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2001 年6 月7 日,米国ルイジアナ州の製油所で直径82m の大型石油タンクが全面火災を起こした。世界最大の石油タンク火災であった。この燃え盛る火を,民間の消火専門会社は,日本にはない大容量泡放射砲を使用し,泡消火を始めてから僅か65 分で消火した。要員は,消火会社の14 人と,ホース展張などを手伝った製油所の所員約20人のみであった。
石油連盟関係者が偶然立会い,消火活動を撮影したが,その消火能力に圧倒された(ビデオは,石油連盟ホームページ http://bubble.paj.gr.jp/ でご覧になれます)。
ビデオを見ると,疑問がわく。なぜ,公設消防ではなく,民間の消火会社が消火したのか。なぜ,これほどまでに高い消火能力(プロ集団)を持つようになったのか,である。
日本の石油コンビナート火災等では,公設消防車の到着後は,公設消防が指揮をとり,消火責任は工場(自衛消防)から公設消防に移る。また,その消火活動は教訓として生かせる形では公表されていない。
一方,米国では,「公設消防は専ら住宅など市民生活の場での消火に当たり,複雑特殊な工場の消火は工場に任せる」という考えから,大工場の火災は工場が自己責任で消火に当たる,という。公設消防(Municipal firefighter )と産業消防(Industrial firefighter )とが合理的に峻別されている。
工場は,必要に応じ消火会社と契約しておくが,その消火会社には,「No Cure ,No Pay 」が原則適用される。このため,消火能力を高めるのに非常に熱心である。例えば,彼らは消火活動の教訓を的確に生かす。現に,上記火災消火の後も,当該消火会社は,消火水の大量長距離移送,ホース展張時間の短縮などのため,消火ホースの径を5 インチから7 インチ1/4 に改良するなどして,消火能力と機動性のアップを図っている。また,米国では,法的にも,新技術導入への制約がなく,地元の公設消防に日頃から説明しておけば,最も効果的な方法を自由に導入できる,という。
こうしたことが,米国に,消火技術の日進月歩をもたらしているような気がする。
翻って,日本の自衛消防には,現在,石油コンビナート等災害防止法(石災法,1975年制定)により,制定当時の消火技術を基にした三点セット(大型高所放水車,大型化学消防車,泡原液搬送車)の配備が義務付けられている。
しかし,厳しい国際競争の下で石油の安定供給の責務を果たすには,高性能で効率的な海外の最新消火技術を導入し,製油所等の安全向上と効率化を図っていく必要がある。また,火災予防には万全を期しているものの,特に地震、テロ等も言われていることから,万一の場合には確実に消火できる体制を作っておくことは極めて大切である。
石油連盟は,米国で実証試験を行い,大容量泡放射砲の消火性能を確認した。これにより,まずは第一段階として,タンクシール火災やプラント三次元火災に有効なI‐S型大容量泡放射砲を三点セットの代替(選択肢)として認めるよう,消防法規の改正を消防庁に要望しているところである。
さらに次の段階として,海外の日進月歩の消火技術を恒常的に遅滞なく導入し続けることができるように,また,日本でも消火技術の独自開発や消火ノウハウの蓄積・共有化・向上ができるように,(1) 石災法等消防法規の性能規定化,(2) 検定制度の見直し,(3) 消火活動実態の情報公開などの改革を進め,自主保安を推進する必要がある。
これらについても石油連盟は既に政府に規制緩和の要望をしている。
この改革は,日本産業の,安全性の一層の向上と国際競争力の確保にとって不可欠と思う。関係者のご理解、ご協力、ご支援をいただきたい。
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