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15年度報告書概要版
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軽水炉高燃焼度化のための炉心材料に関する技術開発
平成15年度 審査委員会評価
 
実施者:
京都大学、核燃料サイクル開発機構、(株)コベルコ科研

【総合評価】
本フィージビリティ・スタディは当初の計画を予定通り完了し、概ね当初の目標、成果を達成していると評価できる。
燃料の高燃焼度化の進展に伴い、被覆管材料の開発はますます重要な課題となっており、本技術開発は材料開発の一つの可能性を探るもので意義のあるものと評価される。
実用化のためには、課題も多く、今後の展開、具体的な道筋が不明確な点も見受けられるが、他の技術に対する優位性を明らかにしながら、実用化に向けて更なる進展を期待する。
 
【参考コメント】
A. 研究テーマの妥当性・意義
  将来炉の高燃焼度化に対応して被覆管材料と開発しようというもので、実用技術体系における枢要技術であり実施意義が認められる。
  * 高燃焼度運転は経済性向上に重要な課題であり、本研究は燃料被覆管の材料開発で課題を克服していこうとするものである。材料の信頼性を得るまでには時間はかかるが基礎的・基盤的な研究としての意義は大きい。
  * 優れた検討を進めており、今後さらに他の問題点の検討に進むとともに、電気事業者および燃料製造メーカーの視点を取り入れた技術開発へとつなげられたい。
  * 軽水炉高燃焼度化は重要な課題であり、その根本に適切な被覆管材料の開発がある。しかしながら、開発目標設定においてジルカロイ等との定量的比較が不十分である。
  * 軽水炉の更なる高燃焼度化、超臨界圧炉への適用のための被覆管開発を目指しているが、まだ実用化を検討するレベルには至っていない。
  * ODS鋼を軽水炉の被覆管に用いた場合の炉心性能への影響、再処理性等の扱いが不明であり、これらについて検討した上で次のフェーズ検討を考える必要がある。
  ▲Top
B. 研究開発目標、計画の妥当性
  (1) 研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
目標は国際的にみて高い水準であると認められる。
    * 超臨界圧炉用材料の候補として考えられる。
  (2) 研究開発目標の事業目的達成の観点からの妥当性
目標はフィージビリティスタディとして実用化可能性検討として妥当な水準であると認められる。
    * 水環境下での耐食性や水素脆化を検討しようとするものであり妥当である。
  (3) 研究開発計画の妥当性
計画はフィージビリティスタディとして総体的に妥当であると認められる。
    * 改良型ODS鋼についてすべての項目が評価されているわけではないが、総体的に妥当である。
    * 一般にODS鋼の組織的特徴から、その加工技術(製管、溶接)の困難さが指摘されている。
    * 材料技術の実用化には時間がかかるが、ある程度の信頼性を得た時点で実用プラントの燃料の一部として実証試験を実施する必要がある。
    * 製造性、炉心性能への影響、耐食性以外の照射挙動等についても検討が望まれる。
  ▲Top
C. 研究開発実施者の事業体制、運用の妥当性
  フィージビリティスタディとしては事業体制、運営は概ね妥当であると認められる。
  * 並行してJNCとの共同研究も行われており、適切である。
  * 軽水炉での実用化の可能性を検討していく上では、燃料メーカ、電力などの産業界との緊密な検討が必要となる。
     
D. 計画と比較した達成度、成果の意義
  (1) 計画と比較した目標の達成度
当初計画した目標が達成されていると認められる。
    * 全ての項目が評価されているわけではないが、水環境下での耐食性の向上については、Alの添加が有効であることを明らかにしており、目標は概ね達成されている。
    * FSとしては母材だけの評価であり、加工条件最適化、溶接構造物としての健全性確認等の課題が残る。
    * 今後、照射環境下での特性試験が重要になる。
  (2) 実用要素技術としての成果の意義
実用化は不透明であるが、かなり高い目標の高燃焼度燃料を想定したフィージビリティスタディとして妥当な成果と認められる。
    * 軽水炉高燃焼度化に高速炉燃料被覆管材料を応用するという観点では有意義な成果であると考える。近い将来に実用化の望まれる通常の軽水炉の高燃焼度化に対する材料開発に専心することも期待する。
  (3) その他特筆すべき成果
論文発表が積極的に行われ妥当な成果であると認められる。
    * 成果の公表を積極的に進めており、核融合など他分野への展開も期待される。
    * 人材育成の成果もあったと考えられる。ただし、並行して行われている共同研究の成果との区別は必ずしも明らかではない。
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