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超臨界圧水冷却炉の材料開発
平成17年度 審査委員会評価
 
実施者:
(株)東芝、(株)日立製作所、東北大学、東京大学

【総合評価】
 本技術開発は実用性のある革新的な成果を創造する可能性があり、実施意義が高いと認められる。平成17年度は当初の計画を完了し、概ね予定通りの目標、成果を達成し、次年度以降の成果も期待できる。平成18年度は計画通り本技術開発を継続することは適切であると認められる。
 国際協力においては、担当者レベルでの綿密な検討が必要である。設計仕様を満足する材料が得られるよう、本評価におけるコメント等を考慮のうえ、一層の努力を期待する。
 
【参考コメント】
A. 研究開発テーマの妥当性・意義
  実用性のある、革新的な成果を創造する実施意義の高い技術開発であると認められる。
  * 材料の性能評価結果を待っての実用化であり、プラント実用化までにはかなりの時間がかかると考えられる。
  * 超臨界圧水冷却炉自体の実用化が不明確である。
  * 目標とする温度領域と材料の両立性の観点で実現性に対する見通しがどこまで得られるのか、現状では不安要素が大きい。
  * 熱効率が高く取れるという観点で優れた概念であるが、プラントとして成熟するには相当期間がかかることを考えると、実際の導入は困難なものと考えられる。
  * 腐食問題や照射特性を含め、定常時および過渡変化時炉心ホッテストチャンネルの被覆管温度そのもの、および材料物性から与えられるべき温度制限値との差を考慮したときに、健全性を保証しうる材料開発がこの開発期間で達成しうるとは考えにくい。従って、実用性のある革新的な成果を創造する実施意義のある技術開発であると認められるが、達成可能な計画として再検討する余地があると考えられる。
  * 本研究では既存の材料でどれほどいけるかを検討しているという範囲で評価しているが、過渡についてはどういう制約から設計目標をどうすべきか検討すべきである。
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B. 研究開発目標、計画の妥当性
  (1) 研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
研究開発目標は国際的に見て高い研究水準にあると認められる。
  (2) 研究開発目標の実用化の観点からの妥当性
実用化の観点から水準を概ね満足していると認められる。
    * 特に被覆管に対する温度条件が極めて厳しく、実用に耐える材料開発と高温構造設計基準構築についての可能性を見極めるためには、今後更に相当の努力が必要である。
  (3) 研究開発計画の妥当性
研究開発計画は概ね妥当であると認められる。
    * 被覆管については外面からの検討はあるレベルで行われているが、当該温度領域では、むしろ内面腐食の方が大きな影響因子になる可能性が大きく、今後の検討が必要である。
    * Alloy625のクリープ破断試験を優先して実施すべきではないか。
  (4) 研究開発計画の柔軟性
動向変化、計画の見直しも概ね適切に行われていると認められる。
    * SCWR温度条件での照射特性について、照射炉の動向が反映されている。
  ▲Top
C. 研究開発実施者の事業体制、運用の妥当性
  適切な事業体制、運用であると認められる。
  * 国際協力においては、担当者レベルでの綿密な検討を基に進めることが重要である。
  * 金属材料メーカーが参加した方がよいのではないか。
     
D. 計画と比較した達成度、成果の意義
  (1) 計画と比較した目標の達成度
目標は概ね達成されていると認められるが、将来的には不透明である。
    * 設計仕様を満足する材料が得られるよう、最大限の努力を期待する。
  (2) 実用要素技術としての成果の意義
概ね妥当な成果であると認められる。
    * 材料データベースとしても活用される。
  (3) その他特筆すべき成果、副次的効果
具体的ではないものの、直接的な技術的成果以外に多少の成果があったと思われる。
     
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