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16年度報告書概要版
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マイクロチップを用いた再処理工場用分析装置の開発
平成15年度 審査委員会評価
 
実施者:
(財)神奈川科学技術アカデミー、東京大学、埼玉大学、東京工業大学、日本原子力研究所、(株)東芝、(有)スリー・アール

【総合評価】
 本フィージビリティスタディは、当初の計画が予定通り完了し、概ね当初の目標、成果を達成していると評価できる。平成16年度はPuに対する今後の研究計画を示した上で、本技術開発を継続することが適切であると認められる。
 再処理工場の試料分析は、人の関与が大きく分析精度、人員の確保等、今後課題とするべきテーマである。この分野における廃液量低減、分析の迅速化の着眼点はよく、本研究開発は安全性・信頼性及び経済性向上が期待できる要素技術である。また、マイクロチップを用いる点では革新的な研究開発と言える。
 実用化のためには具体的な道筋が不明な点やマイクロチップの耐薬品性、耐放射性等の検討等、技術の完成に向けて課題はあるが、実用化へ向けた更なる研究開発の進展を期待する。
 
【参考コメント】
A. 研究開発テーマの妥当性・意義
  我が国の核燃料サイクルの安全性・経済性向上に、成果が期待できる実用技術体系における枢要な要素技術であると認められる。
  * 分析廃液を大幅に削減する技術開発で実施していく意義は大である。
  * 廃液発生量低減、分析迅速化の狙いは評価できる。再処理工場の試料分析は、人の関与が大きく、分析精度、人員の確保等、今後の課題とすべきテーマと考える。着眼点がよく、技術開発により大きな経済性向上が期待される。また、技術的課題だけでなく、経済性の達成も開発の目標に位置付けることが望ましい。なお、経済性評価に関しては、マイクロチップや分析装置の費用も考慮して経済性を考えるべきである。
  * マイクロチップを用いるという点で革新的な試みであるが、報告書に記載してあるとおり、放射性溶液を扱う点、再処理工程での廃液が多いので測定過程での廃液量を減らすことに大きな意義がない可能性がある点などを考慮したうえで、これによる格段のメリットを早い段階で示すことが必要であろう。
  * マイクロチップのイメージからは遠いサイズであるが、分析試料の少量化によって、廃液の減容を目指している。目標とする分析の対象(U、Pu)、精度(10%)は限定的である。
  ▲Top
B. 研究開発目標、計画の妥当性
  (1) 研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
研究開発目標は国際的に見て妥当な研究水準であると認められる。
    * マイクロチップを用いた研究開発は世界最高水準のものである。
    * レーザ熱レンズ顕微鏡の利用については革新的であるが、マイクロチャンネル利用の抽出分光による分析手法は既に一般的である。
    * 廃液の減容というメリットはあるが、分析の対象と精度が限定的である。
  (2) 研究開発目標の事業目的達成の観点からの妥当性
当該実用技術体系の実用化可能性は十分ではないが、概ね確保できる水準であると認められるが、今後、以下の点についても考慮すること。
    * これまでの成果で判断すると、実用化可能性をかなり確保できることが期待される。
    * 報告書p6の図に示す「マイクロチャンネル中での操作」を実現することが肝要。このためのマイクロチャンネルの設計に開発の主眼をおくべきではないか。また、廃液発生量低減目標が10万分の1(p1)、100分の1(p8)、20分の1(p28)とブレている。どこまでが達成できれば良いのかを明確にすること。
    * 本研究は個別要素としては評価できるが、再処理施設に組み込む道筋、メリットが見えない。
    * 原子力だけでなく、他産業の応用も視野に入れて展開することも考慮した方がよい。
    * 目標が限定的であるので、実用化可能性は不明である。
  (3) 研究開発計画の妥当性
計画は総体的に妥当であると認められるが、Puに関する計画は不明である。
  ▲Top
C. 研究開発実施者の事業体制、運営の妥当性
  適切な事業体制が構築され、概ね妥当な事業体性・運用が行われている。
  * 我が国で最高水準の研究者が参加し協力し合っている。
     
D. 計画と比較した達成度、成果の意義
  (1) 計画と比較した目標の達成度
目標は概ね達成されているが、将来的には不透明な点もあると認められる。
    * 既に一部で達成されており、他の目標も達成が見込まれる。
    * これまでは装置の小型化に関する要素的な試験が行われているが、これらを組み合わせた場合の性能は確認されていない。Puに関する結果も必要である。
    * 目標が不明確であり、技術の完成に向けての重要課題の摘出が不十分。
    * 報告書では初歩的な吸光度のウラン/酸濃度依存性、硝酸ウラニルのTBPへの抽出率等の測定に多くのページを書きすぎている感がある。
  (2) 要素技術としての成果の意義
実用技術体系における要素技術として概ね妥当であると認められる。
    * 商業ベースの分析技術として十分に期待できるが、遠隔操作に適さない点の解釈の見通し、プラスチック製マイクロチップで耐薬品性、耐放射線性についての検討が必要。現時点での評価は困難である。次年度の成果に期待する。
  (3) その他特筆すべき成果
具体的ではないものの、直接的な技術的成果以外に多少の成果があったものと認められる。
    * 技術雑誌への論文掲載、査読つき論文の発表、会議口頭発表等、得られた成果の公表を行っていくこと。なお、事業開始年度以前の論文や特許は成果として記載するべきではない。
    * 人材育成の観点、他の研究機関との連携を図り、当該研究分野における研究活動が活発化することを期待する。
     
    ▲Top
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