A. |
研究テーマの妥当性・意義 |
|
地下水中コロイドに関する情報は、放射性廃棄物処分の安全評価上重要であり実施意義は認められる。 |
|
* |
コロイドは処分の安全評価における不確実性要因としては大きなものの一つであり、コロイド挙動の解明は安全性の向上に大きく寄与する。また、本技術は、コロイドの挙動を解明する上で、革新的な手法と考える。 |
|
* |
基礎研究を実用化へ発展させる面では十分とはいえない。 |
|
▲Top |
B. |
研究開発目標、計画の妥当性 |
|
(1) |
研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
研究開発目標は国際的に見てやや高い水準にあると認められる。 |
|
|
* |
地下水コロイド(それを構成する元素組成、粒径分布、濃度)とコロイドに結合する放射性核種(その元素、濃度、スペシエーション、結合構造)を同時に計測しようとする目標は十分に高いが、実用化への課題も多い。 |
|
|
* |
放射性核種収着に及ぼすコロイド影響については、世界的にもデータが少なく、今後のデータ蓄積が望まれる。 |
|
|
* |
新しい分析方法の高度化ではなく、地層処分における目標を具体的に明確にしておく必要がある。 |
|
(2) |
研究開発目標の事業目的達成の観点からの妥当性
研究開発目標の実用化の観点からの要求水準に概ね達していると認められる。 |
|
|
* |
基礎技術の成立性は示されており、学術的な試験方法として実用化する可能性はある。しかし、研究開発目標は実用化に関して必ずしも定量的ではなく、実用へ向けたプロセスを十分に読みとることは難しい。 |
|
|
* |
設定した目標を実用化につなげるという意味ではやはりコロイドそのものの測定を実現させる必要がある。また、多くの核種についても適用可能かどうかの展開も必要である。 |
|
(3) |
研究開発計画の妥当性
研究開発計画は総体的に妥当であると認められる。 |
|
|
* |
計測技術の有効性を示すデータの蓄積、特に実環境試料のデータの蓄積に物足りなさを感じるが、計測システムの構築と試験ということであれば、計画は妥当と判断する。 |
|
(4) |
研究開発計画の柔軟性
研究計画の見直しは概ね適切に行われていると認められる。 |
|
|
* |
「定量性のある結果を出すべき」との指摘に対応して、その努力が認められる。 |
|
▲Top |
C. |
研究開発実施者の事業体制、運用の妥当性 |
|
事業体制、運用は概ね妥当であると認められる。 |
|
* |
東京大学が中心となり、参加3機関の協力体制が良好に機能しているものと考える。 |
|
* |
実用化面の研究体制を強化していく必要がある。 |
|
|
|
D. |
計画と比較した達成度、成果の意義 |
|
(1) |
計画と比較した目標の達成度
計測システムの構築と試験という目標については、当初計画を総体的に達成していると認められる。 |
|
|
* |
本技術は先進性が高く、コロイドの挙動を解き明かすための知見を産み出すという面では高い期待を持てる。個々の要素技術としては評価でき、Ex-Situ測定に目途がついたことは収穫であると考えるが、目標とするIn-Situ測定系の実用化に必要な要件の明確化、実現性に関する具体的な検討が不足気味であり、将来的に実用化技術としての不透明性が払拭されることを期待する。 |
|
|
* |
目標として挙げられた地下水コロイドの粒子濃度、粒径分布、地下水コロイドと放射性核種の相互作用に関する情報は不十分である。 |
|
|
* |
地下水中のコロイド挙動が地層処分に重要な問題であることを示し、これが本研究でどれだけ解明、解消されたかの自己評価が必要である。 |
|
(2) |
実用要素技術としての成果の意義
意義のある成果であるが、実用要素技術として認められるためには検証が必要である。 |
|
|
* |
コロイドの生成崩壊や反応のメカニズムを解明する糸口となる計測結果が得られており、開発された技術は、意義のあるものである。 |
|
|
* |
レーザー誘起蛍光分光法(クエンチング法)が実環境地下水の不純物の多い系でも機能するか検証する必要がある。 |
|
|
* |
特許、実用新案についてもさらに成果を期待する。 |
|
|
* |
基礎研究であるため社会ニーズへ応用して発展していく研究であり、水質や土壌汚染の分析にも使える可能性がある。 |
|
(3) |
その他特筆すべき成果
論文発表、人材育成に大きな成果が認められる。 |
|
|
* |
学術的貢献が大きく、論文投稿と若手研究者の育成が鋭意進められている。また、環境科学分野への波及などが期待される。 |
|
|
|
E. |
成果の実用化・事業化可能性 |
|
実用化・事業化への道筋と見通しが不透明な点が多い。 |
|
* |
コロイドの挙動を解き明かすためには有力なツールとなる可能性が大いにあり、学術的方面を中心として普及が見込まれる。実用化を目指すには、コストの面からの十分な検討が必要であるとともに、種々の地下水水質に対する適用性についての検討が必要である。将来的には、汎用性を持たせ、かつ簡易に計測できるような方向で開発を目指すことを望む。 |
|
* |
前処理の粉体取り扱い工程は工学的には極めて厄介になる可能性があるので、そこは十分に検討すること。 |
|
|
▲Top |
|
>> 平成14年度
審査委員会評価 |
|
>> 平成13年度
審査委員会評価 |