令和2年度調査研究要旨集

令和2年度調査研究要旨集

この要旨集は、当研究所の令和2年度の調査研究活動等の成果としてとりまとめられたものの要旨と報告書の目次を収録したものです。令和元年度以前にとりまとめられたものについては、バックナンバーをご覧ください。
本要旨集が関係各位のご参考になるとともに、当研究所の事業に対するご理解の一助となれば幸いです。

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1.エネルギー技術全般2.新エネルギー・省エネルギー・電力システム関連3.水素エネルギー関連4.炭素循環エネルギー関連5.原子力関連6.国際標準関連

1.エネルギー技術全般

(ア)地球規模でのエネルギーシステムに関する調査研究

1.1 直近の社会情勢変化がエネルギー需要に与える影響

(プロジェクト名) 直近の社会情勢変化がエネルギー需要に与える影響
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、外出自粛要請に伴う移動や営業活動の制限から、社会経済活動は変容を余儀なくされた。本研究では、このような社会情勢変化が電力需要に与える影響を評価し、脱炭素社会に向けた電力需要構造を変化する指標について考察した。
電力需要分析には、統計的手法により電力需要の1時間値データを用いた電力需要予測モデルを構築した。予測モデルでは10地域区分の2016年4月から2019年の電力需要実績1時間値データを用い気象条件と暦データを用いて補正している。この電力需要予測モデルの予測値と、社会経済活動の指標として人流データと第3次産業活動指数を用い、COVID-19対策に伴う電力需要の変化要因を分析した。人流データは、2020年よりCOVID-19対策の検証のために主要地域の人出や在宅時間、交通量などの公開されているデータを用いた。
2020年の電力需要は特に緊急事態宣言以降に急激に減少し、昼間および夜間の電力需要が8~15%減少した。夜間電力需要および高圧区分の需要が低下しており、特に産業の活動量が減少していた。GW、盆休みでは例年より夜間の電力需要が低下しており、工場・大型施設などを停止していた影響と推測される。6月以降の電力需要は徐々に回復し、10月では2~4%程度の減少率で定常化した。GW後の人出の回復量に対し、電力需要の変化率は緩やかであり、産業活動の回復は人出の回復に比べて数か月の遅れがあった。2020年の電力需要予測残差は人流データを用いることにより半分程度に低下し、人出の減少による電力需要の減少の強い要因の一つであることが分かった。時間帯別の変化、人流データとの減少傾向を比較した結果から、電力需要の変化が産業の活動量の変化を示していることが示唆された。
成果は学会発表および講演の形式で情報発信した。開発されたモデル・評価手法は、今後のエネルギー分析に関する応用研究に活用できる。

1.2 将来シナリオに基づく空調機のライフサイクル評価のための基礎データ調査

(プロジェクト名) 将来シナリオに基づく空調機のライフサイクル評価のための基礎データ調査
(報告書名) 将来シナリオに基づく空調機のライフサイクル評価のための基礎データ調査報告書
(報告書番号) IAE-2010601
(発行年月) 2021年1月
(要 旨) 低炭素社会の実現に資する環境調和製品の開発のため、製品ライフサイクルの視点に立った環境影響の将来推計を行うことが重要となる。そこで、空調機を対象に、環境調和製品の普及による温室効果ガス排出抑制の貢献を評価するため、将来の環境負荷を評価する基礎評価を行った。
日本を対象にしたエネルギーシステムモデルTIMES-Japanモデルを用いて、CO2排出量、原子力導入、CCS導入に制約を仮定したシナリオ群と、それらの制約のないシナリオを仮定し、試算を実施し、空調機、特に電気ヒートポンプ(EHP)型民生用エアコンに関連するエネルギーおよびCO2排出量の将来シナリオに関連する諸量について、民生業務、民生家庭に分けて整理しとりまとめた。機器の高効率化も表現できるような分析枠組みとし、想定した2013年比CO2排出は、2030年ではGHG排出量26%削減相当、2050年ではCO2排出量80%削減である。発電構成から発電量あたりのCO2排出量を求め、空調機が冷房・暖房により消費する電力消費量を掛け合わせることで,空調機利用時のCO2排出を試算した。また、機器効率および電力消費量から現状比での将来EHP空調機台数を推計した。

業務部門と民生部門の最終エネルギー消費については、石油系燃料が減少し、電力化が大幅に進展し電力需要も増加した。家庭部門では、電力化が大幅に進展するが、世帯数の減少から総電力量は減少する。CO2排出量制約は民生部門の電力化を加速する可能性があること、および将来のEHP空調機器台数は、業務部門と家庭部門の両者において、現状の2倍弱となるという結果を得た。
(目 次) 1. 概要
1.1 背景と研究内容
1.2 シナリオ計算および結果の出力
2. シナリオ計算の手順
2.1 TIMES-Japanモデルの概要
2.2 分析の前提条件
2.3  分析対象とするシナリオ設定
3. 分析結果
3.1 出力結果
3.2  民生用のエネルギーサービス需要
4. 空調機器台数の推計
4.1 推計手法の概要
4.2  エアコンストックの推計
4.3  1台当たり年間電力消費量の推計
4.4  将来のエアコン台数の推計
Appendix

イ)その他

1.3 エネルギーに関する公衆の意識調査

(プロジェクト名) エネルギーに関する公衆の意識調査
(報告書名) 令和2年度エネルギーに関する公衆の意識調査報告書
(報告書番号) IAE-2020709
(発行年月) 2021年3月
(要 旨) 令和2年度 は10月28日~11月10日にインターネット調査を実施した。これまでと同様、対象を首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の満20歳以上の男女、調査数を男女500名(男性250名、女性250名)、抽出法を割当法(2015年国勢調査による首都圏における性別・年代別人口構成に合わせ、回収数を割当てる方法。年代の区分は、20代、30代、40代、50代、60歳以上で実施)とした。調査項目は、意識の「変化」を比較するために、前回の調査と同様の質問を用いた。質問数は、(1)社会や生活に関する意識、(2)エネルギー問題に関する意識、(3)原子力発電に関する意識、(4)東電福島第一原子力発電所事故(以下「東電福一事故」という。)に関する意識、(5)回答者の分類(性別、年齢、職業)の5区分について、合計49問とした。
本年度(令和2年)の結果と過去に同様の方法で実施した調査(東電福一事故前の平成22年10月、事故後の平成23年10月、平成24年11月、平成25年11月、平成26年11月、平成27年11月、平成28年11月、平成29年11月、平成30年11月、令和1年11月)の結果を比較し、首都圏住民の意識変化から、事故が与えた影響を考察した。
東電福一事故に対する関心度は、減少傾向にあるものの8割近くの人たちが、現在も関心を持っている。その中で、事故後の原子力発電の利用、有用性および安全性などに関する意見は大きく否定的方向に変化し、調査時点でも大きな変化は見られなかった。特に、原子力発電の利用や安全性については、否定的な意見が5割を超える状況が続いている。原子力発電所の再稼働についても、肯定的な意見が3割に満たないのに対して、否定的な意見が4割を超えているという状況にあり、再稼働についての質問を開始した平成25年調査から大きな変化はなかった。この否定的な意見は、男性よりも女性の方が、低い年代(20~30代)よりも高い年代(40代以上)の方が多い傾向にあった。
(目 次) まえがき
第1章 アンケート調査の概要
1.1 調査目的
1.2 調査設計
1.3 調査内容
第2章 アンケート調査の結果
2.1 公衆のエネルギー全般に関する意識
2.2 公衆の原子力発電に関する意識
結論


2.新エネルギー・省エネルギー・電力システム関連

(ア)次世代電力システムに関する調査研究

2.1 次世代電力ネットワーク研究会の運営

(プロジェクト名) 次世代電力ネットワーク研究会
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 令和2年度は、講演会を3回、シンポジウムを1回、計4回の検討会を開催した。講演会のテーマは、至近の動向を考慮し、「配電線自動化とスマートメータ」、「将来のエネルギー情勢に係る水素の役割」、「新進気鋭の大学研究者の研究紹介およびディスカッション」とした。見学会については、コロナウイルスの状況を考慮し、検討会へと変更し、繁忙期を考慮し3月年度末ではなく、4月に実施することとした。またシンポジウムについては、テーマを「変革が進む配電分野の最近の動向」とし、国内外の配電事業をとりまく最新動向、配電システムの高度化の状況、配電事業ライセンス制度を見据えた具体的な取組事例、EMS技術などについて、最新の取り組み状況も含め講演いただいた。
ニュースレターは、12回発行し、国内外の政策や事業、企業等の動向に関する情報を提供した。
令和2年度に法人会員3社、個人会員1名が新たに会員として加わった。
(目 次)


(イ)再生可能エネルギーに関する調査研究

2.2 バイオエタノールの導入技術比較調査

(プロジェクト名) バイオエタノールの導入技術比較調査
(報告書名) バイオエタノールの導入技術比較調査成果報告書
(報告書番号) IAE-2010906
(発行年月) 2020年9月
(要 旨) バイオエタノールの利活用に関する食物競合および混合技術について、経済性、環境性、持続可能性といった多面的な情報を整理した。
我が国が定めた「地球温暖化対策計画」によると、2017年度から2030年度までに必要な追加的なCO2排出削減量は2,089万t-CO2/年となり、目標達成のためにはE10の導入や現在2022年まで設定されている50万kL/年の導入目標量の拡大が必要である。世界を見渡すと、先進国・途上国問わず、バイオ燃料の導入を義務付けている国々では、10%以上のバイオ燃料導入を義務づけているところが多いため、E10の導入は特別多い利用量ではなく、むしろグローバルスタンダードに並ぶと考えられる。
現在大半のバイオエタノールがトウモロコシやサトウキビといった第一世代のバイオ燃料であるが、その利用によって従来言われていた食料価格の高騰や食料不足は起こっておらず、アメリカではトウモロコシ農地面積を増やさずに収穫量を増やすことに成功しているため、持続可能なバイオ燃料と考えることもできる。さらに、元々飼料作物として利用されてきたトウモロコシからエタノールを製造する際には、発酵残渣をカスケード利用するDDGSが飼料として併産されているため、食料競合の問題は起こっていない。
原料が食料と競合しないことから注目されている第二世代エタノールは未だ開発~実証中のものが多く、商業化を見据えると、製造コストが課題でもあるため、当面は必要量を第二世代で賄うのは困難と見られる。喫緊の課題である温暖化への対策としては持続可能な第一世代バイオ燃料を積極的に利用することも考慮すべきと考えられる。
現在我が国ではバイオエタノールをETBEに転換した燃料を利用しており、そのほとんどはアメリカで転換されたもの、一部はブラジルから輸入したバイオエタノールを国内でETBEに転換している。

一方、世界を見渡すと、バイオエタノールをETBEに転換して利用している国は少ない。バイオエタノール生産量世界第一位のアメリカ、第二位のブラジルともにバイオエタノールをガソリンに直接混合して利用しており、ETBEを利用していた欧州のフランスおよびスペインも直接混合が主流になりつつある。
さらに、我が国の法整備状況を見ると、すでにバイオエタノールを10%直接混合したガソリンであるE10の導入に関する法整備状況は整っている。
バイオエタノールの導入拡大については必要な設備コストが高くなることも懸念材料の一つであるが、バイオエタノールの導入当時は設備の付加や改造費が高額であると言われたが、現在すでにETBEとエタノールで合計50万kL(原油換算)を輸入し、取り扱っているため、E10の導入に必要な設備投資も当時よりは軽微となる。また、混合ガソリンの価格もETBEへの転換が無い分、直接混合の方が安価になることが予想される。
石油業界はE10をETBEで導入するよりもエタノールで導入した方が輸入量は少なくなり、さらに本業である原油の輸入量を大きく減らさずに実施できるメリットがある。
以上のことから、今後温暖化対策としてバイオエタノールの導入拡大を考えるためにはE10の導入が必要であり、利用方法についてもエタノールの直接混合を含めて広く見なおすべきではないかと考えられる。
(目 次) 第1章 全体計画と実施状況
第2章 気候変動対策としてのバイオ燃料の重要性
第3章 日本のバイオエタノール導入状況
第4章 世界のバイオエタノール利活用状況
第5章 第一世代バイオエタノールの食物競合に関する議論の整理
第6章 バイオエタノールの流通形態に関する直接混合とETBEの議論整理
第7章 バイオエタノールのガソリン混合に関する技術・コスト比較
第8章 まとめ

2.3 蓄熱システムに関わる技術開発の調査

(プロジェクト名) 蓄熱システムに関わる技術開発の調査
(報告書名) 蓄熱システムに関わる技術開発の動向調査報告書
(報告書番号) IAE-2010905
(発行年月) 2021年2月
(要 旨) 二酸化炭素排出量削減へ向けて、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの大幅増加が見込まれるが、これらは天候や時間帯で発電量が大きく変動するため、安定的に電力供給を可能とすることが課題となる。このためには、負荷変動に対応して発電することを可能とする蓄エネルギー技術の開発・活用が重要となると考えられる。蓄エネルギー技術としては、蓄電池等のほかに「熱」に着目した蓄熱技術が注目されている。
現状で溶融塩蓄熱システムの運転実績があるのは、太陽熱発電プラントである。商用プラントに関する情報は限られるが、実証プラントについては米国DOEのSandia国立研究所によるSolar Twoの報告書類に詳しいため、これらを中心に、必要に応じてその他の報告を参照して整理した。
蓄熱タンクについては、高温タンク、低温タンクのそれぞれについて、大きさ、断熱、材料などの仕様に加え、加熱速度などの要件を整理した。また、溶融塩を採取するポンプなどの使用実績および次期(将来)の技術オプションについて述べた。
蒸気発生器については、予熱器、蒸発器、過熱器それぞれの仕様および要件を整理するとともに、問題があった事例と解決方法および次期(将来)の技術オプションについて述べた。
配管、ポンプ、バルブ、ヒートトレース、ベント、圧力リリーフ、エアヒーターなどの、重要となる補機類について、必要性および問題があった事例と解決方法について整理した。

運用においては、溶融塩の充填作業からスタートアップ、運転後の溶融塩の回収と物性変化、腐食の評価などについて記述した。また、Solar Twoでの試験運転を時系列で整理するとともに、問題発生と対応策について整理した。
定期検査や長期停止における対策として、上記知見をもとにタンクからの放熱とヒーター出力、およびタンク内の熱分布について計算した。
蓄熱システムの利活用に関する検討として、固体蓄熱や潜熱蓄熱などの、溶融塩以外の蓄熱システムについて独自調査による知見を整理した。また、蓄熱システムの利用例として、原子力とそれ以外の例をまとめた。
ビジネスプラン検討に資する情報として、容量市場の仕組みを整理するとともに、アセスメント、ペナルティなどの、プラン策定に必須となるリスク回避に関する情報をまとめ、約定価格の決定について考察を付した。

また、補足情報として、プラントの停止から通常運転への移行や、それぞれにおける機器類の状態、溶融塩系および水/水蒸気系の系統図、タンク基礎に関してまとめた。
以上のように、蓄熱発電技術について公開情報をもとに調査することにより、現状や具体的な実施例を明らかにするとともに、企業や団体が蓄熱発電の導入実現可能性を検討する際に必須となる各種情報を整理した。
(目 次) 第1章 はじめに
第2章 蓄熱システムの構成
第3章 蓄熱システムの運用
第4章 蓄熱システムの利活用検討
第5章 ビジネスプランの検討に関する調査
第6章 まとめ
参考文献
Appendix

3.水素エネルギー関連

(ア)エネルギーキャリアとしての水素に関する調査研究

3.1 CO2フリー水素普及シナリオ研究

(プロジェクト名) CO2フリー水素普及シナリオ研究
(報告書名) CO2フリー水素普及シナリオ研究 総括報告書(2021年3月)
(報告書番号) 当研究所HPにて公開(https://www.iae.or.jp/report/list/renewable_energy/action_plan/#03
(発行年月) 2021年3月
(要 旨) CO2フリー水素が政府のエネルギー政策における目標達成に貢献し得る有力なオプションの一つであることの共通認識醸成を主眼に、2010年度後半から2020年度まで3つの自主研究会(略称:構想研/AP研(アクションプラン研)/シナリオ研)を山地委員長(RITE副理事長)の下、実施した。シナリオ研は2015年度から2020年度まで計16回実施したが、新型コロナの影響で、第15回は書面掲載形式、第16回はオンライン形式で実施した。
統合評価モデルGRAPEのエネルギーシステム分析モジュールを用いた水素の需給を含むエネルギー需給の分析(シミュレーション)は全ての研究会で継続実施した。2020年度は、2050年カーボンニュートラルを満たすCO2排出量を満たしつつ、日本の各部門の水素需要を詳細に分析するため、日本の1国モデルでエネルギー需要が細分化されているTIMES-JapanモデルとGRAPEのソフトリンクを行い、高・中・低の3ケースにおける日本の水素需要量等を分析した。結果の一例は、2050年における日本の水素需要量は1,000~2,000億Nm3/年、主な用途は、発電、運輸、水素製鉄であった。
シナリオ研ではシミュレーションの他に、水素導入の意義・水素普及拡大のキーポイント・主要セクターの水素導入の現状と目標・水素ステーションの自立化の姿と要件・燃料転換、等について検討し、それらを総括して水素普及シナリオとシナリオ実現のストーリーとしてまとめた。
水素普及シナリオは、①既存利用拡大 ②国際水素サプライチェーンの確立/新規需給の本格化/水素STの自立化 ③トータルサプライチェーンのCO2フリー化/燃料転換/国際連携強化 ④水素社会の始まり、のステップで進むと想定した。
水素普及拡大のキーポイントは「環境価値の考慮とコストダウンによる燃料転換」と思われ、燃料転換は水素の調達価格がカーボンプライスを上乗せした従来エネルギーと同等以下となることで生じると思われ、火力発電では22~23円/Nm3となる2045年頃起こり得る結果となった。
(目 次) 1 はじめに
2 シナリオ研のメンバー&オブザーバー
3 シナリオ研の主要成果
3.1 水素普及シナリオとシナリオ実現のストーリー
3.2 水素需要推算
3.3 水素導入の意義
3.4 水素の環境価値
3.5 ユーザへの水素供給コスト vs ユーザの許容水素調達価格
3.6 主要セクターの水素導入の現状と目標
3.7 LNG導入経験を踏まえた水素普及の整理
3.8 水素ステーションの自立化
3.9 燃料転換
4 その他の成果

3.2 エネルギーモデルを用いた世界と日本の水素需要量の分析

(プロジェクト名) エネルギーモデルを用いた世界と日本の水素需要量の分析
(報告書名)
(報告書番号) IAE-2010909
(発行年月) 2021年3月
(要 旨) 日本に関する分析について、参考にする将来想定を水素基本戦略のみから、日本のエネルギー関連政策パッケージを総合したもの等に変更した。具体的には、2020年10月26日菅首相の2050年にカーボンニュートラルを目指す旨の宣言や同年12月25日のグリーン成長戦略等の影響が大きいと考えられ、これらをモデルの前提条件や分析結果の考察に活用した。
世界に関する分析のHydrogen Scaling Up (HSU)に基づく条件設定についても、条件設定の見直しを行い、GRAPEモデルを用いてより妥当と考えられる試算を実施した。具体的には、様々な国や地域がカーボンニュートラルを目指しており、これらを考慮した各国・地域のCO2排出量制約の変更や水素を必要とする水素製鉄、合成燃料、ネガティブエミッションの各種技術オプションを追加した。
また、2050年カーボンニュートラルを満たすCO2排出量を満たしつつ、日本の各部門の水素需要を詳細に分析するため、日本の1国モデルでエネルギー需要が細分化されているTIMES-Japanモデルとのソフトリンク(別のモデルの出力結果を当該モデルの入力変数として用いることで複数のモデルを結合すること)を行い、日本の水素需要量が高・中・低の3ケースにおける分析を実施した。また12月に公表されたグリーン成長戦略における水素の量的な目標値との比較を実施した。この分析から、日本の2050年カーボンニュートラルを達成するためには、発電部門では原子力発電の現行規制下での長期運転、及び太陽光と風力発電の大幅な導入が必要である。運輸部門では水素が大幅に導入され、特に自動車部門では水素起源の合成ガソリンを含む水素の導入が不可欠であることが分かった。世界全体では、2050年と2060年のCO2制約(実質ゼロ)を課した西欧と中国で、水素の大幅な導入が確認された。CO2れる結果となった。
これらの分析結果を各国政府の政策目標や国際機関、業界団体が発行している報告書の水素需要量と比較を実施した。
日本の2030年の水素需要量は、グリーン成長戦略の水素300万t/年に比べて小さな値となった。これは、この目標値はアンモニア等水素キャリアのまま用いられる場合の水素も含まれており、例えば、石炭火力への水素混焼や、化学プラントにおけるグリーン水素の利用など本モデルで明示的に取り扱っていない技術を含んでいるためと考えられる。世界全体、日本、EUの2050年の水素需要量は、本分析に近い値になっている。一方、日欧のCO2排出制約が厳しくなったため、米国において水素がほとんど用いられなくなった場合も確認できた。また、HSUにおける水素需要量のように、ステークホルダへの聞き取り等の情報を積み上げたものは、期待される導入量(ポテンシャル)とも考えられ、本分析の結果とは大きな開きがあることが分かった。
(目 次) まえがき
1. 概要
1.1 目的
1.2 内容
1.3 報告書の構成
2. エネルギーシステム最適化とは異なる手法で行われた水素需要推定との比較分析の深化
2.1 需給モデルの概要
2.2 CO2制約シナリオ
2.3 エネルギー需要シナリオ
2.4 水素製造技術と輸送
2.5 水素需要技術
2.6 省CO2技術
2.7 資源量とコスト
2.8 その他の前提条件
2.9 TIMES-Japanモデルを用いたケース設定条件
2.10 試算結果
2.11 エネルギーシステム最適化とは異なる手法で行われた水素需要推定との比較分析
3. モデル改良と結果の見える化手法検討
3.1 モデル改良
3.2 結果の見える化手法の検討
4. まとめ
参考文献

3.3 CO2から製造する液体燃料サプライチェーンのエネルギー効率・CO2収支及び経済性分析

(プロジェクト名) CO2から製造する液体燃料サプライチェーンのエネルギー効率・CO2収支及び経済性分析
(報告書名) 再生可能エネルギー由来水素等を活用する低環境負荷な内燃機関自動車用燃料に関する調査報告
(報告書番号)
(発行年月) 2021年7月
(要 旨) 平成30年度に当研究所が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構からの委託事業として実施した「再生可能エネルギー由来水素等を活用する低環境負荷な内燃機関自動車用燃料に関する調査」では、再生可能エネルギーからの水素とCO2から内燃機関自動車用燃料の候補として含酸素系の燃料であるガソリン車向けにジメチルカーボネート、ディーゼル車向けにオキシメチレンエーテル(OME)サプライチェーンの経済性及びCO2排出量の分析を実施した。これらの物質は研究段階ではあるものの、近年欧州、特にドイツで活発に研究が進められており、エンジン排気からの煤の含有が少なく、排出ガス触媒の負荷を軽減し効果的に排出ガス汚染の低減につながる可能性があるなど注目を集めており、将来的な可能性を見通す観点から、これらの含酸素系の合成燃料を分析対象とした。一方、FT合成によって得られる炭化水素系燃料は、OME等の含酸素化合物を混合した場合ほどの実用性能への影響は少ないと考えられる。したがって、既存の燃料インフラや利用機器における利用の観点からはより望ましい可能性がある。
本報告書では、再生可能エネルギー由来の水素とCO2からの合成燃料のサプライチェーン評価の第二報として、FT合成によって得られる炭化水素系燃料の経済性とCO2排出量の評価を行ない、これらの改善のための技術的な課題を考察した。想定した前提条件では、CO2排出量や経済性の観点では、前報で報告したDMC,OMEよりも厳しい分析結果となっている。しかし、FT合成工程の改善によるCO2排出量や経済性の向上や炭化水素系燃料が持つ既存インフラや利用機器との適合性など利用上のアドバンテージを総合的に考慮して、今後改めて、炭化水素系合成燃料を分析評価すべきと考えられる。なお、この調査は、当研究所の自主的な活動として実施した。
(目 次) 1. はじめに
1.1 目的
1.2 内容
2. 定量的分析による技術評価
2.1 定量分析方法と前提条件
2.2 サプライチェーンの概念設計
2.3 定量分析結果
2.4 CO2排出量及び経済性改善のための考察
3. まとめ

(イ)水素の利用技術に関する調査研究

3.4 酸素水素燃焼タービン発電システムの研究開発

(プロジェクト名) 酸素水素燃焼タービン発電システムの研究開発
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 近年、欧米を中心に地球温暖化対策への取り組みが加速し、エネルギー分野では再生可能エネルギーの導入促進と合わせて、化石燃料を利用する火力発電の脱炭素化対策が急務となっている。本研究では、LNG火力発電の中核であるガスタービン発電技術について、国内外で行われている水素利用に向けた技術開発動向を報告する。最初に、わが国の発電分野の脱炭素化とガスタービン発電の役割と必要な水素量の目安を検討し、ガスタービンでの水素利用技術を紹介する。次に、世界の主要ガスタービンメーカーが実施している水素の混焼、専焼に関する技術開発や実証事業の状況、将来の高効率発電技術として期待される酸素水素燃焼技術等を紹介する。
1.水素による日本の発電分野の脱炭素化
わが国ではオイルショックを契機に電源構成の多様化が図られてきたが、2011 年の東日本大震災以降は火力発電への依存が増え、現在はLNG 火力と石炭火力が主力電源となっている。このため、発電分野の脱炭素化対策が急務となっている。発電分野の脱炭素化対策としては、再エネ導入、原発再稼働、火力発電からの二酸化炭素回収・貯留、水素などのCO2フリー燃料の利用の4方法があり、なかでも既存のガスタービンでのCO2フリー燃料の利用は効果的な脱炭素化対策であることから、関連技術の開発や実証事業が進められている。火力発電のCO2排出量をゼロとするために必要な水素量の目安について、2018年度の発電電力量に基づいて発熱量ベースで化石燃料の代替量を試算した。すべての火力発電を水素に転換する場合については、年間3000万トン~5000万トン程度の水素が必要となり、発電効率の向上が重要であることが示された。
2.水素燃焼タービン発電技術
ガスタービン発電の形式と構造、水素燃焼の特徴と燃焼方式としての空気―水素燃焼及び酸素―水素燃焼、ガスタービン発電における水素の混焼割合とCO2削減効果を示した。
3.空気水素燃焼方式に関する技術開発動向
ガスタービンの技術開発は、発電効率、運転制御性、信頼性、保守性、経済性、環境性などの改善のために継続的に実施されている。近年、天然ガスと水素の混焼技術や水素専焼技術の開発に加え、風力発電や太陽光発電などの再エネの大量導入に伴い、これらの不安定電源の調整およびバックアップ用としての運転柔軟性が求められている。このため、従来はベースロード運転用の大型機であっても、高速スタートや部分負荷運転、高いターンダウン特性など、電力需給の変化に柔軟に対応できる運転性能が実現されている。世界の主要ガスタービンメーカー7社が実施している水素利用技術開発の概要を示した。
4.酸素水素燃焼方式に関する技術開発動向
酸化剤として純酸素を用いて水素を燃焼する酸素水素燃焼タービン発電技術は、現行の空気燃焼タービン発電よりも熱損失が少なく、高効率化が期待できる理想的な発電システムと言われている。但し、純酸素と純水素を発電用に大量消費することは経済性等の課題もあり、これまでの研究開発は、高効率サイクルの検討や水素または天然ガスの酸素燃焼技術に関する基礎研究が主体であり、発電実証に至るケースは少ない。米国では、天然ガスを酸素燃焼して得られる超臨界状態のCO2を用いて発電するシステムの実証事業が進められており、今後の商用化が期待されている。

4.炭素循環エネルギー関連

(ア)炭素循環エネルギー関連

4.1 化石燃料の高度転換技術(CCT、CCS等)、炭素循環技術(CCU、ACC)を核としたエネルギーシステム研究

(プロジェクト名) 化石燃料の高度転換技術(CCT、CCS等)、炭素循環技術(CCU、ACC)を核としたエネルギーシステム研究
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 化石燃料の高度転換技術に係る研究に関して、石炭ガス化複合発電(IGCC)に関する調査やカーボンリサイクル技術を中心とするCO2有効利用(CCU)技術に関する検討、評価、及び再生可能エネルギーを利用したCO2の燃料転換事業に関する検討等を行うとともに、積極的に炭素を活用するCCU技術に関する調査研究を行った。
① CO2分離・回収型IGCCの実用化に向けた関連技術調査
現在、世界で進められているCO2分離・回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)の実証事業の進捗状況、CO2分離・回収技術動向の調査を行った。海外のIGCC実証事業の進捗状況については、石炭火力に対する逆風の強まりから、公開情報も少なくなりプロジェクトは進んでいないと感じさせる状況となっている。石炭火力から分離・回収したCO2の処理(CCS)、活用方法(CCU)については、未だ世界中で模索状態が続いる。ただし、石炭火力以外のCO2含有産業排ガスや空気中からのCO2分離・回収については、活発な情報収集活動や開発が行われており、並行して調査活動を行った。
② カーボンリサイクル技術を中心としたCO2有効利用技術に関する調査
2030年以降の大幅なCO2排出量削減を見据えた将来有望なCCU技術、エネルギーシステム構築の確立を目指し、カーボンリサイクル技術を中心としたCO2有効利用技術について、特に海外での研究状況や実証事業の調査を行った。具体的には、カーボンニュートラルポート(CNP)を中心として、洋上風力発電所等の再生可能エネルギー(再エネ)電力を使って水電解で得られたグリーン水素、あるいは、CO2回収型の天然ガス改質水素、いわゆるブルー水素を発電所、製鉄所、化学工場などに供給して燃料や原料とするプロジェクトの調査、その進捗状況を調査し、CO2削減効果、問題点の解析、および技術評価を行った。

5.原子力関連

(ア)福島第一原子力発電所事故関連

5.1 安全対策高度化技術開発「プラント安全性高度化」

(プロジェクト名) 安全対策高度化技術開発「プラント安全性高度化」
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 原子力の安全性向上に資する技術開発は、福島第一事故を踏まえ、深層防護の観点から安全性向上に資する技術を開発することにより、我が国における原子力発電技術の水準の向上を図り、もって発電用原子炉施設の利用促進等を図ることを目的とするものである。なお、要素技術開発は、プラントメーカ3社が主体的に実施し、当研究所は、プロジェクトの着実な管理を実施した。
令和2年度の成果の概要は、以下の通りである。
(1) 要素技術開発
下記の2つの要素技術開発を継続実施し、完了した。
・静的デブリ冷却システム
・RCPシール漏えい防止対策技術
(2) プロジェクト推進
プロジェクト推進は、プロジェクトの推進に係る会議体の運営や関係機関との連絡調整等を通して、効率的かつ計画的に本プロジェクトを推進するものである。
今年度は、プロジェクトの着実な管理として、「運営会議」においてプロジェクト全体に係る計画や技術開発の進捗状況を確認するとともに、開発課題への対応を図り、円滑かつ効率的な技術開発を推進した。また、「運営会議(幹事会)」では技術開発の具体的な計画策定、進捗フォローと調整を行い、具体的かつきめ細かな進捗管理を行った。

(イ)原子力全般

5.2 原子力動向調査

(プロジェクト名) 原子力動向調査
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 原子力政策の立案や、企業の原子力戦略の基礎となりえる情報提供を実施するため、原子力関連の国際動向の調査・分析を行った。また、それらの結果を月例研究会、季報、ニュースレター等で発表した。
まず、原子力業界全体の動向を把握するため、過去5年程度のニュースについて、キーワードの出てくる比率の推移を分析した。その結果、中国、ロシア、フランスについては新規建設関連のニュースが中心であること、米国、英国、カナダ等は新型炉開発や原子力政策に関するニュースが中心であるなど、各国の最近の状況が明確に示された。また、2020年初頭からはCOVID-19のニュースが急増した。
これらを踏まえていくつかのトピックについて、詳細な調査・分析を実施した。
1)コロナウイルス感染関連
原子力発電所は一般のオフィス等と比較して特に密ではなく、対策は消毒の徹底や距離の確保といった通常対策を行いつつ運転を継続していた。ただし、保守や建設作業については、一部延期されていた。規制機関については、自身が感染防止のためのテレワークの推進を行うとともに、検査も一部遠隔で実施してきた。さらに米国にように運転員の確保のため、柔軟な規制対応を実施している国もあった。国際機関は情報収集と良好事例の共有を実施するとともに、緊急時対応の訓練の実施なども行った。2020年半ばころには、本感染症の発電所への影響はそう大きくないことが判明しつつあり、その後はコロナ後を見据えた原子力の役割についてのニュースが主となった。
2)米国の政策動向
米国は、原子力産業の衰退に危機感を持っており、原子力産業を復活させるため官民一体となった取り組みを進めている。2000年4月にはDOE長官が『米国の原子力での競争力優位性の復活―米国の国家安全保障の確保戦略』という報告書を発行し、米国の国家安全保障を確保しつつ原子力産業の復活に向けて、4つの戦略目標を掲げ、米国政府、議会及び規制機関が講じるべき18の方策を勧告した。原子力技術開発に関しては、SMRの商業化に目標を定め、SMRの実証とそれに関連する先進技術(事故耐性燃料、高アッセイ低濃縮ウラン、多目的試験炉(VTR)の建設の開発にあらゆる資源(資金、要因、国立研究所の設備等)を集中的に投下している。
3)英国の政策動向
英国は気候変動を国の経済と安全保障の脅威と捉えており、2008年に世界に先駆けて気候変動法を制定し、その対策を進めている。原子力についても、2013年の原子力産業戦略により、エネルギーミックスの中で重要な役割を果たすことが期待されてきた。その後複数回の政権交代により、その都度補助政策も変更されてきたが、原子力を積極的に推進するという姿勢は変わっていない。

(ウ)原子炉廃止措置に関する調査研究

5.3 原子力発電所の廃止措置計画に係る標準素案の整備

(プロジェクト名) 原子力発電所の廃止措置計画に係る標準素案の整備(基本安全基準、計画基準、安全評価基準、指針)
(報告書名) 原原子力発電所の廃止措置計画に係る標準素案の整備(基本安全基準、計画基準、安全評価基準、指針)委託報告書
(報告書番号) IAE-2070904
(発行年月) 2021年3月
(要 旨) 原子力学会標準委員会廃止措置分科会で策定中の標準について次の事項を実施した。
(1) 「原子力施設の廃止措置の基本安全基準」(新規制定)及び 「実用発電用原子炉施設等の廃止措置の計画基準」(改定)について
1)標準案の洗練化
分科会、専門部会、標準委員会、及び公衆審査の審議・審査において指摘事項を管理し適切に反映した。
2)資料作成
分科会、専門部会、標準委員会及び公衆審査に必要な資料を作成した。
(2)廃止措置関連指針(放射能インベントリ評価、施設特性調査、作業立案)」について
止措置関連指針の制定用説明資料案の分科会、専門部会、標準委員会及び公衆審査に必要な資料を作成し指摘事項を管理し適切に反映した。
(目 次) 1. まえがき
2. 業務計画
2.1 業務目的
2.2 業務内容
2.3 業務期間
2.4 業務体制
2.5 業務工程
2.6 業務分担
3. 業務内容及び成果
3.1 原子力施設の廃止措置の基本安全基準
3.2 実用発電用原子炉施設等の廃止措置の計画基準
3.3 実用発電用原子炉施設の廃止措置計画時の安全評価基準
3.4 廃止措置関連指針
4. まとめ
5. あとがき
6. 添付資料、参考文献、付録

5.4 国際的視野を持つ廃止措置マネジメントエキスパート育成に係る助成作業

(プロジェクト名) 国際的視野を持つ廃止措置マネジメントエキスパート育成に係る助成作業
(報告書名) 国際的視野を持つ廃止措置マネジメントエキスパート育成に係る助成作業報告書
(報告書番号) IAE-2070301
(発行年月) 2021年3月
(要 旨) 原子力施設の廃止措置では、日々刻々と変化していく状況を適切に管理していくことが安全かつ合理的な実施及び完遂に必須の事項である。施設の状況が変化していくということが廃止措置の最も重要な特徴であり、廃止措置という事業の本質である。状況が常に変化していく施設に対して、安全かつ合理的に廃止措置を実施していくためには、このような廃止措置の本質を理解した“廃止措置マインド”の醸成が第一に求められる。このような廃止措置において求められる要件を満たす技術者として、原子力施設の廃止措置の計画、実施及び終了の各段階において、国際的な視野を持った、効果的なプロジェクトマネージメントが実践可能な人材を育成することを目的とする文部科学省補助事業の助成を行った。
(目 次) 1.一般事項
1.1 件名
1.2 事業の目的
1.3 事業の概要
1.4 業務の範囲
1.5 業務の内容
2. 実施内容
2.1 プロジェクトマネージメント研修
2.1.1 事前/事後研修教材の作成
2.1.2 プロジェクトマネージメント研修プログラムの策定
2.1.3 教材の作成
2.1.4 事前/事後課題の採点
2.2 プロジェクトマネージメント実習
2.2.1 事前実習教材の作成
2.2.2 プロジェクトマネージメント実習プログラムの策定
2.2.3 プロジェクトマネージメント実習の実施
2.3 海外研修
2.3.1 海外研修の概要
2.3.2 海外研修の準備
2.3.3 海外研修結果の取り纏め
3. 事業の総括
3.1 研修の全体総括
3.2 プロジェクトマネージメント研修(机上研修)の総括
3.3 プロジェクトマネージメント実習について
3.4 研修生のフォローアップについて
3.5 海外研修
別添資料-1 事前/事後課題採点表

5.5 原子力施設の廃止措置研修

(プロジェクト名) 原子力施設の廃止措置研修
(報告書名) 原子力施設の廃止措置研修報告書
(報告書番号) IAE-2070601
(発行年月) 2021年3月
(要 旨) 日本原子力研究開発機構殿の依頼により「原子力施設の廃止措置」の研修を実施した。今回の研修は,JAEA殿ではトライアルな研修と位置づけて実施するものであり,研修の内容は,JAEA殿が所有する核燃料取扱施設等を対象とするものではなく,弊所で整備済の発電所の廃止措置を対象とするもので実施することにした。
受講する研修生は,JAEA殿の中堅クラス以上であり実務経験を有することから次の事項に考慮して講義の構成を行うこととした。
(ア) 個別具体的な廃止措置工事の紹介を行うのではなく,廃止措置の準備,実施及び終了に係る考え方に関する内容とする。
(イ) 廃止措置の事業を合理的に計画及び実施して行くための要点について解説する内容とする。
(ウ) プロジェクトとしての廃止措置の留意事項及び廃止措置の最適化に関する内容を含める。
上述の事項を踏まえ以下に示す研修スケジュールを作成した。研修は2日間とした。
1日目は上述(2)(ア)及び(イ)に基づき次の講義を行うこととした。
(ア) 廃止措置の概要
(イ) 廃止措置の準備作業
(ウ) 廃止措置の実施2日目は上述(2)(ウ)に基づき次の講義を行うこととした。
(ア) プロジェクト管理
(イ) 廃止措置の安全の考え方
(ウ) 廃止措置のプロジェクト管理
(エ) 廃止措置の最適化
1. 緒言
2. 研修業務の内容
3. 研修業務のまとめ
4. 研修の改善について
付録-1 原子力施設の廃止措置研修(導入)
付録-2 原子力施設の廃止措置(教材)
3.3 外部発表の支援

5.6 原子力発電所等の中性子輸送計算及び核種生成・崩壊計算に関する技術整備及び知見提供

(プロジェクト名) 原子力発電所等の中性子輸送計算及び核種生成・崩壊計算に関する技術整備及び知見提供
(報告書名) 委託報告書 原子力発電所等の中性子輸送計算及び核種生成・崩壊計算に関する技術整備及び知見提供
(報告書番号) IAE-2070901
(発行年月) 2021年3月
(要 旨) 安全かつ合理的な原子力発電所等の廃止措置(或いは運転中廃棄物の処理・処分)の計画立案には,第一に施設に残存する放射能の性状,分布及び量を把握する必要があり,中性子輸送計算・核種生成崩壊計算が必要である。これらはまた炉心解析においても革新的な技術である。
本委託では,次の事項を実施した。

ⅰ)原子力発電所等の中性子輸送計算に係る技術整備
当社が用いている中性子輸送計算コードを,従来よりも微細な空間メッシュ,及び原子核との衝突前後の中性子のエネルギーをより精緻に取り扱えるよう,技術検討を行い,成果を取り纏める。
ⅱ)その他技術知見の提供
a)解析コード及び解析手法に関する情報の提供
中性子輸送計算及び核種生成・崩壊計算に関連する計算コードや解析手法について,情報を提供する。また,これらの活用例(原子力発電所等の放射能インベントリ評価の概要等)を紹介する。
b)外部発表準備支援
当社が本業務及び本業務に関連する事項について,新規性のある内容について,国内外の学会等へ発表を行う準備の支援を行う。または,共著者として発表を行う。
但し,社会情勢の変化により今年度中に発表が可能となった場合には,その支援を行うものとする。
1.一般事項
2.本業務の概要
3.本業務の成果
3.1 定期的打ち合わせ(コンサルティング)の実施
3.2 原子力発電所等の中性子輸送計算に係る技術整備
3.3 解析コード及び解析手法に関する情報の提供
3.4 外部発表の支援

6.国際標準関連

6.1 「エネルギーマネジメント・省エネルギー量評価」分野の国際規格開発

(プロジェクト名) 「エネルギーマネジメント・省エネルギー量評価」分野の国際規格開発
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) TC301(エネルギーマネジメント・省エネルギー量)の下で、ISO 50045及びITS50044が新たに発行され、ISO50049、ISO50005、ISO50009(日本提案)、ISO50004改定、ISO50003改定の規格開発が実施された。またISO50010およびISO50006改訂が新事業として承認された。日本提案のISO50009「複数組織が実施する共通のエネルギーマネジメント活動に関するガイダンス」開発は、2回の国際WG会合での審議を経て順調に進展し、令和2年2月にDIS段階に移行した。もう1件の日本提案「エネルギーマネジメント進展の測定」はAHG5での準備作業が公式に開始され、2020年度のNWIP投票に向けて検討作業を継続している。
こうした規格開発活動は、国内では国内審議委員会およびWGでの検討を通じて、国際面では6月のTC301年次総会・WG、12月の国際WG会議等の機会を通じて実施された。
(目 次) 「エネルギーマネジメント・省エネルギー量評価」分野の国際規格の開発に際して、我が国の意見を適切に反映させることを目的として、ISO/TC301(エネルギーマネジメント・省エネルギー量)が実施する国際規格開発に参画した。
令和2年度は、日本提案に基づくISO 50009「複数の組織で共通のEnMSを実施するためのガイダンス」開発の最終年度にあたり(開発期間36カ月)、首尾よく規格開発を推進して、令和3年3月のISO 50009発行に至った。エネルギーマネジメント分野で初の日本提案規格である。また2番目の日本提案ISO 50011「エネルギーマネジメント進展度の評価」の正式承認を得て、規格開発を開始した。
国内での規格検討体制は、国内審議委員会および同WGを組織して、産業界、学識経験者、省エネルギー専門家等に参加いただき、課題を検討して国際規格案への対処案を作成した。さらに基本規格ISO50001を始めとする同分野の国際規格に影響を与えうる国際的動向について継続的に情報収集を実施した。
なお、ISO 50009の発行を伝える「ISO news」は下記を参照下さい。
https://www.iso.org/news/ref2641.html

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