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平成25年度調査研究要旨集

平成25年度調査研究要旨集

この要旨集は、当研究所の平成25年度の調査研究活動等の成果としてとりまとめられたものの要旨と報告書の目次を収録したものである。平成24年度以前にとりまとめられたものについては、バックナンバーをご覧いただきたい。

本要旨集が関係各位のご参考になるとともに、当研究所の事業に対するご理解の一助となれば幸いである。

目次

1.総合的な見地からの調査研究

1.1 地球温暖化に向けて世界で共有できるエネルギービジョンの策定

(プロジェクト名) 地球温暖化に向けて世界で共有できるエネルギービジョンの策定
(報告書名) 地球温暖化に向けて世界で共有できるエネルギービジョンの策定 報告書
(報告書番号) IAE-1312922
(発行年月) 2013年12月
(要 旨)  地球温暖化を抑制するためのCO2削減シナリオについては、様々な検討が行われているが、国際的な合意には至っていない状況であり、世界が共有できるような新しいビジョンが求められている。本検討は、現実的なCO2削減シナリオとして提唱されたオーバーシュートシナリオ/Z650について、エネルギー環境モデル(GRAPE)を用いてエネルギー需給構造を検討し、その経済的・技術的実現性を評価していくことを目的としてきている。昨年度までの検討においては、主に2050年までのエネルギー供給構成を中心に議論を行い、(1)GRAPEの想定や計算結果が他のエネルギーモデルと比べて大きく外れていないこと、(2)想定している技術構成が現時点である程度見通しが立ったものであること、(3)対策投資額が省エネルギーによる便益と同等であることなどを示してきた。
本年度は、それらの結果をより説得性の高いものにしていくため、技術構成を精査していくとともに感度解析を実施した。Z650は超長期の排出をゼロにすることを前提に短中期の二酸化炭素排出をやや緩めるというコンセプトで設定されたものであるが、それでも、その実現のためには、原子力、炭素回収貯留(CCS)、再生可能エネルギーを最大限導入していく必要があるということを示した。また、短中期の排出をさらに厳しくした場合であっても、今世紀末にはゼロエミッションに近い状態を実現しなければならないということも示した。すなわち、厳しい気候変動制約を実現するためには、現時点からエネルギー供給の低炭素化を着実に進めるとともに、超長期のゼロエミッション実現に向けた技術開発を進めることが不可欠であるといえる。
これらの考え方に基づき、エネルギービジョンの提案を行い、シンポジウム等で発表した。
(目 次) 1. はじめに
2. GRAPEエネルギーモデルについて
3. 現状のGRAPEエネルギーモデルの入力条件設定
4. GRAPEエネルギーモデルの感度解析
5. 2100年に向けたエネルギービジョン
6. エネルギー2050研究会における議論と対外発表
7. まとめ

1.2 国内外の革新的環境技術の開発・普及等に関する調査

(プロジェクト名) 国内外の革新的環境技術の開発・普及等に関する調査
(報告書名) 国内外の革新的環境技術の開発・普及等に関する調査報告書
(報告書番号) IAE-1313703
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  我が国は、国内および世界において今世紀中葉までに温室効果ガスを大幅に削減する目標を支持しているが、その実現には革新技術の研究開発が不可欠である。そこで、「平成20年度革新的環境エネルギー技術ロードマップ」をベースとして、対象となる革新技術群の調査を実施し、それぞれの技術項目について、技術の概要、我が国の技術開発の動向・課題、国際動向、技術ロードマップを整理した。
調査においては、「平成20年度革新的環境エネルギー技術ロードマップ」から、これまでの技術進展、国内外の状況変化を中心にヒアリング・文献調査を行い、その結果を反映させた。また、技術項目を4つの分野に整理し、新たに「太陽熱利用」、「海洋エネルギー利用」、「地熱発電」、「人工光合成」、「革新的機能材料」、「高効率エネルギー産業利用」、「蓄熱・断熱等技術」の7つの技術項目を調査対象に加えた。
以下に、調査を実施した技術項目を分野別に記す。
(1)生産・供給分野
「高効率石炭火力発電」、「高効率天然ガス発電」、「風力発電」、「太陽エネルギー利用(太陽光発電)」、「太陽エネルギー利用(太陽熱利用)」、「海洋エネルギー利用」、「地熱発電」、「バイオマス利活用」、「原子力発電」、「二酸化炭素回収・貯留(CCS)」、「人工光合成」
(2)消費・需要分野
「次世代自動車(HV・PHV・EV・クリーンディーゼル車等)」、「次世代自動車(燃料電池自動車)」、「航空機・船舶・鉄道(低燃費航空機(低騒音))」、「航空機・船舶・鉄道(高効率船舶)」、「航空機・船舶・鉄道(高効率鉄道車両)、「高度交通システム」、「革新的デバイス(情報機器・照明・ディスプレイ)」、「革新的デバイス(パワーエレクトロニクス)」、「革新的デバイス(パワーエレクトロニクス等(テレワーク))」、「革新的構造材料」、「エネルギーマネジメントシステム(HEMS/BEMS等)」、「省エネ住宅・ビル」、「高効率エネルギー産業利用」、「高効率ヒートポンプ」、「環境調和型製鉄プロセス」
(3)需給統合・流通分野
「革新的製造プロセス(その他製造プロセス)」、「水素製造・輸送・貯蔵(水素製造)」、「水素製造・輸送・貯蔵(水素輸送・貯蔵)」、「燃料電池」、「高性能電力貯蔵」、「蓄熱・断熱等技術」、「超電導送電」
(4)その他温暖化対策技術分野
「その他(メタン等)温室効果ガス削減技術」、「植生による固定(スーパー樹木)」、「温暖化適応技術」、「地球観測・気候変動予測」
(目 次) 1. 概要
2. ロードマップの変更・修正点
3. エネルギー・環境技術のロードマップ及び普及シナリオ(暫定版)

1.3 エネルギーに関する公衆の意識調査

(プロジェクト名) エネルギーに関する公衆の意識調査
(報告書名) 平成25年度エネルギーに関する公衆の意識調査報告書
(報告書番号) IAE-1323718
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  平成25年度は10月28日~11月10日に引き続きインターネット調査を実施した。前回と同様、対象を首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の満20歳以上の男女、調査数を男女500名(各250名)、抽出法を割当法(首都圏における性別・年代別人口構成に合わせ、回収数を割当てる方法。年代の区分は、20代、30代、40代、50代、60歳以上で実施)とした。調査項目は、意識の「変化」を比較するために、過去の調査と同様の質問を用いた。質問数は、(1)公衆の社会や生活に関する意識、(2)公衆のエネルギー問題に関する意識、(3)公衆の原子力発電に関する意識、(4)福島第一原子力発電所事故に関する意識、(5)回答者の分類(性別、年齢、職業)の5つ区分について、合計49問とした。
平成25年度の結果と過去に同様の方法で実施した調査(東電福島第一原子力発電所事故前の平成22年10月、事故後の平成23年10月、平成24年11月)の結果を比較し、首都圏住民の意識変化から、事故が与えた影響を考察した。
福島事故以降、原子力発電の利用、有用性および安全性に関する意見が大きく否定的方向に変化し、調査時点でも大きな変化はない。その要因としては、事故による原子力技術への失望感、電力会社・政府による事故に関する情報提供や対応に対する不信感・不満感等があると考えられる。また、今後の日本のエネルギーで重要と思うものについては、事故の前後とも新エネルギーが8割近くと圧倒的に高く、さらに事故後には天然ガスが大きく増加している。さらに、原子力発電所の再稼働については、反対意見が6割近くに達しており、原子力発電に対する評価は厳しい状況にある。
(目 次) 1.アンケート調査の概要
1.1 調査目的
1.2 調査設計
1.3 調査内容
2.アンケート調査の結果
2.1 公衆のエネルギー全般に関する意識
2.2 公衆の原子力発電に関する意識
3.結論

2.電力ネットワーク・エネルギーシステム関連

2.1 次世代電力ネットワーク研究会による調査研究

(プロジェクト名) 次世代電力ネットワーク研究会
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨)  本研究会は、国内外の情報収集や会員相互の意見交換等に基づき、次世代電力ネットワークのあり方及びその実現に向けた方策などの検討を行うことを目的としたものである。
平成25年度の活動結果は、以下のとおり。
(1)検討会
○第18回(H25.5.27)
・次世代電力ネットワーク研究会のこれまでの活動について
・電力ネットワークに係わる最新動向を踏まえた本研究会の今後の展開
・次世代電力ネットワーク研究会の今後の活動に関する意見交換
○第19回(H25.8.2)
・早稲田大学EMS新宿実証センターの取組み
○第20回(H25.9.24)
・欧米諸国における供給力確保のための制度設計~PJMの事例を中心に~
・欧州における再生可能エネルギー大量導入に対する設備増強への影響
○第21回(H26.1.22)
・世界各国における電力システムの将来とは~展望と課題~
○第22回(H26.3.17)
・再生可能エネルギーの普及に向けた取組について
・次世代型双方向通信出力制御実証事業の取組みについて
(2)シンポジウム(H25.11.20)
○ テーマ「次世代電力ネットワークにおける蓄電システムへの期待」
・次世代電力ネットワークにおける蓄電システムの役割
・NEDOにおける蓄電技術開発
・Commercial applications of battery storage providing balancing services- examples from Europe
・EV搭載蓄電池の次世代電力ネットワークへの応用
・小規模離島電力系統における再生可能エネルギー導入拡大を目指した蓄電設備の活用について
・東京電力における蓄電技術の取組と電力ネットワークにおける蓄電システムへの期待

(3)ニュースレター
・Vol.47(2013年4月号)~Vol.58(2014年3月号)を発行(毎月実施)

2.2 エネルギーマネジメントシステムの構築提案等調査事業

(プロジェクト名) エネルギーマネジメントシステムの構築提案等調査事業
(報告書名) エネルギーマネジメントシステムの構築提案等調査事業
(報告書番号) IAE-1313103
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  国内・海外でのエネルギーマネジメントシステム(EMS)に関する現状や動向を調査するとともに、国内外での事業化や実証への展開可能な構成や要件等について整理を行い、魅力あるEMSの構築の提案と普及を目的として本調査を実施した。
本調査は、これまで、平成23年度から25年度の3ヵ年実施してきている。
平成23年度は、HEMSに焦点を当て、国内外の実態や動向の調査に基づいてHEMSに求められる要件や構成等を整理し、魅力あるHEMSの実現と我が国企業の競争優位性の確立のためには、先進的な成果を取り込みつつHEMS活用ソリューションで先行することが重要であるとの評価を得た。
平成24年度には、国内外におけるEMSの最新動向分析に関して深掘りを行う事により、魅力ある日本発のEMSを実現するための方向性として、次世代のEMSの構築を見据えたデマンドレスポンス(DR)による電力需給の安定化への貢献、並びにデータ利活用による新サービス創出という2点が、魅力あるEMS構築に向けて重要なポイントであるとの認識を得た。
平成25年度の調査では、既往年度の結果を踏まえ、DRとデータ利活用による新サービスの2点にスコープをあてた。
DRについては、欧米の調査結果より、さまざまなタイプのDRプログラムが存在する事が分かった。また、得られた種々のDRプログラムを俯瞰し、電力システム改革も踏まえ、今後我が国において効果的なDRはどのようなタイプかを検討する必要性、ならびにDRの仕組みと市場、両面から推進していく必要性を提示した。
一方、データ利活用サービスについては、海外も含め、徐々にビジネス化しつつあるが、まだ萌芽期の域を脱していない事を示すとともに、エネルギーデータ等に代表される個人情報、プライバシーに関わるデータの扱いについて、エンドユーザーに受け入れられるか否かが、データ利活用サービスの最も大きな課題である事を提示した。以上より、現在、各省庁で論議、検討されている個人情報、プライバシーの規制やデータ利活用の際の環境整備、ガイドライン策定の詳細設計をどのようにするかが重要である事を明らかにした。
今後、DRについては更なるプログラムの詳細調査を進めるとともに、EMSを含めたDRの仕組みの確立、DR市場活性化策の提示、データ利活用サービスについては、個人情報、プライバシーの規制やデータ利活用の際の環境整備、ガイドライン策定の詳細設計等を進めていく必要がある事を指摘した。
(目 次)
I.はじめに
II.国内外のEMSに関する最新動向
II-1. 国内におけるEMSの最新動向
II-2. 海外におけるEMSの最新動向
II-3. 最新動向を踏まえたHEMS類型の機能比較
III.DRプログラムの実態および有望サービス
III-1. DRの先進事例の分析
III-2. 国内の環境に適したDRプログラム
IV.EMSデータ利活用による新サービス創出事例の深堀
IV-1. 国内の先行取組み事例
IV-2. 海外の先行取組み事例
V.魅力あるEMS事業に係る環境整備に必要な制度調査と ガイドライン策定に関する論点
V-1. エネルギーデータの活用に関する制度 およびガイドラインの先進事例
V-2. 先進事例から見た論点と示唆
VI.DR実施によるコスト削減効果の定量的分析
VI-1. 本項目の背景、目的、実施内容
VI-2. 本項目の実施結果
VII.事業者およびエンドユーザーのEMSに対するニーズ
VII-1. エネルギー需給のコントロールを行う EMSに対するニーズ
VII-2. EMSのデータを活用した新サービス
VIII.まとめ

2.3 エネルギーマネジメントシステムの国際標準化に向けた総合戦略等の検討

(プロジェクト名) エネルギーマネジメントシステムの国際標準化に向けた総合戦略推進
(報告書名) エネルギーマネジメントシステムの国際標準化に向けた総合戦略推進
(報告書番号) IAE-1313102
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)   ECHONETLiteを用いたエネルギーマネジメントシステムの実現とその海外展開を可能とするために、以下の5つのサブタスクに関して事業を実施した。
「(1)標準的インターフェイスを用いたEMSの国内外における普及推進に関する工程表の策定」として、エネルギーマネジメントシステム普及促進のための制度設計(標準仕様の選定、規制見直し、補助金制度等)を行う「スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会」や、エコーネットコンソーシアムなどの関連する組織体と連携して事業を推進する体制を構築した上で、工程表を作成した。
「(2)エネルギーマネジメントシステムの国際標準化の促進」として、今年度は、海外への情報発信を引き続き行い、海外事業者とのコミュニティ構築を推進し行動施策を提示した。
「(3)EMSの機器接続・制御に係る規格の開発動向調査」として、HEMS/BEMSに係る通信規格の網羅的な調査を行い、最新の規格動向を整理した。
「(4)「国内におけるEMS実証事業との連携」として、国内側の普及推進の位置付けで、国内実証事業におけるECHONETLite実装状況を調査した。
「(5)接続機器の普及を実現するための検討」として、スマートハウス・ビル事業の海外向け情報発信および、ECHONETLite認証ラボの海外設置を行った。
(目 次) 1. はじめに
1.1. 3年間の事業目標
1.2. 平成25年度の実施方針
1.3. 参考:事業の位置づけ
2. 平成25年度報告内容
2.1. 標準的インターフェイスを用いたEMSの国内外における普及推進に関する工程表の策定
2.1.1. 総論
2.1.2. エネルギー総合工学研究所の体制
2.1.3. 「デマンドレスポンス実現に向けた国際標準化に係わる先端研究」および「公知な標準インターフェイスを活用した相互接続検証の環境整備」との連携・調整
2.1.4. エコーネットコンソーシアムとの連携
2.1.5. スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会との連携
2.2. ECHONETLiteの国際標準化の促進
2.2.1. ECHONETLiteの国際標準化活動の戦略立案・実施
2.2.2. ECHONETLiteのWEB層におけるリエゾン(協力関係)継続
2.2.3. ECHONETLiteのIP層におけるリエゾン(協力関係)継続
2.2.4. スマートメータに関するECHONETLiteを保有するエコーネットコンソーシアムと海外ユーティリティ事業者、NIST等標準機関とのリエゾン(協力関係)維持
2.2.5. 公知な標準インターフェイスを活用した相互接続検証環境を海外展開する準備
2.3. EMSの機器接続・制御に係る規格の開発動向調査
2.3.1. KNX関連調査
2.3.2. OSGP関連調査
2.3.3. OpenADR調査
2.4. 国内におけるEMS実証事業との連携
2.4.1. 背景および目的
2.4.2. 株式会社東芝
2.4.3. パナソニック株式会社
2.4.4. 株式会社デンソー
2.4.5. まとめ
2.5. 接続機器の普及を実現するための検討
2.5.1. スマートハウス・ビル事業の海外向け情報発信
2.5.2. ECHONETLite認証ラボの海外設置
3. おわりに

2.4 スマートハウス通信規格の海外展開に係る調査研究

(プロジェクト名) HEMSインターフェイス(ECHONETLite™規格)の普及支援調査事業
(報告書名) HEMSインターフェイス(ECHONETLite™規格)の普及支援調査事業 報告書
(報告書番号) IAE-1313106
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)   スマート社会の主要な構成要素の一つとしてスマートハウスに対する関心が高まっており、その関連市場規模は2020年には日本国内で3.5兆円、世界全体では12兆円に拡大すると見込まれている。スマートハウスの中核となるHEMS(Home Energy Management System)の構築に際しては、異なるメーカー間の機器接続を可能にする通信インターフェイスの標準化が重要なポイントであり、その標準規格を巡り世界的に競争が起きている。
日本国内で開発された代表的なHEMSインターフェイスとして、エコーネットコンソーシアムが開発・管理するECHONET™規格がある。この規格は、ISO/IECにおいてISO/IEC14543-4-1、2およびIEC62394等の国際標準規格となっており、国内外への普及が図られてきた。平成23年にはECHONET™規格を改訂し、伝送媒体の選択の柔軟性を高めるとともに、創エネ・蓄エネ・省エネを実現するHEMS向けに制御対象機器を拡充したECHONETLite™規格が開発され、一層の普及促進が図られようとしている。
そこで、ECHONETLite™規格の海外普及を促進するための基盤を構築することを目標として、
(1)アジア地域におけるHEMS開発者をターゲットとして、ECHONETLite™規格の利用に必要な技術を習得するためのトレーニングプログラムの開発
(2)電気機器関係の国際標準化団体であるIECの関連委員会におけるECHONETLite™規格のプレゼンスを強化するための活動
を実施した。
(1)について、トレーニングプログラムの対象については、アジア諸国で関心の高い「コントローラ開発」とした。対象国としては、市場の大きさや成長性、日本製機器の浸透度に加え、他国への影響度等も考慮し第1候補グループとしてASEAN諸国を選定し、設計コンセプトについても関係者間で十分に議論したうえで作成した。さらには、開発したトレーニングプログラム用教材を用いてマレーシアおよびインドネシアにおいて技術セミナーを実施した。結果は好評であり、参加者から個別の質問が多数寄せられるとともに、後日、セミナーに参加した企業がエコーネットコンソーシアムへの入会を申し込む等、現地でセミナーを実施することが有効であることを示すものであった。
(2)について、「HEMSインターフェイス普及支援検討委員会」を設置し、その活動としてIEC等の国際機関において実施されているHEMSインターフェイスの国際標準化動向を調査し、欧米およびアジア諸国の関連機関との連携について検討を行った。具体的には、次の3つの国際会議に出席した。
・ ISO/IEC JTC1 SC25 WG1
住宅内の機器間通信に関する標準化を扱っており、各国からホームネットワーク関連の標準化提案が行われている。
・ IEC TC57 WG21
電力系統と需要家内システムとを繋ぐインターフェイスや通信プロトコルの標準化を扱っている。電力系統と需要機器の連携はスマートグリッドの重要な要素であり、それを実現するための通信技術のベースがこの委員会で形成される。
・ IEC TC100
ホームネットワークにおける機器制御プログラムやアプリケーションを含む上位層の標準化を扱っている。現在日本からは、すでに国際標準の一つとなっているECHONET™規格(IEC62394)の改訂作業として、制御対象機器オブジェクト(ECHONETLite™でも利用可能)の拡充提案を行っている。
(目 次) 1 はじめに
2 事業概要
3 海外向けトレーニングプログラムの開発および運用
3.1 トレーニングプログラムの概要
3.2 教材制作
3.3 技術教育セミナー
3.4 今後の展開
4 国際標準化動向の調査および海外関連機関との連携
4.1 ISO/IEC JTC1 SC25 WG1
4.2 IEC TC57 WG21
4.3 IEC TC100
4.4 海外関連機関との連携
5 海外展開の推進に関する委員会の設置・運営

2.5 欧米における再生可能エネルギー導入による電力系統への影響等に関する調査

(プロジェクト名) 欧米における再生可能エネルギー導入による電力系統への影響および系統対策技術動向調査
(報告書名) 平成25年度成果報告書 「欧米における再生可能エネルギー導入による電力系統への影響および系統対策技術動向調査」
(報告書番号) IAE-1313501
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)   再生可能エネルギー導入の先進地域である欧米における、系統対策技術の導入政策を幅広く調査・整理し、国別に特に有効に機能している政策を抽出するとともに、それらの政策の前提条件となっている各国の再生可能エネルギー導入による電力系統への影響の状況も併せて調査した。
世界の風力発電導入量は2012年末までに282GW余りに達しており、堅調な伸びを示している。中国の伸びが著しいが、需要規模に対する風力発電導入量の比率や全電力需要に対する風力発電電力量の比率を見ると、デンマークなどの欧州各国が上位に名を連ねる。
電力系統への影響としては、周波数調整力の不足、電力需給調整力の不足、発電アデカシー(供給信頼度の低下など)、送電アデカシー(送電線混雑など)、系統安定度の低下などがあり、特に送電線混雑による新規送電線の増強が喫緊の課題となっている国もある。
再生可能エネルギー(特に風力発電)が大量導入された場合の電力系統への影響に対する対策技術および政策については以下の通りである。
再生可能エネルギー電源サイドでは、電力貯蔵装置、FACTS(パワーエレクトロニクス応用電力制御機器)、FRT要件(系統事故時の運転継続要件)、出力抑制・調整(以上、ハード)、出力抑制、発電出力予測(以上、ソフト)などである。
系統サイドでは、電力貯蔵装置、新規送電線建設(以上、ハード)、広域運用、発電出力予測(以上、ソフト)などである。
需要サイドでは、デマンドレスポンス(ハードおよびソフト)である。
欧米各国における有効な系統対策技術および政策については、国際連系による需給調整の広域化、高度な系統運用(風力出力予測、出力抑制など)、CHP(熱電併給)プラントの利用やデマンドレスポンスの利用、風力発電設置箇所の多様化(ならし効果)、電力貯蔵の利用(ガス変換貯蔵、熱変換貯蔵を含む)、FRT要件、新規送電線建設の促進が挙げられる。
この中で、わが国でも適用可能で特に有効と考えられるものとして、風力出力予測、送電容量不足への対策(新規送電線建設)、および将来的に重要性が高いと考えられるものとして、ガスへの変換、蓄熱技術を抽出し、詳細な調査を行った。
(目 次) 第1章 欧米各国の電力系統の状況
1.1 風力発電の導入量および将来見通し
1.2 再生可能エネルギー(主に風力発電)の大量導入による電力系統への影響
第2章 欧米各国の系統対策技術
2.1 系統対策技術の海外調査
2.2 系統対策技術の調査結果
2.3 系統対策技術の整理
2.3-1 電源サイド
2.3-2 系統サイド
2.3-3 需要サイド
第3章 有効な系統対策技術政策
3.1 国別の事例
3.1-1 デンマーク
3.1-2 ドイツ
3.1-3 アイルランド
3.1-4 スペイン
3.1-5 英国
3.2 技術別開発動向
3.2-1 風力予測技術
3.2-2 送電容量不足への対策
3.2-3 ガスへの変換
3.2-4 蓄熱技術
第4章 まとめ

2.6 電気設備(送電鉄塔)と災害等との関係に関する調査

(プロジェクト名) 平成25年度災害に強い電気設備検討調査(送電鉄塔)
(報告書名) 平成25年度災害に強い電気設備検討調査(送電鉄塔)報告書
(報告書番号) IAE-1313110
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)   電気設備のうち、送電鉄塔に係る現行技術基準及び電気事業者の保守管理方法の点検・評価とともに、今後想定しうる過酷なハザード事象に備え、送電鉄塔の倒壊事故を未然防止又は軽減するための調査を行った。
送電鉄塔に係る現行の技術基準については、被害経験に応じた必要な技術基準等(民間規程含む)の変更や、国主導及び自主保安による再発防止対策の取組が行われてきた結果、至近で通常想定される気象の変化等で規模の大きな倒壊事故が起きていないことから、妥当であると判断した。
また、現行の保守管理方法に基づき、自然現象に伴う送電鉄塔の損傷などの異常事象及び送電鉄塔の発錆やボルトの緩みなどの劣化事象が生じないよう必要な改修等対策が講じられている結果、現状では保守不備に伴う事故が顕在化しておらず、経年による倒壊事例も発生していない。これらのことから、現状において、送電鉄塔設備の適正な維持ができているため、現行の保守管理方法は、設備の高経年化を考慮したとしても妥当と評価できる。
さらに、大規模災害が発生した場合には、自主保安の範囲で事後復旧の迅速性(早期復旧対策)を確保しておくことが必要であるが、この点についても、電気事業者による現状の送電機能に係る早期復旧対応が有効に機能するものと確認できた。
他方、想定しうる過酷なハザード事象への耐震性等については、検討対象事象としては、「過去最低中心気圧の台風」と「南海トラフ巨大地震」を選定した。検討の結果、当該台風については耐力が確保されていると評価できたものの、当該地震については検証に必要な諸条件の整備等の課題があり、評価にまでは至らなかった。
以上のことから、現行の電気事業者の取組は、今後想定しうる過酷なハザード事象も含め、送電鉄塔に係る事故等を未然防止又は軽減することに資するものと評価できるものの、今後も、送電設備の安全と品質の維持向上に向け、自主保安の高度化に努めていくことが重要であり、以下の点についても対応していく必要がある。
・送電鉄塔の要求機能性能(特に耐震性能)の明確化
・通常想定される範囲を超えたハザード事象への対応の考え方の整理
・現行の設計・保守・早期復旧に係る技術水準の維持向上
(目 次) 1. はじめに
2. 検討調査の基本方針
2.1. 送電鉄塔設備の概要
2.2. 送電鉄塔の安全性・機能性確保の枠組(現状)
3. 現行技術基準及び保守管理方法の点検・評価
3.1. 送電鉄塔に係る現行技術基準の点検・評価
3.2. 送電鉄塔の現行の保守管理方法の点検・評価
4. 送電機能の早期復旧対策の点検・評価
5. 想定しうる過酷なハザード事象への耐性等に係る調査
5.1. 想定しうる過酷なハザード事象の抽出の基本的な考え方
5.2. 自然現象の今後の変化の傾向(過酷化の有無)と送電鉄塔設計との関係性
5.3. 鉄塔倒壊被害実績を有する自然現象の過酷化の有無
5.4. ハザード事象の総合リスク評価
5.5. 想定しうる過酷なハザード事象の選定結果
5.6. 想定しうる過酷なハザード事象に対する耐性評価
5.7. 想定しうるハザード事象の耐性検討結果のまとめ
6. おわりに
7. 参考資料集
7.1. 送電鉄塔の既往倒壊事例
7.2. 送電鉄塔設計に係る技術基準(電技・民間規程・学会規格)の変遷
7.3. 送電鉄塔に係る現地調査の概要
7.4. 送電鉄塔の撤去部材を用いた材料試験の実施結果

3.地球環境関連

3.1 気候変動のリスク管理に係る適応・ジオエンジニアリングに関する調査研究

(プロジェクト名) 平成25年度環境研究総合推進費(技術・社会・経済の不確実性の下での気候変動リスク管理オプションの評価)
(報告書名) 平成25年度環境研究総合推進費(技術・社会・経済の不確実性の下での気候変動リスク管理オプションの評価)報告書
(報告書番号) IAE-1313201
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  気候変動に対応するリスク管理戦略を構築するための事業の一環として、適応・ジオエンジニアリングの評価を進めている。適応・ジオエンジニアリングについては、そのコスト、影響、副作用等についての理解が十分に進んでおらず、まず、基礎的なデータ収集・整理から始める必要がある。そこで本年度は適応・ジオエンジアリングをモデルに導入するための基礎データについて調査・分析を行うとともに、モデル化に向けた検討と試算を実施した。
ジオエンジニアリング技術の一つとして、成層圏に微粒子を散布し、太陽光を反射させるという技術があるが、これについては、主に散布する物質に着目し、その技術とコストの評価を実施した。その結果、金属酸化物等の固体ナノ粒子の散布よりも硫酸等の液体を噴霧する方が相対的に安価であることを示した。コスト評価は、ジオエンジニアリングの実施の是非を判断する上で重要な要素の一つであり、引き続き追加・見直しを実施していく。
ジオエンジニアリングのもう一つの主要技術として、大気中から、直接・間接的に二酸化炭素を除去するという技術がある。この技術は、さらに、光合成を介して二酸化炭素を固定する、バイオエネルギーCCS(BECCS)と、薬品などを利用して直接大気中の二酸化炭素を回収する直接空気回収に大別できる。いずれにしても、回収した二酸化炭素は貯留する必要があり、貯留に関する技術開発も重要である。
バイオマスを介した回収技術、及び貯留技術については、技術オプションや実証プロジェクトについて包括的な調査を実施し、そのとりまとめを行った。直接空気回収については、まず文献調査によりコスト評価手法や評価結果について幅の広い調査を行った。その結果、CO2直接空気回収のコストについては、算出の手法、その結果とも現状では評価が大きく分かれており、コストについては、102~103ドル/t-CO2と、不確実性が非常に大きいことが明らかになった。コスト評価は今後の研究において重要であることから、不確実性の内容を精査していく必要がある。
直接空気回収については、先行研究が比較的多いNaOHとCa(OH)2を用いたCO2直接空気回収技術について、簡易モデルを作成し、実施コストの試算を行った。情報収集にあたっては、文献調査だけではなく、類似のプロセスを使用している企業へのヒアリング調査も実施した。その結果、コストがCCS等の緩和策より1桁程度高いものの、非現実的というほどではないこと、必要な物量が膨大であり、こちらで制約を受ける可能性があることなどが示された。これについても、今後精度を高めていくことが必要である。
適応策については、まず文献調査などにより統合評価モデルへの適応方法を検討した。統合モデルに適応策を明示的に反映した事例はほとんど存在しておらず、世界的にもまだ初期的な段階であるといえる。数少ない先行事例について、その内容を分析し、モデルに組み込む内容を定式化した。
以上のようにジオエンジニアリング、適応とも、基礎データが整備され、統合的な評価を行う準備が整いつつある。次年度以降、本格的な計算を実施していく予定である。

3.2 CCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイシュー分野への対応

(プロジェクト名) 平成25年度地球環境国際連携事業(CCS国際連携事業)におけるCCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイシュー分野への対応業務
(報告書名) 平成25年度地球環境国際連携事業(CCS国際連携事業)におけるCCS関連の規格化のQ&Vとクロスカッティングイシュー分野への対応業務 成果報告書
(報告書番号) IAE-1313101
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  ISOにおけるCCS分野の規格制定について、定量化・検証(Q&V)とクロスカッティングイシュー分野の活動を支援するため、国内ワーキンググループ開催や国際会議出席などの活動を実施した。
(目 次) 第1章 目的及び概要
第2章 事業実施結果
2.1 国内WGの開催
2.2 ISO/TC265 WG4、WG5、ISO/TC全体会合への参加
2.3 CCS関連のQ&V分野とCCI分野における規格化に関する各国の動向調査

4.再生可能エネルギー・省エネルギー関連

(ア)太陽光・熱エネルギー利用に関する調査研究

4.1 太陽光発電用大規模パワーコンディショナの標準ミニモデルに関する研究

(プロジェクト名) 太陽光発電用大規模パワーコンディショナの標準ミニモデルに関する研究
(報告書名) 太陽光発電用大規模パワーコンディショナの標準ミニモデルに関する研究 成果報告書
(報告書番号) IAE-1313105
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)  日本国内においては、住宅用太陽光発電システム用に設定された固定価格買取制度の導入により、同システムの導入・普及が進んでいる。このシステムで採用している低圧連系用の単相3線式パワーコンディショナ(以下、PCS)については、2011年の系統連系規程改定時に、同一配電系統への多数台連系に対応するために単独運転検出機能に新型能動方式を具備することや、周波数変化や瞬時電圧低下等の系統擾乱に対する耐量(Fault Ride Through;以下、FRT)に関する要件が追加されている。これに伴い、一般財団法人電気安全環境研究所において、新型能動方式やFRT機能に関する試験方法を追加した新しい認証試験制度が開始されており、低圧単相PCSの連系に関する試験については概ね課題が解決されている。
一方、2012年7月1日より再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始されたことに伴いメガソーラの普及・拡大が予想されており、高圧以上の系統に連系するPCSについても、低圧単相PCSと同様、系統連系規程にFRTや単独運転検出が要件化されている。しかし、メガソーラ用のPCSは、定格電力が100~500kW程度と大規模になることが多く、メーカ等においてFRT機能や単独運転検出機能に関する試験を実機で行うことは困難である。
そこで、実験室で試験可能なレベルにスケールダウンしたミニモデルPCSを開発し、実機との比較試験を行うことにより、その等価性や妥当性を評価し、ミニモデルの標準仕様および標準試験方法を整理して規格原案をまとめることを目標に設定した。
試作するミニモデルは、250kWの実機(電気方式は三相3線式)をベースに容量を10kW(25分の1)とし、PCS構成は制御定数を含めて実機と同等として、機器の%インピーダンス(%リアクタンス)を実機と合わせた。また、電圧・電流のスケールダウンの考え方については、関係者との議論を経て、メーカでのモデル化の実績が多く、また異なる実機容量に対しても社内設備等を柔軟に適用できるように、電圧は実機と同等とし、電流を25分の1にスケールダウンした。
実機とミニモデルの等価性を確認するための試験は、一般財団法人電力中央研究所 赤城試験センターのBTB(Back to Back)電源および6.6kV模擬配電線を使用して試験設備を構築し、PCSメーカ5社の実機とミニモデルについて試験を行った。試験設備の構築にあたり、実機用変圧器(300kVA基準の%インピーダンス)に対して、ミニモデル回路にはミニモデル用変圧器+調整用インピーダンス(12kVA基準の%インピーダンス)を設置し、%R、%Xを含めたインピーダンス条件を指定して製作し、実機回路とミニモデル回路の試験環境をなるべく一致させるよう工夫した。
試験方法は、2017年4月より適用されるFRT要件を基に策定し、実機とミニモデルが相互に影響を及ぼさないよう、個別に試験を行った。併せて、本試験のような過渡的な電気現象のデータを取得・分析するための計測システムを検討し、同試験設備に設置した。
試験の結果、各社の実機およびミニモデルはFRT要件に準拠した機能を有することを概ね確認することができた。今後、これらの試験データについて詳細な分析を行い、実機とミニモデルの等価性について評価を進めていく。
(目 次) 1 はじめに
2 全体の事業目的
3 事業内容
3.1 ミニモデルPCSの試作
3.2 ミニモデルと実機の等価性確認試験の実施
3.3 検討委員会の設置
4 今年度の達成状況
5 次年度以降の実施計画(方針)
6 現時点で想定される成果の普及シナリオ-体制

4.2 太陽光の集光系に関する調査研究

(プロジェクト名) 集光計算
(報告書名) 集光計算 報告書
(報告書番号) IAE-1383207
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  太陽光を利用する発電技術として、集光型太陽熱発電(CSP)や集光型太陽光発電(CPV)が検討されている。メガソーラーのように入射太陽光をそのまま使うのではなく、鏡やレンズで集めてから使うのがこれら技術の特徴であり、集まった光で流体を熱してタービンを駆動したり、多接合型などの高効率発電素子を利用したりして電力を得る。
CSPやCPVでは太陽光を集める系が必要になる。例えば点集光型のシステムでは、鏡を搭載したヘリオスタットという装置を地面にたくさん並べ、各ヘリオスタットが備える二本の回転軸を利用して、鏡面の向きを制御することで光を一ヶ所に集める。この場合、二本の回転軸のうち第一軸は地面に対して固定された方向を持ち、その第一軸に第二軸が取り付けられ、反射鏡は第二軸に固定される。第一軸まわりの回転によって第二軸自体が回り、第二軸のまわりで反射鏡がさらに回転することによって、鏡面の方向が制御される。
第一軸を水平面と直交するように固定する方式や、地球の自転軸と平行にする方式が従来から広く使われているが、ここでは、レシーバーの位置や向き、あるいはたくさんのヘリオスタットの並べ方(ヘリオスタットフィールド)を考慮に入れた上で、第一軸の固定方向を決める新しい方式を検討した。その結果、
(1) 受光面上における集光スポットの回転が止まる場合があること、および
(2) 鏡の旋回範囲がヘリオスタットの列と平行になる場合があること、
が見出された。前者(1)は、長方形の平面鏡を使った比較的小規模な集光系で、長方形の平面レシーバーを均一に照らしたい場合に有効であり、後者(2)は、反射光が他のヘリオスタットによって遮られることのないヘリオスタットフィールドを作りたい場合や、ヘリオスタットをできるだけ高密度に配置して敷地を節約したい場合に便利であると期待される。今後、集光・発電システム全体の設計に組み入れた上で、よりよい活用方法を検討していきたい。
以上の内容を、太陽エネルギー利用に関する雑誌 Solar Energy にField-Aligned Heliostats and their Application to Central Receiver Systemという題で投稿し、受理された。
(目 次) 1. フィールドアラインドヘリオスタット
1.1. はじめに
1.2. 回転のない集光スポット
1.3. 配置曲線に沿ったヘリオスタット
1.4. 数値実験
1.5. 本章の結論
2. 集光系の数値シミュレーション

4.3 中高温太陽熱利用に関する調査

(プロジェクト名) 平成25年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業 中高温太陽熱利用調査及び各種システム評価法開発
(報告書名) 平成25年度新エネルギー等共通基盤整備促進事業 中高温太陽熱利用調査及び各種システム評価法開発 報告書
(報告書番号) IAE-1313104
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)  国内においては、産業分野を中心に大きな中高温熱需要が存在しており、そこに太陽熱を導入することで、化石燃料消費の低減、二酸化炭素排出削減などの効果が期待される。しかしながら、中高温の太陽熱利用はほとんど認知されておらず、その重要性に関して定性的にも把握されていないというのが実態である。本事業は、国内の中高温太陽熱利用の普及を促進していくための道筋をつけていくことを目標としている。
本事業では、普及啓蒙を進めるための利用可能性調査と、事業性を評価するための技術基盤整備の2つを目標として実施するものであり、当研究所を含めた7機関が参画している。その中で当研究所は幹事法人として全体のとりまとめを行うとともに、利用可能性調査、集光効率評価のためのシミュレーションコード開発、国際標準化対応の部分を主に担当した。
利用可能性調査では、日射量の豊富な西日本地域を中心に、有望な事業者を訪問し、ヒアリング調査を実施した。その結果、(1)太陽熱利用に適した熱需要は存在していること、(2)近年の燃料費高騰もあり、代替燃料への期待は大きいこと、(3)所有権や規制の関係ですぐには活用できないが遊休地そのものは存在していることを示した。これらの結果をもとに、より具体的なシステム概念設計を進めていく必要がある。
集光シミュレーションについては、汎用性が高く、かつ高精度、高速で集光効率を計算するコードの整備を進めている。今年度は、一通りコーディングが終了し、リニア・フレネル型を実装した試計算を実施した。今後、コードを完成させるとともに、公開に向けた準備も進める。
標準化については、集光型太陽熱発電の国際標準化作業(IEC TC117)に参画し、その最新動向についての情報収集をするとともに、国内検討体制の整備を進めた。
その他の重要項目として、直達日射量測定・推計、集熱レシーバ評価法開発があり、これについては、定期的に開催する連絡会などで情報交換を実施した。
これらの内容について、有識者委員会を2回開催し、検討の方向性や成果の解釈についてオーソライズをした。
(目 次) 1. はじめに
2. 国内の中高温太陽熱利用可能性調査
3. 直達日射量測定・推計
4. 集光シミュレーションコード
5. 集熱レシーバ評価
6. 国際標準化
7. まとめと今後の課題

(イ)バイオ、地熱、その他再生可能エネルギーに関する調査研究

4.4 アジア地域におけるバイオマスエネルギーの最新動向と普及に関する検討

(プロジェクト名) アジア地域におけるバイオマスエネルギーの最新動向と普及に関する検討
(報告書名) アジア地域におけるバイオマスエネルギーの最新動向と普及に関する検討
(報告書番号) IAE-1212505
(発行年月) 2013年9月
(要 旨)  アジア地域(ASEAN、中国およびインド)におけるバイオマスエネルギーの普及促進に向けたモデルを構築するために、当該地域におけるバイオマス賦存量、バイオマスエネルギーの市場、および我が国のバイオマス利活用技術開発について最新動向を調査した。それらの調査結果を踏まえて、転換技術とバイオマスの性状適性、事業の便益および持続可能性を加味することによって、社会、環境、経済を総合的に評価した普及モデルを構築した。
さらに、今後の適切な技術開発目標を立てるための一助とするために、上記普及モデルに加えて、日本企業の東南アジア地域における事業化への課題を抽出、整理した。
具体的には、大別して下記2つの成果が得られた。

1. アジア地域におけるバイオマスエネルギーの最新動向
バイオマス賦存量調査の結果、アジア地域10カ国(ASEAN(シンガポールとブルネイを除く)、中国およびインド)では、毎年84億7,100万トンのバイオマスが発生するポテンシャルがあることが分かった。ポテンシャルの内、廃棄物系と未利用系のバイオマスがそれぞれ約20%を占め、資源作物系は栽培可能な土地面積からの推計となるが、約60%を占める結果となった。また、国別に主要なバイオマスは異なり、中国はトウモロコシ由来のバイオマスが多く、インドはサトウキビ、インドネシアとマレーシアはパーム、タイはパラゴムやキャッサバが多いことがわかった。持続可能性の観点からは、含水量が少なく、輸送に係るエネルギーが不要な、廃棄物系バイオマスを最優先に利用することが重要である。
バイオマスからのエネルギー用途は主に発電、熱、バイオエタノール、バイオディーゼルに分かれ、電力不足解消の観点からバイオマス発電からの買取価格を高く設定する制度の導入が進んでいる。バイオエタノールやバイオディーゼルのガソリンや軽油への混合を進める国が多いが、食料競合の観点からそれらの生産量は停滞しており、非食用原料からの燃料製造が課題であることがわかった。
さらに、我が国のバイオマスエネルギー導入政策をベースに、各省庁のバイオマス利活用技術開発の取組や日本企業のバイオマス利活用ビジネスへの参画状況を整理した。政府や企業の取組が盛んであるという条件に加えて、技術が実証~事業化段階にあるという条件を考慮して、アジア地域への普及が見込まれる転換技術を検討したところ、直接燃焼、ガス化、エステル化、メタン発酵およびエタノール発酵の5つの有望転換技術が抽出された。
2. アジア地域におけるバイオマスエネルギー普及促進へ向けたモデルプランの構築
前述の「アジア地域におけるバイオマスエネルギーの最新動向」で得られた情報を基に、「バイオマス原料―転換技術―(利用技術)―市場流通形態」といった一貫したバイオマス利活用事業についてのモデル(トータルシステムモデル)を検討した。5つの有望転換技術に基づいて検討した各トータルシステムモデルについて、バイオマス資源の賦存量とバイオマスエネルギーの市場規模から想定されるシステムの期待導入数を検討した。
さらに、資源の賦存量とエネルギーの市場規模から想定されるシステムの期待導入数がマッチするトータルシステムモデルに対し、経済性試算を行い、その技術が普及するための課題を明確にすることによって、バイオマスの賦存量、転換技術の適用性、便益および事業の持続可能性を加味し、総合的に評価した普及モデルを構築した。
また、その普及モデルを対象に、事業化に関わる課題や日本企業の強みを踏まえて、国際実証事業につながる提案を行った。
(目 次) 第1章 全体計画と実施状況
1.1 調査の背景と目的
1.2 調査方針と実施内容
1.3 全体作業工程
1.4 実施体制
第2章 アジア地域におけるバイオマスエネルギーの最新動向の調査
2.1 アジア地域バイオマス資源分布・賦存量、持続可能性調査
2.2 アジア地域研究支援政策・普及政策、市場等調査
2.3 アジア地域におけるバイオマスエネルギーに関する日本技術開発調査
2.4 アジア地域バイオマスエネルギー事業化課題調査
第3章 アジア地域におけるバイオマスエネルギー普及促進へ向けたモデルプランの構築
3.1 トータルシステムモデルの構築
3.2 原料と技術のマッチング
3.3 原料と市場のマッチング
3.4 普及モデル候補の選出
3.5 普及モデル候補の経済性検討
3.6 国際実証事業への提案
第4章 まとめ

4.5 バイオマス/廃棄物利用・高温空気タービン発電システムの開発

(プロジェクト名) 平成25年度CO2排出削減対策強化誘導型技術・開発実証事業 バイオマス/廃棄物利用・高温空気タービン発電システムの開発
(報告書名) 平成25年度CO2排出削減対策強化誘導型技術・開発実証事業 バイオマス/廃棄物利用・高温空気タービン発電システムの開発
(報告書番号) IAE-1313203
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  本研究は、空気を作動媒体とした高温空気タービン発電システムの研究に関するものである。
バイオマスあるいは廃棄物発電においては、蒸気タービン発電方式又はガス化発電方式が一般的であるが、特に小規模適用の場合、効率面あるいは経済面の課題がある。蒸気タービン発電方式の場合は、タービンの特性と機器構成の複雑さから小規模は不向きで、発電出力数千kW以上等の規模が必要で、それに対応して大量のバイオマスの確保が必要となる。ガス化発電方式の場合は、小規模適用は可能であるが、ガス化炉からガス精製を経てガスエンジンまでの機器構成が複雑となり、特にコスト面で課題を有する。
本研究提案システムは空気を作動媒体とし高温圧縮空気でタービンを駆動し発電する方式であり、タービン排熱をバイオマス燃焼用等に再利用することにより、簡素な機器構成で、小規模発電(実用機50kW級)でも高い発電効率と経済性の確保を可能とするものである。
本研究提案システムは、「ガス軸受式・永久磁石発電機直結の高速タービン発電ユニット」、「新開発の流路を形成した大面積プレート式熱交換器」及び「バイオマス燃焼炉」において、機器単独及びシステム構成上から要求される高性能化及び低コスト化に関する研究課題が存在する。
本研究は、環境省の平成25年度CO2排出削減対策強化誘導型技術・開発実証事業(バイオマス/廃棄物利用・高温空気タービン発電システムの開発)に採択されたもので、20kW級発電システムの製作・検証を目標としている。今年度は3年計画の初年度にあたり、以下の研究成果を達成した。本システムが当初目標とする高効率(発電効率20%以上)の達成の見通しを定量的に明らかにした。また、タービン発電機については、20kW級試験機を製作し、モータ駆動により起動回転数(定格回転数の約1/2)にて安定回転を達成した。熱交換器については、試験システム用の試作を完了した。さらに、バイオマス燃焼炉メーカの技術内容を調査し、有望メーカを摘出した。
(目 次) 要 約
第I編  研究概要
第II編  内容
第1章 サイクル設計
第2章 タービン発電機の開発
第3章 熱交換器の開発
第4章 運転試験
第5章 実用プラントの評価
第6章 まとめ
参考文献

4.6 再生可能エネルギー組込型火力発電技術に関する調査研究

(プロジェクト名) 再生可能エネルギー組込型火力発電技術の実用可能性調査
(報告書名) エネルギー技術情報に関する調査報告書(3/4)
III.太陽熱組込型火力発電技術の実用可能性調査
(報告書番号) IAE-1313705
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  集光太陽熱(CSP: Concentrating Solar Power)組込火力発電の作動システムは、直達日射を高数倍で集光し高温蒸気を発生させ、従来の火力発電所へ導き発電を行う方式である。集光システムは、一般に「パラボラ・トラフ型」、「パラボラ・ディッシュ型」、「リニア・フレネル型」、および「タワー型」4つのタイプがあり、ここでは、「リニア・フレネル型」および「ハイブリッド型」(「リニア・フレネル型」と「タワー型」の組み合わせ)について検討を行った。「リニア・フレネル型」は線集光システムであり、集光効率はそれ程高くないが所要面積が小さくて済む。「タワー型」は点集光システムで高温蒸気の発生に適しているので、「ハイブリッド型」はそれぞれの特徴を生かしたシステムとして提案するものである。
CSPを導入する方式として、本研究では「給水系組込方式」と「再熱蒸気系組込方式」の2つを検討した。前者は「リニア・フレネル型」に、後者は「ハイブリッド型」に対応する。さらに前者は、「直接加熱型」と「間接加熱型」に分類される。3システム(給水系組込方式‐直接加熱型、給水系組込方式‐間接加熱型、再熱蒸気系組込方式)についてヒートバランスの概略計算を行い、経済性、環境アセスメントへの影響、導入ポテンシャル等実用性を見極めるための検討を行った。
熱物質収支では、700,000kW級火力発電プラントへのCSP組込を想定した。給水系組込方式は新設を想定した検討を行い、全てのタービン入熱の5%をCSPからの入熱とする場合、火力発電プラントの発電効率に比べCSP組込火力発電プラントでは発電効率(発電端、LHV基準)の上昇度(絶対値)が約2.7%、一方、再熱蒸気系組込方式では約2%の高効率化の可能性があることを見出した。この効率差は、前者が超々臨界圧二段再熱の新設火力で導入箇所の制約が少ないことに対し、後者は超臨界圧一段再熱の既設火力で導入箇所の制約があるなどの相違点があるためと考えられる。
経済性の検討では、実質的に得られる年間平均直達日射量(DNI)を用いて、発電コストや償却年数を試算した。発電コストは、給水系組込方式-直接加熱型で30.1円/kWhとなり、これは太陽熱発電と同等レベルと見られるものの単純償却年数は約78年(石炭火力適用時)、或いは約21年(重油火力適用時)となった。CO2削減量および焼却灰削減量を考慮すると一定の改善が図れるが、それでもなお経済性の成立は困難であり、今後補助金、CSPに該当するFIT等の検討が行われることが望まれる。
国内における導入ポテンシャルとしては、本システム適用可能な地域として中部地域以西で25地点存在することを明らかにした。ただし、実際適用に際しては、所要スペースなど詳細検討が必要とされる。
CSPの設置に適する地域は、空気が乾燥してDNIが高い(1,800kWh/m2以上)サンベルト地域と言われている。日本国内には、その値に該当する地域はないが、太平洋側は比較的DNIが高い。このような地域でのCSP組込火力発電という本提案技術の導入は、適切な導入支援策の設定が前提ではあるが、経済性及び環境性の両面で有望であると共に、実用可能性のある技術であることを示した。
(目 次) まえがき
研究概要
1. 調査目的
2. システム検討
3. 熱物質収支検討
4. 経済性検討
5. 新設石炭火力アセスメント面への影響検討
6. 国内の導入ポテンシャルの推定及び普及促進のための提言
7. まとめ
8. 結び
参考文献
付録

4.7 環境適合型・高効率バイナリー発電の技術開発

(プロジェクト名) 平成25年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業(環境適合型・高効率バイナリー発電の技術開発)
(報告書名) 平成25年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業 環境適合型・高効率バイナリー発電の技術開発成果報告書
(報告書番号) IAE-1312101
(発行年月) 2014年6月
(要 旨)  既存のバイナリー発電は、アンモニア、ペンタン、或いはフロンなどの低沸点媒体を利用してタービンを駆動して発電を行う方式であるが、次の課題がある。 ⅰ)アンモニアは毒性と臭気、ペンタンは燃焼・爆発、フロンは温暖化係数大等であり、その漏洩時等の安全性や環境汚染が懸念される。 ⅱ) 発電効率が低く、出力当りの設備コストが高く、媒体によってはボイラー・タービン主任技術者の常駐が必要で経済性が損なわれる。
本研究の提案システムは、従来型の媒体に代わり水を利用し、負圧雰囲気で加熱蒸発し、蒸気タービン駆動で発電を行わせるため、安全性や環境汚染の問題が無い。しかも圧力の異なる2段階の蒸気サイクルの組合せで高効率化を可能とする。
本研究は、平成24年度に続き2年目(最終年度)の研究であり、初年度の高圧段(12kW)の成果を踏まえて、低圧段(8kW)を製作し、全体として20kW試験機で検証するものである。研究項目は、「(1)2段水ランキンサイクルの設計」、「(2)高速タービン発電機の開発」、「(3)低圧損コンパクト熱交換器の開発」、「(4)発電システムの製作および運転試験」、および「(5)実用機設計と普及シナリオの検討」の5項目より成る。本年度の成果として、(1)項においては、サイクル計算を見直し、全体発電効率6.4%(目標5%以上)達成可能であることを確認した。(2)項においては、ラジアルタービンの特性と水・ガス軸受構造の妥当性を確認した。(3)項においては、初年度データを踏まえ蒸発器と復水器の適正面積を見直した。(4)項においては、高圧段のみで13kWの発電を確認するとともに、低圧段を加えた全体システムとしての運転試験を行った。 (5)項においては、全国の代表的なバイナリー発電の実施場所やメーカを訪問・調査し、バイナリー発電技術の導入・普及・拡大に向けた課題と対策を整理した。以上を踏まえ、実用機(50kW機)におけるコスト低減方策の検討を行い、量産時のコスト目標が充分達成可能であるとの結論を纏めた。
(目 次) 第I編 研究概要
第II編 内容
第1章  2段水ランキンサイクルの設計
1.1. システム概念および特徴
1.2. 全体系統
1.3. 熱物質収支および性能予測
1.4. 主要機器・補機の設計
1.5. その他設計上の重要配慮点
第2章  高速タービン発電機の開発
2.1. 要素技術の開発
2.2. タービン発電機の製作
第3章  低圧損コンパクト熱交換器の開発
3.1. 要素技術の開発
3.2. 試験装置用熱交換器
3.3. 新型熱交換器概要
第4章  発電システムの製作および運転試験
4.1. 発電システムの製作
4.2. 運転試験(試験データにより目次変更)
第5章  実用機設計と普及シナリオの検討
5.1. 実用先候補の案件調査
5.2. 実用機におけるコスト低減の検討
5.3. 導入シナリオ(CO2削減効果含む)
第6章  まとめ

4.8 洋上風力発電導入促進に関する研究

(プロジェクト名) 洋上風力発電導入促進に関する研究
(報告書名) 洋上風力発電導入促進に関する研究 成果報告書
(報告書番号) IAE-1313108
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)  近年、風力発電の導入促進において、陸上での適地の減少により洋上への設置検討が進められている。日本列島周辺海域は、陸から少し離れるだけで水深が深くなり、着床式が成立する深さを越えてしまう。よって、浮体式の適用性が期待されている。銚子、北九州(着床式)、福島、五島列島(浮体式)の先導的洋上風力の実証試験により、性能評価や安全評価など技術的観点での検討が進められている。
そこで、今後導入拡大が予想される洋上風力発電について、陸上風力発電と異なる内容の整理、及び標準化に向けた検討項目の明確化や規制内容の整理を行い、規制の必要な項目について詳細内容を検討すると共に、洋上風力導入の手引書(特に、浮体式)を作成することを目的とする。
平成25年度はフィージビリティスタディとして、国内外の現行基準等の整理や関係者との意見交換により、陸上風力発電と異なる内容、及び標準化に向けた検討項目や規制内容の整理を行った。
現行基準等の整理、必要項目の抽出検討及び内容整理については、ヨーロッパにおける開発動向を中心に調査した結果、新しい動きとして、保守の容易さなどから縦軸型などの試みが見られた。IEC61400規格では、接地に関して海水の抵抗率の低さから問題視しておらず、電力ケーブル、電気設備の耐振性については詳細な記載がなかった。また、実証事業関係者へのアンケート、ヒアリング結果から、使用前自主検査の簡便化、航路標識の高い運用率の確保等が共通の課題として挙げられた。上記情報から課題の全体マップ(暫定版)を作成し、検討委員会で「電気設備の接地」、「海底ケーブル」、「縦軸風車」を重点化例として抽出した。
また、学識経験者や関係する産業界メンバーの参加を得て検討委員会を設置し、必要項目抽出のアプローチ方法や次年度重点項目等の検討・審議を行った。
(目 次) 1. はじめに
2. 全体の事業目的
3. 事業内容および実施方法
3.1 現行基準等の整理、必要項目の抽出検討及び内容整理
3.1.1 国内外の技術動向や現行基準の整理
3.1.2 実証事業等の活動内容の整理
3.2 手引書のフレームワーク検討
3.3 委員会の設置
4. 現時点で想定される成果の普及シナリオ-体制
5. 本年度の達成状況
5.1 本年度の事業目的
5.2 現行基準等の整理、必要項目の抽出検討及び内容整理
5.2.1 国内外の技術動向の整理
5.2.2 現行基準の整理
5.2.3 実証事業等の活動内容の整理
5.2.4 必要項目の抽出検討
5.3 委員会の設置
6. 次年度以降の実施計画(方針)

(ウ)省エネルギーに関する調査研究

4.9 エネルギーマネジメントシステム等の省エネルギーに関する国際標準化に関する調査研究

(プロジェクト名) エネルギーマネジメントシステム等の省エネルギーに関する国際標準化(フォローアップ)
(報告書名) 「平成25年度社会ニーズ(安全・安心)・国際幹事等輩出分野に係る国際標準化活動 エネルギーマネジメントシステム等の省エネルギーに関する国際標準化に関する調査研究」
(報告書番号) IAE-1313107
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)  企業活動等の根幹をなすエネルギーについて、その効率的な利用を進める上で活用できるエネルギーマネジメントシステムの国際標準化は、企業の自主的な省コスト・省エネ・環境負荷低減努力を促進するものであり、その重要性は高い。また、省エネルギーの評価手法や測定方法などエネルギーマネジメントをサポートする国際規格の開発も重要となってくる。これらの国際規格が普及することにより国内外の多くの組織が効率的にエネルギーマネジメントを実践し、省エネルギーの促進やエネルギーコストを低減することで、温暖化対策等を推進することができる。また、海外展開する我が国の製造業やエネルギーサービス業等の企業が同じエネルギーマネジメント及び省エネルギーの評価及び検証に関する国際規格を扱うことで、効率的なエネルギー削減を行うことができ、その優れた部品・製品・サービスや評価手法が世界的に普及し、我が国の国際競争力が増強されていくものと期待される。
そこで、エネルギーマネジメントシステム(EnMS)規格を含む関連国際規格開発及びプロジェクト、組織及び地域における省エネルギーの決定のための一般的技術ルール関連の国際規格開発において、我が国の省エネルギー対策、温暖化対策等の実践を踏まえるとともに、我が国の産業の国際競争力強化を十分に踏まえて国内外の関係者と調整しつつ国際標準案を作成し、我が国の意見を積極的に反映し、対応するISOの規格開発組織に提案することを目的として、
(1) プロジェクト、組織及び地域における省エネルギーの決定のための一般的技術ルール関連の国際規格開発並びにエネルギーマネジメントシステム(EnMS)規格の関連国際規格開発において、複数の規格開発に対する我が国の対応体制の構築と、我が国の対案(ビジネスプラン、プロジェクト・WGなどの構造、新規規格提案)の開発
(2) 対応するTC内のWG、プロジェクトに必要に応じて参加し、我が国の国際標準案を開発し、当該TCの提案、さらにISO50001、その他の本規格に影響を与えうる国際的な動向について情報収集を行い、必要に応じて本規格の対案作成や国際会議への対応
を実施した。
(1)について、ISO/TC242(エネルギーマネジメント)において、4件のCD案・DIS案及び1件のDIS案の開発を行った。ISO/TC257(プロジェクト、組織及び地域における省エネルギーの決定のための一般的技術ルール)において、2件のWD案、2件のCD案及びDIS案の開発を行った。
(2)について、ISO/TC242において、国内審議委員会・WGで各分野にまたがる全委員の方々からの意見を各ドラフト、団体ごとに集約し、我が国の現状を踏まえた対応案(コメント表)を作成した。南アフリカで開催された第7回国際会議には我が国より5名、イギリス、カナダで開催された第2回、第3回国際WG会議には我が国よりそれぞれ3名、3名(うち1名はWeb会議)が参加し、積極的に討議に参加して我が国の主張を反映させた。準備段階の2件(段階的導入、エネルギーサービス)の動向を調査した結果、準備を継続しており、表立った動きはなかった。ISO/TC257において、国内審議委員会・WGで各分野の委員の方々から意見を集約し、我が国の主張を継続し反映させた。フィンランドで開催された第3回国際会議には我が国より1名が参加し、また、TC242WG国際会議で開催されたJWG4会合にも参加し、積極的に討議に参加して我が国の主張を反映させた。
(目 次) 1.本事業概要
1.1 調査研究の目的
1.2 調査研究の内容
1.3 実施体制
1.4 活動経緯
2.標準化調査研究の取り組み(ISO/TC242における国際標準化)
2.1 TC242の概要
2.2 TC242国際標準化事業進捗報告
2.3 今後の予定とまとめ
3. 標準化調査研究の取り組み(ISO/TC257における国際標準化)
3.1 ISO/TC257の概要
3.2 TC257国際標準化事業進捗報告
3.3 今後の予定とまとめ

4.10 高効率電気機器に係る国際事業への貢献

(プロジェクト名) IEA/4E関連調査
(報告書名) 平成25年度 IEA/4E関連調査研究
(報告書番号) IAE-1313701
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)が実施している「電気製品の省エネルギーに関する国際協力実施協定(IEA-4E)」の理事会およびMapping & Benchmarking Annex他の関連アネックス活動にかかわる様々な情報を収集して分析し、その結果をわが国の対応方針に反映させるための提言をまとめた。
経済協力開発機構(OECD)の下部組織であるIEAは、各国政府が各種電気製品のエネルギー効率を高める政策を立案するのを支援するために、国際協力実施協定の一つとして2008年に4E(= Efficient Electrical End-Use Equipment)を設立した。2014年3月時点でこの国際協定には12ヶ国(オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、フランス、日本、韓国、オランダ、スウェーデン、スイス、英国および米国)が参加している。
参加は原則としてOECD加盟国であるが、実態としては非加盟国も含めてすべての国にオープンである。わが国は2010年7月にSSL(LED照明)アネックスが設立されたのを契機に、2010年9月に4E実施協定加盟の意思を表示し、正式な手続きは2010年末に完了した。
わが国は2008年の当協定発足当初から参加への関心を表明してきたこともあり、Executive Committee (ExCo) には第1回以来オブザーバ出席を続けてきた。2013年は通算第11回が5月にフランスで、第12回が11月に米国で開催された。
4Eの具体的な活動は、参加国の合意が得られた目標と活動計画を掲げるアネックス(分科会)が実行する。各アネックスには1ヶ国以上のLeading Country(主担当国)を置くことになっている。現在活動中のアネックスは、上掲のSSLアネックスの他に、マッピングおよびベンチマーキング、電動機、スタンバイ・パワーがある。さらに”スマートメータリング”と”新技術を活用した標準化”についてアネックスを立ち上げることが提案されている。
4E実施協定は2013年で第I期の5年間が終了し、継続して第II期が開始されることとなった。日本は、第I期においてはマッピングおよびベンチマーキングとSSLのアネックスに参加してきたが、第II期においてはマッピングおよびベンチマーキングのみの参加とする予定である。
(目 次) 1. 緒言
2. 調査活動の内容
3. IEA-4E 実施協定の概要
4. 理事会(ExCo)の状況
5. マッピングおよびベンチマーキング・アネックスの状況
6. その他のアネックスの状況
7. SEAD との連携・協力
8. 調査結果のまとめ
9. 結言

5.水素エネルギー関連

(ア)CO2フリー水素(CO2排出なしに製造される水素)に関する調査研究

5.1 再生可能エネルギーの貯蔵・輸送等に係るコスト分析に関する調査研究

(プロジェクト名) コスト分析ガイドライン作成とエネルギーキャリアのコスト分析の初期計算 1式
(報告書名) コスト分析ガイドライン作成とエネルギーキャリアのコスト分析の初期計算 1式報告書
(報告書番号) IAE-1313401
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)  「再生可能エネルギー貯蔵・輸送等技術開発」のトータルシステム導入シナリオの作成に資するために、本分析では、下記に示す、コスト分析に必要な技術情報の収集と管理、コスト・効率分析のためのコスト分析フレームワークの開発、コスト分析フレームワークを用いたコスト・効率分析、シナリオ検討のために有用なデータ提供を行った。
(1)技術情報の収集と管理
「再生可能エネルギー貯蔵・輸送等技術開発」参画機関等からのヒアリング、文献調査等により、コスト分析に必要な技術情報(電力・エネルギーキャリアに関連するコスト及びコスト分析に必要な技術的情報)を収集した。収集した情報は、共通技術(水電解)、及び評価対象エネルギーキャリア(液化水素、トルエン・メチルシクロヘキサン)である。
(2)コスト・効率分析のためのコスト分析フレームワークの開発
キャリア間の公平な比較を行うために、横串を通して分析できる条件(内部、外部)の設定方法やコスト分析方法を含むコスト分析ガイドラインを開発した。また、開発にあたって生じた課題を次年度以降の検討材料としてまとめた。
(3)コスト・効率分析
収集した技術情報と開発したコスト分析ガイドラインを用いて、比較対象のキャリアのコスト分析・効率分析を行った。また一部のパラメータについては感度分析を行った。エネルギーキャリア合成から水素精製までのコストは、現状を想定した条件で21~36円/Nm3-H2に分布した。感度分析した範囲では、設備費がエネルギーキャリア合成から水素精製までのコストに与える影響が大きいことがわかった。次年度以降の検討材料とするため、コスト分析ガイドライン開発やコスト分析の過程において生じた課題を抽出した。
(4)シナリオ検討のために有用なデータ提供
その結果をシナリオ検討のために提供した。具体的には、ステアリングコミッティ、各種WGでの報告を実施し、出席者との議論を経て考察を深め、コスト効率分析やコスト分析ガイドラインに反映した。
(目 次) 1. はじめに
2. エネルギーキャリア技術のコスト分析
2.1 分析の概要
2.2 エネルギーキャリア関連技術情報収集
2.3 コスト分析ガイドラインの開発
2.4 コスト分析ガイドラインを利用したコスト・効率の評価
2.5 シナリオ検討のために有用なデータ提供
2.6 エネルギーキャリア技術のコスト分析WGにおける報告
2.7 エネルギーキャリア技術のコスト分析まとめ
参考文献

(イ)水素の製造、輸送、貯蔵、利活用に関する調査研究

5.2 低炭素エネルギーキャリア導入に伴う世界の長期的エネルギー需給への影響評価

(プロジェクト名) 低炭素エネルギーキャリア導入に伴う世界の長期的エネルギー需給への影響評価の枠組み構築
(報告書名) 低炭素エネルギーキャリア導入に伴う世界の長期的エネルギー需給への影響評価の枠組み構築―世界の長期的エネルギー需給への影響評価-報告書
(報告書番号) IAE-1313402
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  低炭素エネルギーキャリアの実用化と普及にあたっては、競合する既存エネルギーとそれを利用する技術との代替関係も含めた二酸化炭素排出削減の可能性と、長期的エネルギー需給への影響を検討する必要がある。低炭素エネルギーキャリアは、化石エネルギーや再生可能エネルギーを起源として様々なエネルギー変換や輸送・貯蔵プロセスを経て製造される。また、その導入により二酸化炭素排出削減が見込めても、エネルギーシステム全体の中で、他のエネルギー源やエネルギー技術と比較し、その導入・利用によるメリットがないと、大量普及が進まない可能性がある。低炭素エネルギーキャリアは、その生産、輸送、需要などの側面における二酸化炭素排出削減において、国内にとどまらず、世界的な長期エネルギー需給に影響をもつ可能性がある。本調査は、それらの影響を包括的に評価するため、世界多地域統合評価モデル(GRAPE)のエネルギーモジュールを用いて、長期的なエネルギーシステムにおける低炭素エネルギーキャリアの導入可能性を含めた、エネルギー需給シナリオを分析評価することを目的としている。
本年度の調査においては、水素を搬送するための各種エネルギーキャリアを加えたGRAPEのプロトタイプモデルの構築を行った。分析対象は、これまでの種々の研究機関で実施されている研究開発等を考慮し、液体水素、アンモニア、トルエン/メチルシクロヘキサン(以下、MCHとする)の3種を選択した。プロトタイプモデルの構築にあたっては、暫定的に以下の条件を設定し、それぞれのキャリアの文献データ等を用いた。
海外で石炭、天然ガスの改質や風力、太陽光、水力発電の水電解により製造された水素ガスを、液体水素、アンモニア、MCHのエネルギーキャリアに変換して、水素輸入を行うと仮定した。液体水素の場合は冷却・液化、アンモニアの場合はアンモニア合成、MCHの場合はトルエンの水素添加反応により、それぞれ水素エネルギーキャリアとして日本に運ぶ。
輸入されたキャリアについては、液体水素は気化、アンモニアは分解、MCHは脱水素により、高純度水素ガスに変換する。水素需要に関しては、輸送用として、自動車(水素エンジン車、FCV)、バス・トラック(FCV)、航空・船舶(水素燃料)を、定置用として、天然ガス混焼、民生用燃料電池(FCコジェネ)、水素ガスエンジンコジェネを、電力用として水素大規模発電を想定した。
構築したプロトタイプモデルを用いて、複数のシナリオを用いた2050年までの暫定試算を行った。文献等によるコストを2050年まで固定するコスト固定ケース、2030年にコストが2020年の2/3となり、その後そのコストが2050年まで続くとする低コストケース、CO2制約無ケース、CO2制約有ケース(1990年比で2050年CO2排出量世界半減)を設定し、この4ケースを組み合わせたシナリオを用いた。低コストの設定をすることで、 キャリアの導入が促進されCO2削減が進む、CO2制約を設定することでキャリアの導入が促進されるという暫定試算結果が得られた。
この結果から、プロトタイプモデルが問題無く動作することを確認するとともに、低炭素エネルギーキャリアの導入が、既存のエネルギーシステムとの対比においてCO2削減効果をもつ可能性が示唆された。今後は、キャリア別の用途想定の評価済みデータを入力した場合の試算を行い、さらにモデルを拡充していく予定である。
(目 次) 1. 国や部門の詳細分析を可能とするためのモデルフレームワークの変更
1.1 世界多地域モデルGRAPEの概要
1.2 推計の全体構成
2. 世界地域別エネルギー需給構造の推定
2.1 活動量
2.2 エネルギー需給の推計
2.3 CO2排出量
2.4 コスト比較
3. COP19における広報用スペースの運営・管理の現地支援

6.化石エネルギー関連

(ア)次世代火力発電技術の動向と開発に関する調査研究

6.1 CO2分離型化学燃焼石炭利用技術に関する調査研究

(プロジェクト名) ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト ゼロエミッション石炭火力基盤技術開発
次世代高効率石炭ガス化技術最適化調査研究 「CO2分離型化学燃焼石炭利用技術に関する検討」
(報告書名) ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト ゼロエミッション石炭火力基盤技術開発
次世代高効率石炭ガス化技術最適化調査研究 「CO2分離型化学燃焼石炭利用技術に関する検討」平成25年度成果報告書
(報告書番号) IAE-1313503
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  石炭はわが国において重要な基幹エネルギーであるが、石炭火力発電は地球温暖化の一因とされるCO2の排出原単位が高く、石炭の高効率利用技術もしくは、CO2の分離回収・貯留技術(CCS)の確立など、積極的な対応が急務となっている。
CO2の分離回収技術として、微粉炭火力の排ガスから化学吸収液によるポストコンバッションや、IGCCの生成ガスから化学吸収または物理吸収法による、プレコンバッションが実用段階にあるが、分離吸収に要するエネルギーが膨大であり発電効率を10ポイント近く低下させるため、資源的・経済的な課題を抱えている。この課題を克服する新技術として「CO2分離型化学燃焼石炭利用技術」、通称ケミカルルーピング(CLC)が欧米を中心に、研究開発が進められている。
CLCは石炭と酸素との燃焼反応ではなく、金属酸化物の酸素と石炭を反応させる化学燃焼であり、発電に必要な熱を発生するとともに、排ガスを高濃度のCO2として回収できるため、分離回収に殆どエネルギーを使わない、CCSに適した新技術である。わが国でも2012年度からNEDOの委託事業として調査研究が始められ、2013年度はCLCのマーケット調査や、プロセスの概念設計などが実施された。
当研究所では初期の実用化段階で導入が期待される、製紙会社、セメント会社など中小の産業用ボイラー市場についてヒアリングを中心に調査し、産学官の有識者による委員会において、CLC開発の意義・必要性や、実用化に至るまでの研究開発の進め方などについて、幅広い意見を集約し取りまとめた。
(目 次) はじめに
1. 調査の概要
2. 市場調査
3. 技術調査
4. 実用化に向けた技術開発ロードマップの作成
終わりに

6.2 次世代高効率石炭ガス化技術に関する調査研究

(プロジェクト名) ゼロエミッション石炭火力基盤技術 次世代高効率石炭ガス化技術最適化調査研究 「次世代高効率石炭ガス化技術に関する検討」
(報告書名) 平成25年度成果報告書 ゼロエミッション石炭火力基盤技術
次世代高効率石炭ガス化技術最適化調査研究 次世代高効率石炭ガス化技術に関する検討
(報告書番号) IAE-1313502
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  高効率石炭火力発電として期待されている石炭ガス化複合発電(IGCC)の次世代技術として、技術的に確立している噴流床ガス化炉に、水蒸気を添加したときのガス化炉の性能解析およびIGCC全体のシステム解析により、熱効率(冷ガス効率)向上の見通しを検討した。
世界で開発されている、冷ガス効率向上の可能性のある低温ガス化技術の最新動向として、米国Southern Company社のKemper IGCCについて、循環流動床をベースとしたTRIG技術(ガス化温度930~1,100℃)の建設状況を調査した。本プラントは米国で初めてのIGCCプレコンバッションによるCCS(CO2回収率65%)も採用しており、回収したCO2はEORに利用(一部固定)される予定で、2014年秋以降の運転開始が待たれている。
更にバブリング流動床の中国SES社U-Gas炉(同950~1,100℃)についても、冷ガス効率向上に寄与する生成ガス中のメタン濃度などを聞取り調査した。また、研究開発段階である触媒ガス化(同600~700℃)についても文献調査し、DOEのプログラムとしてExxonMobilが開発した技術をベースとして、近年、GreatPoint Energy社によりBlueGas Processの技術開発が実施されており、これらのデータから、メタン濃度の増加による低温ガス化による冷ガス効率向上の可能性を見いだした。
(目 次) まえがき
要約(和文)
Summary(英語)
1. 実施概要
2. 噴流床ガス化炉における水蒸気添加の影響と熱効率向上の評価
3. 世界の石炭ガス化技術の調査
4. 高効率ASUによる所内率低減の検討と課題抽出
まとめ

6.3 エネルギー需給における石炭の役割と今後のCCT技術開発に関する調査

(プロジェクト名) エネルギー需給における石炭の役割と今後のCCT技術開発調査
(報告書名) ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト/クリーン・コール・テクノロジー推進事業/エネルギー需給における石炭の役割と今後のCCT技術開発のあり方に関する検討
(報告書番号) IAE-1313504
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  2014年2月に経済産業省より公表されたエネルギー基本計画(案)に沿って、石炭火力発電所等の現状調査から始め、原子力発電の再稼働率をパラメータとして、経済性を考慮した化石燃料のベストミックスを分析し、LNGや石炭、石油火力発電所の電源構成の推移を分析した。また導入される最新鋭の石炭火力発電におけるCO2排出量から、A-USCやIGCCなどの高効率発電の必要量や、2025年以降導入が検討されているCCSについても検討項目に加え、石炭火力発電の導入シナリオを検討した。原子力の安全審査が2025年までに完了し、48基の原子力発電所について100%、70%、50%が復帰する3ケースで検討を行い、再生可能エネルギーは2040年に電力量の11%を占めると想定して、一次エネルギー供給と電源構成の推移を2050年まで推定した。政府がCOP19で掲げた2020年のCO2削減目標2005年比3.8%は、原子力が100%復帰したケースのみ達成可能であるが、2025年以降は人口減などで電力需要そのものが低下するため、いずれのケースでも2005年比3.8%減は達成している。産業別のCO2削減目標見直しなどで今後検討の余地はあると考える。
2025年までの電源構成は、新設火力のほとんどがLNG火力のため、原子力停止分は2012年同様にLNGと石油でカバーすることになり、化石燃料費は原子力50%復帰ケースの2020年に8兆円がピークとなる。震災前の燃料費レベルに戻るのは、電力需要が低下する2030年代以降となる。石炭火力は60年の耐用年数を経過した発電所から、順次A-USCまたはIGCCでリプレースするとしており、いずれのケースでも2020~2050年の電源構成は30%前後であり、稼働率も70%を越える高稼働率である。
化石燃料費節減策として、2025年以降に積極的に高効率石炭火力とCCSを導入するシナリオを想定したケースで、2030年から効果が出始め2035年以降は化石燃料費が約5,000億円節減できる。現在の電源開発計画では建設中の発電所の大半が、高効率なLNG複合火力であり、計画中を含めても石炭火力の新・増設は少なく、CO2削減の観点から、高効率石炭火力導入のためには新たなシナリオが必要と考える。原子力の新設は無しとの仮定のため、2040年以降の電力量シェアは20%を下回り、化石燃料が約70%を占める。原子力の再稼働の状況によらず、現在の電源構成では2025年までは、石油火力とミドル運用で比較的稼働率の低かったLNGに頼らざるを得ないのが実情であり、貿易赤字解消の手立ては難しいと考える。
(目 次) 概要
1. 一次エネルギー供給における石炭の役割に関する調査
1.1 石炭火力発電所等の現状調査
1.1.1 石炭火力発電所
1.1.2 原子力
1.1.3 LNG
1.1.4 石油
1.1.5 石炭火力発電所の運用性向上技術調査
1.1.6 まとめ
1.2 一次エネルギー供給と電源構成の推移の検討
1.2.1 解析条件
1.2.2 発電電力量および電力構成
1.2.3 ピーク電力に電力供給
1.2.4 二酸化炭素排出量
1.2.5 発電用燃料の使用量及び燃料費
1.2.6 まとめ
1.3 石炭火力導入シナリオ検討
1.3.1 発電電力量および電力構成
1.3.2 二酸化炭素排出量
1.3.3 発電量燃料の使用量及び燃料費
1.3.4 まとめ
1.4 まとめ

(イ)化石燃料利用に係る課題に関する調査研究

6.4 キルギス熱供給所ボイラ更新のCO2削減ポテンシャルおよび現地人材の育成検討

(プロジェクト名) キルギス熱供給所ボイラ更新のCO2削減ポテンシャルおよび現地人材の育成検討
(報告書名) キルギス熱供給所ボイラ更新のCO2削減ポテンシャルおよび現地人材の育成検討に関する技術調査業務報告書
(報告書番号) IAE-1313911
(発行年月) 2014年2月
(要 旨)  キルギスを対象に、石炭の高効率利用に関する設備、技術に係わるプロジェクト形成に必要な基礎情報の調査を実施した。わが国で開発された流動床ボイラの熱供給所への適合可能性について、現地調査に基づき工業化の規模、エネルギーの需給状況、石炭の性状、等々に関する検討を行った。既存の熱供給所の現状調査の結果、毎時20トンの蒸気を発生する流動床ボイラで対応することが最適であることが判った。更新ボイラの設置計画を検討するとともに、CO2削減ポテンシャルの検討を行った。
既存のボイラは老朽化が激しく、燃焼灰中の未燃分が多く、更新ボイラにより燃焼効率が2倍以上改善されることが明らかとなった。
現地人材の育成検討を実施した結果、ボイラ製造技術については、スーパーバイザーで対応できると判断された。ユーザー側の人材育成については1ケ月程度の研修が必要と判断され、研修計画を立案した。
(目 次) 1. キルギス熱供給所ボイラ更新のCO2削減ポテンシャル
1.1 既存の熱供給所の現状
1.2 更新ボイラの設置計画
1.3 更新ボイラによるCO2削減ポテンシャル
1.4 まとめ
2. 現地人材の育成検討
2.1 ボイラ製造
2.2 ユーザー側の人材育成

6.5 石油精製・石油化学設備の寿命予測システムに係る調査研究

(プロジェクト名) 石油精製・石油化学設備の寿命予測システムに係る調査研究
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨)  石油精製・石油化学設備における機器などについて、部位部品レベルの劣化モードの集積と解析、各劣化モードについて寿命データの蓄積と寿命予測手法の開発を検討した。具体的には、工業用水、海水の熱交換器の腐食管理プログラムおよびニューラル・ネットワーク法を用いた配管外面腐食管理プログラムを開発運用した。

7.原子力関連(原子力工学センターに係わるものは除く)

(ア)原子力安全に関する調査研究

7.1 核燃料サイクル技術の安定性に関する検討

(プロジェクト名) 核燃料サイクル技術の安定性に関する検討
(報告書名) 核燃料サイクル技術の安定性に関する検討 第一ステップ 第二ステップ報告書
(報告書番号) IAE-1323715-1/-2
(発行年月) 2013年9月/12月
(要 旨)  幾度かの竣工時期の延期を経てきた六ヶ所再処理工場において、試験運転の最終段階であるガラス固化試験が2013年5月末に完了したことを契機として、再処理、放射性廃棄物処理・処分に関する技術的な視点から、自主研究「核燃料サイクル技術の安定性に関する検討」を行うこととした。本検討は、2つのステップより構成されており、第一ステップは「再処理工場におけるガラス固化設備の安定運転実現に向けた見通し」、第二ステップは「再処理工場の安定した運転に関する課題と見通し」についての技術的検討と評価である。実施に当たって、事業者(日本原燃(株))に関連技術資料の提供を求めるとともに、内容聴取を行った。いずれのステップにおいても、客観性を確保するために、学識経験者により構成される委員会を設置して検討を行った。技術的評価・検討に先だって、「安定運転」とは、当該設備・機器の性能を安定に維持し、それに基づき、所定の期間を運転し所定の処理量を達成すること、と定義し、それに基づき、2つのステップそれぞれについて評価に係わる検討の視点を策定した(第一ステップでは3項目、第二ステップでは4項目)。2つのステップをまとめて技術的評価を行った結果を以下に示す。
・ガラス固化設備を含む再処理工場全体として、安定運転に向け、準備が整っているものと評価できる。
・先行施設の情報に基づく不具合発生の未然防止、不具合発生時の日本原燃㈱社内対応体制の整備と社外サポート体制の構築により、経験工学的要素がある再処理工場において、想定していない事象も含む不具合に対して適切な措置が講じられるものと期待される。
・今後、高経年化等が想定される設備・機器に関しては、長期的安定運転の観点から、早期にリプレース等の計画を準備し、長期にわたる運転の停止を回避する方策の具体化が望まれる。
・長期的には、ガラス固化における新型溶融炉の開発等、抜本的な改善策により廃棄物減容化を目指すことが望まれる。
・長期的な安定運転の観点から維持基準に基づく設備の保全が重要であるが、規制機関が主体となった維持基準規格化への検討が進められることが望まれる。
(目 次) 概要
1. はじめに
2. 検討の視点
3. 検討の手順と方法
4. 事業者から聴取した技術情報
5. 安定運転の見通しに対する技術的検討と評価
6. まとめ
付録
添付資料

7.2 世界と日本の原子力導入動向に関する調査

(プロジェクト名) 世界と日本の原子力導入動向の調査
(報告書名) 世界と日本の原子力導入動向の調査
(報告書番号) IAE-1313906
(発行年月) 2014年3月
(要 旨) 1. 世界と日本の原子力導入動向の調査
福島第一事故を契機として、ドイツ、スイス、ベルギーは原子力フェーズアウトを選択した。他方、原子力を進める国は、原子力の安全対策を厳しく見直した。世界の運転中原子炉は2013年10月現在434基371GWeあり、その88%が軽水炉である。世界全体としては、原子力開発は緩やかに進むが、中国が急速に実力を付けてきており、ロシアの海外展開も着実に進んでいる。
(1) 日本の原子力発電の再稼働と将来
日本は、2013年9月15日からは、原子力発電は全て停止したままである。新規制基準適合性審査は17基に対して進行中である。審査状況から、大飯3、4号、伊方3号、川内1、2号及び玄海3、4号が比較的早く再稼働するものと予測した。新規制基準適合性審査に合格した後、原子力規制委員会が立ち会う最終使用前検査に至るまでには、設置変更許可や地元了解などの手続きが控えている。
(2) ドイツは本当に脱原発ができるか、方針が変わる可能性
福島第一事故後のドイツは、8基の原子炉(8.3GWe)を閉鎖した。残りの9基(12GWe)は稼働している。Energiewende(エネルギー転換政策)により、消費電力の再エネ比率を35%(2020年)、50%(2030年)、80%(2050年)とする目標を挙げたが、3大問題(閉鎖した原子炉相当の発電規模の代替、間欠性再エネに伴うシステム脆弱性、電力網の安定性)がある。家庭用電気料金はフランスの約2倍程度に高騰した。Bavaria州が高圧送電線導入に反対する事情には、4基の原子炉5.5GWeが閉鎖に追い込まれて、北部からの風力に依存することを好まないという南北問題も絡んでいる。
(3) フランスの原子力依存削減政策
1年にわたり、17万人が参加したエネルギーディベートが実施された。インターネットからは、1200の投稿があった。しかし、フランスの原子力削減は、まだ眼に見える形には現れていない。効率の悪いガス拡散Eurodif濃縮プラントGeorges Bess Iが閉鎖され、最新鋭の遠心分離濃縮工場Georges Bess IIが2010年から立ち上がり、消費電力が2.5%になった。このため、専用に電力を供給していた3基の900MWe-PWRの電力に余裕が生じている。さらに、ドイツからの再エネ(補助金付、出力変動大)と石炭火力(安価)による電気の流入により、原子力発電の稼働率が低下している。
2. 原子力発電の課題と対応に関する国際動向の調査
(1) ウラン資源確保をめぐる国間の問題
中国では20基の商業炉が運転中、30基以上が建設中、35基が計画中である。さらに、パキスタン、アルゼンチン、ブラジル、英国などの海外への展開を図っている。ウラン資源の確保のために、ナミビアなどのウラン鉱山に投資している。また、ウラン濃縮工場建設、再処理工場建設も進めている。
(2) 使用済燃料の処分に関する現状、政策や動向
使用済燃料を含むHLW(高レベル放射性廃棄物)の地層処分について、現状や政策などの動向を調査した。スウェーデン、フィンランドでは、処分地の立地・建設許可申請が提出され、2020年代の操業開始を予定している。フランス、スイスは遅れているが、候補サイトを決める作業は進行している。地層処分場選定は世界的に遅れ気味ではあり、日本も未定である。
(3) 再処理技術は出来ない/出来てない/なぜ日本で出来ないのか
日本原燃(株)は、新規制基準適合性に係る審査(核燃料施設等)を申請し、2014年1月7日受理された。再処理工場は審査中である。
(目 次) 1. 世界と日本の原子力導入動向の調査
(1) 日本の原子力発電の再稼働と将来
(2) ドイツは本当に脱原発ができるか、方針が変わる可能性
(3) フランスの原子力依存削減政策
2. 原子力発電の課題と対応に関する国際動向の調査
(1) ウラン資源確保をめぐる国間の問題
(2) 使用済燃料の処分に関する現状、政策や動向
(3) 再処理技術は出来ない/出来てない/なぜ日本で出来ないのか

(イ)将来型原子力システム等に関する調査研究

7.3 高温ガス炉プラントに関する調査研究

(プロジェクト名) 高温ガス炉プラントに関する研究
(報告書名) 平成25(2013)年度 高温ガス炉プラントに関する研究 報告書
(報告書番号) IAE-1313905
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  人類社会の持続可能な発展のためには、エネルギーの安定供給と環境保全の確保が不可欠である。原子力エネルギーの利用は、安全性に対する信頼を回復することが最優先課題であるが、エネルギー供給の安定性や地球温暖化防止の観点から極めて重要で、このことに大きく貢献することが期待できる。より安全で、かつ持続可能な次世代原子力プラントの開発は重要な視点であり、世界各国において研究開発が進められている。その中で高温ガス炉は、エネルギー密度が比較的低いことや、反応度フィードバック効果などの物理的な仕組みから、シビアアクシデントを非常に起こしにくい、次世代のエネルギー源として期待されている。さらには、水素製造にも利用できるというメリットもあり、米国、中国などでは積極的な研究開発が進められている。我が国においても日本原子力研究開発機構や諸メーカで世界をリードする研究・開発が行われている。
日本原子力研究開発機構では、平成22年12月には炉心の冷却材流量を喪失させる実験を実施し、このような厳しい冷却能力喪失時における高温ガス炉の安全性を実証している。また、ヘリウムガスタービン発電システムや水素製造システムも開発中である。さらに、発電、水素製造、地域暖房を目的として始まったカザフスタン共和国の高温ガス炉(KHTR)開発プロジェクトに全面的に協力中である。
中国においては、実証炉(HTR-PM)の建設が開始され、その他の実証プロジェクトも検討が進んでいる。南アフリカでは、新たにトリウムを使う高温ガス炉のプロジェクトが始まっている。IAEA、OECD、米国、欧州、日本のメーカの動き等も活発となっており、高温ガス炉に対する関心は、世界的にますます高くなっている。これらに伴って、国際協力もより積極的に進められている。
このような中で、平成25年度は、有識者による講演・意見交換、ANS SMR 2013等の国際会議に積極的に参加し、情報の入手、並びに海外参加者との情報交換を通じて、最新の海外動向を把握した。また、平成25年4月より立ち上がった日本原子力学会「高温ガス炉の安全設計方針」研究専門委員会の活動の支援を行った。さらに、定期講演会の開催、当研究所が事務局を務める高温ガス炉プラント研究会のホームページにより情報発信を行った。
(目 次) はじめに
関係者名簿
I.今年度の活動実績の概要
II.有識者による講演
III.調査・研究・評価
IV.まとめ

8.原子力工学センターにおける事業

(ア)軽水炉技術開発

8.1 発電用軽水炉の安全対策高度化技術開発

(プロジェクト名)
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨)  安全対策高度化技術開発「プラント安全性高度化」は、福島第一事故を踏まえ、深層防護の観点から発電用原子炉施設の安全性をさらに高度なものとするため必要な技術を開発することにより、我が国における原子力発電技術の水準の向上を図り、もって発電用施設の利用促進等を図ることを目的とするものである。なお、要素技術開発は、プラントメーカ3社が主体的に実施し、当研究所は、プロジェクトの着実な管理を実施するとともに、技術の導入に向けた基盤整備活動を実施した。
平成25年度の成果の概要は、以下の通りである。
(1) 要素技術開発
 平成25年度は、平成24年度までの成果を活用し、引き続き、下記の8つの要素技術開発を実施した。
・シビアアクシデント対策(炉心溶融デブリ対策(IVR))
・安全システムの高度化(自律安全系)
・炉心の安全性高度化(高度化炉心)
・高性能蒸気発生器の耐震性高度化(高性能蒸気発生器)
・シビアアクシデント対策(静的デブリ冷却)
・シビアアクシデント対策(静的格納容器除熱)
・格納容器の安全性高度化(SC構造を想定した事故評価手法高度化)
・免震システムの評価手法開発(免震装置の実証)
(2) プロジェクト推進(基盤整備)
プロジェクト推進は、プロジェクトの推進に係る会議体の運営や関係機関との連絡調整等を通して、PDCAサイクルを確保し、効率的かつ計画的に本プロジェクトを推進するものである。また、本プロジェクトにおいて開発される技術について、発電用原子炉施設への早期かつ円滑な導入を推進する基盤の整備活動を実施する。
今年度は、プロジェクトの着実な管理として、「運営会議」においてプロジェクト全体に係る計画や技術開発の進捗状況を確認するとともに、開発課題への対応を図り、PDCAサイクルを回して円滑かつ効率的な技術開発を推進した。また、「運営会議(幹事会)」では技術開発の具体的な計画策定、進捗フォローと調整を行い、具体的かつきめ細かな進捗管理を行った。さらに、「評価委員会」では、開発計画や技術アイデア公募について外部有識者による評価・助言をいただきながらプロジェクトを進めた。
基盤整備活動については、新技術等の円滑な導入に係わる規制上の課題への対応を図るため、福島第一事故の教訓を踏まえた国内の規制制度見直しの動向分析を行ったほか、欧米主要国の規制動向や原子力安全に係る国際動向について現地調査も含めて調査を実施し、安全規制に与える影響等の分析を行った。また、原子力分野以外の知見・経験を本プロジェクトに反映することを目的として、工学システムの安全目標及び化学プラントの安全確保の考え方に関する検討会を実施した。

(イ)原子力安全解析

8.2 福島第一原子力発電所事故に係る炉内事象の解析

(プロジェクト名) 平成25年度発電用原子炉等廃炉・安全技術基盤整備事業(過酷事故解析コードを活用した炉内状況把握)
(報告書名) 平成25年度発電用原子炉等廃炉・安全技術基盤整備事業
(過酷事故解析コードを活用した炉内状況把握)平成25年度成果報告書
(報告書番号) IAE-1383101
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  福島第一原子力発電所の中長期的な廃止措置等に向けた取組を着実かつ迅速に行う観点から、サイトのオペレーションから得られる情報とともに、これと並行して進められる事故進展解析技術の高度化による成果を用いて、炉内状況を推定・把握する取組みを継続的に進めている。
技術調査では、検証解析に適用できる実験データとして、XR2-1実験、DF-4実験等について詳細に調査した。また、過酷事故解析コードで使用している物性値データセットの根拠と精度について入手可能な資料に基づいて67の物性値を調査し、分析評価した。
SAMPSONコードの改良・解析では、摘出された課題に基づき、下部プレナムへの流出経路モデルの改良、高温条件における共晶反応及び酸化反応モデルの改良、下部プレナムにおけるデブリ・構造材相互作用モデルの開発等を実施した。また、SAMPSONコードの計算時間の短縮のため、FPTAモジュールを対象としたアルゴリズムの最適化、並列演算手法の改良等を実施した。
1号機の解析では、非常用復水器を配管、水タンク、熱交換器でモデル化するとともに、SRV(逃し安全弁)ガスケット等のリークを想定した解析により、実機計測値を説明できる原子炉圧力変化となることを示した。炉心の損傷燃料は大部分が格納容器床上に落下し、コンクリートが約0.4m浸食される解析結果となった。
2号機の解析では、RCIC(原子炉隔離時冷却系)の部分負荷運転を模擬し、水源の切り替え等も模擬することで、原子炉圧力の実測値を概ね再現できた。格納容器圧力についても、サプレッションプールへの流入蒸気不完全凝縮モデル、サプレッションプールからトーラス室への放熱、および格納容器破損によるリークを仮定することにより、実測値を再現できた。
3号機の解析では、RCIC、HPCI(高圧注水系)の部分負荷運転を模擬することで、原子炉圧力の実測値を概ね再現できた。格納容器圧力についても、サプレッションプールへの流入蒸気不完全凝縮モデル、格納容器スプレイ等を模擬することで、実測値を再現できた。
今年度の解析結果、PIRT(Phenomena Identification and Ranking Table)重要課題の分析、国内外専門家との議論から、SAMPSONコードの今後の課題を明確にした。
炉内及び格納容器内の状況に関する分析・評価では、サプレッションプール内温度成層化及び蒸気不完全凝縮現象を3次元熱流動解析コードで評価し、サブクール水中に放出された蒸気が凝縮するときに発生するチャギング現象を再現できること、蒸気はベント管の出口で凝縮し、出口から上の温度は比較的均一になること等を明らかにした。
炉内状況把握に関する国際連携では、過酷事故解析コードに組み込まれているモデルの改良、及び過酷事故解析コードによる事故進展と溶融物の分布の把握を目的としたOECD/NEA BSAFプロジェクトを、8カ国の参加を得て推進した。2013年11月15-17日にパリのNEA本部で、プログラムレビューグループ会合及びマネージメントボード会合が開催された。また、情報開示を目的としたウェブサイトにおいて掲載情報を更新した。
(目 次) 要旨
第1章 緒言
第2章 コードの改良・モデルの追加の妥当性の確認
第3章 技術調査
第4章 SAMPSONコードの改良・解析
第5章 MAAPコードの改良・解析
第6章 シビアアクシデント進展の詳細分析に資する模擬試験等
第7章 炉内及び格納容器内の状況に関する分析・評価
第8章 炉内状況把握に関する国際連携
第9章 結言

8.3 地震動下における配管内乱流機構および配管振動機構の解明

(プロジェクト名) 地震動下における配管内乱流機構および配管振動機構の解明
(報告書名)
(報告書番号)
(発行年月)
(要 旨)  流路壁面が複雑に振動・変形する条件下での乱流解析を実施し、地震動下の配管内乱流シミュレーションに適した乱流モデルを提案すると共に、提案モデルを用いた地震動下における配管の流体・構造連成シミュレーションにより大規模プラント配管系の振動機構および耐震性に関する知見を得ることを目的とした流体構造連成シミュレーションを実施した。
最初に、壁面の複雑な振動・変形を考慮可能な乱流シミュレーション手法の開発およびVerification & Validationを実施した。流動解析アプリケーションとしてOpenFOAMを用い、振動・変形する壁面の取り扱いにおいてはImmersed Boundary法を採用した。本手法を開発する中で、Immersed Boundary法を用いた壁面の設定に、想定以上の処理時間を要することが判明した。壁面設定処理に一定以上の処理時間が必要となる場合、大規模な流体・構造連成シミュレーションの実施が困難となる。よって、Immersed Boundary法を用いた壁面設定手法の高速化に取り組み、最大で約20倍程度の高速化を実現した。V&Vの観点から、開発手法をチャネル乱流解析に適用し、乱流解析において妥当な結果が得られることを確認した。また、強制振動円柱周りの3次元流動解析に適用し、流体構造連成解析において妥当な結果が得られることを確認した。以上から、本手法を乱流シミュレーション、流体構造連成シミュレーションに適用できる見通しを得た。
次に、本手法を用いて壁面が正弦波で変形する乱流シミュレーションに着手した。計算条件としては、過去の解析結果の一つであるMaas and Schumann(1996)らの条件と同一のものとした。本シミュレーションを進めるに当たって、壁面振動時に発生する数値誤差に起因する圧力振動が大きな課題となった。よって、これらの数値誤差を低減するため、壁面が変形した場合に生じる時間的不連続性を修正する手法を新たに考案した。本手法は、壁面の移動に伴って流体セルが構造セル(構造領域内に存在する流体セル)、構造セルが流体セルに変化する際に生じる数値誤差を修正したものである。構造セルは流体計算の対象から外れるため、前時刻に存在した流体セルがいきなり消失することとなり、運動量保存が崩れ、圧力振動の要因となる。本手法はこのような時間的不連続性を改善するものである。本手法により、振動壁面を伴う乱流シミュレーションを安定して実行できるようにした。
また、配管の固有振動に影響を与える壁面圧力の変動周波数について検討をおこなった。本解析結果では、乱流に起因する圧力振動の影響は限定的であり、壁面振動の周波数が大きな影響を与えることを確認した。
また、構造解析コード(有限要素法)と流体解析コード(有限体積法)を用いて、Immersed Boundary法をベースとした連成手法を開発した。本技術を用いて円柱の流動励起振動シミュレーションに適用し、正常に動作することを確認した。

(ウ)原子炉廃止措置に関する調査研究

8.4 原子力発電炉廃止措置のあり方に関する調査研究

(プロジェクト名) 原子力発電炉廃止措置のあり方に関する調査研究
(報告書名) 21世紀における原子力発電炉廃止措置のあり方に関する調査検討委員会活動報告書
(報告書番号) IAE-1323714
(発行年月) 2014年7月
(要 旨)  本年度は委員会を2回開催した。
第1回は平成25年7月10日に開催し、活動方針、実施項目及びスケジュールを確認した。また、廃止措置関連動向に係る次の発表があった。

  • (1)廃止措置関連動向
  • -東海廃止措置の状況とフォールアウトの影響について(原電)
  • -欧米における発電炉廃止措置の政策と状況について(当研究所)
  • (2)福島第一原子力発電所廃止措置関連
  • -福島第一原子力発電所廃止措置に向けた対策(資源エネルギー庁原子力政策課)及び総合的線量低減計画の策定(ATOX)
  • -福島県における除染の現状(環境省)
  • (3)廃棄物関連
  • -原子力発電所廃止措置で生じるコンクリート廃棄物の有効利用 コンクリート再利用技術の動向(太平洋コンサルタント)

 第2回は平成26年3月10日に開催し、廃止措置関連動向に係る次の発表があった。

  • (1)国の原子力政策動向 (資源エネルギー庁原子力政策課)
  • (2)東京電力福島第一原子力発電所の状況と通常炉廃止措置
  • -東京電力福島第一原子力発電所の状況 (東電)
  • -通常炉廃止措置への福島第一原子力発電所の影響と課題 (東京大学岡本教授)
  • -廃止措置の最終状態に関する海外事例 (当研究所)
  • (3)最近の技術動向
  • -福島第一原子力発電所における遠隔技術の動向(日立GE)
  • -最近の金属溶融技術動向 (三菱マテリアル)
(目 次) あいさつ
まえがき
1. 委員会活動経過
2. 委員会活動方針
3. 本年度活動概要
添付資料
付録-1 第1回委員会講演・発表資料
付録-2 第2回委員会講演・発表資料
付録-3 委員会関係資料(委員会議事録、委員名簿)

8.5 福島第一原子力発電所の終了状態に係る調査

(プロジェクト名) 福島第一原子力発電所の終了状態に係る調査報告書
(報告書名) 福島第一原子力発電所の終了状態に係る調査報告書 2014年3月
(報告書番号) IAE-1373801
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  本調査では、以下6項目の内容について調査した。
(1)各国の廃止措置中及び廃止措置が終了した原子力発電施設の概況整理では、各国の原子力発電施設のうち、現在廃止措置中または廃止措置が終了した施設の発電出力、運転開始・停止年月、廃止措置開始・終了(予定)年月、終了状態の種類などの概況を調査した。
(2)廃止措置を終了した原子力発電施設の安全基準調査では、廃止措置を終了した施設について、終了状態に至った経緯・事業者の考え方(終了状態を判断した方法と根拠)を調査した。また、規制側の安全基準についても合わせて調査した。
(3)事故施設および高汚染施設の事例調査では、チェルノブイリ、スリーマイル島などの過去に事故を起こした施設および、米国DOE施設などの高汚染施設の現状および終了状態の考えを可能な限り調査した。
(4)資金調達、解体計画に関する調査では、終了状態の種類毎に、廃止措置に係る資金調達方式および施設の解体計画、放射性廃棄物の処理・処分計画について調査した。また、長期安全貯蔵を採用した施設については、施設管理の状態と責任箇所等についても調査した。
(5)海外の終了状態を国内で採用する場合の課題整理では、前記4項目の調査結果を踏まえ、それぞれの終了状態を日本国内で採用した場合の技術的・社会的・費用的な課題について検討した。
(6)海外出張調査では、高汚染施設の終了状態等について詳細に調査するため、現地調査(米国DOE施設)を実施した。
(目 次) 1. 業務目的
2. 実施期間
3. 業務体制
4. 技術調査及び海外出張調査
5. 技術調査
6. 海外出張調査
附録

8.6 原子力発電所廃止措置の実施に係る民間規格整備に関する調査

(プロジェクト名) 原子力発電所廃止措置の実施に係る民間規格整備に関する調査
(報告書名) 原子力発電所廃止措置の実施に係る民間規格整備に関する調査 平成25年度報告書
(報告書番号) IAE-1373701
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  原子力発電所廃止措置に係る民間規格基準については、日本原子力学会の標準委員会において、電力会社も参画して、「原子力施設の廃止措置の計画と実施:2006」を作成し、安全確保上重要な事項に対応する仕様規定を策定したが、その後、廃止措置の計画に必要となる仕様規定が整備され、平成23年に「原子力施設の廃止措置の計画:2011」が標準化されている。しかしながら、この標準は廃止措置計画書を作成するために充実しているものの、「廃止措置の実施」の部分は見直されていないため、電力会社としては、将来の廃止措置の合理化に向けて、廃止措置の実施に関しても見直されることが望ましい。そこで、平成22年度以降、廃止措置の民間規格基準を整備していくに当たり、計画的な民間規格基準の整備に向けた準備が可能となるように、廃止措置への適用性を調査検討した。
本業務委託では、平成22~26年度の契約として、学会標準「原子力施設の廃止措置の計画と実施:2006」の「廃止措置の計画」の部分が独立して発行されたことに伴い、「廃止措置の実施」の部分について、「廃止措置の計画」標準と整合をとるとともに、学会標準「標準作成の手引:2010」、JIS規格「規格票の様式及び作成方法」(JIS Z 8301:2008)に準拠した構成上の改定を平成22年度に行った。また、学会標準「原子力施設の廃止措置の計画と実施:2006」本文に記載された工事実施段階の要件に関して、東海発電所及び「ふげん」の廃止措置工事の実績を踏まえた改定を行っている。
平成25年度は、5年間業務の第4年度として、平成22年度に実施した「構成上の改定」の検討により策定された学会標準「原子力施設の廃止措置の実施:2011」の構成を踏まえ、実績を踏まえた改定として、学会標準案の章のうち、核燃料物質の管理及び譲り渡し、廃止措置で実施する工事、核燃料物質又は核燃料物質によって汚染されたものの廃棄、廃止措置中の安全確保に関する標準素案を作成するとともに、日本原子力学会の標準委員会、基盤・応用技術専門部会、廃止措置分科会用の説明資料の作成支援を行った。
(目 次) 1. まえがき
2. 業務計画
3. 業務経過及び成果の概要
4. 業務内容及び成果
5. まとめ
6. あとがき
7. 添付資料

8.7 原子力発電所廃止措置時の耐震安全に係る民間規格整備に関する調査

(プロジェクト名) 廃止措置時の耐震安全に係る民間規格整備に関する調査
(報告書名) 原子力発電所廃止措置時の耐震安全に係る民間規格整備に関する調査
平成25年度報告書
(報告書番号) IAE-1373702
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  旧原子力安全・保安院は発電炉廃止措置の安全規制について、改正炉規法の成立を受けて、省令(実用炉規則)を改正して、廃止措置計画書の承認を含む安全確保の要求事項を法制化した。このような動向に備え、日本原子力学会の標準委員会において、電力会社も参画して、「原子力施設の廃止措置の計画と実施:2006」を作成し、上記の新省令の安全確保上重要な事項に対応する仕様規定を策定した。その後、廃止措置の計画に必要となる仕様規定が整備され、平成21年に「原子力施設の廃止措置の計画:2009」が標準化された。さらに、廃止措置の「実施」の構成上の見直しが行われ、平成23年に「原子力施設の廃止措置の実施:2011」が制定された。
原子力発電所の廃止措置では、安全上、放射性物質の閉じ込め機能維持が重要となる。実用炉規則では、廃止措置計画の認可の基準の1つに、「核燃料物質によって汚染された物又は原子炉による災害の防止上適切なものであること」があり、2006年学会標準ではこれを踏まえて本文3.2、附属書3.1で安全確保の考え方を示しているが、具体的な仕様の標準化が必要である。2006年学会標準の附属書3.1では、閉じ込め機能は建屋、換気設備、排気設備などに対して求めており、閉じ込め機能の低下/喪失の起因事象としては、解体工事、廃止措置中の過失、換気設備、排気設備の故障、地震、火災等が例に挙げられたため、廃止措置の実施に関する標準化の第一段階として、安全確保に関する主要な項目である耐震安全に関する学会標準の作成支援を行った。
現在個々の事業者に任されている、廃止措置時の耐震安全性について、耐震クラスの設定、耐震安全性の検証方法を整備し、公平性、客観性、透明性のある廃止措置計画を作成するために、耐震安全性の考え方を整理しておく必要がある。
本業務委託では、平成22~25年度の業務の最終4年目として、学会審議に対応した耐震クラス・耐震安全性検証方法の見直し、標準作成を行うとともに、学会対応として、日本原子力学会の標準委員会、基盤・応用技術専門部会及び廃止措置分科会で、耐震安全に関する標準作成のための説明資料作成の対応を行った。
更に、その検討成果は2013年12月に学会標準として発行された。
(目 次) 1. まえがき
2. 業務計画
3. 業務経過及び成果の概要
4. 業務内容及び成果
5. まとめ
6. あとがき
7. 参考文献、付録

8.8 トリチウム水の取扱いに関する調査

(プロジェクト名) 発電用原子炉等廃炉・安全技術基盤整備事業
(報告書名) 平成25年度 発電用原子炉等廃炉・安全技術基盤整備事業(トリチウム水の取扱いに関する調査) 調査報告書 平成26年3月
(報告書番号) IAE-1313112
(発行年月) 2014年3月
(要 旨)  東京電力(株)福島第一原子力発電所における汚染水問題は、国内外から多くの関心を寄せられている重要かつ緊急的な課題であり、平成25年9月3日に、原子力災害対策本部において、「東京電力(株)福島第一原子力発電所における汚染水問題に関する基本方針」を決定した。
これを受け、汚染水処理対策委員会において集中的に検討を進め、12月10日に「東京電力(株)福島第一原子力発電所における予防的かつ重層的な汚染水処理対策」をとりまとめ、その内容も踏まえ、12月20日、原子力災害対策本部において、「東京電力(株)福島第一原子力発電所における廃炉・汚染水問題に対する追加対策」がとりまとめられている。
その対策を実施していくことで、福島第一原子力発電所における汚染水問題のリスクは着実に低減していくことが見込まれるが、決定した対策だけでは、トリチウムの除去ができないため、大量のトリチウム水の取扱いについては、今後の課題として、様々な選択肢について総合評価を行うこととした。
そのため、汚染水処理対策委員会の下にトリチウム水タスクフォースを設置し、大量のトリチウム水の取扱いに関する様々な選択肢について、リスク、環境影響、費用対効果なども含め総合評価を行うべく、12月25日より検討に着手しているところである。
本業務は、海外におけるトリチウム水の取扱いに関する研究や実績を整理し、トリチウム水タスクフォースにおける集中的な議論に資することを目的として、以下の調査、検討を実施した。
(1) 海外におけるトリチウム分離技術として、CECE法、水蒸留法、電気分解法等に関する研究又は処理実績に関する技術レポート2件の収集及び要約(和文、英文)。
(2) 米国ペンシルバニア州スリーマイル島、サウスカロライナ州サバンナリバーをはじめ海外(英国、仏国)において実施したトリチウム水の処理に関する総合評価に関する技術レポート3件の収集及び要約(和文、英文)。
(3) トリチウム水の処理に関する総合評価、トリチウム水の処理に至る調整等の経験を有する海外の有識者を招聘(米国、仏国、英国等から4名)し、トリチウム水タスクフォース委員との意見交換(2回、通訳手配を含む)の実施及び成果のとりまとめ。
(目 次) 1. 事業概要
2. トリチウム分離技術に関する海外技術レポート
3. トリチウム水の処理に係る総合評価に関する海外技術レポート
4. 海外の有識者とトリチウム水タスクフォース委員との意見交換の概要
(添付資料)

8.9 福島県環境創造センター設置準備に係る調査検討

(プロジェクト名) 福島県環境創造センター設置準備に係る調査検討
(報告書名) 福島県環境創造センター設置準備に係る調査検討業務報告書
(報告書番号) IAE-1373301
(発行年月) 2014年3月
(要 旨) (1) 調査研究について
調査研究が体系的に行われるための組織と運営とするため、調査研究分野としては、放射線計測、除染技術、廃棄物・土壌処理技術、環境動態調査・影響評価技術、環境創造技術に分類した。この分類を基に、福島県の環境回復・創造に資する取組を網羅し、優先度を付した全体を俯瞰できるロードマップを作成するとともに、調査研究等への取り組み、その成果が評価される体制を検討した。招致機関がロードマップの優先度に従い漏れ重複の無い活動計画を策定する体制を検討し、調査研究の企画・立案及び調査研究成果の適切な評価を行う方法を検討した。さらに、調査研究や各種取組の中長期取組方針(案)として取りまとめた。
(2) 情報収集・発信、教育・研修・交流について
環境回復に関する研究機関である県、JAEA(日本原子力研究開発機構)、国立環境研究所が中心的機関であり、これらの機関と長期に亘る協力関係を協定などの形で結び、定期的に研究成果等の情報を登録、一元管理する公式な仕組みを作ることを検討した。更に、定期的に研究者が集まるワークショップを開催し、そこで重要な研究情報の交換がなされるように体制を検討した。ワークショップは、連携が取られ登録された研究者間で行うが、徐々にネットワークを広げ関連する研究者を網羅的に把握し、ワークショップでの発表や広報誌への寄稿を求めることなどを通じて、情報の収集を拡大する方法について検討した。
(3) 組織と運営体制について
環境創造センターにおける統一的なマネジメントルールを決め、センターに従事する職員は原則そのルールに従うこととし、職員が、部門長の下、関連分野の調査研究に関する企画や評価を共に行い、シナジー効果を上げるような運営方法を検討した。また、地元ニーズを反映する組織として「県民委員会」を設け、事業計画に地元の方々の考えを反映させるとともに、成果について地元の方々による評価を行うことにした。さらに、環境創造センターの中長期取組方針を策定する「運営戦略会議」と、年度毎の計画の調整を行う「連絡調整会議」を有効に活用し、関連組織間の調整が円滑に進むように運営体制を検討した。
(目 次) 1. はじめに
2. 調査研究について
3. 情報収集・発信、教育・研修・交流について
4. 組織と運営体制について
5. その他
添付資料

報告書・外部発表

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