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地層処分に及ぼす微生物影響のシミュレーションに関する技術開発
平成15年度 審査委員会評価
 
実施者:
石川島播磨重工業(株)、静岡大学、京都大学、東京大学、核燃料サイクル開発機構、サンディア国立研究所

【総合評価】
地層処分に及ぼす微生物影響の予測に関するシミュレーション技術を確立することの重要性は高く、実施意義のある技術開発と認められる。平成15年度は当初の計画を完了し、概ね予定通りの目標、成果を達成し、今後の成果も期待できる。平成15年度の技術開発成果と進捗状況評価では総体的に適切であると評価される。しかし、平成16年度は「評価コメント・留意事項」での指摘事項を十分に考慮して計画の見直しを行いつつ、本技術開発を継続することが妥当であると認められる。
微生物の処分環境への影響については未解明な部分が多いため、研究の位置づけを再確認し、研究対象の多様性の観点から実用要素技術の確立を明確化した計画を再検討しつつ、技術開発を促進する必要がある。
 
【参考コメント】
A. 研究テーマの妥当性・意義
  地層処分に及ぼす微生物影響の予測に関する研究開発であり、実施意義の高い技術開発と認められる。
  * 微生物の処分環境への影響については、未解明な点が多く、今後の処分計画の進捗に応じてその重要性が高まることと考えられテーマの重要性は認められるが、実用化には程遠く、アカデミックな開発内容である。FEPの中ではその相対的重要度は高いとは言えない。取り組むべき課題を再整理し、プライオリティの高い部分に取り組みを絞るべきである。
  * 一般的に課題そのものの実施意義は高いと考えられるが、実施の必然性、またその重要性の認識において、より客観的な裏づけが補足されるべきであると考える。すなわち、処分環境への微生物の影響評価として、影響を及ぼすと考えられる微生物活動と環境との相互作用とその範囲の把握が最初にあって、その結果としてさらなる数値シミュレーションを必要としているのか、相互作用の把握にはシミュレーションが必要で、そのシミュレーションの結果として影響の大小や、ポジティブまたはネガティブな作用か否かを判断しようとするのでは研究開発の意義が異なってくると考える。
  * 国産コードとBIORXNTRNの違い、特徴が明らかでない。シミュレーションコードの開発に際して、現状の問題点、それへの対応方法という検討がないまま、単にサンディア研究所コードのコピーを行っている。革新的な技術開発に取り組むには、より野心的な取り組みが必要である。また、シミュレーションにより試験した結果を一般化していく枠組みがないと、多くのフィールド試験を行っても単にケースを積み重ねるだけになる。
  ▲Top
B. 研究開発目標、計画の妥当性
  (1) 研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
研究開発目標は国際的に平均的水準であると認められる。
    * モデル構築については、米国で開発された手法をわが国に適用したものでやや独創性に欠ける。海外の研究機関では既に微生物挙動のシミュレーションモデルの開発が行われている。今後は生物影響全体を展望し、その中での本テーマの位置付けを明確にした上で、進めるべきである。
  (2) 研究開発目標の事業目的達成の観点からの妥当性
研究開発目標は実用化の観点から要求水準を概ね満たしていると認められる。
    * 本件は先ず、workableなモデルを構築し、その予測機能の根幹を成す基本データを得るということであり、その意味では着実な前進を示している。
    * 研究対象の多様性の観点から、微生物影響の解明は限定的であると考える。
    * シミュレーションに関する技術開発においては、パラメータ(データベース)の整備も重要であるが、その詳細は不明である。
  (3) 研究開発計画の妥当性
研究開発計画は総体的に妥当である。
    * 国産コードの開発が進められているので、概ね妥当であるが、計算に当っては、各種のデータベースを用いることになるので、それらの公開性、信頼性を明確にしておく必要がある。(単にデータを集積しただけのものではなく、一定の評価を経て信頼性の確認されたデータベースを用いることが望ましい。)
  (4) 研究開発計画の柔軟性
研究開発計画の見直しは概ね柔軟に行われていると認められる。
    * 指摘に対応して、国産コードの開発が進められているが、データベースについても良く検討してくことが望まれる。
    * 微生物の処分環境への影響について未解明な部分が多く、研究開発全体で到達すべき点を示し、本個別研究の役割を明らかにする必要があるとの指摘(H14)に対し、明確な対応がなされているとは考えにくい。
  ▲Top
C. 研究開発実施者の事業体制、運用の妥当性
  体制補強や運用改善が望ましい点があるが、概ね適切な運用が行われている。
  * 異質分野の人々の共同作業という意味では評価できる。
  * 体制は適切と考えられるが、関係者間の連携、情報交換は不明である。
     
D. 計画と比較した達成度、成果の意義
  (1) 計画と比較した目標の達成度
評価時点における目標は概ね達成されていると認められるが、将来的には不透明である。
    * ソフトは動くようになり、達成度に関しては概ね妥当である。なお、実験において得られた分配係数をそのまま遅延係数に変換することについては、微生物が移行しないことを前提としているので、慎重に検討する必要がある。また、深地層における状況への適用性についての検討が不十分である。
  (2) 実用要素技術としての成果の意義
実用要素技術として概ね妥当であると認められるが、今すぐ実用化にはつながらない。
    * 将来の課題解決に向けての技術の一つとはなり得ると考えられる。細く、長く研究を続ける必要がある。
    * 本研究開発における国産コード開発がSNLのBIORXNTRNから出発している以上、(仮に国産コードがゼロから作成されたとしても)予備解析にてSNLコードの持つ重要な特長を同様に実現できたことが成果とはいい難い。そもそも、実施した個々の試験、フィールド調査がわが国の地価圏環境を特徴づけたもの、乃至はSNLコードのモデルの改良に資するものであるとすれは、SNLコードのもつ解析機能にそれらの知見を直接反映するのが効率的であるし、仮に本国産コードを開発しても革新的な評価技術といえるだろうか。本来ならBIORXNTRNの改良で必要なシミュレーションが可能と考えられるところである。国内における完全な実施権の確保のためであるとするのなら独自のコードとするべきところであろう。研究対象の多様性の観点から、実用要素技術としての成立性については疑問が残る。
  (3) その他特筆すべき成果
論文掲載、学会発表等で積極的に公表されるべきである。若い人が仕事をしており、人材育成の観点等からも当該研究分野における研究活動が活発化することが期待される。
     
E. 成果の実用化・事業化可能性
  具体的な実用化・事業化の道筋等には不透明な部分がある。
  * 何を目標に研究開発を進めようとしているのかあいまいである。実用化までの道のりを示すには困難な性格の技術開発であり、本来はFSとして進めるのがよりふさわしい。
  * この開発は、この分野の我が国はじめてのシミュレーションモデルの第1次バージョンを仕上げることである。この種のシミュレーションコードの統合検証は本質的に短期間の間には達成し難い面があり、そのためのしっかりしたプログラムが別途必要である。
  * 実用化のためには、コードの検証が必要であるが、本当にコードの検証が実施できるか不明。また、国内の処分場を本当にシミュレートできるのか疑問である。いずれにしても、今後の成果を待つのみである。
  * (結果が安全審査に適用可能なほどの)信頼に足るシミュレーションコードの開発は本当に可能か。また微生物は処分システムに対し、ネガティブな影響を与える可能性とポジティブな影響を与える可能性が指摘されているが、超長期の評価に対し微生物のポジティブな影響を期待することは安全確保の観点から適切とは言えないため、「少なくともネガティブな影響を与えないこと」について確認する技術開発とした方が原子力産業のニーズに合っているのではないかと考える。
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