A. |
研究開発テーマの妥当性・意義 |
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実用化の推進を図ることが特に必要な枢要技術の開発であり、我が国の原子力発電の安全性、経済性の向上に資する実施意義の高い技術開発活動であると認められる。 |
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従来困難であった原子炉容器上蓋の貫通部のような複雑形状の部分に、内部欠陥が存在することが分かった場合に、き裂進展解析を迅速に行うことが可能となり、実用プラントの運用上意義のあるテーマであると認められる。 |
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内部残留応力を精緻に計測する手法を開発した点で研究の意義は大きいといえる。しかし実際に運転されている原子炉内構造物の応力解析に役立つためには未だ多くの検討すべき課題が残されていると考えられる。 |
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開放ひずみから残留応力分布を推定して行うデータベース構築と、き裂進展解析の精緻化・迅速化とは基本的に独立のテーマと考えてよく、これらが実機の管台における計測をどれくらい高い信頼性と効率化に貢献するか、今ひとつクリアでなく、実用化にはついては検討を要する。今後の展開に期待したい |
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▲Top |
B. |
研究開発目標、計画の妥当性 |
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(1) |
研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
研究開発目標は革新性の観点では国際的にみて平均的な水準である。 |
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(2) |
研究開発目標の実用化の観点からの妥当性
実用化を推進する上で目標は適切な水準であった。 |
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着実に実用化を見据えた目標設定となっている。 |
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(3) |
研究開発計画の妥当性
研究開発計画は、2年間という短期間で必要な課題を開発し妥当であったと認められる。 |
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C. |
研究開発実施者の事業体制、運用の妥当性 |
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目標を達成する上で適切な事業体制、運用が行われた。 |
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D. |
計画と比較した達成度、成果の意義 |
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(1) |
計画と比較した目標の達成度
技術開発成果は概ね目標を満たしていると認められる。 |
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容器貫通部等の溶接部に対する寿命評価の信頼性については、計測誤差や個体差などについてさらなる検討が必要である。 |
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(2) |
要素技術としての成果の意義
実用要素技術として成立性が確認され、概ね妥当と認められる。 |
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特許などの成果が期待される。 |
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(3) |
その他特筆すべき成果、副次的効果
論文投稿、外部発表、人材育成等の成果、副次的効果は不明である。 |
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成果発表を行うことを期待したい。 |
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E. |
成果の実用化・事業化可能性 |
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実用化、事業化には不透明な部分があるがある程度期待される。 |
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中性子法も複雑形状物には限界があり、結局この手法の検証は限られたものになっている。 |
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残留応力の基礎的な研究として実施した意義は大きいと考えられる。しかし、原子炉構造物の応力による材料破壊は数年以上の長期を経て現象が現れる問題である。今回の研究ではそういった経年劣化の問題に研究がどのように役立つものであるのか明確になっていない。 |
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実用技術に発展させるためには、更にいくつかの典型形状での固有ひずみデータの取得(詳細な熱や加工の履歴とともに)が必要であり、あわせてそれらに対応する熱弾塑性解析結果とのつき合わせが必要である。 |
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き裂進展解析の精密化も目標にかかげているが、とりあえずは特殊形状の3次元溶接構造物の内部残留応力評価手法の確立に焦点をしぼるべきであろう。その上で、その評価技術にある範囲内での一般性、汎用性をどこまで持たせられるかが重要である。 |
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容器貫通部等の溶接部に対する寿命評価の信頼性についてはさらなる検討が必要であるが、産業技術としての見極めが概ねできている。 |
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>> 平成15年度
審査委員会評価 |