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高温高圧二相自然循環炉の熱流動システム評価手法の開発
平成18年度 審査委員会評価
 
実施者:
肥田隆彦ほか(日本原子力発電(株))、芹澤昭示ほか(京都大学)米田公俊(電力中央研究所)、日比宏基ほか(三菱重工業(株))

【総合評価】
 本技術開発は3次元的な二相挙動を把握できれば、一体型モジュラー軽水炉の実用化に向けてキーとなる技術の開発が大きく促進されると見込まれ、その実施意義が認められる。
 平成18年度は当初の計画を完了し、概ね予定通りの目標、成果を達成したと認められ,平成19年度は計画通り本技術開発を継続することは妥当であると認められる。対外発表を広く進め,本評価におけるコメント等を考慮のうえ、一層の努力を期待する。
 
【参考コメント】
A. 研究開発テーマの妥当性・意義
  実用性のある革新的な成果を創造する実施意義のある技術開発であると認められる。
  * 固有安全炉の一つとして実用化が期待される技術である。
  * 説明、報告書ともに内容がよく伝わらないため、改善が望まれる。研究内容については独自性、革新性が認められないので、題目にあるよう「評価手法の開発」に鋭意取り組まれたい。
  * 一体型モジュラー軽水炉(IMR)の成立性のキーとなる技術の一つであるハイブリッド熱輸送システム(HHTS)の熱流動システム評価手法の開発は意義があるといえる。
  * 模擬流体ではあるが、3次元的な二相流挙動に関する知見が得られるので実施意義は高いといえる。
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B. 研究開発目標、計画の妥当性
  (1) 研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
研究開発目標は、革新性の観点から平均的な研究水準であったと認められる。
    * 熱流動特性の解明としては新規性が乏しい。IMR用の熱流動解析なのか。
    * IMRを念頭に置いた代替流体試験に基づく3次元的な二相流挙動の把握および熱流動システムの評価手法の開発であり、国際的に見て平均水準以上といえる。
    * 原子炉としての新規性はあるが、市場としては現在および近い将来において期待できない。当面は研究のみに留まる技術と判断される。
  (2) 研究開発目標の実用化の観点からの妥当性
実用化の観点から水準を概ね満足している。
    * IMR実用化のためのキー技術の開発を目標としており、概ね妥当といえる。
    * IMRを実施するために必要な研究開発を絞り込む必要があるのではないか。
  (3) 研究開発計画の妥当性
研究開発計画は概ね妥当であったと認められる。
    * 代替流体模擬試験の妥当性を十分に検討する必要があるのではないか。粘性係数(液体)の相違、気泡粒径等が焼結金属からのSF6気泡と蒸気気泡の成長の違いなど。
  (4) 研究開発計画の柔軟性
動向変化や計画の見直しは概ね適切に行われていると認められる。
  ▲Top
C. 研究開発実施者の事業体制、運用の妥当性
  事業体制・運用は概ね適切に行われていると認められる。
  * 役割分担が報告書に記載されており、ほぼ2ヶ月毎に全機関が集まり研究を進めたとされており、概ね妥当といえる。
  ▲Top
D. 計画と比較した達成度、成果の意義
  (1) 計画と比較した目標の達成度
目標は概ね達成されているが、将来的には不透明である。
    * 炉心内試験に関する部分が遅れているのではないか。
    * 実験より、目標とする熱流動特性が得られる可能性は高い。
    * タスク2「二相流動評価手法」では、「〜について今後検討していく」との記載が多く見られ、平成18年度の目標水準が未達のような印象を受ける。
  (2) 実用要素技術としての成果の意義
概ね妥当な成果と認められる。
    * 得られつつある二相流実験データのCFD解析モデルへの反映が、この段階では見えて来ない。
    * 模擬流体であるので、将来的には不明である。
  (3) その他特筆すべき成果、副次的効果
    * 現時点で成果の発表が見られていない。今後の成果発表を期待したい。
  ▲Top
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