2022年5月21日に技術評論社は
「図解でわかるカーボンニュートラル燃料」を発行いたしました。
本書の一部執筆を弊所研究員が担当しております。

発売:2022年5月21日(紙版)
2022年5月18日(電子版)
編著:CN2燃料の普及を考える会
A5判/304ページ
定価2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN 978-4-297-12805-0

出版にあたって

 地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、各国が対策に取り組んでいるなか、21世紀後半までに人間の活動による温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の排出量を実質的にゼロにする、すなわちカーボンニュートラルの方向性が打ち出されました。
 先進国の排出するGHGのうち、大半を占めるエネルギー由来の二酸化炭素(CO2)については、主に電力分野で太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入による非化石燃料化が進められています。しかしながら、自動車、船舶、航空機、産業用ボイラー、暖房用の燃料として用いられるほか、非エネルギー部門では、プラスチックなどの化学品原料として利用されている石油製品の非化石燃料化については統一的なアプローチ方法が示されておらず、社会的な理解も進んでいない状況にあります。
 2050年のカーボンニュートラル達成に向けて産業界の動きが活発になってきている中、自動車業界ではハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などの導入が加速しています。
本書は、2030年のCO2排出削減マイナス46%および2050年の実質排出ゼロのカーボンニュートラルに向けて、7名の専門家が運輸部門の対応策としてバイオエタノ―ル導入の意義や将来展望について執筆したものです。
バイオエタノールや合成燃料であるe-fuelをカーボンニュートラル燃料としてとらえ、自動車産業のみならず、航空燃料への利用を見据えたこれからの普及に向けた技術開発の最新情報を図表を交えながらわかりやすく解説しています。
 是非、ご一読いただき、ご参考にしていただくとともに、率直なご意見をいただければ幸いです。

(当研究所プロジェクト試験研究部部長(副主席研究員) 森山 亮)