、8月に再発防止対策実施委員会を立ち上げ、これを毎月継続して開催し、そこで議論された対策を着実に進めてまいりました。また、あわせて、民間からの受託事業や会員サービスの実施等に注力してきたところです。
 例えば、昨年の所信表明演説の中で菅首相が述べられた「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、グローバル水素社会の構築や廃止措置基盤整備等に関する調査研究、 WEBによる月例研究会の開催、内容を刷新した Newsletterの配信などを行ってきました。
 また、 次世代電力ネットワーク(APNET)研究会ACC技術研究会(Society of Anthropogenic Carbon Cycle Technology)等の個別分野研究会も、プラットホーム的な機能を担うべく活動内容を充実させるとともに、会員数の増加に取組んできております。APNET研究会は、東大先端電力エネルギー・環境技術教育研究アライアンス(APET)と共催で、昨年11月に「変革が進む配電分野の最近の動向」をメインテーマとしてシンポシウムを開催し450名余りの方々にご参加を頂きました。
 さらに、昨年秋には、当研究所の編著による 「図解でわかるカーボンリサイクル」を上梓いたしました。幸い、同書は「カーボンリサイクルの技術的・社会的課題について整然と提示され、その実現への提案も記載され、貴重な資料を提供する好著である」との高いご評価をいただき、おかげさまで、売れ行きも好調で、さらなる増刷が決定しております。
 賛助会員の皆様には、秋に 不祥事と今後の活動についての説明会を開催させて頂き、引き続きのご支援と調査研究での当研究所のご活用等をお願い申し上げました。

  さて、今年の干支(えと)は丑(うし)です。正確に申し上げますと「辛丑(かのとうし)」です。十干のうちの「辛」は、陰陽五行説(木火土金水)での「金の弟(陰)」(かのと)ですが、もともとは、刺青をする針を表した象形文字だそうで、「つらい、ひどい、からい」という意味を持っています。一方、十二支についてですが、もともと十二支は農業において重要な植物の循環の様子を表していたのだそうで、中国の漢の時代に、農民に理解させるために12の動物を当てたということです。その中で2番目の「丑」の語源は「紐」だそうで、これは、「ちゅう、ひも、曲がる、ねじる」という意味の文字ですが、発芽直前の芽が種の中に生じて、種子の硬い殻を破ろうとしている状態、言い換えれば、はちきれんばかりの生命エネルギーが充満している状態を意味しているといわれています。「子」は新しい生命が種子の中に生まれ始める状態、「寅」は春が来て、発芽し、草木が生ずる状態、この間が「丑」という状態です。ご存じのように、丑(牛)は古来より酪農や農業、輸送で人間を助けてくれる重要な動物で、ゆっくり黙々と動くさまが象徴的です。今は我慢して力を蓄え、これから発展する前触れを象徴する動物ととらえられます。 以上のことを踏まえますと、辛丑(かのとうし)である本年は、つらく厳しい状況だが、耐え忍び、内部にエネルギーを充満させ、飛躍の準備を行う年であると位置づけることができると思います。世間的には、新型コロナウイルス感染症に対する対応もそうですし、当研究所の歩み方も、まさにその名前に象徴されているような年だと思います。決してあきらめたり慌てたりすることなく、牛のように一歩一歩着実に実績を積み重ね、内部にエネルギーを蓄え、来年に飛躍できるような準備の年にしたいと思います。

 最後になりましたが、本年が、皆様方と当研究所にとって良い年になることを心よりお祈りいたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。それでは、改めまして、「本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。」