空気は重い?!(2006.05.19)
今回は、[空気は重い!!]ということじゃ。
[空気が重い??]冗談はよしこさん(注1)。空気は[軽い]ものの代表じゃないの??
フフフ、そうくると思っておったよ。じゃがのう、空気は重いということをじ〜〜〜くりと説明してみようではないか。
じ〜〜〜〜〜〜くりと、聞いてみようではないか。
じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜くりと聞かせてみせようではないか。
まずは、空気の重さじゃが、その密度は通常の大気(平地)においておおよそ1.225kg/m3前後なんじゃよ。これは、1m×1m×1mの立方体の大きさ(1000リットル)で約1kgということじゃ。運動会で使う大玉ころがしの大玉くらいの大きさで約1kgということかのう。どうじゃ、思ったより重いじゃろう。
ン?まだよく分からない?では、これならどうじゃ。
まず、水は通常の状態では、1リットルで約1kgじゃのう。1リットルといえば10cm×10cm×10cmの立方体の大きさじゃ。空気は1000リットルで約1kgということじゃから、空気は、水に比べて約1/1000の重さということで、軽いといえば軽いが、反面、水を一辺あたりそれぞれ、たった10倍に膨張させた程度ともいえるのう。どうじゃ、案外重いじゃろう?
ウ〜ン、なんかだまされたような...
それでは、これではどうじゃ。
空気1kgと鉄1kgではどっちが重いか?
オイオイ、そんな古いナゾナゾなんか持ち出して。両方とも1kgだから同じですよ。
フフフ、実はそうでもないんじゃよ(^^)。
さっきのナゾナゾを[質量1kgの空気と質量1kgの鉄ではどっちが重いか?]という意味だとすると、たしかに[質量としては1kgで同じ]で、地球の表面では重力の加速度も同じじゃから、[重量としても1kgで同じ]じゃのう。
じゃが、質量1kgの空気と質量1kgの鉄を秤にかけたらどうかのう?
質量1kgの鉄は1kgと表示されるが、質量1kgの空気は0kgと表示されるのじゃよ。つまり秤としては[空気の重さは0]と感じていることになる。どうしてそうなるかといえば、空気には[浮力]があるので、空気の中の1kgの空気には1kgの浮力が働き、あたかも重さが無いように感じてしまうんじゃよ。
じゃから、[質量1kgの空気と質量1kgの鉄を人間が地上で持てば、鉄は1kgの重さを感じ、空気は重さを感じない]となり、[質量1kgの空気と質量1kgの鉄では鉄の方が重く感じる]ということになるのう。
まあ、こんなところから、空気は実際よりも軽くイメージされておるんじゃないのかのう。
ウ〜ン、ますますだまされたような...
フフフ、まあ、軽い重いは感覚的なものじゃで、そう真剣に考えることもないわいな。
で、何故、こんな話をしたかというとじゃ、ほれ、例の[風力発電]のことを言いたかったんじゃよ。
風力発電??
そうじゃ、[風力発電]じゃ。[風力発電]は風のエネルギーを電気に変えるものじゃが、元の風のエネルギーが十分大きくなければ、風力発電も大きな電力を取り出すことはできないじゃろう?
風力発電が実用化されているということは、風のエネルギー(空気の運動エネルギー)が十分に大きいということで、風のエネルギーが十分に大きいということは、空気の重さもそれなりに重いということなんじゃよ。
何故、そうなるかは下記の説明を見てもらうとして、下式のように、風車の受ける風のエネルギーは、空気密度と受風面積と風速の3乗に比例するのじゃよ。まあ、風速が2倍になると風のエネルギーは8倍づつ増えていくということじゃのう。
風車の受風面積で受ける風のエネルギー=1/2×空気密度×受風面積×風速3
空気が結構重く、風車が大きく、風速もある程度大きいと、風のエネルギーもそれだけ大きくなる、ということじゃのう。この風のエネルギーを、人類は昔から揚水や灌漑、帆船、製粉等に利用してきており、最近では発電にも利用してきている、というわけなんじゃよ。
なるほどねえ。たまにはいいこと言うじゃない。
フフフ。ということで、空気は結構重く、風のエネルギーは案外大きいので、台風の時などには、風で木が倒されたり、怪獣ラドン(注2)の風で人が飛ばされたりするんじゃよ(^^)。
コラコラ、脱線してるよ。たまに誉めるとすぐこれだ、まったく。
ショボ〜〜〜ン _| ̄|○
注1:国民的大落語家、昭和の爆笑王、林家三平師匠の名ギャグ
注2:[陸のゴジラ、空のラドン]と並び称された大怪獣
風車の受風面積で受ける風のエネルギー:
ちょいと、説明してみようかのう。
・風に向かって立てられた受風面積A平方メートルの(素通しの)仮想の的を考える。
・風速をV(m/秒)とすれば、的からVメートル手前にある空気は1秒後に的に達するから、1秒間に容積AV立方メートルの空気の塊がこの的を通過する。
・空気の密度をr(平地ではおおよそ=1.225kg/m3)で表すと、質量M=rAVkgの空気の塊が的を通過することになる。
・質量Mのものが遠さVで走るときの運動エネルギーは(1/2)MV2であるから、いま述べた空気の塊がもつ運動エネルギーは(1/2)(rAV)V2すなわち(1/2)rAV3である。
つまり、
風車の受風面積で受ける風のエネルギー=1/2×空気密度×受風面積×風速3
受風面積:風車なら、羽が回る回転部分の面積
例えば、直径60mの風車の回転部分の面積(受風面積)は
約2,826m2(=30m×30m×π)となる。
風車の場合、羽が回る回転部分の面積が[受風面積]っていうけど、実際に風を受ける部分は羽根の部分だけじゃないの? 回転部分のほとんどがスカスカで風は素通りのような?
ウッ、スルドイ!!
まあ、理屈をいえばそうなんじゃが、羽の回転部分を通る風のエネルギーの何%を目的のエネルギー(電気)に変換できるかが勝負じゃから、その部分を基本に考えておるのじゃよ。(ふう、あぶない、あぶない(心の声))
関連ページ:
●風力発電とは
●質量と重量
関連サイト:
●資源エネルギー庁>エネルギー白書
●資源エネルギー庁>パンフレット
●(財)新エネルギー財団>風力発電
●J-POWER/電源開発株式会社>風力発電
●(財)エネルギー総合工学研究所>定期刊行物>新エネルギーの展望>風力発電(再改訂版)(PDF/1.50MB)
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