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ステンレス鋼レーザー溶接部の高信頼性化に関する研究
平成21年度 審査委員会評価
 
実施機関: 大阪大学

【総合評価】
 本技術開発は、原子炉の構造材として広く用いられているオーステナイト系ステンレス鋼に関する健全かつ信頼性の高いレーザ溶接継手の作製技術を開発するするとともに溶接工学の研究手法・技術を習得した人材を育成することを目的としたものである。レーザ溶接については、レーザ溶接部の割れ感受性評価法、熱弾塑性解析によるレーザ溶接部の熱応力履歴・残留応力分布特性の把握と低減化、レーザ溶接継手の健全性評価技術等の技術開発を行い、溶接工学の人材の育成においても、平成19年度から平成21年度の3年間で、当初計画を完了し、概ね予定通りの目標、成果を達成したものと認められる。
 
【参考コメント】
A. 計画に対する達成度
  (1) 研究の目標に対する達成度
    * レーザ溶接の実用化に向けた課題を抽出し、その解決法を見出すための評価技術の開発を行いつつ、レーザ溶接の実用化に向けた課題を明確にしている。今後、ASME溶接規格での適用許容に到るまでの研究継続を期待したい。
ただし、3年間の研究開発の目標に対し、予想される具体的成果が示されているが、いずれの項目も一定の成果は得られているが、割れ感受性試験法の確立、残留応力の低減化、高温割れ発生予測法の確立と云った具体的な成果には至っていない。
  (2) 研究後継者の育成
    * 各試験で工夫した事項(例えば、残留応力調査での工夫したポイント)や学生の作業状況が報告されており、溶接工学の研究手法を習得した人材の育成が適切に実施されたと考える。 
ただし、学部から修士までを通してこの研究に従事した人数が3人でこのうち2人が修士学位を取得見込みの状況であり、3年間で3人というのはやや少ない。溶接は重要な基盤技術分野であり、継続的な育成を期待したい。
  (3) 研究開発の進め方
    * 実施体制は、2つの研究室の分担を明確にしており、研究成果が出ていることから妥当であった。
    * 研究の成否に影響があったとは思えないが、もう少し原子力産業界との連携、情報交換を密にする主体的な取り組みがなされても良かったのではないか。外部機関との情報交換という点では学会発表のみとなっており、知識を深めていくという観点からは討論による意見交換が行えるようなものも検討する方がよい。 
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B. 最終成果の見通し
    * レーザ溶接部の割れ感受性評価、残留応力分布評価、レーザ溶接部における高温割れ発生の予測法の確立の基礎的評価などの分野において、広く産業界にとって有用な成果であると考えられるが、原子力産業界に直ちに貢献するためには、さらなる研究が必要である。
    * これまで、原子力プラントの炉心シュラウドや再循環配管などのステンレス構造物の溶接に応力腐食割れ(SCC)が発見され、産業界を中心に種々の対策を取ってきている。このステンレス鋼のSCCの予防保全あるいは補修工法として、低入熱でかつ均一なレーザ溶接技術の応用が期待されるので、引き続き、研究の進展と人材の育成に努めることを期待する。
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