この度、当研究所の松井一秋研究顧問は、米国原子力学会より、2017年のW.Bennett Lewis Awardを授与されました。
本賞は、将来世代のためにクリーンで豊富なエネルギー源を供給することの必要性を深い洞察をもって説いた故W. Bennett Lewis博士(注)の業績を記念して設けられた賞であり、環境負荷の最小化や、長期的かつ世界的に持続可能なエネルギー及び開発の達成等に向け、原子力科学・工学分野において永年にわたり多大な貢献をした研究者に与えられるものです。
過去には、
- チャールズ・ティル氏(米)
(米国アルゴンヌ国立研究所で統合型高速炉(IFR)の概念を考案)、- ジョルジュ・バンドリエス氏(仏)
(元仏国原子力庁長官付科学顧問、高速増殖炉の実用技術を確立)、- ピート・ドメニチ氏(米)
(元米国上院議員、永く米国のエネルギー政策をリード)、- バーナード・コーエン氏(米)
(元ピッツバーグ大学名誉教授、閾値なし直線(LNT)仮説に異を唱えつつ低線量被ばくの理解に貢献)、- ウォルフ・ヘッフェレ氏(独)
(元ユーリッヒ原子力研究所所長、ドイツの「高速増殖炉の父」)らが受賞されています。
W. Bennett Lewis博士(1908~1987) 英国生まれ。ケンブリッジ大学において博士号(物理学)取得。カナダ国立研究機関に勤務。1952年からカナダ原子力公社の研究開発担当副社長、1963年から1973年まで科学担当上席副社長。1940年代半ばより天然ウランを用いた原子炉CANDU炉の開発を指揮。1955年から国連科学諮問委員会カナダ代表。米国原子力平和利用賞(1967年)、ロンドン王立協会ロイヤル・メダル(1972年)、米国エネルギー省エンリコ・フェルミ賞(1981年)などを受賞。
目次米国原子力学会年次会合における記念撮影(2017年6月12日、サンフランシスコ、カリフォルニア州)
会長表彰やLeadership Awardなど他の賞を授与された人々とともに
アンドリュー・クライン米国原子力学会会長とともに