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平成26年度調査研究要旨集

平成26年度調査研究要旨集

この要旨集は、当研究所の平成26年度の調査研究活動等の成果としてとりまとめられたものの要旨と報告書の目次を収録したものである。平成25年度以前にとりまとめられたものについては、バックナンバーをご覧いただきたい。
本要旨集が関係各位のご参考になるとともに、当研究所の事業に対するご理解の一助となれば幸いである。

目次

1.エネルギー技術全般

(ア)地球規模でのエネルギーシステムに関する調査研究

1.1 地球温暖化抑制に向けたエネルギービジョンの策定

(プロジェクト名) 平成26年度 地球温暖化に向けて世界で共有できるエネルギービジョンの策定
(報告書名) 平成26年度 地球温暖化に向けて世界で共有できるエネルギービジョンの策定 報告書
(報告書番号) IAE-1414712
(発行年月) 2014年12月
(要 旨)  地球温暖化を抑制するためのCO2削減シナリオについては、様々な検討が行われているが、国際的な合意には至っていない状況であり、世界が共有できるような新しいビジョンが求められている。本検討は、現実的なCO2削減シナリオとして提唱されたオーバーシュートシナリオ/Z650について、エネルギー環境モデル(GRAPE)を用いてエネルギー需給構造を検討し、その経済的・技術的実現性を評価していくことを目的としている。
 昨年度までの検討においては、主に2050年までのエネルギー供給構成を中心に議論を行い、(1)GRAPEの想定や計算結果が他のエネルギーモデルと比べて大きく外れていないこと、(2)想定している技術構成が現時点である程度見通しが立ったものであること、(3)対策投資額が省エネルギーによる便益と同等であることなどを示してきた。
本年度は、それらの計算結果に対して、技術ごとにCO2削減効果を切り分けて評価し、限界削減費用曲線として取りまとめた。その結果として下記の知見を得た。

  • 電力については、60$/t-CO2程度以下の技術が多く、それゆえ対策の進展が最も早い。2050年の段階で特に単価が低いのは、原子力、CCS、バイオマス、風力である。
  • 2100年頃はBAUにおいても風力はかなりの規模で導入されており、Z650実現に向けた主な伸び代は原子力と太陽光である。なお、太陽光発電は2050年までに大幅なコスト低減を実現していると想定しており、この時期は太陽光による削減単価も現実的な値にまで下がっている。
  • 運輸は2030年ころまでは効率向上、2050年に向けては乗用車の電化と乗用車以外へのバイオ燃料の導入が主要な対策となっており、削減単価も相対的に安価である。電気自動車については2030年頃においてまだかなり高価であるが、2050年以降の大量導入のための準備段階として普及が進められている。
  • 2100年においては、BAUの段階で乗用車はEV、乗用車以外ではバイオ燃料が主力となっている。そのため、Z650実現に向けた削り代としてはそう大きくない。2100年には各技術がバランスよく削減に寄与し、全体としてはほぼゼロエミッションとなっている。このうち、乗用車以外の需要については、BAUがバイオ燃料主流であるのに対し、一部地域で水素化が進むと想定している。
  • 定置については、比較的安価なバイオマス利用と石油から天然ガスへの燃料転換は導入ポテンシャルが小さく、それ以外の対策は高価である。よって対策の進展は最も遅い。
  • 2100年には、水素がかなりの量導入される。2100年断面においては、運輸と定置の非化石燃料として、バイオマスが非常に重要となっている。そのポテンシャルは、定置と運輸の両方を担うには不足しているため、一部地域は定置、一部地域は乗用車以外の燃料に対してバイオマス(バイオ燃料)から水素への変換が進むと解釈される。

 上記とは別に、エネルギー技術構成について、特に日本で期待できる需要側の将来技術に着目した整理を実施し、シンポジウム等で紹介した。

(目 次) 1. はじめに
 1.1 目的
 1.2 内容
 1.3 本書の構成
2. 2050年世界エネルギービジョンに関する限界削減費用曲線の作成
 2.1 計算の考え方
 2.2 各部門における計算結果とその解釈(世界全体)
 2.3 地域ごとの特徴
3. 日本のエネルギービジョンの検討
 3.1 日本エネルギービジョンの概観
 3.2 エネルギービジョン実現に必要なエネルギー技術
4. エネルギー2050研究会における議論と対外発表
 4.1 国内ワークショップ
 4.2 日中ワークショップ
5. まとめ

1.2 気候変動のリスク管理に係る気候工学等に関する調査研究

(プロジェクト名) 適応・ジオエンジニアリングを考慮した統合評価モデルの拡張と応用
(報告書名) 平成26年度環境研究総合推進費(技術・社会・経済の不確実性の下での気候変動リスク管理オプションの評価)による研究委託業務 報告書
(報告書番号) IAE-1414202
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  気候変動に対応するリスク管理戦略を構築するための事業の一環として、適応・ジオエンジニアリングの評価を進めた。適応・ジオエンジニアリングについては、そのコスト、影響、副作用等についての理解が十分に進んでおらず、基礎的なデータ収集・整理から始める必要があった。昨年度に引き続き、これらの整理を進めるとともに、モデル化に向けた検討と試算を実施した。
 ジオエンジニアリングの重要な技術の一つである、成層圏に微粒子を散布し太陽光を反射させるという技術については、昨年度までコスト評価を進めてきたが、今年度は、主に既往の文献のコスト評価の条件、特に散布高度の差に着目することで、より精緻にコスト評価を実施した。その結果、本技術のコストは依然として緩和策よりは安価であるものの、「驚くほど安い」というレベルではないことを明確化した。
ジオエンジニアリングの別の主要技術である、大気中から、直接二酸化炭素を除去するという技術については、固体の吸着剤を用いた技術について技術評価を行った。プロセスは概ね理解できたが、吸着剤が高価であることが想定され、システムとして機能するかどうかについては継続して調査が必要である。バイオマスを介した回収技術、及び貯留技術については、苫小牧の実証サイトのヒアリングを行うとともに、技術オプションや 実証プロジェクトについて包括的な調査を実施した。
 上記に加えて、ジオエンジニアリングの社会的側面に係わるヒアリング調査も実施した。
適応策については、適応策を導入する前段階として、ダメージ関数を考慮した試算を進めるとともに、文献調査などにより適応策を導入する方策についての理解を進めた。
本年度は、プロジェクト全体で「リスク管理戦略」を構築することとされていたことから、適応・ジオエンジニアリングの検討だけではなく、戦略構築に係わる作業も実施した。まず、複数の社会シナリオや二酸化炭素排出削減シナリオについて、GRAPEモデルによる計算結果を提供した。その上で、東京理科大学のMARIA、国立環境研究所のAIM、上智大学のEMEDAの計算結果との比較検討を行った。特にエネルギー技術構成については、主導的な立場で比較検討を実施し、モデルによって原子力、再生可能、省エネ、CCSのバランスが大きく異なることを示した。これについては、モデル間の優劣というよりは、多様な選択肢があり得るということに相当すると解釈している。
(目 次) 1.研究開発背景等
2.研究開発目的
3.研究開発方法
4.結果及び考察
5.本研究開発により得られた成果
6.研究成果の発表状況

1.3 CCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイッシュー分野への対応

(プロジェクト名) CCS国際連携事業(CCS関連国際機関等との連携事業)におけるCCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイッシュー分野への対応業務
(報告書名) CCS国際連携事業(CCS関連国際機関等との連携事業)におけるCCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイッシュー分野への対応業務
(報告書番号) IAE-1414106
(発行年月) 2015年3月
(要 旨) ・ 事業目的
公益財団法人地球環境産業技術研究機構が経済産業省と締結した委託契約書(20140319財産第1号)により実施する平成26年度地球環境国際連携事業におけるCCS関連の規格化の事業の一部として、Q&V(Quantification and Verification:定量化と検証)とCCI(クロスカッティングイッシュー)分野に関して実施するものである。本業務では、平成23年度に設置が決定したISO/TC265の活動の中のQ&VとCCI分野へ対応するとともに、CCS関連の規格化のQ&VとCCI分野における各国の動向の調査等を行い、規格化に関する議論を先導する。
・ 事業概要
ISO/TC265の活動のQ&VとCCI分野へ対応するとともに、CCS関連の規格化のQ&VとCCI分野に関する各国の議論の動向を調査し国内関係者へ情報提供を行う等、国内での議論を支援することにより、CCS関連の規格化のQ&VとCCI分野に関する議論を先導した。具体的には以下の通り。
・ 国内WGの開催
Q&VとCCI分野において都内で4回開催し、この分野のISO化についての議論を行った。国内WGの開催に際しては、日程調整、会場手配、各委員の招集、議事内容の記録・報告などの業務を行った。またWG委員への意見照会や意見とりまとめなどの作業も行った。さらに関連する他のISO、JISや他国の規格・標準等を調査し、関係を整理した。
・ TC全体会合、TCのWGへの参加
TC全体会合は2回、ベルリンと米国バーミンガムで開催された。定量化と検証WG(WG4)とCCIWG(WG5)も同様に、TC全体会合に合わせて2回開催された。TC全体総会へは、専門家として国内各WGから2名派遣し、各WGへも2名の専門家を派遣した。
また、WG独自で電話会議が開かれたため、国内WGの専門家が参加した。
・ CCS関連の規格化に関する各国の動向調査
文献調査や関係者へのヒアリング等により、CCS関連のQ&VとCCI分野における規格化に関する各国の動向調査を行うとともに個別調整を行った。上記調査及び調整内容を整理し、国内審議団体等へ情報提供し、国内での議論を支援した。
(目 次) 1章 概要
1.1 事業目的
1.2 事業概要
2章 CCS関連の規格化への対応
2.1 会合一覧
2.2 昨年度までの状況
2.2.1 Q&VWG(WG4)の状況
2.2.2 CCIWG(WG5)の状況
2.3 ベルリン会合
2.3.1 第3回WG4
2.3.2 第3回WG5
2.3.3 第4回TC265総会
2.4 第5回ISO/TC265総会(バーミンガム)に向けて
2.4.1 国内活動
2.4.2 国際活動
2.5 バーミンガム会合
2.5.1 第4回WG4
2.5.2 第4回WG5
2.5.3 第5回TC265総会
2.6 第5回ISO/TC265総会(バーミンガム)以降の活動
2.6.1 国内活動
2.6.2 国際活動
2.7 関連するその他の調査活動
2.7.1 文献調査

その他

1.4 エネルギーに関する公衆の意識調査

(プロジェクト名) エネルギーに関する公衆の意識調査
(報告書名) 平成26年度エネルギーに関する公衆の意識調査報告書
(報告書番号) IAE-1424710
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  平成26年度は10月27日~11月9日にインターネット調査を実施した。前回と同様、対象を首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の満20歳以上の男女、調査数を男女500名(各250名)、抽出法を割当法(首都圏における性別・年代別人口構成に合わせ、回収数を割当てる方法。年代の区分は、20代、30代、40代、50代、60歳以上で実施)とした。調査項目は、意識の「変化」を比較するために、前回の調査と同様の質問を用いた。質問数は、(1)社会や生活に関する意識、(2)エネルギー問題に関する意識、(3)原子力発電に関する意識、(4)東電福島第一原子力発電所事故(以下「東電福一事故」という。)に関する意識、(5)回答者の分類(性別、年齢、職業)の5区分について、合計49問とした。
 平成26年度の結果と過去に同様の方法で実施した調査(東電福一事故前の平成22年10月、事故後の平成23年10月、平成24年11月、平成25年11月)の結果を比較し、首都圏住民の意識変化から、事故が与えた影響を考察した。
 東電福一事故以降、原子力発電の利用、有用性および安全性に関する意見が大きく否定的方向に変化し、調査時点でも大きな変化はない。その要因としては、事故による原子力技術への失望感、電力会社・政府による事故に関する情報提供や対応に対する不信感・不満感等があると考えられる。また、今後の日本のエネルギー源で重視するものについては、事故の前後とも新エネルギーが圧倒的に多く、今回の調査においても7割近くであり、さらに事故後には天然ガスが大きく増加していた。
(目 次) まえがき
第1章 アンケート調査の概要
 1.1 調査目的
 1.2 調査設計
 1.3 調査内容
第2章 アンケート調査の結果
 2.1 公衆のエネルギー全般に関する意識
 2.2 公衆の原子力発電に関する意識
結論

2.新エネルギー・電力システム関連

(ア)スマートグリッドに関する調査研究

2.1 次世代電力ネットワーク研究会の運営

(プロジェクト名) 次世代電力ネットワーク研究会
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨) 平成26年度の活動結果は、以下のとおり。
(1)検討会
○ 第23回(H26.5.12)
 ・ NEDOにおける海外スマートグリッド実証について
○ 第24回(H26.7.18)
 ・ エネルギー基本計画および今後のエネルギーミックスの見通しについて
 ・ 電力システム改革の制度設計
○ 第25回(H25.9.22)
 ・ 産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所の取り組み
○ 第26回(H27.1.23)
 ・ パワエレ技術の動向
 ・ パワーエレクトロニクス機器の適用動向
○ 第27回(H27.3.13)
 ・ 電力システム改革における自然変動電源の出力予測の位置付け
 ・ 日射・太陽光発電出力の予測技術
 ・ 気象庁数値予報モデルによる日射量予測の精度
(2)シンポジウム(H26.11.19)
○ テーマ「電力系統と調和する需要側技術の動向」
 ・ 次世代電力ネットワークにおける蓄電システムの役割
 ・ 今後の系統側・需要側技術に期待すること
 ・ 再生可能エネルギーの更なる導入拡大に向けた課題と展開
 ・ デマンドレスポンス資源による系統運用への貢献
 ・ EMSの動向と展望
 ・ スマートコミュニティにおける需要側ソリューション
 ・ パナソニックの住宅分野におけるエネルギーマネジメントの取組み
(3)ニュースレター
 ・ Vol.59(2014年4月号)~Vol.70(2015年3月号)を発行(毎月実施)
(目 次) 報告書なし

2.2 DRビジネスの環境整備に向けた社会システム実証の調査・評価

(プロジェクト名) DRビジネスの環境整備に向けた社会システム実証の調査・評価
(報告書名) DRビジネスの環境整備に向けた社会システム実証の調査・評価
(報告書番号) IAE-1414109
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  東京大学にて実施される、インセンティブ型DR実証事業に関する具体的なDR経済効果の分析を補佐するべく、以下の作業を実施した。

  • 海外におけるインセンティブ型DRの仕様を調査し、インセンティブ型DRプログラムについて、さらに分類・体系化を行い、それぞれのインセンティブ型DRの特徴をまとめた。
  • インセンティブ型DRの種類によっては、需要家の負荷データの実測値の分析・評価だけではなく、基本料金(円/kW)とDRを実施した場合の従量料金(円/kWh)とのバランスなどDRプログラム仕様自体の評価も必要となる。そのようなDRプログラム仕様自体の評価に資するために、海外のインセンティブ型DRプログラムの実態と実績を調査し、海外でのインセンティブ型DR事例調査、海外でのインセンティブ型DRにおける価格設定の考え方、および海外でのインセンティブ型DRの利用実績としてまとめた。
  • 2年間のインセンティブ型DR実証を総括するにあたり、DRアグリゲータ事業者に共通アンケートを実施し、その結果の整理を実施した。

(目 次)
要約
はじめに
1. 事業の目的・目標
2. 事業の内容
3. スケジュール
4. 事業の成果
4.1 計量経済学手法に基づくDRプログラムの評価
4.1.1 検証方法:計量経済学手法に基づくDRプログラムの評価
4.1.2 検証結果:計量経済学手法に基づくDRプログラムの評価
4.2 需要家の負担を考慮したDRの費用便益分析
4.2.1 検証方法:需要家の負担を考慮したDRの費用便益分析
4.2.2 検証結果:需要家の負担を考慮したDRの費用便益分析
4.3 DRアグリゲータへのアンケートから得られた考察
4.4 インセンティブ型DR実証プロジェクトとの調整
4.5 海外でのインセンティブ型DR実績の調査
(1) DRプログラムの体系とインセンティブ型DRの位置づけ
(2) 海外でのインセンティブ型DR事例調査
(3) 海外でのインセンティブ型DRにおける価格設定の考え方
(4) 海外でのインセンティブ型DRの利用実績
参考文献

2.3 エネルギーマネジメントシステムの構築提案等調査事業

(プロジェクト名) エネルギーマネジメントシステムの構築提案等調査事業
(報告書名) エネルギーマネジメントシステムの構築提案等調査事業
(報告書番号) IAE-1414104
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  平成26年度は、これまで以上にDRに注目して調査を進め、魅力あるEMSの構築の提案と普及を目的として、系統側の電力需給安定化に資するDRプログラムの国内外における先進的な取り組み事例を調査した。
 その結果、欧州・米国においてはDRの利用が進み、様々な主体が多様なDRプログラムを提供しているが、DRリソースの創出という点に着目すると、いくつかのパターンに集約出来ることを示すとともに、DRリソースの用途という観点から、DRリソース調達者にとって重要となる制御時間の柔軟性、制御反応の確実性、シグナル反応速度という3点で評価する事により、 非制御型Dynamic Pricing、プッシュ通知制御型Dynamic Pricing、非通知制御型リベート(ペナルティなし)およびプッシュ通知制御型リベート(ペナルティなし)の4種が有望なDRリソース創出方法である事を提示した。
 一方、各用途のDRが導入される様々な要因の整理結果を考慮すると、国内において、昨今における再生可能エネルギーの普及促進によって必要性が高まっている事に加え、制度設計の進捗加速により実現性も担保されつつあるため、送電事業者におけるアンシラリー用途でのDRに対する取り組みの優先度が高くなっているとの結論を得た。
 アンシラリー用途のDRリソースについては、制御時間の柔軟性、制御反応の確実性およびシグナル反応速度の全てが求められ、これらに対応するものは上述の4種のDRリソース創出方法のみであり、今後においてはそれらの導入を進めるための施策が求められる事を提示した。また導入にあたっては、欧米におけるDRに関する論点抽出の結果を踏まえると、DRに関する需要家の認知度の低さやプログラム参加へのメリットの不明確さ、個人情報保護に関する懸念、そして事業者によるDR原資の確保方法の確立といった課題が存在すると考えられ、これらに対しては、国レベルでの啓蒙活動や関連制度の導入等の支援を行う事で、解決につなげることが望ましい事を提言した。
 なお、DR導入にあたっての課題には、事業者主導の施策が求められるものもある。このため、Alcoaに代表される需要家が独自に行っている大規模なDRに関する取り組みにも着目すべきであり、国として大規模需要家を巻き込んだ実証実験を行う等、積極的に需要家にDRに取り組んでもらうよう事業者を支援する事も併せて検討していくべきである事を示した。
(目 次) 第I部.過年度分の報告
I-1.平成23年度の報告
I-2.平成24年度の報告
I-3.平成25年度の報告
第II部.平成26年度の報告
II-1. はじめに
II-1-1.過年度の実施内容を踏まえた本事業内容の要約
II-1-2.過年度の実施内容を踏まえた本事業の背景と実施内容
II-1-3.過年度の実施内容を踏まえた本事業の概要
II-2.国内外のEMSの動向の把握
II-2-1.国内におけるDR事例
II-2-2.海外におけるDR事例
II-2-3.DR事例のまとめ
II-3.EMSに対するニーズの把握
II-3-1.DRに関する論点抽出
II-3-2.DR導入の課題と対策
II-4.魅力あるEMSの構築の提案
II-4-1.国内においてDRを実施するために必要なEMSの検討
II-4-2.EMSの普及促進を図るための方策の検討
II-5.まとめ
II-5-1.平成26年度調査のまとめ
II-5-2.平成26年度調査から得た示唆

2.4 エネルギーマネジメントシステムの国際標準化に向けた総合戦略等の検討

(プロジェクト名) エネルギーマジメントシステム標準化における接続・制御技術研究事業
(報告書名) エネルギーマジメントシステムの国際標準化に向けた総合戦略推進
(報告書番号) IAE-1414103
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  ECHONET Liteを用いたエネルギーマネジメントシステムの実現とその海外展開を可能とするために、以下の5つのサブタスクを設定し、平成24年度から平成26年度の3年間で事業を推進した。
(1)標準的インターフェイスを用いたEMSの国内外における普及推進に関する工程表の策定
(2)エネルギーマネジメントシステムの国際標準化の促進
(3)EMSの機器接続・制御に係る規格の開発動向調査
(4)国内におけるEMS実証事業との連携
(5)接続機器の普及を実現するための検討
「(1)標準的インターフェイスを用いたEMSの国内外における普及推進に関する工程表の策定」として、エネルギーマネジメントシステム普及促進のための制度設計(標準仕様の選定、規制見直し、補助金制度等)を行う「スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会」や、エコーネットコンソーシアムなどの関連する組織体と連携して事業を推進する体制を構築した上で、工程表を作成した。
「(2)エネルギーマネジメントシステムの国際標準化の促進」として、海外への情報発信を引き続き行い、海外事業者とのコミュニティ構築を推進し行動施策を提示した。
「(3)EMSの機器接続・制御に係る規格の開発動向調査」として、HEMS/BEMSに係る通信規格の網羅的な調査を行い、最新の規格動向を整理した。
「(4)国内におけるEMS実証事業との連携」として、国内実証事業における ECHONET Lite対応機器の利用推進に加えて、スマートメータを始めとするECHONET Lite機器の導入利用に関する普及啓発活動に関して実証事業者との連携を図った。
「(5)接続機器の普及を実現するための検討」として、スマートハウス・ビル事業の海外向け情報発信及び ECHONET Liteエンジニア教育活動を行った。
(目 次) 1. はじめに
1.1. 事業目標
1.2. 実施方針
1.3. 参考:事業の位置づけ
2. 報告内容
2.1. 標準的インターフェイスを用いたEMSの国内外における普及推進に関する工程表の策定
2.2. ECHONET Liteの国際標準化の促進
2.3. EMSの機器接続・制御に係る規格の開発動向調査
2.4. 国内におけるEMS実証事業との連携
2.5. 接続機器の普及を実現するための検討
3. おわりに
3.1. 平成24年度実施結果について
3.2. 平成25年度実施結果について
3.3. 平成26年度実施結果について
3.4. 成果のまとめ
3.5. 結言

2.5 大規模HEMS情報基盤整備に関する調査

(プロジェクト名) 大規模HEMS情報基盤整備事業
(報告書名) 大規模HEMS情報基盤整備事業における仕様標準化の促進支援業務ならびにデータ活用に係るプライバシー対応に関する調査業務
(報告書番号) IAE-1414110
(発行年月) 2015年3月
(要 旨) ・ 大規模HEMS情報基盤整備事業における仕様標準化の促進支援業務
(1) HEMS情報基盤に係る標準化前提条件の整理
HEMS~データ利活用事業者間で想定され得るデータ伝送フローならびにデータ伝送の各段階で検討されているデータ形式の整理を実施し、様々なプレイヤーが各々の戦略のもとにアーキテクチャを構成している状況(競争段階)である事を確認した。
(2) HEMS情報基盤が有する標準的APIのあり方の整理
HEMS情報基盤が有する標準的APIの基本設計を整理し、標準的APIの設計コンセプトとして、「HEMSコントローラは複数の外部プラットフォームとの互換性を確保する」というアーキテクチャを提示するべきとの結論に至った。
(3) 国際展開に向けた方策
日本のHEMS事業に対する海外のネットワーク専門家やEMS事業者への理解拡大活動、ならびに海外でのHEMS情報基盤に係る取り組みと今後の標準化の進め方に対する示唆に重点をおいて有識者との議論および情報整理を行い、国際的な競合が激しいプラットフォーム部分では、新たに国際標準を提案できる環境にはない、このため、共通APIのインターフェイスの必要性を重視しつつ、HEMSコントローラ部分を定義化し、デファクトで推進されるプラットフォームとの共存戦略をとるべき(乱立するプラットフォーム側との通信インターフェイスの特定を急ぐべき)、国内外のエンジニア教育を目的としたトレーニングプログラムを急ぎ設計、開始すべきとの結果を得た。

・ 大規模HEMS情報基盤整備事業におけるデータ活用に係るプライバシー対応に関する調査業務
本調査では、一部の地域でスマートメーターが普及しておりエネルギーデータの利活用の仕組みがつくられているアメリカ、およびスマートメーターの本格導入を前にプライバシーに関する制度設計を進めているイギリスを中心として調査を行い、それぞれのプライバシーの体制を示した。また、アメリカ、イギリス各国のプライバシー事例を分析し、「ISO/IECプライバシーフレームワーク」により整理した。本フレームワークにより整理をする際、必要に応じてベースのフレームワークを細分化し、ベースのフレームワークに該当しない項目を追加した。このアメリカ、イギリスの事例により作成されたフレームワークと、日本の個人情報保護の法律との対応関係を明らかにした。また、平成26年5月に報告されたスマートハウス・ビル標準・事業促進検討会で報告された「HEMSデータ利用サービス市場におけるデータ取扱マニュアルα版」も上記フレームワークにより整理し、今後データ取扱マニュアルα版を更新する際などには、それらのプライバシーフレームワークの未記載の事項は、新たに追加する領域の検討の視点として考えられる事を示した。

(目 次) ・ 大規模HEMS情報基盤整備事業における仕様標準化の促進支援業務
(1) HEMS情報基盤に係る標準化前提条件の整理
(2) HEMS情報基盤が有する標準的APIのあり方の整理
(3) 国際展開に向けた方策

・ 大規模HEMS情報基盤整備事業におけるデータ活用に係るプライバシー対応に関する調査業務
1. 調査の概要
1-1. 調査の目的
1-2. 調査のスコープ
1-3. 調査・取り纏めの方法
2. エネルギーデータのプライバシー対応の先行事例
2-1. イギリスにおける先行事例
2-2. アメリカにおける先行事例
2-3. ドイツにおける先行事例
3. エネルギーデータのプライバシー対応フレームワークの整理
3-1. プライバシー対応フレームワークの整理の考え方
3-2. 先行事例のプライバシー対応の比較と論点
3-3. 我が国におけるプライバシー対応に関わる動向
3-4. 先行事例のプライバシー対応フレームワークと我が国の個人情報保護法の対応
4. 大規模HEMS情報整備事業におけるプライバシー対策への示唆
4-1. プライバシー対応フレームワークに対する我が国のデータ取扱マニュアルα版の対応状況
4-2. プライバシー対策への示唆

2.6 米国を中心とした電力関連先端技術研究開発動向調査

(プロジェクト名) 米国を中心とした電力関連先端技術研究開発動向調査
(報告書名) エネルギー技術情報に関する調査 報告書(2/4)
II. 米国を中心とした電力関連先端技術研究開発動向調査
(報告書番号) IAE-1414707
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  ARPA-E、DARPAのエネルギー関連プログラムについて、再生可能エネルギー連携、エネルギー貯蔵など、エネルギーに関連するものを選び、その概要をまとめた。現時点では、電力に関連の深いプログラムを含め23分野で数多くのプロジェクトが推進されている。その中では、開発を完了し商品化が推進されている事例もある。ARPA-Eは発展を続けており、現在では新たに9分野のプログラムが追加される見通しである。
 ARPA-E、DARPAが推薦する成功事例については、文献やホームページの調査、年1回開催されているARPA-EのInnovation Summit等でARPA-EやDARPAが成功事例としている内容を調査した。ARPA-Eは、成功事例として2015年2月にSelect ARPA-E Projectsとして101のプロジェクトリストを公開した。また、Innovation SummitではARPA-E Highlightsとして11プロジェクトを紹介した。これらの概要と特徴をまとめた。
事業化や次のステップへの展開が進んでいる成功事例については、Innovation SummitのShowcaseでヒアリングするとともに、プロジェクト参加企業のホームページ等を調査し、成功例をとりまとめた。
ARPE-Eスキームの特徴分析にあたっては、ARPA-Eが推薦する成功事例の取り組み経緯を、プロジェクト参加企業のHPや参加者へのヒアリング等を通じて調査し、当該プロジェクトに対してARPA-Eがどのようにプロジェクト推進に影響を与えたのか、具体的にはプロジェクトダイレクター(PD)等による人的影響か、ファンドによる支援が大きく意味を持ったのか等要素に分けて整理した。その結果、特にPDの影響が大きいことが分かり、研究開発マネジメントが重きを置くべき点の一つは如何に能力の高いPDを採用するかにあることが抽出された。
 エネルギー関連ロードマップの概要については、エネルギー関連技術開発に求められる詳細像の考察における参考とするため、アメリカ、EU、国際エネギー機関によるエネルギー関連技術ロードマップの概要をとりまとめ、内閣府が提示するロードマップ等との比較検討を行った。
(目 次) 1. ARPA-E、DARPAのエネルギー関連プログラムの概要
1.1. ARPA-E、DARPAの概要比較
1.2. DARPAについて
1.3. DARPAの最新のプログラム
1.4. ARPA-Eの最新のプログラム
2. ARPA-E、DARPAの成功事例とスキームの特徴調査
2.1. ARPA-E、DARPAが推薦する成功事例の調査
2.2. 成功事例の展開状況調査
2.3. ARPA-Eスキームの特徴分析
3. エネルギー関連ロードマップの概要調査
3.1. 国内エネルギー関連ロードマップ
3.2. 海外エネルギー関連ロードマップ
付録1 Select ARPA-E Projects概要一覧
付録2 IEA EGRD エネルギー貯蔵ワークショップ 参加報告書
付録3 工程会議議事録

(イ)再生可能エネルギーに関する調査研究

2.7 バイオマスエネルギー実証試験事業に関するフォローアップ調査

(プロジェクト名) バイオマスエネルギー実証試験事業に関するフォローアップ調査
(報告書名) バイオマスエネルギー実証試験事業に関するフォローアップ調査
(報告書番号) IAE-1414507
(発行年月) 2014年6月
(要 旨)  NEDO事業として過去に実施された「バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業」、「地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業」および「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業」に採択された実証試験事業合計71件のプロジェクトについて、現況を調査した。調査は、NEDOで公開されているパンフレットや成果報告書、事業評価報告書及び基礎調査事業を基に、アンケート及びヒアリングにより、目標の達成状況、現在の運用状況、成果の活用による導入普及の状況を調査した。
 先ずNEDO実証事業の基本情報を整理するため、対象プロジェクト(合計71件)について、プロジェクト整理番号、プロジェクト名称、プロジェクト実施者(事業者)、対象バイオマス(原料)、転換技術、エネルギー利用用途、実施期間(採択年度/終了年度)、実施(設置)場所などに整理した。さらに実施(設置)場所に基づいた地域的な分類、バイオマス原料の種別ごとの分類、そして転換技術やエネルギー利用形態に基づいた技術的な分類により整理した。その結果、71事業の中では原料としては木質や食品廃棄物が多く、転換技術では直接燃焼やガス化、メタン発酵技術が多いことが分かった。一方でエタノール発酵や液体燃料化事業、水熱や熱分解を利用したプロジェクトは少なかった。エネルギー利用形態では、コジェネレーション(熱電併給)事業が多く、省エネに資する事業が多く見られた。
 71事業に対するアンケートおよびヒアリング結果に、平成19年度に実施した基礎調査(中間運用調査)での結果を加え、地域、制度、技術、経済の各課題に基づいて各事業を整理した。直接燃焼、ガス化、メタン発酵、炭化などは技術の成熟度で採用されているほか、既設インフラが利用可能かどうかも事業性を左右することが分かった。また人材不足による事業の継続性の問題も新たに明らかになった。
更にシステム全体としてバイオマス事業を評価するため、多種多様な原料(木質、畜糞、食廃等)、転換技術(直接燃焼、、発酵等)、利用技術(熱供給、発電等)の組合せからシステム全体(原料~エネルギー利用まで)のプロセスに基づいて系統的に分類した「トータルシステムモデル」を考案し、調査事業を11種の「トータルシステムモデル」に分類して整理した。トータルシステムモデルの種別により地域、制度、技術、経済の各課題に対する比重が異なり、例えば木質系液体燃料化事業では、技術がほぼ成熟域にある反面、制度的な課題が山積していることが明らかになった。
 以上の調査結果を先のトータルシステムモデルに沿って、それぞれのモデルに対する地域、制度、技術、経済の各課題を整理し、今後のバイオマスエネルギー利用事業を継続的に運用、発展させていくための適合条件を検討した。結果はひとつの表に整理し、今後バイオマス事業を実施する事業者にとって、事業運営のための課題と解決策、対応策が一目で明確になるよう工夫した。
(目 次) 第1章 全体計画と実施状況
 1.1 調査の背景と目的
 1.2 調査方針と実施内容
  1.2-1 調査方針
  1.2-2 実施内容
 1.3 全体作業工程
 1.4 実施体制
第2章 バイオマスエネルギー運用状況調査
 2.1 NEDO実証事業の基本情報収集整理
  2.1-1 NEDO実証事業の概要、位置付け
  2.1-2 原料による分類
  2.1-3 転換技術による分類
  2.1-4 エネルギー利用形態による分類
  2.1-5 まとめ
 2.2 中間段階アンケート調査情報の取り纏め
  2.2-1 H19年度アンケート調査概要
  2.2-2 運用中の課題
  2.2-3 今後の方向性
 2.3 今回事業アンケートおよびヒアリング調査情報の取り纏め
  2.3-1 アンケート調査について
  2.3-2 ヒアリング調査について
  2.3-3 ヒアリング結果
 2.4 まとめ
第3章 バイオマスエネルギー導入普及に向けた課題の分析
 3.1 バイオマスエネルギー利用事業課題の検討
  3.1-1 トータルシステムモデルの選定
  3.1-2 トータルシステムモデル毎の課題
 3.2 バイオマスエネルギー利用事業適合条件の検討
第4章 今後の検討課題および方向性
(非公開)
添付資料 I 回収アンケート
添付資料 II 関係事業所へのヒアリング記録

2.8 西豪州における地域のバイオマスを活用したスマートエネルギーネットワーク構築に関する調査

(プロジェクト名) 平成26年度エネルギー需給緩和型インフラ・システム普及等促進事業(グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査)
(報告書名) エネルギー需給緩和型インフラ・システム普及等促進事業(グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査:西豪州における地域のバイオマスを活用したスマートエネルギーネットワーク構築検討事業)
(報告書番号) IAE-1414112
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  本調査は、オーストラリア西オーストラリア州ヤンチェップ地区において、「インターナショナルキャンパスシティ」実現に資する「環境」「エネルギー」に関わる先端的取組みの推進と、マリーナ・ビーチの街としてのブラント価値の維持・向上を図るため、「地元資源を活用したバイオガス供給システム」と「スマートエネルギーネットワーク」の構築を中心に、地域エネルギーサービス事業の実現可能性を検討したものである。
 調査においては、ヤンチェップ地区でのバイオマス活用を中心として、関連法規・規制・許認可制度等を調べ、事業化のための要件をまとめるとともに、活用可能なバイオマスのポテンシャルを調査し、必要な設備機器等を選定し、環境性、経済性を試算した。
 地域バイオマスとしては、海藻ごみ、生ごみ、下水汚泥、畜糞等があるが、生ごみや下水汚泥は短期的には入手が困難であると判断し、本検討においては、海藻ごみを選定し、メタン発酵によるバイオガス生産に関する事業性や環境性の試算を行った。
 ツーロックスマリーナ脇の海岸では、夏場に海藻ごみが大量に堆積し、景観を損ねる、腐敗し悪臭を放つ等、問題となっている。現在、厄介者となっているこの海藻ごみを回収し、ツーロックスから約10kmの位置にバイオガスプラントを設置し、バイオガス生産を行うことを想定した検討を行った。
 海藻ごみは夏場に発生する。文献等のデータから、海藻ごみの堆積量を年間約5,000tと推定し、その約1/3を回収して、小規模なバイオガスプラントで処理すると仮定した。プラントの稼働を年4ヶ月とし、発生するバイオガスによる発電、バイオガスから精製したメタンガスの供給を行う2つのケースについて試算を行った。売電、熱販売、メタンガス販売、発酵残渣の液肥販売による収益が得られると仮定して試算を行ったが、両ケースともバイオガスプラント単独での経済性は成立しなかった。一方で、長期的には生ごみ等の他の廃棄物を調達できると仮定し、海藻ごみと他の廃棄物を混合しながら通年で運転するケースを試算した結果、単純投資回収年が発電のケースで約9年、メタンガス供給のケースで約14年となった。
 環境性に関しては、二酸化炭素の削減量で評価した。プラントの自家消費エネルギーや海藻ごみの搬送に係る燃料消費等を加味し、正味の二酸化炭素削減量を試算した。その結果、二酸化炭素削減量は、発電のケースで121,248kg-CO2/年、メタンガス供給のケースで796kg-CO2/年という試算結果となった。
 将来同地区で宅地等の開発が進み居住者が増えた場合には、海藻ごみが大きな問題となることが予想される。それを回収し有効活用することは意義のあることであるが、地域エネルギーサービス事業に組み込む場合には、他の原料を調達し、プラントを安定稼働させることがポイントとなることが示唆された。
(目 次) 要約
1.目的
2.市場分析書
2.1 市場動向調査
2.1.1 西豪州の人口・経済の状況
2.1.2 西豪州の廃棄物処理産業・エネルギー産業の状況
2.2 事業環境調査
2.2.1 廃棄物処理事業に係る政策・法規制等
2.2.2 エネルギー事業に係る政策・法規制等
3.事業計画書
3.1 事業計画
3.1.1 ビジネススキームの作成
3.1.2 バイオマス収集状況の把握
3.1.3 地域におけるバイオマスの潜在量の把握
3.1.4 バイオガスシステムのスペック想定
3.1.5 インフラ整備・エネルギー使用状況
3.1.6 建物の設定/エネルギー需要の想定
3.1.7 地域電力・熱供給システムのスペック想定
3.1.8 地域エネルギー事業全体の事業収支検討

2.9 バイオマス/廃棄物利用・高温空気タービン発電システムに関する調査研究

(プロジェクト名) 平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業
バイオマス/廃棄物利用・高温空気タービン発電システムの開発
(報告書名) 平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業
バイオマス/廃棄物利用・高温空気タービン発電システムの開発成果報告書
(報告書番号) IAE-1414201
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  本研究で取り扱う技術は、空気を作動媒体とし高温圧縮空気でタービンを駆動し発電する方式であり、その際タービン排気(空気)をバイオマス等の燃焼用に用い、その燃焼ガスで後流に設置した熱交換器で圧縮空気をタービン駆動に必要とする温度まで加熱する、いわゆる外燃式熱機関に相当するものであるが、従来方式に比べ機器構成が簡素化できて小規模発電(実用機50kW級)でも高い発電効率と経済性確保を可能とするものである。
 本研究は、平成25年度に首記件名事業に3年間研究として採択され、最終的には20kW試験機を製作し、発電プラントとしての機能、性能を検証するものである。主要開発課題は「タービン発電機」、「熱交換器」、「焼却炉」、及び「運転試験」等主要構成技術の開発に加え、「サイクル設計」及び「実用プラントの調査」等性能向上検討及び実用化展開の検討が挙げられている。本報はそのうち2年目の研究成果をまとめたものである。テーマごとにその概要を示す。
 「サイクル設計」では、実用機(50kW級)バイオマス発電システムのサイクル設計を行った。その結果、発電効率はサイクル効率で約25%(焼却炉入熱基準で約20%)達成の見通しを得た。20kW級LPG発電試験システムに組込み・試験を行い、自立及び発電(約1kW)を行い、所定出力達成の目途を得た。この種の小規模発電プラントの効率が約10%強であることを勘案すると、本システムの効率は特筆すべきものであるといえる。
 「タービン発電機」では、20kW級LPG発電試験システムに組込み・試験を行い、自立及び発電(約1kW)を行い、所定出力達成の目途を得た。
 「熱交換器」では、20kW級LPG発電試験システムに組込み、リーク性等を確認した。
 「焼却炉」では、当年度は設計と製作を行う事になっており、予定通りバイオマス焼却炉の設計・製作を行った。
 「運転試験」では、LPG発電試験システムの製作・試験(一部)を実施した。
 「実用プラントの調査」では、実用プラントの経済性を評価し、普及に向けたシナリオとターゲットの明確化を図った。
 全体的に概ね所定目標を到達した。なお、一部の開発課題において年度当初の目標まで到達しなかった課題があるが、最終年度には達成の見込みである。
(目 次) 要約
Summary
第I編 研究概要
第II編 内容
 1 サイクル設計に関する検討
 2 タービン発電機の開発
 3 熱交換器の開発
 4 焼却炉の設計・製作
 5 運転試験
 6 実用プラントの評価
 7 まとめ

2.10 廃棄物等利用高効率火力発電システムの実用化研究

(プロジェクト名) 平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業
廃棄物等利用高効率火力発電システムの実用化研究
(報告書名) 平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業
廃棄物等利用高効率火力発電システムの実用化研究成果報告書
(報告書番号) IAE-1414203
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  本研究は、平成26年度の環境省の首記事業で採択された廃棄物等利用高効率火力発電システムの実用化研究(FS)を実施したものである。研究対象システムは、RPF・バイオマス等を燃焼する焼却炉ボイラで発生した蒸気を既設火力発電所の給水系に結合し、発電所側では燃料節減、焼却炉側では通常廃棄物発電では困難な高効率発電を達成可能とするところに特徴を有すものである。これまで同様の概念を基にした概略検討がなされ、その有用性が指摘されていたが、具体的に既設発電所と焼却炉の結合を想定して、それぞれの設備メーカによる協力を得て実施したFSは、当研究所が把握する限り本研究が最初のものである(平成27年3月現在)。
 本研究において実施した340MW級LNG燃焼既設火力発電所とRPF焼却炉との結合システムのFSにおいて、技術面(特に発電効率)、経済性面、及び環境特性面を含む定量的な検討を行い、本システムが所定目標である化石燃料節減に寄与し、かつ即効性と実用性も兼ね備えた技術であることを明確にすることができた。主要研究項目は、「全体統括」、「焼却施設概念設計」、「発電プラント概念設計」、「展開可能性調査」より成る。それぞれの概要を次に示す。
 「全体統括」では、某地域の340MW級LNG焚きプラントを選定し、実用機としての設計条件を策定し、併せて実証試験設備の設計条件を検討し、実用機が実証機を兼用できることを指摘した。
 「焼却施設概念設計」では、実用機の焼却施設形式、規模、蒸気条件等を設定し、概念設計を行った。性能面では、焼却炉発生蒸気量30t/hに相当する焼却炉を選定し、発電効率27%以上を達成可能とする焼却炉側検討を行った。
 「発電プラント概念設計」では、実用機の発電プラントの性能、経済性等を検討した。特に性能面では実用機の場合、本システム採用による発電効率(焼却炉基準)27%以上達成可能とする発電プラント側の検討を行った。
 「展開可能性調査」では、全国の類似条件適合プラント摘出、アンケート等によるユーザ意向調査を行い、実用プラントの展開方策を含む可能性調査を行い、取り纏めた。更に法規制や入手可能量等を考慮して、発電所に燃料として利用できる廃棄物としてRPFの妥当性を指摘した。
(目 次) 要約
Summary
第I編 研究概要
第II編 内容
 1 全体統括事項
 2 焼却施設概念設計
 3 発電プラント概念設計
 4 展開可能性調査
 5 まとめ
添付資料

2.11 水を作動媒体とする小型バイナリー発電の研究開発

(プロジェクト名) 地熱発電技術研究開発/低温域の地熱資源有効活用のための小型バイナリー発電システムの開発/水を作動媒体とする小型バイナリー発電の研究開発
(報告書名) 地熱発電技術研究開発/低温域の地熱資源有効活用のための小型バイナリー発電システムの開発/水を作動媒体とする小型バイナリー発電の研究開発
(報告書番号) IAE-1414512
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  バイナリー発電が温泉業との共存を図るために、危険性や環境汚染の心配がなく廃棄処理等の対策が不要な水を作動媒体として用いる発電システムを開発した。
 「(1)全体システムの設計・開発」では20kW級発電システムおよび温排水を利用した実証試験用システムの基本設計を行った。発電装置に供給する温水および冷却水の温度・流量とその日間変動と季節間変動を想定し、それに基づいてバイナリーサイクル発電と補機消費電力のシミュレーション計算を行って送電端効率を予測し、製作する発電装置の基本仕様を決定した。
 「(2)発電装置の開発」ではツインエントリータービン、水潤滑軸受、可変ノズル機構等の要素技術開発を組み込んだタービン発電機を設計した。タービン設計のための流動解析、発電機設計のための電磁解析、および回転体(タービン+発電機ロータ)の設計のための振動強度解析を外注した。また、VG、水潤滑軸受およびツインエントリータービンの実験用モデルを試作した。
 「(3)熱交換器の高性能化の研究」では20kW級発電装置において、システム送電端で発電効率6%以上を達成するため、蒸発器、及び凝縮器内部の熱流動現象の数理モデルを構築した。得られた数理モデルに基づき、熱交換器内部の熱流動現象を再現するシミュレーションコードを開発した。また、形状最適化コードを組み込み、検証を行った。
 「(4)フィールドテスト」では温排水を利用する発電装置の設置地点を選定し、既存配管における温水および冷却水の温度および流量とその変動状況を調査した。それに基づいて発電装置への温水および冷却水の供給システムの構成を決定し、配管工事等の工事計画を策定した。また、温水および冷却水の供給条件に基づいて、フィールド試験用発電装置の設計を行った。
 「(5)研究推進委員会の開催」では本事業を計画的かつ効率的に遂行するために、小型バイナリー発電研究推進委員会を設置し、3月31日に研究開発計画の説明と課題への対応策の検討を議題とした、第一回小型バイナリー発電研究推進委員会を開催した。
(目 次) 1. 研究開発の内容及び成果等
2. 成果
3. その他特記事項

2.12 洋上風力発電導入促進に関する研究

(プロジェクト名) 洋上風力発電導入促進に関する研究
(報告書名) 洋上風力発電導入促進に関する研究 成果報告書
(報告書番号) IAE-1414108
(発行年月) 2015年2月
(要 旨)  近年、風力発電の導入促進において、陸上での適地の減少により洋上への設置検討が進められている。日本列島周辺海域は、陸から少し離れるだけで水深が深くなり、着床式が成立する深さを越えてしまう。よって、浮体式の適用性が期待されている。銚子、北九州(着床式)、福島、五島列島(浮体式)の先導的洋上風力の実証試験により、性能評価や安全評価など技術的観点での検討が進められている。
 そこで、今後導入拡大が予想される洋上風力発電について、陸上風力発電と異なる内容の整理、及び標準化に向けた検討項目の明確化や規制内容の整理を行い、規制の必要な項目について詳細内容を検討するとともに、本事業終了後の取り組みを含めてJEM(日本電機工業会規格)化またはJEM-TR(日本電機工業会技術資料)化を目指すことを目的とした。
 平成25年度はフィージビリティスタディとして、国内外の現行基準等の整理や関係者との意見交換により、陸上風力発電と異なる内容、及び標準化に向けた検討項目や規制内容の整理を行った。
 平成26年度は、前年度抽出した「電気設備の接地」、「海底ケーブル」、「垂直軸形風車」について深堀検討を行った。具体的には、「電気設備の接地」の接地抵抗測定方法について、平塚沖実験結果から、洋上風力発電の接地抵抗は陸上に比べて桁違いに低いことを、直読式接地抵抗計による測定及び電圧降下法による測定の二方法で確認した。「海底ケーブル」の耐摩耗・耐振動対策について、浮体構造物に直接接続されるケーブルは、動的挙動を考慮し周辺機器と同等の耐久性が確保されるような選定を行うこと、また、海象条件により技術員のアクセサビリティが著しく低下するため、航路標識、航空障害灯には長時間停電にもその機能を維持する電源設備を施設することが望まれる。「垂直軸形風車」について、IEC61400等は水平軸形を対象としているため、そのままでは適用できない部分が多く存在することがわかった。
(目 次) 1. はじめに
2. 全体の事業目的
3. 事業内容及び実施方法
 3.1 現行基準等の整理、必要項目の抽出検討及び内容整理
  3.1.1 国内外の技術動向や現行基準の整理
  3.1.2 実証事業等の活動内容の整理
 3.2 抽出項目の深堀検討
  3.2.1 電気設備関連項目
  3.2.2 風車本体関連項目
 3.3 委員会の設置
4. 成果状況
 4.1 現行基準等の整理、必要項目の抽出検討及び内容整理
  4.1.1 国内外の技術動向の整理
  4.1.2 現行基準の整理
  4.1.3 実証事業等の活動内容の整理
  4.1.4 必要項目の抽出検討
 4.2 電気設備関連抽出項目の深堀検討結果
  4.2.1 電気設備の接地
  4.2.2 海底ケーブル
5. 本事業以降の取組のアクションプラン
  5.1 技術資料の制定に向けたアクション

2.13 太陽光発電用大規模パワーコンディショナの標準ミニモデルに関する研究

(プロジェクト名) 太陽光発電用大規模パワーコンディショナの標準ミニモデルに関する研究
(報告書名) 太陽光発電用大規模パワーコンディショナの標準ミニモデルに関する研究 成果報告書
(報告書番号) IAE-1414101
(発行年月) 2015年2月
(要 旨)  2012年7月1日より再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始されたことにより、高圧以上の電力系統に連系する太陽光発電システムの導入が進んでいる。大規模な太陽光発電システム(いわゆるメガソーラ)では、パワーコンディショナ(以下、PCSという。)の容量が100~500kW級となり、今後更に容量が増加するとの見通しを持つPCSメーカもある。
 発電設備を電力系統に連系する際の技術要件はJEAC9701「系統連系規程」に定められており、PCSの系統連系用保護機能についても規定されている。この機能のうちFRT機能と単独運転検出機能については、PCSの容量が大きくなるほど試験の実施に大掛りな設備を必要とする。特にPCSが定格運転している状態で交流電源の電圧や周波数を急変させるには、大規模な発電機設備などが必要となり、現実的でない。このような大容量のPCSの試験方法として、JEC-2470「分散型電源系統連系用電力変換装置」では“主回路をスケールダウンしたミニモデルと制御装置とを組み合わせて、同様の試験を行う”ことができるとしている。このため、PCSメーカでは、各社で設計基準等の異なるミニモデルを用いてFRT機能などの試験データを取得し、電力会社との系統連系協議などに活用している。
 しかしながら、実機の試験データがないためミニモデルの試験データの妥当性に懸念が残ることや、メーカごとにミニモデルの設計方法や試験方法が異なること、電力会社ごと、あるいはその支店や営業所ごとに連系協議に求める試験データなどが異なることから、PCSメーカは試験データなどの取得や説明に、電力会社はその審査に労力を費やしており、大規模な太陽光発電システムを導入するうえでの障害となっている。
このため、これらの障害を解消して系統連系協議の効率化を図るとともに、信頼性の高い系統連系保護機能を有する発電システムを導入することが求められている。
 そこで本事業では、連系協議に要する労力の軽減を図り、信頼性の高い太陽光発電システムの導入に寄与することを目的として、ミニモデルの設計方法およびミニモデルを用いた試験方法を標準化することに取り組んだ。
 具体的には、ミニモデルを試作して実機との性能比較試験を行い、ミニモデルの有用性について評価したうえで、試験等で得られた知見をもとに、ミニモデルの設計方法およびミニモデルを用いたFRT機能・単独運転検出機能に関する試験方法をまとめたガイドラインを策定した。
 なお、本ガイドラインは、産業技術総合研究所・太陽光発電研究センターのホームページ(https://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/service/pcs_minimodel_tst/index.html)で公開中である。
(目 次) 1. はじめに
2. 全体の事業目的
3. 事業内容
4. ミニモデルと実機の等価性確認試験の検討および実施
4.1 検証試験
4.2 電圧急変試験
4.3 単独運転試験
4.4 データ補強試験
4.4.1 直流模擬電源の仕様検討(太陽電池アレイを用いた試験)
4.4.2 変換装置用変圧器の設計方法検討
4.4.3 電気的試験によるミニモデルの妥当性の確認方法検討
4.5 実証設備の移設
4.6 実証試験のまとめ
5. ミニモデルの標準仕様および標準試験方法の検討および規格原案策定
5.1 適用範囲
5.2 定格交流電流のスケールダウン比率
5.3 各構成要素の検討
5.3.1 回路構成
5.3.2 回路インピーダンス
5.3.3 逆変換器
5.3.4 制御装置
5.3.5 試験設備
6. 検討委員会の設置
7. 今年度の達成状況
8. 成果普及と新エネ導入促進シナリオ
添付資料

2.14 中高温太陽熱利用調査

(プロジェクト名) 平成26年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業
中高温太陽熱利用調査及び各種システム評価法開発
(報告書名) 平成26年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業
中高温太陽熱利用調査及び各種システム評価法開発 報告書
(報告書番号) IAE-1414102
(発行年月) 2015年2月
(要 旨)  国内においては、産業分野を中心に大きな中高温熱需要が存在しており、そこに太陽熱が利用できれば、化石燃料消費低減、二酸化炭素排出削減などの効果が期待される。しかしながら、中高温の太陽熱利用はほとんど認知されておらず、その重要性に関して定性的にも把握されていないというのが実態である。本事業は、国内の中高温太陽熱利用の普及を促進していくための道筋をつけていくことを目標としている。
 本事業は、普及啓蒙を進めるための利用可能性調査と、事業性を評価するための技術基盤整備の2つを目標として実施するものであり、当研究所を含めた7機関が参画している。その中で当研究所は幹事法人として全体のとりまとめを行うとともに、利用可能性調査、集光効率評価のためのシミュレーションコード開発、国際標準化対応の部分を主に担当した。本年度は3年計画の3年目に相当する。
 利用可能性調査では、昨年度の調査で有望と考えられた事業者に対して、具体的な概念設計を行った。これにより、システムのコスト内訳が明らかになり、事業性が得られる条件がより明確となった。その結果を踏まえつつ、国内ポテンシャルの概算を行った。現状の条件では、燃料コスト削減効果だけを考慮すると経済性は十分ではなく、普及を進める上では、システムコストの低減を進めるとともに、グリーンイメージや付帯観光設備の集客力向上などの付加価値とのセットで検討していく必要がある。
 集光シミュレーションについては、汎用性が高く、かつ高精度、高速で集光効率を計算するコードの整備を進めている。昨年度までの段階で一通り動作する状況になっていたが、今年度は、GPU利用や空間分割法、光線分類法といった計算上の工夫を適用した。これらはほぼ想定通りに適用され、実用上十分な計算速度を実現することができた。さらに、マニュアルの整備など公開の準備を進めた。
 標準化については、集光型太陽熱発電の国際標準化作業(IEC/TC117)に参画し、その最新動向についての情報収集をするとともに、国内検討体制の整備を進めた。
 他の参加者が行う重要項目として、直達日射量測定・推計、集熱レシーバ評価法開発があり、これについては、定期的に開催する連絡会などで情報交換を実施した。当研究所の実施分とあわせて全体を取りまとめ、ロードマップを提示した。
 これらの内容について、有識者委員会を2回開催し、3年間の成果として十分な成果であるとの評価を受けた。
(目 次) 1. はじめに
2. 国内の中高温太陽熱利用可能性調査
3. 直達日射量測定・推計
4. 集光シミュレーションコード
5. 集熱レシーバ評価
6. 国際標準化
7. まとめと今後の課題

(ウ)省エネルギーに関する調査研究

2.15 エネルギーマネジメントシステム等の省エネルギーに関する国際標準化に係る調査研究

(プロジェクト名) 平成26年度省エネルギー等国際標準開発
(テーマ名:エネルギーマネジメントシステム等の省エネルギーに関する国際標準化)
(報告書名) 平成26年度省エネルギー等国際標準開発
エネルギーマネジメントシステム等の省エネルギーに関する国際標準化に関する調査研究
(報告書番号) IAE-1414111
(発行年月) 2015年2月
(要 旨)  TC242において、エネルギーマネジメントシステム国際規格ISO50001の関連規格について、我が国の産業の国際競争力強化に十分に配慮した規格となるよう配慮しながら開発を行っている。また、中国の提案により設置されたTC257も、平成24年1月の第2回国際会議から具体的な規格開発を実施している。
 平成26年度は、エネルギーマネジメントシステム(EnMS)関連規格並びに省エネルギーの評価に係る関連国際規格開発において、複数の規格開発に対する我が国の対応体制の構築と、我が国の対案(ビジネスプラン、プロジェクト・WG/SCなどの構造、新規規格提案)の開発を行った。また、対応するTC内のSC、WG、プロジェクトに必要に応じて参加し、我が国の国際標準案を開発し、当該両TCに提案した。
 TC242の規格では、平成26年にISO50004、ISO50006およびISO500015が新たに発行され、平成27年2月末現在、WD段階の規格が1件、NWIPの段階にあるものが1件である。なおISO50001は改定の検討作業中である。TC257の規格では、4件の規格のうち、DIS段階のものが3件、ISO規格発行を待っているものが1件ある。
(目 次) 目次
1. 本事業の概要
1.1 調査研究の目的
1.2 調査研究の内容
1.3 実施体制
1.4活動経緯
1.4.1 TC(PC)242活動経緯
1.4.2 TC257活動経緯
2. 標準化調査研究の取り組み(ISO/TC242における国際標準化)
2.1 TC242の概要
2.2 TC242国際標準化事業進捗報告
2.2.1 国内審議の状況
2.2.2 国際標準化対応状況
2.2.3 JIS50003原案作成状況
2.2.4 新規提案の開発
2.3 今後の予定とまとめ
3. 標準化調査研究の取り組み(ISO/TC257における国際標準化)
3.1 ISO/TC257の概要
3.2 TC257国際標準化事業進捗報告
3.2.1 国内審議の状況
3.2.2 国際標準化対応状況
3.2.3 今後の予定とまとめ

2.16 高効率電気機器に係る国際事業への貢献

(プロジェクト名) IEA/4E関連調査
(報告書名) 平成26年度 IEA/4E関連調査研究
(報告書番号) IAE-1414701
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)が実施している「電気製品の省エネルギーに関する国際協力実施協定(IEA-4E)」(第2期)の理事会およびMapping & Benchmarking Project他の関連アネックス活動にかかわる様々な情報を収集して分析し、その結果をわが国の対応方針に反映させるための提言をまとめた。
 経済協力開発機構(OECD)の下部組織であるIEAは、各国政府が各種電気製品のエネルギー効率を高める政策を立案するのを支援するために、国際協力実施協定の一つとして2008年に4E(= Efficient Electrical End-Use Equipment)を設立した。2014年3月時点でこの国際協定には12ヶ国(オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、フランス、日本、韓国、オランダ、スウェーデン、スイス、英国および米国)が参加している。この活動は、2015年初頭から第2期に入った(これまではアネックスごとに会計年度にはずれがあったが、2015年からは1月~12月に統一された)。
 参加は原則としてOECD加盟国であるが、実態としては非加盟国も含めてすべての国にオープンである。わが国は2010年7月にSSL(LED照明)アネックスが設立されたのを契機に、2010年9月に4E実施協定加盟の意思を表示し、正式な手続きは2010年末に完了した。
 わが国は2008年の当協定発足当初から参加への関心を表明してきたこともあり、Executive Committee (ExCo) には第1回以来オブザーバ出席を続けてきた。2014年は通算第13回が5月にオランダで、第14回が11月に韓国で開催された。
 4Eの具体的な活動は、参加国の合意が得られた目標と活動計画を掲げるアネックス(分科会)が実行する。各アネックスには1ヶ国以上のLeading Country(主担当国)を置くことになっている。現在活動中のアネックスは、上掲のSSLアネックス(わが国は2014年度の第1期終了に伴い離脱した)の他に、マッピング&ベンチマーキング(第2期からはExCo直属のプロジェクトとなった)、電動機、およびスタンバイ・パワー(第2期からは電子デバイスとネットワークとして発展的に解消)がある。さらに”スマートメータリング”と”新技術を活用した標準化”についてアネックスを立ち上げることが提案されている。
(目 次) 1. 緒言
2. 調査活動の内容
3. IEA4E実施協定の概要
4. 理事会(ExCo)の状況
5. G20関連活動
6. SEADとの連携・協力
7. 調査結果のまとめ
8. 結言

3.水素エネルギー関連

(ア)再生可能エネルギーの輸送・貯蔵媒体(キャリア)に係る技術の評価研究

3.1 エネルギーキャリアシステムの経済性評価と特性解析

(プロジェクト名) 水素利用等先導研究開発事業/エネルギーキャリアシステム調査・研究/エネルギーキャリアシステムの経済性評価と特性解析
(報告書名) 水素利用等先導研究開発事業/エネルギーキャリアシステム調査・研究/エネルギーキャリアシステムの経済性評価と特性解析 中間年報
(報告書番号) IAE-1414501
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  二次エネルギーとしての水素等を最大限に活用するため、2030年といった長期的視点を睨み、「1.エネルギーキャリアシステムの経済性評価と特性解析」を実施した。また、再生可能エネルギーからの電力で電気分解等により水素を製造し、水素等のエネルギーキャリアに変換して貯蔵・輸送・利用するシステムの「2.エネルギーキャリア技術のコスト分析」、本システムが実現された場合の「3.世界の長期的エネルギー需給への影響評価」、および本システムが導入されるための課題やその導入シナリオの「4.シナリオ検討」を実施した。
 「1.エネルギーキャリアシステムの経済性評価と特性解析」では、同等用途の他システム(RE電力、化石エネルギー燃料、またはNaS等電力貯蔵二次電池利用)に比べ、CO2排出削減のプレミアムを考慮せずとも経済的に競合・優位となりうるフレームワークを設定した。提案された3つのエネルギーキャリアシステム/プロセスを対象とし、従来(対比)システムと競合しうる具体的フレームワークを定め、従来モデルと比較した。実機(システムとハード)のイメージを固めるため、3つのプロセス毎に協同会議を開催(計6回)し、特性解析・経済性評価に必要なデータ、将来の開発課題と開発目標等について協議した。また、中規模離島を対象に再生可能エネルギー余剰電力で水素を製造し、その水素を火力発電所で利用するシステムイメージを定めた。
 「2.エネルギーキャリア技術のコスト分析」では、評価対象としたエネルギーキャリアである液体水素、アンモニア、メチルシクロヘキサン、メタノールの研究実施機関等へのヒアリングを実施し、建設可能な設備容量の見通し、達成可能な原単位、プラント建設費等に関連する技術情報を収集し、コスト計算の前提条件に反映させた。コスト・効率分析のためのコスト分析フレームワークの開発として、平成25年度に開発したコスト分析ガイドラインを拡張し、各エネルギーキャリアを比較できる共通の前提条件であるコスト分析フレームワークの開発を行った。また、「4.シナリオ検討」が想定する時間断面の1つである2030年における各エネルギーキャリアのコスト、効率分析を実施し、2030年における発電向けの発電所入口における水素コストは、35~39円/Nm3の範囲となった。
 「3.世界の長期的エネルギー需給への影響評価」では、世界的なエネルギー需給構造の変化や、CO2削減効果などの評価を行うGRAPEモデルの開発に向け、低炭素エネルギーキャリアの製造、輸送、利用等に関して、世界地域別データの収集を継続するとともに、GRAPEモデルプロトタイプの拡張を実施し、キャリアの製造、輸送、貯蔵等の評価済みデータを入力した場合の暫定試算を行い、液体水素、アンモニア、メチルシクロヘキサンのいずれの場合でも、拡張されたGRAPEモデルプロトタイプの適切な動作が確認された。
 「4.シナリオ検討」では、2030年および2050年における水素エネルギー導入・普及状況を想定し、目標水素導入量を設定し、バックキャスティングにより目標水素導入量を達成する水素供給コストと水素許容コストの時間変化、導入シナリオをシナリオフレームと定めた。需要側の許容コスト分析・シナリオと供給側のコスト分析・シナリオと比較し、水素CIF価格と目標水素導入量の達成について調査した。エネルギーキャリア研究開発の推進の必要性を明確化するとともに、今後の研究開発のスキーム(案)を提示した。
(目 次) 1.エネルギーキャリアシステムの経済性評価と特性解析
2.エネルギーキャリア技術のコスト分析
3.世界の長期的エネルギー需給への影響評価
4.シナリオ検討

3.2 水素エネルギーに関する日本の中長期エネルギーシステムの分析

(プロジェクト名) TIMESモデル整備
(報告書名) 水素等に関する日本の中長期エネルギーシステム分析
(報告書番号) IAE-1424705
(発行年月) 2015年1月
(要 旨)  現在、水素エネルギーが大きな注目を集めている。近年では、海外からの水素輸入に関する検討も進められている。海外からの水素輸入に関しては、再生可能エネルギーから製造する水素やCCSを行い化石燃料から製造する水素、いわゆる“CO2フリー水素”を長距離輸送可能なもの(以下、水素キャリア)に変換し、日本に輸送することを中心に、様々な機関で検討が行われている。本研究においては、我々が作成した最適化型エネルギーモデルを活用して、水素キャリアの導入を対象に2050年までのシミュレーションを行い、日本の中長期エネルギー需給を分析した。
(旧)日本原子力研究所により開発された日本のエネルギーシステムモデル(MARKAL JAPANモデル)を参考に、国際エネルギー機関(IEA)ETSAPにより開発されたTIMESモデルフレームワークを用いて最適化型エネルギーモデルを作成した。
 海外から導入される水素キャリアとして、液体水素キャリアとケミカル水素キャリアの二つを設定した。各水素キャリアは、発電用と輸送用の燃料として使用されると仮定した。発電部門においては、液体水素キャリアが水素専焼火力発電の燃料として、ケミカル水素キャリアは水素変換後、天然ガス・水素混焼火力の燃料として使用される設定とした。輸送部門に関しては、水素ステーションにて燃料電池車両に供給するものとした。水素キャリアについては、簡易的にCO2の排出は0と仮定した。原子力とCO2排出の制約がない「制約なしケース」、原子力発電を2050年に向けてフェイズアウトしていく、およびこれに炭素税を課す「40年廃炉+炭素税ケース」を設定した。水素キャリアについては、液体水素キャリアとケミカル水素キャリアの各々に二つの輸入価格(高価格:液体水素キャリア80円/m3、ケミカル水素キャリア70円/m3低価格:液体水素キャリア40円/m3、ケミカル水素キャリア35円/m3)を設定した。(ケース1:制約なし+高価格、ケース2:制約なし+低価格、ケース3:廃炉&炭素税+高価格、ケース4:廃炉&炭素税+低価格)
 日本に輸入される水素キャリアを一次エネルギーとして扱い、本試算に基づく一次エネルギー供給量をまとめた。水素キャリアの導入は全ケースで見られ、CO2フリーとして設定した水素キャリアの供給量は炭素税の設定、および原子力フェイズアウトの組み合せの場合最大となった。電力部門においては、天然ガス・水素混焼発電において、ケース1で2040年から、その他のケースでは2030年から導入が行われ、導入量はケース1~4の順に増加するという計算結果となった。水素専焼発電は、ケース4においてのみ導入され、燃料供給ベースでみた場合、水素量の値は天然ガス・水素混焼発電より大きくなるという結果となった。運輸部門においては、水素キャリア価格が低く、炭素税が設定されたケース4の場合において、水素キャリアの利用が促進されるという結果となった。
 本研究では、過去の公開データを用い、簡易的なフローを基に、国内の中長期的な水素キャリアの導入について計算を行った。今後の技術開発の進展、水素キャリアの導入価格、社会情勢の変化等により、結果は大きく変わり得ると言えるが、本計算結果により、一定の条件が整えば、水素キャリアによる国内での水素利用が行われる可能性があることが示唆された。
今後は、水素キャリア導入のフローをより詳細なものへと改善するとともに、技術開発の動向を反映し、機器効率や価格等の見直しを行い、本モデルの改良を行っていく予定である。
(目 次) 1. はじめに
2. シミュレーション手法とシナリオの設定
2.1 モデルの構築
2.2 前提条件の設定
2.3 エネルギーサービス需要の設定
2.4 水素キャリアのモデルへの導入
2.5 シナリオの設定
3. 計算結果
3.1 一次エネルギー供給
3.2 電力部門
3.3 運輸部門
4. まとめ

(イ)水素の製造、輸送、供給及び貯蔵に関する調査研究

3.3 水素ステーションの建設コスト構造、並びに普及促進等に関する調査

(プロジェクト名) 平成26年度水素供給設備整備事業に係る基礎調査(水素ステーションの建設コスト構造、並びに普及促進等に関する調査)
(報告書名) 平成26年度水素供給設備整備事業に係る基礎調査(水素ステーションの建設コスト構造、並びに普及促進等に関する調査)報告書
(報告書番号) IAE-1414714
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  海外を含む企業・団体や規制当局またはそれを執行する団体等へのヒアリングやアンケート、関係者とのディスカッション等により水素ステーションの建設コスト構造、並びに普及促進等に関する以下3項目の調査を、JX日鉱日石リサーチ(全体総括・調整)、みずほ情報総研(みずほ)、日本エネルギー経済研究所(IEEJ)と共同で実施した。
 1.水素ステーションに係る建設コストの構造、低減策調査(みずほ/IAE)
 2.海外における水素ステーションの整備促進に係る普及施策調査(IEEJ)
 3.産業政策的観点からの関連産業に関する調査(みずほ)
 「1.水素ステーションに係る建設コストの構造、低減策調査」において、コスト構造に応じた主たる材料等の調査を主に担当し実施した。機器系、配管系におけるガイドライン・規制に関する文献を調査した。また、アンケート調査からこれら材料の使われ方の現状について整理した。アンケート調査・ヒアリングから、材料における量産効果、新規材料の効果、海外水素ステーションの材料および技術開発によるコスト低減効果を抽出し、水素ステーション建設における材料コストの定量分析および大幅なコスト低減に向けた今後の検討を行い、材料によるコスト低減の可能性についてまとめた。
 また、コスト構造に応じた主たる法規等の調査を主に担当し実施した。国内および米国・ドイツの現状の規制を整理するとともに、国内の規制見直しの進捗と内容を把握し、国内外の規制の差異分析を行った。アンケートから得られた現状規制の課題と要望から、規制見直しをした場合のコスト低減効果と関連法規を整理するとともに、新たな法規として「水素事業法」を考えた場合の必要性、その規定範囲等を整理した。
本調査を進めるにあたり、実施者間で情報共有化を積極的に行い、一体となって実施した。
(目 次) 1. 調査の概要
1.1 背景、目的
1.2 調査内容
1.3 調査体制
1.4 調査結果
2. 水素ステーションに係る建設コストの構造、低減策の調査
2.1 調査方法
2.2 水素ステーションのコスト構造調査
2.3 コスト構造に応じた主たる材料等の調査
2.4 コスト構造に応じた主たる法規等の調査
2.5 国内及び海外の建設コスト構造の比較、分析と今後の見通し
2.6 まとめ、コスト低減策の提言
3. 海外における水素ステーションの整備促進に係る普及施策調査
3.1 調査方法
3.2 諸外国(欧州、米国)における水素ステーション整備状況、今後の計画の把握
3.3 諸外国(欧州、米国)における水素ステーションの運営コスト、水素価格の把握
3.4 諸外国(欧州、米国)における水素ステーション整備促進の制度的な支援策
3.5 諸外国(欧州、米国)の燃料電池自動車等の需要の促進に係る制度
3.6 まとめ、普及促進策の提言
4. 産業政策的観点からの関連産業に関する調査
4.1 調査方法
4.2 調査結果
4.3 まとめ
5. おわりに
添付資料(別紙)
1. アンケート関係資料
2. ヒアリング関係資料

4.化石エネルギー関連

(ア)化石燃料の高度転換技術(CCT、CCS等)を核としたエネルギーシステム研究

4.1 二酸化炭素排出量の削減に向けた高効率石炭利用技術の導入シナリオ

(プロジェクト名) 二酸化炭素排出量の削減に向けた高効率石炭利用技術の導入シナリオの検討
(報告書名) 平成26年度国際石炭利用補助金(CCfE)普及・促進事業/二酸化炭素排出量の削減に向けた高効率石炭利用技術の導入シナリオの検討
(報告書番号) IAE-1414713
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  2050年の長期的視点から、今後の電力需要量とともに、各燃料別の電源構成や発電量のシェアについて、原子力発電所の再稼働を3ケース想定して解析した。原子力ゼロケース(全ての原子力発電所の再稼働が見込めないケース)では2020年に電力不足約149億kWhが発生し、以降2050年まで継続的に電力不足が続く。原子力ミドルケース(2015年2月現在で原子力規制委員会の安全審査を申請している計21基の原子力発電所が再稼働するケース)およびフルケース(2015年2月現在で存在している43基の原子力発電所及び大間原子力と島根原子力3号の新設2基の合計45基全てが再稼働するケース)では、2020~2040年までの電力不足が解消するも、2040年以降には電力不足が発生することが分かった。2050年の電力不足量はどのケースでも約1,500億kWh発生し、50万kW級石炭火力に換算すると、約46基分に相当することが分かった。
 二酸化炭素排出量については、原子力ゼロケースでは2020年の政府目標(2020年に2005年度比-3.8%の温室効果学削減)をクリアすることはできず、原子力の再稼働が必要であることが分かった。ただし、2050年の目標(2050年に1990年度比で-80%の温室効果ガス削減)については、どのケースでも達成できず、新たな電源計画によるクリーンな発電技術の導入や、現存の火力発電所に対するCCSの導入など、積極的な政策などが欠かせないことが分かった。
 Cool Earthエネルギー革新技術計画およびエネルギー技術戦略2008(経済産業省)の革新技術計画に基づいた高効率石炭火力技術の導入シナリオを現状の技術レベルに調整した新たな導入シナリオを作成し、電力需要や電源構成、二酸化炭素排出量に対する影響について考察した。積極的な高効率石炭火力の導入により電力不足が解消し、既存の石炭火力やLNG火力発電所の稼働負担軽減に大きく貢献することが分かった。しかしながら、石炭火力発電の積極的な導入は二酸化炭素排出量の増加を招くため、CCSの重要性は高いこと、CCSの無い石炭火力の導入については再考する必要があることも、明らかになった。
現状の汎用技術であるUSCを踏襲して発電所を増設する場合に比べ、ここで提案した高効率石炭火力の導入シナリオによって、2050年断面で約7,000万トンの二酸化炭素排出の削減を促すことが分かった。その導入コストは、1トン当たりの二酸化炭素排出量の削減に対し、導入当初は約7,000円/t-CO2であるが、導入が進む2050年頃には約2,700円/t-CO2まで削減できることが分かった。
(目 次) 概要
1 2050年までの電力構成と石炭火力発電所由来のCO2排出量の推計
  1.1 火力発電所および原子力発電所の現状
    1.1.1 概況
    1.1.2 石炭火力発電所
    1.1.3 石油等火力発電所
    1.1.4 LNG火力発電所
    1.1.5 原子力発電所
  1.2 電源構成の解析
    1.2.1 前提条件
    1.2.2 電源構成の推移
  1.3 CO2排出量の解析
    1.3.1 解析方法
    1.3.2 CO2排出量の解析結果
  1.4 電力不足に対するリプレース
2 高効率石炭火力発電技術のCO2排出削減効果の検討
  2.1 高効率石炭火力技術の導入シナリオ
  2.2 電源構成の推移
  2.3 CO2排出量の解析
3 CO2排出削減のためのコスト解析
  3.1 解析方法と前提条件
  3.2 各種技術に対する発電コストの解析
  3.3 CO2排出削減のためのコスト解析結果
4 まとめ
5 引用文献

4.2 CO2分離回収技術の検討

(プロジェクト名) CO2分離回収技術の検討
(報告書名) ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト/クリーン・コール・テクノロジー推進事業/CO2分離回収技術の検討
(報告書番号) IAE-1414511
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  国内外のCO2分離回収技術について、ポストコンバッション(ポスト)では化学吸収法、固体ソルベント法、物理吸着法など19の個別技術を、プレコンバッション(プレ)では物理吸収法、膜分離法など10の個別技術を調査し、更に酸素燃焼法、将来技術として現在開発が進むOxy-fuel IGCCやケミカルルーピング燃焼についても調査した。特に次に挙げる技術に着目し、CO2回収コスト(円/t-CO2)を比較した。(1)化学吸収法として分離回収エネルギー目標値が最も小さいRITE-6、(2)固体ソルベント法としてパイロット試験段階にある韓国KIER法とベンチ試験中の川崎重工業法、(3)チルドアンモニア法としてノルウェーのモングスタットで40MWthで試験中のAlstom法、(4)物理吸着(PSA)法として回収量3t-CO2/dのベンチ装置で試験中のJFE法、(5)酸素燃焼法として豪州で実証試験中のカライドプロジェクト、(6)プレについては化学吸収法と物理吸収法。
 CO2回収コストは、ポストでは化学吸収が約3.2千円/t-CO2、プレでは物理吸収が約2.8千円/t-CO2となり、経済産業省が2008年に掲げた2015年のCO2回収コストの目標値である2千円/t-CO2が視野に入ってきた。各技術の開発状況をまとめると、ポストでは化学吸収法や固体ソルベント法、チルドアンモニア法などが積極的にスケールアップを図りパイロットプラント段階である。化学吸収法では、既に実用化が進んでいるKS-1やH3-1などを除けば、RITE-6、TS-1/TS-2やIHI、Gustav200の開発が活発であった。固体ソルベント法では、韓国KIERと川崎重工の吸収技術が大型化を計画していた。チルドアンモニア法は、国内でのアンモニア流通の問題や熱バランスなどの配慮が必要であるが、気温が低い地域では有望であった。JFEスチールの物理吸着(PSA)法は、装置がシンプルで熱交換の工夫によってCO2回収エネルギーの大幅な低減が図られるため、今後の開発が期待できる。イオン液体やMetal Organic Frameworksなどは基礎研究段階であり、1,000MW級石炭火力発電所への適用は未だ厳しい。どの技術もCO2回収エネルギーの削減や吸収(吸着)剤コストの低減を共通の技術課題としていた。プレでは、化学吸収法MDEAや物理吸収法(SelexolやRectisol)は既に商用化段階にあるが、膜分離法や固体吸収法などは未だ実験室レベルであり、スケールアップには時間がかかることが分かった。酸素燃焼などその他の技術では、豪州のカライドプロジェクトやFutureGenプロジェクトが先行しているが、Oxy-fuel IGCCやケミカルルーピング燃焼は、2030年頃の商用化を見据えていた。
(目 次) 概要
1. 火力用CO2分離回収技術の開発状況の調査
  1.1 国内外のCO2分離回収技術の文献およびヒアリング調査
    1.1.1 ポストコンバッション
    1.1.2 プレコンバッション
    1.1.3 酸素燃焼ほか
  1.2 各CO2回収技術の開発レベルの評価
    1.2.1 各CO2回収技術のCO2回収コストの比較
    1.2.2 1,000MW級石炭火力発電所への適用可能性
    1.2.3 将来大幅な進展が望める技術の検討
  1.3 評価手法(指標)の検討
    1.3.1 再生エネルギーの評価手法(指標)の検討
    1.3.2 回収CO2純度とCO2回収量(再生エネルギー)の検討
2 将来大幅な進展が望める技術の開発課題の検討
3 燃料別発電設備におけるCO2回収率(CO2排出量)と発電単価の検討
  3.1 各CO2回収技術を適用した発電設備ごとのCO2発生量と発電単価の検討
  3.2 1kWh当たりのCO2排出量(g-CO2/kWh)と発電原価の分析
4 まとめ
5 引用文献
Appendix (技術個票)

(イ)化石燃料利用に関する新技術に関する研究等

CO2分離型化学燃焼石炭利用技術に関する調査研究

(プロジェクト名) ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト
ゼロエミッション石炭火力基盤技術開発
次世代高効率石炭ガス化技術最適化調査研究
CO2分離型化学燃焼石炭利用技術に関する検討
(報告書名) 平成26年度 CO2分離型化学燃焼石炭利用技術に関する検討
(報告書番号) IAE-1414510
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  石炭はわが国において重要な基幹エネルギーであるが、石炭火力発電は地球温暖化の一因とされるCO2の排出原単位が高く、石炭の高効率利用技術もしくは、CO2の分離回収・貯留技術(CCS)の確立など、積極的な対応が急務となっている。
 CO2の分離回収技術として、微粉炭火力の排ガスから化学吸収液によるポストコンバッションや、IGCCの生成ガスから化学吸収または物理吸収法によるプレコンバッションが実用段階にあるが、分離回収に要するエネルギーが膨大であり発電効率を10ポイント近く低下させるため、資源的・経済的な課題を抱えている。この課題を克服する新技術として「CO2分離型化学燃焼石炭利用技術」、通称ケミカルルーピング燃焼(CLC)が欧米を中心に、研究開発が進められている。
 CLCは石炭と酸素との燃焼反応ではなく、金属酸化物(キャリア)の酸素と石炭を反応させる化学燃焼であり、発電に必要な熱を発生するとともに、排ガスを高濃度のCO2として回収できるため、分離回収にほとんどエネルギーを使わない、CCSに適した新技術である。わが国でも2012年度からNEDOの委託事業として調査研究が始められ、2014年度はキャリア開発の技術課題の抽出と開発方法及び評価方法の策定、プラント仕様の開発課題の抽出と対応策の検討、海外技術開発動向の調査及び市場調査を行い、有識者による検討委員会に諮り、今後の進め方などに対する提言を得た。
 また、初期の実用化段階で導入が期待される、電力自由化や発送電分離後のCCS対応が求められる一般電気事業者や独立発電事業者(IPP)などの電気事業者に対してヒアリング調査し、産学の有識者による検討委員会において、CLC開発の意義・必要性や、実用化に至るまでの研究開発の進め方などについて、幅広い意見を集約し取りまとめた。
(目 次) 1.目的、概要
2.キャリア開発の技術課題抽出及び開発方法と評価方法等方策の策定
3.プラント仕様、開発課題抽出及び対応策の検討
4.海外技術開発動向の調査
5.市場調査
6.検討委員会
終わりに(JCOAL)

4.4 石油精製・石油化学設備の寿命予測システムに係る調査研究

(プロジェクト名) 石油精製・石油化学設備の寿命予測システムに係る調査研究
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨)  石油精製・石油化学設備における機器などについて、部位部品レベルの劣化モードの集積と解析、各劣化モードについて寿命データの蓄積と寿命予測手法の開発を検討した。具体的には、工業用水、海水の熱交換器の腐食管理プログラムおよびニューラル・ネットワーク法を用いた配管外面腐食管理プログラムを開発運用した。
(目 次) 報告書なし

4.5 タジキスタン及びウズベキスタンにおける石炭高効率利用システムの基礎調査

(プロジェクト名) 中央アジア熱供給所等に係る技術面アドバイザリー業務
(報告書名) 中央アジア熱供給所等に係る技術面アドバイザリー業務 成果報告書
(報告書番号) IAE-1414913
(発行年月) 2015年2月
(要 旨)  タジキスタンおよびウズベキスタンを対象に、石炭の高効率利用に関する設備、技術に係わるプロジェクト形成に必要な基礎情報を調査した。わが国で開発された流動床ボイラを熱供給所に設置することを想定し、現地調査に基づき工業化の規模、エネルギーの需給状況、石炭の性状等に関する検討を行った。既存の熱供給所の現状調査の結果、毎時20トンの蒸気を発生する流動床ボイラで対応することが最適であることがわかった。また、更新ボイラの設置計画を検討するとともに、CO2削減ポテンシャルの検討を行った。電気ボイラを燃焼効率が高い流動床ボイラに更新することで、熱供給所からのCO2削減量が15.8~16ton-CO2/hになることがわかった。
(目 次) 1. 適正な技術方式の提案
1.1. ボイラのタイプ
1.2. 熱供給方式等
1.3. ボイラ更新案
1.3.1. タジキスタン
1.3.2. ウズベキスタン
2. CO2排出削減量
2.1. タジキスタン
2.1.1. 効率向上
2.1.2. CO2削減
2.2. ウズベキスタン
2.2.1. 効率向上
2.2.2. CO2削減

5.原子力関連

(ア)福島第一原子力発電所事故関連

5.1 発電用軽水炉の安全対策高度化技術開発

(プロジェクト名) 安全対策高度化技術開発「プラント安全性高度化」
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨)  安全対策高度化技術開発「プラント安全性高度化」は、福島第一事故を踏まえ、深層防護の観点から発電用原子炉施設の安全性をさらに高度なものとするため必要な技術を開発することにより、我が国における原子力発電技術の水準の向上を図り、もって発電用原子炉施設の利用促進等を図ることを目的とするものである。なお、要素技術開発は、プラントメーカ3社が主体的に実施し、当研究所は、プロジェクトの着実な管理を実施するとともに、技術の導入に向けた基盤整備活動を実施した。
 平成26年度の成果の概要は、以下の通りである。
(1) 要素技術開発
平成26年度は、平成25年度までの成果を活用し、引き続き、下記の8つの要素技術開発を実施した。
・ シビアアクシデント対策(炉心溶融デブリ対策(IVR))
・ 安全システムの高度化(自律安全系)
・ 炉心の安全性高度化(高度化炉心)
・ 高性能蒸気発生器の耐震性高度化(高性能蒸気発生器)
・ シビアアクシデント対策(静的デブリ冷却)
・ シビアアクシデント対策(静的格納容器除熱)
・ 格納容器の安全性高度化(SC構造を想定した事故評価手法高度化)
・ 免震システムの評価手法開発(免震装置の実証)
(2) プロジェクト推進(基盤整備)
 プロジェクト推進は、プロジェクトの推進に係る会議体の運営や関係機関との連絡調整等を通して、PDCAサイクルを確保し、効率的かつ計画的に本プロジェクトを推進するものである。また、本プロジェクトにおいて開発される技術について、発電用原子炉施設への早期かつ円滑な導入を推進するための基盤整備の活動を実施する。
 今年度は、プロジェクトの着実な管理として、「運営会議」においてプロジェクト全体に係る計画や技術開発の進捗状況を確認するとともに、開発課題への対応を図り、PDCAサイクルを回して円滑かつ効率的な技術開発を推進した。また、「運営会議(幹事会)」では技術開発の具体的な計画策定、進捗フォローと調整を行い、具体的かつきめ細かな進捗管理を行った。さらに、「評価委員会」では、プロジェクトの成果や進め方について外部有識者による評価・助言を得てプロジェクトを進めた。
 基盤整備活動については、新技術等の円滑な導入に係わる規制上の課題への対応を図るため、福島第一事故の教訓を踏まえた国内の規制動向分析を行ったほか、欧米主要国の規制動向や原子力安全に係る国際動向について現地調査も含めて調査を実施し、安全規制に与える影響等の分析を行った。また、原子力分野以外の知見・経験を本プロジェクトに反映することを目的として、鉄道分野の安全確保の考え方に関する検討会を実施した。
(目 次) 報告書なし

5.2 福島第一原子力発電所事故に係る炉内事象の解析

(プロジェクト名) 廃炉・汚染水対策事業費補助金(過酷事故解析コードを活用した炉内状況把握)
(報告書名) 廃炉・汚染水対策事業費補助金(過酷事故解析コードを活用した炉内状況把握)研究報告書
(報告書番号) IAE-1484101
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  福島第一原子力発電所の中長期的な廃止措置等に向けた取組みを着実かつ迅速に行う観点から、サイトのオペレーションから得られる情報とともに、これと並行して進められる事故進展解析技術の高度化による成果を用いて、炉内状況を推定・把握する取組みを継続的に進めている。
技術調査ではコードの検証解析に適用できるとともに炉内状況の把握に役立つ実験データとして、圧力容器底部の破損挙動に関するCORVIS試験とOLHF試験、核分裂生成物の放出と移行に関するPhebus FP試験について詳細に調査した。
 SAMPSONコードの改良・解析では、摘出された課題に基づき、炉心構造物落下モデルの改良、圧力容器/格納容器連携モデルの機能改良、格納容器内熱水力挙動解析モデルの改良等を実施した。また、SAMPSONコードの計算時間の短縮のため、MCRAモジュールを対象とした計算手法の改良等を実施した。
 1号機の解析では、SRV(逃し安全弁)ガスケットリーク、ドライウェルヘッドリーク、格納容器ベント等を想定した解析により、実機計測値を説明できる原子炉圧力変化及び格納容器圧力変化となることを示した。事故発生から15時間で炉心の損傷燃料は大部分が格納容器床上に落下する予測結果となった。
 2号機の解析では、RCIC(原子炉隔離時冷却系)の部分負荷運転を模擬し、水源の切り替え等も模擬することで、原子炉圧力の実測値を再現できた。格納容器圧力についても、サプレッションプールへの流入蒸気不完全凝縮モデル、サプレッションプールからトーラス室への放熱を仮定することにより、実測値を概ね再現できた。想定した消防車注水流量の場合、圧力容器底部の破損は発生しない予測結果となった。
 3号機の解析では、RCIC、HPCI(高圧注水系)の部分負荷運転を模擬することで、原子炉圧力の実測値を再現できた。格納容器圧力についても、サプレッションプールへの流入蒸気不完全凝縮モデル、格納容器スプレイ等を模擬することで、実測値を概ね再現できた。事故発生から約44時間で圧力容器底部の貫通管溶融破損が発生し、初期に炉心に存在した質量の約83%が格納容器床上に流出する結果となった。
 炉内及び格納容器内の状況に関する分析・評価では、圧力抑制プール全体を模擬した解析を福島第一原子力発電所2号機を対象として実施し、SRV再動作に伴う圧力の低下を模擬できることを確認した。しかしながら、圧力の低下量は実測値と比較して小さく、モデルの更なる改良が必要である。
 炉内状況把握に関する国際連携では、過酷事故解析コードに組み込まれているモデルの改良、及び過酷事故解析コードによる事故進展と溶融物の分布の把握を目的としたOECD/NEA BSAFプロジェクトを、8カ国の参加を得て推進した。プログラムレビューグループ会合等での議論を踏まえ、フェーズ1の最終報告書を取り纏めた。また、情報開示を目的としたウェブサイトにおいて掲載情報を更新した。
 圧力容器底部破損現象はデブリの分布、落下時のデブリ組成など炉内状況把握に大きく影響する現象であり、解析コードの検証に有用なデータの取得を目的とし、圧力容器貫通管溶融破損試験を計画した。今年度は予備試験として代表的な組成のデブリ4.5kgを高周波により約2時間に亘って誘導加熱し、溶融させた。試験後の観察により、デブリは上部クラスト、金属相のインゴット、酸化物のインゴットに分離しているが、代表的な組成のデブリを溶融可能であることが確認された。
(目 次) 1. まえがき
2. 研究計画
3. 研究経過及び成果の概要
4. 研究内容及び成果
4.1 PIRTの改訂
4.2 MAAPコードの改良と事故解析
4.3 SAMPSONコードの改良と事故解析
4.4 炉内及び格納容器内の状況に関する分析・評価
4.5 炉内状況把握に関する国際連携
4.6 シビアアクシデントの炉内状況を模擬した試験等
5. まとめ

5.3 地震動下における配管内乱流機構及び配管振動機構の解明

(プロジェクト名) 地震動下における配管内乱流機構および配管振動機構の解明
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨)  流路壁面が複雑に振動・変形する条件下での乱流解析を実施し,地震動下の配管内乱流シミュレーションに適した乱流モデルを提案するとともに、提案モデルを用いた地震動下における配管の流体・構造連成シミュレーションにより大規模プラント配管系の振動機構および耐震性に関する知見を得ることを目的とした流体・構造連成シミュレーションを実施した。
 解析手法としては、流動解析アプリケーションとしてOpenFOAMを用い、振動・変形する壁面の取り扱いにおいてはImmersed Boundary法を採用した。本手法を開発する中で、Immersed Boundary法を用いた壁面の設定に、想定以上の処理時間を要することが判明した。よって、壁面設定手法の高速化に取り組み、最大で約20倍程度の高速化を実現した。また、壁面振動時に発生する数値誤差に起因する圧力振動が大きな課題となっており、これらの数値誤差を低減するため、壁面が変形した場合に生じる時間的不連続性を修正する手法の性能向上に取り組んだ。これらの手法は、チャネル乱流解析、強制振動円柱周りの3次元流動解析に適用し、妥当な結果が得られることを確認している。
 次に、本手法を用いて壁面が正弦波で変形する乱流シミュレーションに着手した。計算条件としては、過去の解析結果の一つであるMaas and Schumann(1996)らの条件と同一のものとし、計算手法としては直接数値解析を採用した。本解析を通じて、壁面振動下における乱流構造に関する様々な知見を得た。具体的には、壁面の振動によって圧力損失が3倍程度増加することを確認した。壁面積は振動によってほとんど変化しておらず、振動による乱流構造の変化がその要因であると推察される。渦の可視化を通じて、壁面が凸状になった領域において生じた渦が下流に流され、上昇する壁面と衝突することで大量の渦が発生する様子を捉えた。この現象は圧力損失が増大する要因の一つと考えられる。振動によって生じた速度変動は通常の平板な壁面を持つチャネル乱流と同様に、壁から離れるに従い減衰していく。その傾向において平板な壁面を持つ乱流と振動場乱流の差異は見られなかった。また、壁面上の圧力振動は壁面振動と同様の周波数を持っており、壁面振動による乱流構造の変化が、壁面振動の増幅につながる可能性を指摘した。
 また、直接数値解析では計算コストがかかりすぎることから、Large Eddy Simulation (LES)を用いた振動場乱流の解析手法について検討した。LESでは直接数値解析よりも大きな計算格子を用いる代わりに、計算格子幅以下の渦を表現したモデル(SGSモデル)を用いて解析する。文献調査などを通じて、Inagakiらによって提案された渦粘性型SGSモデルの一種である混合時間スケールモデルを採用することとした。今後はこの手法を用いた振動場乱流シミュレーションを実施し、直接数値解析結果と比較することでモデルの妥当性を検証する。
(目 次) 報告書なし

5.4 福島県環境創造センター設置準備に係る調査検討

(プロジェクト名) 福島県環境創造センター設置準備に係る調査検討
(報告書名) 環境創造センター中長期取組方針等策定のための調査・検討・支援業務報告書
(報告書番号) IAE-1474301
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下「東電福一事故」という。)は、放射性物質の放出・拡散という原子力災害を引き起こし、福島県内に広範囲の放射能汚染をもたらした。この結果、多くの被災者が長期に亘り地元を離れた避難生活を余儀なくされる事態を招いた。福島県においては、県民が安心して生活できる環境を一刻も早く実現するために、除染の取組・進捗状況等の確認を行い、市町村の課題にきめ細かく対応しながら、迅速かつ着実な推進を図っている。
 環境創造センター(以下「センター」という。)は、そのような施策の一環として、福島県がIAEA(国際原子力機関)を始め、(独)日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」という。)、(独)国立環境研究所(以下「国環研」という。)など国内外の英知を結集して、汚染状況の詳細なモニタリング、放射性物質の動態解明、除染技術の開発、人材育成等に取り組み、環境回復・創造を目指す拠点となるものである。
このセンターの設立が平成27年度に予定されていることから、「福島県環境創造センター(仮称)基本構想」に基づくとともに、これまで「環境創造センター設置準備検討委員会」において行われた議論と検討結果を十分に踏まえ、具体化に向けて検討を促進することが必要となった。
 本事業は、上記の観点から、センターの効果的、効率的な研究・運営体制の構築に係る調査・検討・支援を行うものである。
 具体的には、まず、センター事業の中長期取組方針の策定支援を行った。このため、国内・国外の研究機関や大学における除染等に関する研究動向を網羅的に調査し、今後センターが行う研究の在り方等について整理・取りまとめを行った。また、それら研究の評価方法について、センター事業を県と共に担うJAEA及び国環研(連携三機関)の独自の評価方法も踏まえ、センターとしての基本的な方針等を取りまとめた。
連携三機関が互いに協力し効果的・効率的に事業を進めるための連携協定の素案を取りまとめるとともに、詳細に亘る安全管理のための規程の素案についても、取りまとめて提示した。
(目 次) 1.はじめに
2.環境創造センター中長期取組方針の策定支援
 2.1 福島県の調査・研究計画(案)の作成支援
 2.2 中長期にわたる取組の評価方法の作成支援
 2.3 福島県民等のニーズを反映した環境創造センター中長期取組方針の作成支援
3.県、JAEA、国環研の3者の連携推進のための協定の策定支援
4.センター及び県の安全管理規程の作成支援
5.その他

5.5 海外における事故炉等の廃止措置に関する調査

(プロジェクト名) 海外原子力施設情報調査報告
(報告書名) 2014年度 海外原子力施設廃止措置情報調査報告
(報告書番号) IAE-1474704
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法において、「発電用原子炉施設又は実用再処理施設が原子炉等規制法第64の2条第1項の規定により特定原子力施設として指定された場合において、当該原子力事業者が廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発、助言、指導及び勧告その他の業務を行うことにより、廃炉等の適正かつ着実な実施の確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」と定められている。
 本調査の目的は、福島第一原子力発電所の廃止措置における重要課題に対する戦略を立案・検討するに当たり、国内外の先行事例から有益な情報を得る必要があるので、国内では経験したことがない事故炉等の事例を含め、世界の商用原子力発電所(事故炉を含む)及び主要高汚染施設(クリーンアップサイト)の廃止措置に関わる情報を収集し、分析を行うことである。
 平成26年度は、海外主要国として、米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、ロシア、スイス、ウクライナなどを対象に、原子力施設廃止措置について調査を行った。調査対象施設は、対象国の商用原子力発電所(事故炉を含む)及び高汚染施設とし、国別に、商用原子力発電所の廃止措置政策、すべての健全炉・事故炉の実態を調査した。また、高汚染施設としては、米国のハンフォード、サバンナリバー、アイダホ、英国のセラフィールド及びドーンレイを対象とし、廃止措置政策と実態の概要を調査した。
(目 次) 1. 事業計画
2. 米国
3. 英国
4. フランス
5. ドイツ
6. スペイン
7. ロシア
8. スイス
9. ウクライナ
10. ブルガリア
11. リトアニア
12. スロバキア
13. まとめ
附録 世界の廃止措置原子力発電所一覧表

(イ)原子力全般

5.6 わが国の核燃料サイクルのあり方及び課題に関する調査

(プロジェクト名) 平成26年度国内外の原子力情勢における我が国の核燃料サイクルのあり方及び課題調査報告書
(報告書名) 2014年度 海外原子力施設廃止措置情報調査報告
(報告書番号) IAE-1414909
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  再処理工場の稼働に向けた規制機関との調整や一般の理解向上に資するため、海外の規制動向の調査及び原子力の必要性に係わる分析評価を実施した。
 まず、再処理施設の運転実績が豊富な英仏について、規制の要求内容、体制及び運営に関する調査を行い、国内との比較検討を実施した。その際、主に、規制の体制やその品質、定期検査、計画外停止からの再起動、バックフィット、自主的安全性向上を中心に比較検討を行った。その結果、全体的な規制の枠組みには大差がない一方、定期検査の頻度や内容にはやや差が大きいということを示した。すなわち、英仏においては、専門性の高い検査官がその時点において関心の高い事項をサンプリングで検査するのに対し、日本では保安検査を年4回、定期検査を年1回行うことが規定されており、その内容も固定されている。なお、英仏のやり方で安全性を担保していくためには検査官に高い専門性が要求されるが、英仏では厳しい採用条件を課した上で体系的に教育訓練を行っているということも明らかにした。また、再起動についてはルール上の差は大きくないが、国内では自治体との調整に時間がかかるなど運用面で差が出ているということも示した。
 原子力の必要性については、まず、化石燃料を利用し続けるリスクに着目し、化石燃料の市場動向及び二酸化炭素排出制約の動向を整理した。その結果、化石燃料の利用については、切迫した危機的状況とはいえないまでも完全に頼ることはリスクが大きいと結論づけた。次に2030年、2050年のエネルギー需給構造について、シナリオを複数設定し、その利害得失の分析を行った。2030年のエネルギー需給構成については、原子力発電量が、化石燃料消費量やCO2排出量に最もインパクトを与える選択肢であることを示した。すなわち、原子力再稼働かつ寿命延長のケースと、脱原発のケースでは、天然ガス消費量で約30%、CO2排出量で約10%の差が出る。2050年については、社会の変化や技術の進展が見込まれるため自由度は大きいが、それらの中でもCO2排出量を半減以下にするかどうかの選択の影響が大きいということ、また、対応する場合には、社会の大幅な変革が必要となり、原子力も重要な技術オプションとなることを示した。
 最後に再処理工場の必要性に関わる検討として、幅の広い原子力シナリオに対して、使用済燃料やMOXの用途燃料の生成量を評価した。これまで言われているとおり、準国産資源の観点から核燃料サイクルの確立は重要であることを示すとともに、当面の使用済燃料問題やプルサーマルによりウラン資源節約の観点からの有効性を定量的に示した。
広報としては、これらについて、冷静かつ定量的に言い続けることが重要であると考えている。
(目 次) 1. はじめに
2. 調査内容
 2.1 国内外の再処理施設の安全性向上に対する取り組みに関する課題
 2.2 核燃料サイクルに係わる広報のあり方に関する検討
3. 調査結果
 3.1 国内外の再処理施設の安全性向上に対する取り組みに関する課題
 3.2 核燃料サイクルに係わる広報のあり方に関する検討
4. まとめ
 4.1 国内外の再処理施設の安全性向上に対する取り組みに関する課題
 4.2 核燃料サイクルに係わる広報のあり方に関する検討

5.7 ドイツの脱原子力発電政策に伴う問題の調査

(プロジェクト名) ドイツの脱原子力発電政策に伴う問題の調査
(報告書名) ドイツの脱原子力発電政策に伴う問題の調査
(報告書番号) IAE-1424712
(発行年月) 2015年3月
(要 旨) 1. ドイツ国内における裁判所の管轄と手続の概略
 ドイツ連邦レベルの裁判所としては、(1)連邦通常裁判所(通常の民事・刑事事件を扱う)の他、(2)連邦行政裁判所、(3)連邦労働裁判所、(4)連邦社会裁判所、(5)連邦財政裁判所、という5つの裁判所が存在する。州レベルの裁判制度の中で行政裁判制度は、連邦行政裁判所法がその概要について定めており、行政裁判権を司る裁判所は、行政裁判所および上級行政裁判所(連邦レベルでは、上記(2))である。行政裁判権に関する連邦と州との関係は三審制:第一審(州の行政裁判所)・第二審(控訴審:州の上級行政裁判所)・第三審(上告審:連邦行政裁判所=法律審)が原則である。
2. その他の裁判等の手続について
 欧州司法裁判所(広義)は、司法裁判所(狭義)、一般裁判所(または通常裁判所)、特別裁判所(または専門裁判所)から構成されている。国際レベルにおいては、国連の一機関としての国際司法裁判所がある。国際投資紛争解決センターは、世界銀行傘下の一機関であり、設置の根拠となったのは「国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約」であり、ある国家と当該国家の国民ではない者との間で投資に関する紛争が生じた場合に、両者間の調停・仲裁などを行う。
3. モラトリアム命令をめぐる裁判について
 連邦政府は、2011年3月11日の福島原発事故を受けて、原子力法第11次改正(2010)によって法定された運転期間延長を3か月間不適用とする旨を決定した(モラトリアム)。3月16日、連邦環境・自然保護・原子炉安全省大臣は、7原発(および長期運転停止中のクリュンメル原発を入れて8基)の運転を一時停止とするべく、当該原発の所在する各州に対して、各州内の原発事業者に当該命令を下すよう要求し、各州の管轄官庁は原発の設置・運転者に対して、当該命令を発した。また、その後の原子力法第13次改正(2011.7)では、上記8基をそのまま運転停止とし、その他の原発も2002年の原子力法改正に基づく残余発電量を尽くすか最長でも2022年を期限として運転停止とする旨が定められた。
ビブリス原発に対するモラトリアム命令の適法性が争われたヘッセン州カッセル行政裁判所2013年2月27日判決には、ビブリスAとBに関する2つの判決が存在するが、両判決ともほぼ同様の判示(ヘッセン州行政手続法で要求される聴聞実施の義務を果たしていないので、モラトリアム命令には手続面で違法である)が展開された。
4. 核燃料物質税をめぐる裁判について
 原子力法第11次改正(2010)と歩調を合わせるようにして個別法定された核燃料物質税法(2011.1.1施行)に基づき、同日から2016年12月31日までの間、U-235等を使用して商業用発電を行う電力事業者に対して消費税の形式(€145/g)で徴税しようとするもので、年間23億ユーロの税収となることが見込まれている。
連邦および州の立法権限について規定する基本法からは、消費税としての核燃料物質税について連邦が立法可能な権限を有していないとされた。この点について、ハンブルク財政裁判所およびミュンヘン財政裁判所は、連邦が消費税目を簡易に創設できるものでもないことを理由として、核燃料物質税を違憲であると判断したが、バーデン・ヴュルテンベルク財政裁判所は、これを適法と判断しており、下級審レベルでは判断が分かれている。ハンブルクおよびミュンヘンの財政裁判所判決に対しては、連邦財政裁判所に対して上告がなされているが、その判決はまだ下されていない。
5. 憲法異議の提起に至る背景などについて
 今般の脱原子力政策・法制については、原発を設置・運転してきた電力事業者から憲法異議が提起されるに至っているが、現時点では、まだその最終的な結論は示されていない。
(目 次) 1. ドイツ国内における裁判所の管轄と手続の概略
2. その他の裁判等の手続について
3. モラトリアム命令をめぐる裁判について
4. 核燃料物質税をめぐる裁判について
5. 憲法異議の提起に至る背景などについて

5.8 国内外の人的過誤事象の調査

(プロジェクト名) 平成26年度 国内外の人的過誤事象の調査
(報告書名) 平成26年度 国内外の人的過誤事象の調査
(報告書番号) IAE-1414204
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  近年、事故・トラブル等に関して人的要因、組織要因が重要であるとの認識が高まり、事業者による事故報告書の記述内容の中で人的要因、組織要因がより的確に抽出されるようになってきた。この結果、法令対象事象に占める人的過誤事象の割合は、1981年度から全体的に増加傾向にあり、2005年度以降は70~80%程度の比率となっている。一般産業においても、全事象数に占める人的過誤事象の割合は概ね80%程度とされている。
 この様な状況を踏まえ、国内の安全規制のソフト面からの改善に資するため、国内外の原子力発電所で発生した事故・トラブル・不適合事象の中で人的過誤事象に該当する事象について調査し、人的要因・組織要因・再発防止対策・教訓事項を整理した。
 国内事例に関しては、法律に基づく報告事象から人的過誤事例を4件選定した。海外事例については、IRS(Incident Reporting System)に登録されたトラブル事象から、分析対象事象を42件選定した。
 選定した事象に関して、発生した事象、背景、エラー、機器故障、原因、対策について“いきさつダイヤグラム”を用いて時系列に分かりやすく整理し、関連する人的要因を分析し汲み取るべき教訓事項を抽出した。
 分析を実施した事象の中から、特に教訓として重要な事象を16件選定し、1事例につきA4版4ページを基本として “教訓集”を作成した。また、その中から特に特徴的で重要な事象を8件選定し、1枚のイラストで人的過誤の内容と教訓をわかりやすく説明する“想定状況図”を作成した。
(目 次) 1. はじめに
 1.1 目的
 1.2 実施項目
2. 調査対象事象の候補の抽出
3. 調査対象事象の調査
 3.1 いきさつダイヤグラムの作成
  3.1.1 いきさつダイヤグラム(国内法律対象事象)
  3.1.2 いきさつダイヤグラム(海外事例)
 3.2 整理シートの作成
  3.2.1 整理シート(国内法律対象事象)
  3.2.2 整理シート(海外事例)
4. 教訓集・想定状況図の作成
 4.1 教訓集
 4.2 想定状況図
5. おわりに

(ウ)原子力プラント技術

5.9 高温ガス炉プラントの実用化に係る調査研究

(プロジェクト名) 高温ガス炉プラントに関する研究
(報告書名) 平成26(2014)年度 高温ガス炉プラントに関する研究 報告書
(報告書番号) IAE-1414907
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  高温ガス炉は、エネルギー密度が比較的低いことや、反応度フィードバック効果などの物理的な仕組みから、放射性物質放出事故を非常に起こしにくい、次世代のエネルギー源として期待されており、さらには、水素製造にも利用できるというメリットも有する。このため、米国、中国などでは積極的な研究開発が進められている。わが国においても日本原子力研究開発機構(JAEA)や諸メーカで世界をリードする研究・開発が行われている。
 平成26年度の国内における主な動きとしては、4月のエネルギー基本計画の中で、高温ガス炉は、水素製造を含めた多様な産業利用が見込まれる、安全性の高い原子炉として位置づけられ、日本の将来のエネルギーを考える上で重要なシステムとして認知された。また、同年9月には文部科学省により、高温ガス炉技術開発に係る今後の研究開発の進め方についてとりまとめが行われた。さらには、産官学によるアライアンスの構築が進められてきている。
 海外での主な動きとしては、中国でHTR-PM200(実証炉)が山東省栄成市石島湾地区において建設中であり、また実用炉に向けてHTR-PM600の概念設計が終了した。インドネシアでは、多くの島々での発電及び熱源としての産業利用を目的とした小型高温ガス炉の導入について本格的な検討が進められており、JAEAと研究開発において協力協定を締結した。また、IAEA、OECD、及び米国・欧州・日本のメーカの動き等も活発となっており、高温ガス炉に対する関心は、世界的にますます高くなっている。これらに伴って、国際協力もより積極的に進められている。
 このような中で、平成26年度の高温ガス炉プラント研究会の主な活動として、有識者による講演・意見交換の実施、HTR 2014(7TH INTERNATIONAL TOPICAL MEETING ON HIGH TEMPERATURE REACTOR TECHNOLOGY)への参加による情報の入手、並びに海外参加者との情報交換を通じた最新の海外動向の把握を実施した。また、平成25年4月に立ち上げられた日本原子力学会「高温ガス炉の安全設計方針」研究専門委員会の活動の支援を行った。さらに、高温ガス炉に対する関心を深めるために、学生・大学院生及び研究機関・産業界の研究者・エンジニアを対象にした定期講演会を開催したほか、当研究会のホームページ(http://www.iae.or.jp/htgr/)により情報発信を行った。
(目 次) はじめに
関係者名簿
I.今年度の活動実績の概要
II.有識者による講演
III.調査・研究・評価
IV.まとめ

(エ)原子炉廃止措置に関する調査研究

5.10 原子力発電所廃止措置の実施に係る民間規格整備に係る調査研究

(プロジェクト名) 原子力発電所廃止措置の実施に係る民間規格整備に関する調査
(報告書名) 原子力発電所廃止措置の実施に係る民間規格整備に関する調査 平成26年度報告書
(報告書番号) IAE-1474703
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  旧原子力安全・保安院は発電炉廃止措置の安全規制について、改正炉規法の成立を受けて省令(実用炉則)を改正し、廃止措置計画書の承認を含む安全確保の要求事項を法制化した。このような動向を踏まえ、日本原子力学会の標準委員会において、電力会社も参画して、「原子力施設の廃止措置の計画と実施:2006」を作成し、上記の新省令の安全確保上重要な事項に対応する仕様規定を策定した。その後、廃止措置の計画に必要となる仕様規定が整備され、平成23年に「原子力施設の廃止措置の計画:2011」が標準化されており、今後は、廃止措置の実施に必要となる仕様規定を目指すこととなる。しかしながら、上記の日本原子力学会標準は、新省令に準じた廃止措置計画書を作成するために充実しているものの、「廃止措置の実施」の部分は、「構成上の改定」がなされただけであり、「実績を踏まえた改定」はなされていないので、電力会社としては、将来の廃止措置の合理化に向けて、廃止措置の実施に関しても見直しを行うこととした。
 本調査研究では、学会標準「原子力施設の廃止措置の計画と実施:2006」の「廃止措置の計画」の部分が独立して発行されたことに伴い、「廃止措置の実施」の部分について、「廃止措置の計画」標準と整合をとるとともに、学会標準「標準作成の手引:2010」、JIS規格「規格票の様式及び作成方法」(JIS Z 8301:2008)に準拠した構成上の改定を平成22年度に行った。また、学会標準「原子力施設の廃止措置の計画と実施:2006」本文に記載された工事実施段階の要件に関して、東海発電所及び「ふげん」の廃止措置工事の実績を踏まえた改定を行い、2011年に「実用発電用原子炉施設の廃止措置の計画:2011」を発行している。
 平成26年度は、5年間業務の最終年度として、平成22年度に実施した「構成上の改定」の検討により策定された学会標準「原子力施設の廃止措置の実施:2011」の構成を踏まえ、学会審議に対して「廃止措置の実施」に関する標準発行に向けた原版の見直しを行うとともに、基盤・応用技術専門部会及び標準委員会に上申し、コメント反映を行った上で公衆審査を終了した。また、標準発行に向けた著作権及び知的財産権等の文献引用許諾手続き資料を作成した。
(目 次) 1. まえがき
2. 業務計画
3. 業務経過及び成果の内容
4. 業務内容及び成果
5. まとめ
6. あとがき
添付資料

5.11 廃止措置における国内外の技術、制度面の相違等に係る調査

(プロジェクト名) 廃止措置における国内外の技術、制度面の相違等に係る調査
(報告書名) 廃止措置における国内外の技術、制度面の相違等に係る調査 平成26年度報告書
(報告書番号) IAE-1424706
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会(以下「原子力小委」という。)において、エネルギー基本計画に示された原子力分野に関する方針を具体化すべく、必要な制度措置のあり方について検討されている。この中で、原子力発電施設の廃止措置についても課題として取り上げられ、議論されている。今後、原子力小委の結果を踏まえた、原子力発電施設解体引当金制度の見直し等についての議論が始まることが想定されている。このような状況を踏まえ、電気事業者においても、国の動きに呼応した制度見直しに対応することが喫緊の課題となっている。
 このため、原子力小委及びその後のWGにおける解体引当金検討の基礎となる情報を整備する観点から、最新の国内外の廃止措置技術の実績・検討状況(廃止措置費用の増減の可能性を含む)、及び制度面での相違などを調査・整理することを目的としている。
 平成26年度においては、国内外の廃止措置の技術的進展及び引当金等の制度などについて調査を行った。国外に関しては、特に米国、ドイツを重点的に調査し、技術的進展については、解体手法及び解体シナリオの資料を作成した。引当金等の制度については、米国及びドイツの廃止措置引当金に係る公開データを調査し、個別プラント見積評価内容を整理した。
(目 次) 1. まえがき
2. 実施計画
3. 実施経過及び成果の概要
4. 受託内容及び成果
5. まとめ
6. あとがき
7.参考文献
付録A 米国の原子力発電所の廃止措置費用に関する調査(米国 LaGuardia & Associates社調査)
付録B ドイツの原子力発電所の廃止措置費用に関する調査(ドイツ Plejades社調査)
付録C OECD/NEA 原子力施設の国際廃止措置費用構成(ISDC)和訳

5.12 原子力発電所廃止措置時の火災防護に係る民間規格基準整備に関する調査

(プロジェクト名) 原子力発電所廃止措置時の火災防護に係る民間規格基準整備に関する調査
(報告書名) 原子力発電所廃止措置時の火災防護に係る民間規格基準整備に関する調査(平成26年度)委託報告書
(報告書番号) IAE-1474701
(発行年月) 2015年3月
(要 旨)  原子力発電所の火災防護については、現在、個々の事業者に任されているが、今後、原子力発電所の廃止措置が本格化してくること、及び運転中の火災防護について平成25年度に新たに原子力規制委員会の「実用発電用原子炉及びその付属施設の火災防護に係る審査基準」が制定されたことを考慮すると、火災防護の基本方針、火災防護計画書の作成要件、火災防護管理及び火災防護措置要件を整備し、事業者が、公平性、客観性、透明性のある廃止措置が実施できるように廃止措置時の火災防護に係る民間規格基準を整備する必要がある。
 このため、本事業は、廃止措置時の火災防護に係る民間規格基準の策定に向け、海外の先行事例として、米国における廃止措置時の火災防護対策を中心に調査を行ったものである。
 具体的には、米国の規制要件である火災防護要件(規制指針RG1.191)に対応して作成・適用されている火災防護関連文書及び火災防護対策の実例について調査した。
 廃止措置時の火災防護関連文書では、廃止措置計画書(DP)又は運転停止後廃止措置活動報告書(PSDAR)を基に、防火計画書(FPP)、火災解析書(FHA)及び防火プログラム手順書が策定され、基本的にはRG1.191に順守した火災防護対策が実施される。これらの文書は廃止措置の様々な段階で見直され、10CFRのライセンスが終了するまで維持されており、それら文書管理プロセスを含め調査を行った。
 火災防護対策の実例については、廃止措置が既に終了したPWRのトロージャン原子力発電所を対象に、防火計画の実施内容、火災解析手法、解析結果等を調査した。
(目 次) 1. まえがき
2. 業務計画
3. 業務経過及び成果の概要
4. 成果
5. あとがき

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