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平成12年度調査研究要旨集

平成12年度の調査研究要旨集

この要旨集は、当研究所の調査研究活動等のうち、平成12年度後半から平成13年度前半にとりまとめられたものの主な要旨を収録したものである。平成12年度以前にとりまとめられたものについては、バックナンバーをご覧いただきたい。本要旨集が関係各位のご参考になるとともに、当研究所の事業に対するご理解の一助となれば幸いである。

目次
2.エネルギーの開発、供給、利用に係る技術上の基礎的事項に関する部門的、総合的な研究について
3. エネルギーの開発、供給、利用に係る技術上の応用的事項に関する部門的、総合的な研究について(続き)
〔化石燃料関係〕
3.9 廃プラスチック油等の新燃料油の安定供給可能性調査
3.10 中国における石炭転換工場の環境影響評価に関する調査
3.11 石炭転換工場のプロセスシステムに関する調査
3.12 高温コークス炉ガス前処理技術に関する調査
3.13 ガスハイドレート技術の産業利用・社会システム化に関する研究開発

〔新・省エネルギー・電力システム関係〕
3.14 高効率廃棄物発電技術開発「ガス化溶融発電技術開発」
3.15 バイオマスエネルギー技術の開発動向およびフィージビリティスタディ調査
3.16 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET) 第2期研究開発タスク1 システム評価に関する調査研究
3.17 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET) 第2期研究開発タスク2 安全対策に関する調査研究
3.18 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET) 第2期研究開発タスク12 革新的、先導的技術に関する調査研究
3.19 分散電源装置におけるマイクロコージェネレーションの調査研究
3.20 民生用電力需要における省エネルギー対策の影響分析調査
3.21 電力需要に関する想定手法等の研究調査
3.22 次世代パワー半導体デバイスの導入可能性等の調査

〔地球環境関係〕
3.23 エネルギー消費効率化地球環境影響調査
3.24 超重質燃料油利用技術調査

エネルギーの開発、供給、利用に係る科学技術資料・情報の分析法、評価法、体系化法の開発及び応用に関する研究について

1.1 新エネルギー展望-固体高分子形燃料電池

(プロジェクト名) エネルギー技術情報に関する調査(エネルギー関係技術開発動向およびその将来性評価に関する調査研究)
(報告書名) 新エネルギー展望「固体高分子形燃料電池」
(報告書番号) なし
(発行年月) 2001.03
(要 旨)  燃料電池は発電効率の高効率化面、環境面、さらに経済性面で優れた可能性を有し特に分散型電源として期待されている。また、自動車用の高効率エンジンとしての期待もされている。とりわけ各種ある燃料電池のうち実用性、経済性の視点から「固体高分子形燃料電池(PEFC)」が注目され実用化へ向けた開発にしのぎが削られている。そこで、本調査研究では、同電池の特徴、開発状況、課題等を整理し本技術の動向を的確に把握することを狙った。特に、わが国の市場で採用されるためには価格低減が鍵といわれその点も解説し、最後に将来展望を述べた。
(ダウンロード) (PDF/1.25MB)

1.2 新エネルギー展望-マイクロガスタービン

(プロジェクト名) エネルギー技術情報に関する調査(エネルギー関係技術開発動向およびその将来性評価に関する調査研究)
(報告書名) 新エネルギー展望「マイクロガスタービン」
(報告書番号) なし
(発行年月) 2001.03
(要 旨)  マイクロガスタービン(MGT)は、米欧で開発されたものであるが大規模集中システムから小型分散システムヘの流れ、電力市場自由化という規制緩和の流れなどの助けがあり、昨今脚光を浴びて来ている。実際に商品として発売されているマイクロガスタービンを見ると、メンテナンス・運転についての配慮および大量生産のための配慮が随所に見られ、商品として十分考え抜かれた製品であることがわかる。しかし一方では、わが国の市場で採用されるためには更なる価格低減・高効率化が課題である。本研究では、本技術の歴史、特徴、開発状況、および課題並びにその位置づけを展望した。
(ダウンロード) (PDF/1.28MB)

1.3 エネルギー・経済・環境モデルに関する研究

(プロジェクト名)   エネルギー・経済・環境モデルに関する研究
(報告書名) エネルギー・経済・環境モデルに関する研究(その3)報告書
(報告書番号) IAE-C0011
(発行年月) 2001.02
(要 旨)
 地球温暖化問題等への対応に向けて、エネルギー、経済、環境、土地利用、気候変動等の総合的評価を行う統合評価モデルの開発が日本を含めた世界各国で行われている。
 そこで、温暖化問題を対象とし、超長期のエネルギー・経済・環境評価モデル確立に向けて、MARIA、Dynamic New Earth 21、GRAPEといった日本の代表的な統合評価モデルのフレームワークを拡張するとともに、温度帯別の熱需要推定など需要部門の取り扱い強化を試みた。

1.4 汎太平洋再生可能エネルギーポテンシャルの調査および需給予測プログラムの開発

(プロジェクト名) 汎太平洋再生可能エネルギーポテンシャルの調査および需給予測プログラムの開発
(報告書名) 汎太平洋再生可能エネルギーポテンシャルの調査および需給予測プログラムの開発
(報告書番号) WE-NET-0001
(発行年月) 2001.03
(要 旨)  将来想定される世界経済、人口および在来型・非在来型化石燃料の資源量、コストおよび再生可能エネルギーの供給ポテンシャル・コスト等の前提条件に基づき、2100年に至る超長期の世界および日本のエネルギー需給等を定量的に分析した。また、BAUケースに対し省エネ進展、炭素税導入および水素促進などのケース設定をし、計算を行った。
   その結果、石油は2030年頃から需給が減退する。天然ガスもほぼ同時期に減退する。それらに替わって非在来型石油、非在来型ガスおよび再生可能エネルギーが増加し始める。2050年でみると在来の石油と天然ガスが一次エネルギーに占める割合は10%に満たず、一次エネルギーの約半分はこれら非在来の石油、ガスおよび再生可能エネルギーが占めると予測された。
   水素は、水素促進ケースで2030年から導入が始まり(一次エネルギー消費の3.1%)、2100年には同24%まで増加する。水素促進、省エネおよび炭素税導入ケースが組合わされた場合、2100年で水素は同25%となり一次エネルギー消費は約35%減少すると予測された。
   モデル調査ではIIASA/WECのモデル、IPCCモデル、ニューアース21モデルおよびエネルギー経済研究所の超長期世界エネルギー需給モデルを調査対象とした。その結果、超長期の世界を対象に経済発展、技術進歩といったダイナミクスを扱うことに適し、透明性が高く現実的かつ幅広い分析が可能なモデルとしては超長期世界エネルギー需給モデルが相応しいと判断した。

1.5 エネルギー情報提供のための手法検討

(プロジェクト名) エネルギー情報提供のための手法検討
(報告書名) エネルギー情報提供のための手法検討報告書(3)
(報告書番号) IAE-C0008
(発行年月) 2001.02
(要 旨)  エネルギーの情報提供は、原子力発電の例をみるまでもなく、PA・啓蒙の問題を含めて、今日最も重要な要素の一つとなってきている。昔から、エネルギー情報はさまざまなメディアを用いて公衆に伝えられてきており、近年インターネットに代表される様に、情報提供の新しい媒体が表れ、エネルギー関係の諸団体の多くはそれらをPRや情報提供等に利用している。この新しい情報手段の登場はエネルギー問題のPAにとっても新たな媒体を提供するものであり、今後その影響力は大きくなってくるものと予想される。
 したがって、今後の新しい情報手段も含め、エネルギー情報提供を行う際にどの様な方針で行うべきかを検討し、今後のPA・啓蒙等のための一助とすることを目的とし、その目的のための公衆の意識調査等を行い、幾つかの提案を行った。

2.エネルギーの開発、供給、利用に係る技術上の基礎的事項に関する部門的、総合的な研究について

2.1 エネルギー・環境技術研究開発に係る政策決定支援手法に関する調査

(プロジェクト名) 長期エネルギー技術戦略調査(エネルギー・環境技術研究開発に係る政策決定支援手法に関する調査)
(報告書名) 長期エネルギー技術戦略調査(エネルギー・環境技術研究開発に係る政策決定支援手法に関する調査)
(報告書番号) NEDO-P0063
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  技術開発により短期(2010年頃)~長期(2030年以降)における温室効果ガスの削減効果を最大のものとするには、国際的な動向にも留意しつつ、また、今後の技術開発に求められる責務を踏まえつつ、現行の地球温暖化対策を再評価することが必要である。このため、現在ニューサンシャイン計画等で行われているエネルギー・環境技術開発テーマの進捗状況のとりまとめを行うとともに、新たな革新的な技術開発テーマの抽出・評価に必要な政策決定支援手法についての検討を行った。

2.2 戦略的電力技術開発調査

(プロジェクト名) 戦略的電力技術開発調査
(報告書名) 戦略的電力技術開発調査報告書
(報告書番号) IAE-C0023
(発行年月) 2001.03
(要 旨)  地球温暖化をはじめとする各種環境問題や規制緩和への対応は、電気事業においてきわめて重要な課題であり、電力技術の面でもこれらの問題に適切に対応するため、より戦略的な技術開発の推進が求められている。
 また、国においても、財政の制約が厳しさを増している中で、より効率的な技術開発の推進を図るためには、長期的な観点からの技術開発戦略(ロードマップ)策定を行い、技術開発構想(ビジョン)の提示が必要不可欠である。
 本調査では、国内外の重要技術分野の開発動向を把握し、将来有望と思われる技術の可能性を見極めるため、重要技術課題について技術開発動向調査および技術可能性調査を行い、長期戦略の基礎となる知見を整理することを目的としている。
 調査に当たっては、関係箇所からの情報を収集、文献調査、概念設計等を行うとともに、技術開発動向調査については、有識者による「電力技術懇談会」を設置し、電力技術開発戦略の具体化の方策や産学官連携の推進の方策等について議論した。
 また、技術可能性調査については、テーマの募集及び審査を行い、電力技術における重要技術課題のうち、有望な技術開発プロジェクトの選定に資するため、11テーマについて可能性調査を実施した。

2.3 原子力発電技術開発に関する方向性調査

(プロジェクト名) 原子力発電技術開発に関する方向性調査
(報告書名) 原子力発電技術開発に関する方向性調査報告書
(報告書番号) IAE-C0032
(発行年月) 2001.03
(要 旨)  原子力発電が21世紀においても大きな役割を果たすためには、安全性や経済性に優れ、社会に受容される原子力開発が開発資本の効果的な投入により進められていく必要がある。今年度は、民間において研究開発中の技術の中から、国が支援すべき技術開発テーマを選定する際に活用できる評価手法を検討した。
 限りある国の開発資本を効率的に分配するためには、技術開発テーマの候補として提案される原子力システムや個々の技術開発課題を技術的に評価し、それらに優先順位をつけ、優先順位の高いものから国の支援対象として選定することが必要となる。この考えに基づき、原子力システムについては、(1)経済性、(2)安全性、(3)核不拡散性、(4)資源有効利用性、(5)新規市場性、(6)環境負荷の各観点(評価軸)において基準を満たすか否かを評価し、より多く、より重要と考えられる評価軸で基準を満たす技術開発テーマほど優先的に国の支援対象候補として選定することを基本とした。
 個々の技術開発課題については、その開発計画の妥当性を評価することとしてみたが、詳細は今後の課題とした。

3.エネルギーの開発、供給、利用に係る技術上の応用的事項に関する部門的、総合的な研究について

〔原子力関係〕

3.1 発電用新型炉プルトニウム等利用方策開発調査

(プロジェクト名) 発電用新型炉プルトニウム等利用方策開発調査(発電用新型炉利用システム開発調査)
(報告書名) 発電用新型炉プルトニウム等利用方策開発調査(発電用新型炉利用システム開発調査)
(報告書番号) IAE-C0017
(発行年月) 2001.03
(要 旨) (1)日本におけるプルサーマルの商業規模での実施に係わる燃料サイクルの各工程を、ランニングストック以外の余剰プルトニウムを持たない という観点から調査した。六ヶ所再処理工場の使用済み燃料貯蔵からMOX 燃料加工工場でMOX燃料集合体として出荷されるまでにはプルトニウムは 多様な形態を取って存在している。これらのMOX燃料の中間製品は順調に MOX燃料が製造され続けて原子力発電所に搬送されていれば一時貯蔵にす ぎず、IAEAの査察も受けるのであるから余剰プルトニウムとしては問題 にはならないであろう。
(2)最大加工能力が約130トン/年と報道されているJ-MOXの加工量に対して、日本の使用済燃料の量、貯蔵能力、再処理の需要量、これらの燃 料のプルトニウム含有量、日本の使用済燃料の海外および国内における再処理計画量、海外および国内における再処理から回収されるプルトニウム量、MOX燃料の供給が許可された日本の原子炉、ヨーロッパにおける MOX燃料加工能力を考慮して12種類のシナリオを検討した。
(3)ヨーロッパのプルサーマルは、2000年においてもほぼ前年度と同様なペースで進められた。新たに装荷されたMOX燃料集合体数は、ベルギー16、フランス224、ドイツ156、スイス40であった。
(4)1999年末における世界の核分裂性物質在庫量の推定値は、HEUが1690トン(兵器級ウラン等価量)、プルトニウムは1520トンである。Puのほ ぼ85%は商用原子炉の使用済燃料に含まれているものである。
(5)レッドブック1999により、世界のウラン資源に関してまとめた。確認資源296.4万tU、推定追加資源-I 99万tU、であり、これらを合わせた既知資源量は395.4万tUになる。これに未発見資源1145.9万tUを加えれば、究極資源量は1541.3万tUとなる。

3.2 地層処分研究開発に係る背景情報の調査

(プロジェクト名) 地層処分研究開発に係る背景情報の調査
(報告書名) 地層処分研究開発に係る背景情報の調査
(報告書番号) JNC TJ1420 2001-002
(発行年月) 2001.02
  (要 旨) 1.地層処分概念のオプションに関する調査・分析
 高レベル廃棄物処分方策として、主要な原子力発電国では地層処分を選択している。1990年代に入り社会的な認知・受容を推進するために地層処分の概念に対して柔軟性を持たせる方策が先進諸国で検討されようになってきたが、これらの議論から、以下に着目して調査・整理を行った。
(1)廃棄物処分の可逆性、廃棄物の回収可能性およびモニタリングに関する諸外国の検討と目的、国際的評価
(2)長期貯蔵の考え方と有効性の考察、国際的評価
(3)国際処分場計画の位置付けと役割の考察、国際的評価

2.収集した各国の教育素材に関する調査・分析
 処分の実施までにはまだまだ長い年月が見込まれていることからも、若い世代に原子力や廃棄物処分に対する関心を持ってもらうための手段を検討することは極めて重要である。地層処分研究開発の広報の戦略的実施に係る調査として、前年度に海外の放射性廃棄物関連機関を中心に収集した、原子力エネルギー/放射性廃棄物に関連した教育素材を選択・抽出してその内容を以下の項目で詳細に調査・分析し、日本で取り組む際の教訓としてまとめた。
(1)各国の原子力/廃棄物関連機関が持つ教育素材の考え方・位置付け・効果
(2)収集した各国の特徴的な教育素材の選定およびその詳細な分析
(3)各国の教育素材の特徴の比較と日本への適応性検討。

3.3 高速増殖炉利用システム開発調査

(プロジェクト名) 発電用新型炉等開発調査(高速増殖炉利用システム開発調査)
(報告書名) 高速増殖炉利用システム開発調査報告書(新技術フィージビリティ調査)
(報告書番号) IAE-C0018
(発行年月) 2001.03
  (要 旨)  我が国の高速増殖炉(FBR)実用化の円滑な推進に資する事を目的に、安全性、経済性に係る技術的課題を中心に、実用化に向けた新技術のフィージビリティについて調査検討を実施しておくことは重要である。本年度は将来的な実用段階のFBR利用のため、資源利用・環境適合性並びに安全・経済・機能性の一層の向上・高度化の視点から、下記の「FBRシステム概念」及び「要素技術」の各項目について調査検討を実施した。
 「FBRシステム概念」については、原子炉炉心-燃料サイクルのシステムを対象に、その期待される将来像の検討に着手した。この中で、(1)自己整合型マルチリサイクル炉心によるFBR原子力システム、(2)簡易再処理型炉心によるFBR原子力システム、(3)ガス冷却型炉心によるFBR原子力システム、の3種のシステムについて基礎特性の分析、概念摘出、概念構築のための目標・条件整理、概念構想案の検討等を実施した。
 「要素技術」については、将来的な実用FBRプラントシステムの成立に必要な炉心機器・熱輸送機器関連の技術検討に着手した。主として、(1)ダクトレス燃料集合体の機械構造特性、(2)電磁ポンプの運転制御特性、(3)一体型IHX-SG技術、(4)高信頼性崩壊熱除去系の技術、の4種の技術を選定し、技術概念展望、課題摘出整理、技術的成立性確認のための方法論検討を実施し、一部試験の計画・実施を含む検討を実施した。

3.4 実用発電用原子炉廃炉技術調査

(プロジェクト名) 実用発電用原子炉廃炉技術調査
(報告書名) 実用発電用原子炉廃炉技術調査報告
(報告書番号) IAE-C0026及びIAE-C0028
(発行年月) 2001.03
(要 旨) 廃止措置のシナリオ等に関する検討と調査では、廃止措置標準工程の合理化への影響評価として、各技術分野で検討された合理化項目について、廃止措置標準シナリオ全体の合理化への影響評価を継続実施するとともに、各合理化項目の組合せ可能性等を検討した。また、原子力安全委員会で検討されているクリアランスレベル検認方法の指針等を踏まえて、標準シナリオへの影響を評価するための具体的検認方法・手順等のケース抽出・検討等を行った。併せて、産業廃棄物での重金属有害物質の処分規制動向等を調査した。さらに、プラントの運転年数延長が及ぼす標準シナリオへの影響評価をPWRについて実施した。
 解体廃棄物等の再利用実用化調査では、原子炉解体廃棄物等の再利用実用化推進に必要な施策の具体化方策の検討として、クリアランスレベル以下の廃棄物を対象として、円滑な一般再利用実現に向けた環境整備を踏まえた実施手順を検討し、一般再利用に至る各実施ステップを具体化するために検討すべき内容を明らかにした。また、放射性廃棄物を対象として、再利用システム及び制度面の検討を行い、再利用実施までに検討すべき内容を明らかにした。
 また、参考調査として、標準シナリオを選択した場合に予想される21世紀前半の原子力発電供給量低下を緩和する方策について検討した。

3.5 原子炉シミュレーション手法高度化に関する調査

(プロジェクト名) 実用原子力発電施設安全性実証解析(安全性実証解析手法調査)
(報告書名) 実用原子力発電施設安全性実証解析(安全性実証解析手法調査)報告書
(報告書番号) IAE-C0015
(発行年月) 2001.03
(要 旨)  原子炉内の非線形・複雑現象のミクロレベルでの解明を目指した次世代シミュレーション手法に関して、シミュレータシステムへの適用性評価などを目的とした調査検討を行っている。平成12年度には、格子ボルツマン法及び粒子法による沸騰二相流のシミュレーション、格子ガスモデルによる熱流動解析の複雑流れへの適用性、格子流体モデルを用いた二相流素過程のシミュレーション、構造・熱流動問題の強連成解析及び空間的連成解析手法の開発、トランスファーファンクションギャラリーのプロトタイプの構築及び国内外の高度計算機利用技術の動向について調査検討した。
 第1章から第3章では、小冊子を読むにあたって必要となる最小限の放射線に関する知識や高レベル放射性廃棄物の発生・処理・特徴と地層処分選定の経緯など、技術事項の理解を助ける背景情報をまとめた。第4章では、地層処分の場となる地下環境が長期にわたって大きく変化しないことを、火山活動、地震活動、断層活動などの地殻変動発生のしくみや分布の特徴などを通して解説した。第5章では、地下環境が持つ物質を閉じ込めてく能力と人工的なバリヤを重ね合わせた多重バリアシステムについて解説し、地層処分の安全性について理解を得るものとした。第6章では、数万年以上の長期にわたって安全性を確かめる必要があり、直接的に安全性を確認することができない地層処分について、不確実な部分もめて幅を持った将来を示す将来予測の方法と安全評価について解説した。第7章では、地層処分研究や処分事業の進展とサイト選定に関する実績、計画などについて、国内外の状況をまとめた。

3.6 原子力の外部コストに関する調査

(プロジェクト名) 軽水炉改良技術確証試験等(日本型軽水炉確立調査(軽水炉技術開発の方向に関する調査・整理))
(報告書名) 日本型軽水炉確立調査:軽水炉技術開発の方向に関する調査(我が国の原子力の外部コストに関する調査)
(報告書番号) IAE-C0022
(発行年月) 2001.03
(要 旨) 発電分野の外部経済性の評価では最終的に物理的被害を経済価値に換算する必要があり、特に病死を中心とする健康被害の割合が大きいため、人命の経済価値換算が重要となる。非市場財である生命の価値を評価するために、微小な死亡リスクの変化に対する支払意志額を基にした生命の便宜的な経済価値である統計的生命の価値として評価が行われる。
 本調査では、原子力のリスク認知の特徴を考慮した統計的生命の価値の推定を目的に、原子力のリスク認知を特徴付ける要因の幾つかを抽出し、これを反映した仮想市場法による調査票を検討した。これを用いプレテストとして比較的少人数のサンプルを対象にして、原子力のリスク認知の特徴を反映した状況下での微小な死亡リスクの変化に対する支払意志額を調査し、統計的生命の価値を推定した。
 この結果、統計的生命の価値は約24~95億円であり、事故による死亡リスクの変化に対する支払意志額は、定常被害による死亡リスクの変化に対する支払意志額に対して2倍程度大きな値となった。

〔化石燃料関係〕

3.7 大気改善のための自動車及び燃料技術開発に関する評価

(プロジェクト名) 大気改善のための自動車及び燃料技術開発に関する評価
(報告書名) 大気環境負荷低減に資する燃料の品質動向に関する調査:大気改善のための自動車及び燃料技術開発に関する評価
(報告書番号) IAE-C0002
(発行年月) 2001.03
(要 旨) わが国独自のオートオイル・プログラム、「大気改善のための自動車及び燃料技術開発事業」は、JCAP(Japan Clean Air Program)という名称で、平成8年(1996年)9月から開始された。
 また、本技術開発事業の成果の客観性、計画の妥当性等を確保するために、「大気改善のための自動車及び燃料評価委員会(略称JCAP評価委員会)」が平成9年(1997年)に設置され、JCAPの計画・運営に関する審査・調査、実施成果の評価を行なっている。
 JCAP評価委員会は、平成9年度から年2回ずつ開催されてきたが、平成12年度も例年どおり計2回開催され、それぞれの場で、JCAPの活動報告等が承認された。

3.8 アルコール系燃料に関する調査

(プロジェクト名) アルコール系燃料に関する調査
(報告書名) 大気環境負荷低減に資する燃料の品質動向に関する調査:アルコール系燃料に関する調査
(報告書番号) IAE-C0003
(発行年月) 2001.03
(要 旨) アルコールは一般にオクタン価が高く、ガソリンエンジン自動車用燃料として好ましい面を有してはいるが、単純にアルコール単体もしくはガソリンとの混合物を、市販のガソリンエンジン自動車用の燃料として使用することについては、自動車排出ガスや内燃機関に与える影響について十分な知見が得られてないため、問題なしとは断言できない。この様な観点から本調査においては、比較的重質な数種類のアルコールに関して、単体もしくは市販のガソリンとの混合物を、普通のガソリン自動車用の燃料として使用した場合の問題点を走行試験等を実施することによって把握し、実用の可能性を評価した。
 その結果、以下の問題点が判明した。
(1)アルコールの添加に伴い、排ガスに関して、CO及びTHCは減少傾向を示すが、NOx 及びアルデヒドは増加傾向を示す。
(2)アルコールを添加した場合、ベースガソリンと比較して、HNBRゴムの質量、ナイロン材の質量・体積及び衝撃値、金属材料の発錆状態等に変化が見られ、エンジンの燃料系統部品の耐久性に懸念が生じる。

3.9 廃プラスチック油等の新燃料油の安定供給可能性調査

(プロジェクト名) 廃プラスチック油等の新燃料油の安定供給可能性調査
(報告書名) 廃プラスチック油等の新燃料油の安定供給可能性調査
(報告書番号) IAE-C0005
(発行年月) 2001.03
(要 旨) 近年、環境保全や資源リサイクルの観点から、従来の石油系の燃料に対して、廃プラスチックや廃油等を原料とした新燃料油が開発されてきており、わが国でも2000年度からの「容器包装リサイクル法」の完全施行にともない、廃プラ油の一部が使用開始されている。また、植物等を原料とするバイオ燃料は、既にブラジル、米国等ではエタノールが自動車用燃料として長い使用実績があり、特に米国では1999年8月の大統領の発表「バイオマス研究を国家研究戦略として位置付ける」、「生物由来品とバイオマスエネルギーを2010年までに現在の3倍にすることを目標」との再生可能エネルギー導入促進の政策 及び環境保全の観点(MTBEの代替)から、今後の大幅なのびが予想される。その他、欧州等では植物油メチルエステル等が環境保全、農業保護政策の観点からバイオディーゼルとして一定量実使用されており、またわが国においても廃植物油等を原料としたエステル化油が、京都等の一部自治体等でディーゼル燃料として使用されている。本調査では、これらの廃プラ及び、エタノールや植物油エステル等のバイオ燃料、その他廃油(廃潤滑油、廃植物油)、廃タイヤ等を原料とする新液体燃料について、その開発の背景や技術的状況、経済性、供給体制及び技術的、制度的課題等を国内及び一部海外を対象として調査して、今後環境保全を考慮したエネルギー対策に役立てるものである。

3.10 中国における石炭転換工場の環境影響評価に関する調査

(プロジェクト名) 中国における石炭転換工場の環境影響評価に関する調査
(報告書名) 中国における石炭転換工場の環境影響評価に関する調査
(報告書番号) NEDO-C0012
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  直接石炭液化は、将来的に供給量の減少が見込まれる石油の代替燃料の製造技術として実用化が近い。そこで、直接石炭液化プラントに中国神華炭を使用し、同炭田近隣に建設されることを前提として、ライフサイクルアセスメント(LCA)の手法を用い二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物排出量の観点から検討を実施した。その結果、二酸化炭素排出の点からは、中東から原油を輸入し精製処理する方法と比べると、現状では石炭液化が必ずしも好ましいとは言えないが、今後、急速な進歩が見られる風力、燃料電池、水電気分解等の最新技術を適用し、全体システムとして改良を加え、熱効率の高い設備とすることが可能であることがわかった。
 また、中国の発電の現状を鑑みるに、石炭により発電した電力を動力として使用する方法(石炭直接利用)と、石炭液化により油を製造し動力に変換する方法とでは、大型プラントを想定した場合には、二酸化炭素排出量からは大きな違いは見られないことが明らかになった。さらに、直接石炭液化では、石炭を通常の石油の脱硫に比べ厳しい操作条件で水素化しており、その上、アップグレーディングを行うことで製品油中の硫黄および窒素の含有量がほとんどゼロになる。原油から輸送用燃料を製造するのに比べ、硫黄および窒素の含有量がかなり低い点が環境面から優位である。環境の観点から、石炭を有効利用するには直接石炭液化が有用である。

3.11 石炭転換工場のプロセスシステム検討

(プロジェクト名) 石炭転換工場のプロセスシステム検討
(報告書名) 石炭転換工場のプロセスシステム検討報告書
(報告書番号) なし
(発行年月) 2001.02
(要 旨)  石炭液化大型プラントを設計する上で、150t/dパイロットプラントで取得した技術に基づき、神華炭を想定したプロセス設計指針を整理し、液化反応塔廻りのプロセスシミュレーションを行うために必要な条件を明らかにした。また、石炭液化工場のプラント複合化、熱併給化、製品の付加価値化等により、その経済性を向上させるために、高効率の電気分解設備により液化用水素を供給し、酸素を石炭ガス化設備等に供給する石炭液化の社会適合性を高めた総合的な石炭転換工場を構想し、具体的な設備構成を示した。

3.12 高温コークス炉ガス前処理技術調査

(プロジェクト名) 高温コークス炉ガス前処理技術調査
(報告書名) 温ガス前処理技術調査報告書
(報告書番号) IAE-C0004
(発行年月) 2001.03

(要 旨)  平成11年度の調査では、まず既存前処理技術としてタール分の高温除去・分離,硫黄化合物,窒素化合物の高温除去,脱塵,脱灰の高温処理法について各々調査したが、これらの技術は現在開発中の技術であり、多くの技術的、経済的課題があることが明らかになった。これらの問題点を解決すべき新しい前処理技術として、高温COGを酸素、水蒸気等により改質ガス化し、H2,COに富んだ完全なドライガスへ転換する前処理プロセスについての調査及び反応平衡計算と物質・熱収支計算結果を行い、従来の安水散布によるタール回収法に比較して約114~117%の熱回収効率が得られることが分かった。
 平成12年度は、引き続き酸素等を利用した完全ドライ化前処理技術を中心とした詳細技術調査を実施すると共に、これら技術をコークス炉に適用することを想定して整理した。
 この新前処理プロセスは、COGの顕熱とCOG中のタール分及びメタンから、クリーン燃料である水素を主体とする化学エネルギーにまで転換して、より効率的なCOGの顕熱利用による熱エネルギー利用の高度化を行うものであり、計5つのプロセスのケースを想定し、それぞれのケースでのプロセスフローの検討及び物質収支、熱収支の詳細な検討を行った。またCOG前処理への既存・新規技術の適用における、問題点・解決方法等についての基礎試験による実験的検証についても実施し、技術内容を精査した。

3.13 ガスハイドレート技術の産業利用・社会システム化に関する研究開発

(プロジェクト名) ガスハイドレート技術の産業利用・社会システム化に関する研究開発
(報告書名) 国際共同研究提案公募事業 ガスハイドレート技術の産業利用・社会システム化に関する研究開発成果報告書
(報告書番号) なし
(発行年月) 2001.03
(要 旨)  環境負荷が小さい天然ガスの普及促進が必要とされており、そのためには新しい天然ガス利用技術の開発・市場展開が最も有力である。本研究開発は、ガスハイドレート技術(ハイドレートの天然ガス自体とは異なる種々の特徴を活用した技術)を産業分野に適用することにより、天然ガスの新しい用途を開発し、その利用促進に資することを目的とする。
 天然ガスのエネルギー分野における位置付けと現状の利用を調査分析し、ガスハイドレート技術の適用性とその効果を評価検討した。その結果、ガスハイドレート技術を社会システムに組込むことで、大きな効果が期待できる用途が予期以上にありうることを見出した。また、ガスハイドレート技術の代表的用途として、天然ガスの貯蔵・備蓄、冷熱利用による夏期ピーク電力対応発電、二酸化炭素の分離・固定の3ケースについて概念設計を行い、技術的な課題と実現のための条件を検討した。その結果、いづれも技術的には実現可能であるが、基盤技術の拡充が重要であることが指摘された。
 更に、産業利用のための基盤技術の研究として、混合ガスの平衡条件に関する理論的・実験的研究および生成・分解速度の制御技術等の基礎技術の研究を行った。混合ガスに関する平衡条件の研究はまだ新しいが、本研究により2種のガスについての平衡条件が理論計算で算定できるようになった。また、生成・分解のメカニズムの解明が進み、影響因子が定量的に評価できた。更に、ラマン分光法によるガスハイドレートの定量的分析技術を確立したこと、実際の応用機器においても実用可能なハイドレート化反応の過渡現象を測定する技術として、tdR(Time Domain Reflectometry:時間領域電磁波発射)法、MRI(核磁気共鳴イメージング)法の計測技術を開発したこと、等を特筆する。

〔新・省エネルギー・電力システム関係〕

3.14 高効率廃棄物発電技術開発「廃棄物ガス化溶融発電技術開発」

(プロジェクト名) 高効率廃棄物発電技術開発「廃棄物ガス化溶融発電技術開発」
(報告書名) 高効率廃棄物発電技術開発「廃棄物ガス化溶融発電技術開発」報告書
(報告書番号) IAE-C0030
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  廃棄物ガス化溶融発電技術は、廃棄物をガス化し、高温で燃焼させることにより高効率発電を可能にするのみならず、焼却灰を無害で有効利用し易く、また減容化程度の大きなスラグ状のものとして取出せ、さらにダイオキシン類の抑制面でも優れた特性を兼ね備えているので、我が国のエネルギー・環境特性上極めて望ましい廃棄物発電技術を提供するものと期待される。廃棄物ガス化溶融発電技術の早期普及に資するため、要素技術開発を行い、研究成果を踏まえた実規模レベルのFSを実施した。
要素技術開発項目は以下のとおりである。
蒸気温度上昇のための技術開発
a)高耐腐食性SH材料の評価及び高温除塵システムの開発
b)熱分解工程における脱塩素化技術の開発
c)セラミック式高温空気加熱器の開発
d)排ガス再加熱回避のための技術開発 -低温脱硝装置の開発-
e)自己熱溶融限界発熱量低減のための技術開発-廃棄物安定供給システムの開発-
f)外部燃料投入量低減のための技術開発-廃プラスティック吹き込み技術の開発-
 また、関連技術動向調査として、廃棄物ガス変換に関するFS,海外動向調査、国内の廃棄物に関する政策・制度等に関する調査を実施した。

3.15 バイオマスエネルギー技術の開発動向及びフィージビリティスタディ調査

(プロジェクト名) 長期エネルギー技術戦略調査(バイオマスエネルギー技術の開発動向及びフィージビリティスタディ調査)
(報告書名) 長期エネルギー技術戦略調査(バイオマスエネルギー技術の開発動向及びフィージビリティスタディ調査))

(報告書番号) NEDO-P0061
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  我が国の社会状況、自然環境その他の特性に適合した、バイオマス資源の有効利用技術を確立すべく、バイオマス資源の有効利用の可能性に関する調査、バイオマス資源の利用技術の検討およびバイオマス利用技術のフィージビリティに係るケーススタディを実施した。検討の対象としたバイオマスは、都市部における食品廃棄物系、および農産残さなどの農産系、牛・豚糞尿等の畜産系、林地残材、間伐材、木材加工くず等の林産系、魚貝類の加工残さ等の水産系の廃棄物からなる複合型を選択した。

3.16 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)第2期研究開発 タスク1 システム評価に関する調査研究

(プロジェクト名) 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET) タスク1 システム評価に関する調査・研究
(報告書名) 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET) タスク1 システム評価に関する調査・研究
(報告書番号) NEDO-WE-NET-0001
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  候補システムのLCAでは、水素利用技術のLCAによる評価に先駆け、従来の自動車だけでなく電力、家庭用燃料のエネルギーフロー(チェーン)も対象に燃料サイクル分析を実施した。評価したエネルギーフローは計5,000に達した。システム検討とデータ収集では、短中期的な見地から有望な水素源と想定されるコ-クス炉とソーダ電解、両副生水素の供給可能性と経済性について昨年度よりさらに詳細な検討を行ない、その可能性を明らかにした。また、島外からのエネルギー供給に頼らない再生可能エネルギーを一次エネルギーとし水素を燃料とするエネルギー自立型離島エネルギーシステムの可能性を検討・評価し、太陽光発電と風力発電を組合せるなどにより従来のエネルギーコストに対して競合可能なエネルギーシステムを構築可能であることを明らかにした。欧州先進国における水素導入シナリオの検討では、水素燃料電池自動車の普及解析を行ない、水素を導入、普及させるときに鍵となる項目とそのときの水素源などを明らかにした。日本における水素導入シナリオの検討ではシナリオ作成に向け、CO2削減の観点から水素導入目標を検討するとともに、水素技術調査として専門家約40人からなるワークショップを開催し、技術項目および課題明らかにした上でおおよその時間的同定を行なった。さらに、国内および海外の再生可能エネルギー起源水素の供給可能性についても調査し明らかにしている。

3.17 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)第2期研究開発 タスク2 安全対策に関する調査研究

(プロジェクト名) 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)第2期 研究開発タスク2 安全対策に関する調査・研究
(報告書名) 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)タスク2 安全対策に関する調査・研究 報告書
(報告書番号) NEDO-WE-NET-0002
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  WE-NET第2期研究開発の安全タスクでの検討は、WE-NET各施設を設計する際に必要となる具体的な安全に対する要求事項を規定した「安全設計基準」策定準備と安全評価手法の確立を目標としている。前者については、タスク7で検討している水素供給ステーションをモデルケースとして、潜在的な事故等の起因事象を抽出・整理し、事故発生頻度推定のためのデータを整理した。後者については、昨年度作成した装置を使用し、連続した条件での液体水素の流出、蒸発実験を実施した。また、その実験結果で検証することにより、シミュレーションモデルの改良を検討した。さらに、昨年度策定した基本計画に基づき、水素の爆発実験を開始した。本年度はまず、安全に精度良く実験するため実験遂行方法と圧力等特性値の測定方法について検討し、その結果、実験方法を確立することができた。本年度は確立された方法で数回の実験を実施し、基礎的知見を得るとともにその結果で検証することによりシミュレーションモデルの改良を検討した。

3.18 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)第2期研究開発タスク12革新的、先導的技術に関する調査研究

(プロジェクト名) 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)第2期研究開発タスク12 革新的、先導的技術に関する調査・研究
(報告書名) 水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)タスク12 革新的、先導的技術に関する調査・研究
(報告書番号) NEDO-WE-NET-0012
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  WE-NETは、水素を利用した再生可能エネルギーのグローバルなエネルギーネットワークの実現を可能にするための技術の確立を目的とした長期的視野に立った研究である。したがって、全体のシステムの有効性を保つためには関連技術の動向を正確に把握し、構成技術を常に最適化していく必要がある。
 本研究は、WE-NETを構成する水素の製造、輸送・貯蔵、利用に係る技術のうち、将来的には有望であるものの当面の開発対象から外れている革新的・先導的技術はもちろん、在来型技術についても改良やその組合せのシステムに新規性・有用性のあるものなど、あらゆる可能性を幅広く調査した。
 本年度は、5件の新技術提案を収集した。また、以下の4件の概念検討を実施し、その実現可能性を調査した。
 (1)天然ガスを原料とした二酸化炭素を発生させない水素製造法の調査と副産物の評価
 (2)水素選択性ヒドロゲナーゼセンサーの技術的可能性調査研究
 (3)ナフテン系水素貯蔵輸送媒体の新規脱水素反応の調査
 (4)非平衡メタン改質型ガスタービンシステムの調査研究
また、本年度より下記の基礎研究に着手した。
 ・磁気冷凍法による水素液化技術の基礎研究

3.19散電源装置におけるマイクロコージェネレーションの研究開発

(プロジェクト名) エネルギー使用合理化技術実用化開発 分散電源装置におけるマイクロコージェネレーションの研究開発(マイクロコージェネレーションの導入効果、システム構成等に関する調査研究)
(報告書名) マイクロコージェネレーションの導入効果、システム構成等に関する調査研究
(報告書番号) なし
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨) 分散電源とデシカント空調技術を組み合わせたマイクロコージェネレーションに関して、適用可能な分散電源の見極め、導入可能量の検討、省エネルギー性やCO2削減量などの導入効果の推定等、実用化に向けた評価を行うことを最終目標とする。
・小型分散電源の排熱特性調査
本デシカント空調技術の適用対象となる小型分散電源としては、マイクロガスタービン(MGT)、マイクロガスエンジン(MGE)、リン酸型燃料電池(PAFC)、固体高分子型燃料電池(PEFC)等が考えられる。これらの小型分散電源は機種及び製造メーカーの仕様等により、その排熱特性(温度、量、排ガス性状等)は様々である。このため、今年度はMGTを対象に、排熱特性を調査し、排ガス性状、許容通風抵抗等のデータを得た。
・小型分散電源の導入可能性調査
導入可能量、導入効果の評価のための手法、前提条件についての検討を行い、算出方法を設定した。なお、これら調査の実施にあたっては、学識経験者、専門家等からなる委員会を設置して調査内容の検討・評価を行った。

3.20 民生用電力需要における省エネルギー対策の影響分析

(プロジェクト名) 民生用電力需要における省エネルギー対策の影響分析
(報告書名) 平成12年度電力需要詳細分析調査(民生用電力需要における省エネルギー対策対策の影響分析)
(報告書番号) IAE-C0007
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨) 電力需要における民生用需要は堅調な増加傾向を示しており、なかでも家庭用は電力消費構造が変化しながらも消費の増加が続いていることから、アメニティ指向による電力利用機器の普及、省エネルギー対策等が家庭用電力需要に及ぼす影響を予測・分析し、より詳細な電力需要の想定に資することが重要である。
 家庭用電力需要家の電力消費動向と需要影響要因の分析、省エネルギー化の動向等を調査して、想定モデルによる将来的な家庭用電力における需要推計を行うため、既存の各種データや他研究機関によるモデル家庭の電力消費構造の分析結果を参考にして、標準化モデルにおける家庭用電化製品の普及、利用状況の変化等に伴なう時系列的な電力消費構造に及ぼす影響を予測・分析した。

3.21 電力需要に関する想定手法等の研究調査

(プロジェクト名) 電力需要に関する想定手法等の研究調査
(報告書名) 電力需要に関する想定手法等の研究調査報告書
(報告書番号) IAE-C0010
(発行年月) 2001.03
(要 旨) 現在の電力需要想定は、政府経済見通しや主要経済指標との相関、過去からの時系列傾向等を分析して一般電気事業者毎に想定した販売電力量に、承認統計(電力需要調査)で得た自家発電等の動向を加えて実施してきた。平成12年3月からの電力小売部分自由化によって電力の供給形態は多様化することととなるため、今後の電力需要想定には、供給形態の多様化等も勘案する必要性があると考えられる。
 このため、電力需要想定値および実績値、想定時に使用した経済指標およびその実績の整理を行い、データベースを作成した。また、電力需要想定手法について調査、整理を行うとともに、電力需要実績値の分析、電力需要想定値の想定誤差の要因分析を行った。さらに、電力規制緩和が先行している米国の電力需要想定の実態について調査を行った。

3.22 次世代パワー半導体デバイスの導入可能性等の調査

(プロジェクト名) 次世代パワー半導体デバイスの導入可能性等の調査
(報告書名) 次世代パワー半導体デバイスの導入可能性等の調査
(報告書番号) IAE-C0013
(発行年月) 2001.02
(要 旨) Si(シリコン)を用いたパワー半導体素子では、低損失、高速動作においてSi材料物性値から予想される限界にぶつかることが分かっており、変換損失の低減化、新しいニーズの高速動作化、高耐圧化及び高温動作化の限界が見えてきている。
 SiC(シリコンカーバイト)を素材とするパワー半導体素子は、これらの限界を超えることができる超低損失電力素子として期待が寄せられており、資源の有効活用と環境負荷の低減が叫ばれる中、応用分野の拡大が期待されている。
 SiCの応用分野としては、電力分野や輸送分野を始めとする種々の分野での利用が期待される。平成12年度は、応用分野のうち堅調なエネルギー消費増を示している民生用電力分野について、SiCの導入の可能性と導入による省エネルギー効果等について分析を行なった。

〔地球環境関係〕

3.23 エネルギー消費効率化地球環境影響調査

(プロジェクト名) エネルギー消費効率化地球環境影響調査
(報告書名) エネルギー消費効率化地球環境影響調査
(報告書番号) NEDO-P-0051
(発行年月) 2001.03
(委託元) NEDO
(要 旨)  気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第三次評価報告書における地球温暖化対策の検討状況を調査分析するとともに,地球温暖化対策の付随的便益の評価に関する研究状況について調査分析を行った。
 IPCC第三次評価報告書は2001年3月に承認された。第三作業部会報告書では,温室効果ガス排出削減のための各種オプションの導入状況や開発状況がレビューされており,開発段階にある広範な技術について大きな進展がみられていることが指摘されている。各種対策技術の温室効果ガス削減ポテンシャルを積み上げると,全世界の温室効果ガス排出レベルを2010~2020年において2000年の水準以下にできる潜在的可能性がある。
 温暖化抑制策は,他の社会的問題にも効果がある。たとえば炭素排出の削減は,多くの場合,大気汚染も同時に削減する結果を生む。また温暖化抑制策は,運輸や農業,土地利用方法や廃棄物管理にも影響を及ぼし,雇用やエネルギー安全保障といった他の社会的な懸念事項にも影響を与える。全ての影響がプラスであるわけではないが,政策の選択や設計を慎重に行うなら,プラスの効果をより良く確保でき,マイナスの影響を最小限にすることができる。付随的便益の正確な推計を行うのは困難であり,これまでの研究結果は非常に多様でもあるが,付随的便益の規模が対策コストに匹敵する可能性がある緩和策も指摘されている。

3.24 超重質燃料油利用技術調査

(プロジェクト名) 超重質燃料油利用技術調査
(報告書名) 環境審査等調査(超重質燃料油利用技術調査)
(報告書番号) IAE-C0031
(発行年月) 2001.03
(要 旨) 非石油系燃料である超重質燃料油(商品名オリマルジョン)の安全な取扱技術と、その環境影響について調査した結果をまとめた。
オリマルジョンの安全な取扱技術としては(1)発電所における利用技術および(2)流出事故への対応に関する技術調査を行った。両者ともに、オリマルジョンの特性を考慮した対応を実施することによって、重油系の燃料と同等程度に取り扱うことができる。
 オリマルジョンの環境影響については、海上への漏洩を想定して、とくに海生生物に対する急性毒性に関する調査を実施した。
文献調査によると、オリマルジョンの急性毒性は米国規格#6燃料油よりも低く、使用されている界面活性剤も、一般に流通している界面活性剤の毒性の範囲内にあることが判った。これは、オリマルジョン等について独自に行った、魚類を使用した急性毒性試験結果と矛盾しない。

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