新エネルギー(2009.10.30)
前回の「化石エネルギー」は古くから使われているエネルギーの話じゃったが、今回はいよいよお待ちかね「新エネルギー」の話をしてみよう。
別に待ってません!!
いや、すまん、すまん。しかし、いわゆる新エネルギーは、環境に優しい、資源が無尽蔵などの長所があるので、おそらく世界中の人から期待されておるエネルギーじゃろう。
少なくとも私は期待しています。
そうじゃろう。ところで、聞くが、「新エネルギー」とは何のことか知っておるか?
エ〜ット、太陽光に風力にそれから...。
いや、ちと意地の悪い質問じゃった、許してくれ。実は国が定義しておってのう、1997年に施行された「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」という法律では、図1の旧定義で、2006年度の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会において、新エネルギーの概念の範囲の見直しが行われ、同図の新定義で定義されておるのう。
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旧定義
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→
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新定義
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[新エネルギー]
技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、石油代替エネルギーの導入を図るために特に必要なもの
・供給サイドの新エネルギー
太陽光発電 太陽熱利用
風力発電 雪氷熱利用
バイオマス発電
バイオマス熱利用
バイオマス燃料製造
温度差エネルギー
廃棄物発電 廃棄物熱利用
廃棄物燃料製造
・需要サイドの新エネルギー
クリーンエネルギー自動車
天然ガスコージェネレーション
燃料電池
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[再生可能エネルギー]
大規模水力
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[新エネルギー]
再生可能エネルギーのうち、その普及のために支援を必要とするもの
中小水力 地熱
太陽光発電 太陽熱利用
風力発電 雪氷熱利用
温度差熱利用
バイオマス発電
バイオマス熱利用
バイオマス燃料製造
バイオマス由来廃棄物発電
バイオマス由来廃棄物熱利用
バイオマス由来廃棄物燃料製造
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波力発電 海洋温度差発電
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化石燃料由来廃棄物発電・熱利用・燃料製造
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[革新的なエネルギー高度利用技術]
再生可能エネルギーの普及、エネルギー効率の飛躍的向上、エネルギー源の多様化に資する新規技術であって、その普及を図ることが特に必要なもの
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図1 新エネルギーの概念の見直し
参考:資源エネルギー庁>経済産業省、エネルギー白書 2007年版(2007年)
いろんな種類があるのですね。何だか期待してしまいますね。
期待は大じゃのう。しかし現実は厳しい。現在(2005年度)は日本のエネルギーの数%程度しかないのじゃよ。
表1 新エネルギー導入実績と見通し
(原油換算万kL)
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2005年度
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2020年度
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2030年度
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実績
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現状固定ケース・努力継続ケース
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最大導入ケース
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現状固定ケース・努力継続ケース
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最大導入ケース
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太陽光発電
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35
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140
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350
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669
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1300
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風力発電
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44
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164
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200
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243
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269
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廃棄物発電+バイオマス発電
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252
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476
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393
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338
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494
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バイオマス熱利用
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142
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290
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330
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300
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423
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その他
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687
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663
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763
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596
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716
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合計
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1160
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1733
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2036
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2146
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3202
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使用データ:資源エネルギー庁>長期エネルギー需給見通しについて-エネルギー起源CO2排出量の見通し->長期エネルギー需給見通し
エ〜、それだけなんですか?もっと使えないのですか?
太陽光発電や風力発電などのいわゆる新エネルギーは、環境に優しい、資源が無尽蔵などの長所もあるが、自然条件に左右される、まだコストが高いなどの課題もあるのじゃよ。
ここで[資源が無尽蔵]について説明するが、この[無尽蔵]には意味が2つあるので、注意が必要じゃ。1つは「ある瞬間に無限の大きさの強い力を出す」という意味と、もう一つは「無限の時間使える」という意味じゃ。
[新エネルギーの資源が無尽蔵]というのは、現状ではこの[無限の時間使える]のことであり、「ある瞬間に無限の大きさの強い力を出す」というわけではないんじゃよ。無論、設備さえあれば可能性としてはこの瞬間のパワーも膨大ではあるのじゃが、先に述べた課題などにより、まだまだ大々的には実用化されておらんのじゃ。
これらの問題点を解決するための技術開発も進められており、既にそれぞれの特性に適した使い方により、一部実用化されておる。
太陽光発電や風力発電以外に実用化されているものはあるの?
いくつか、あるぞ。例えば「バイオマスエネルギー」なんかがそうじゃのう。これは、生物の作り出す有機物を利用する再生可能なエネルギーじゃ。また、ゴミ(廃棄物)をそのまま廃棄せずにエネルギーとして利用しており、これもバイオマスエネルギーに含められておるのう。
表2 バイオマス資源の分類と主要なエネルギー利用形態
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バイオマス資源の分類
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主なエネルギー利用形態
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乾燥系
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[木質系]
木質系バイオマス
伐採の残材
製材の廃材
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[農業・畜産・水産系]
農業残渣
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[建築廃材系]
建築廃材系
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(直接燃焼)
チップ化、ペレット化等を行い、ボイラーで燃焼
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→
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発電や熱利用等
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湿潤系
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[食品産業系]
食品産業排水
食品廃棄物
水産加工残渣
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[農業・畜産・水産系]
バガス
家畜糞尿
漁業残渣
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[生活系]
下水汚泥
し尿
厨芥ごみ
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(生物化学的変換)
発酵技術によりメタン、エタノール、水素等を生成
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→
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その他
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[製紙工場系]
黒液・廃材
セルロース(古紙)
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[農業・畜産・水産系]
糖・デンプン
甘藷
パーム油(やし)
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[生活系]
廃棄食用油
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(熱化学的変換)
ガス化や炭化等を行い燃料化
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→
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参考:資源エネルギー庁>経済産業省、エネルギー白書 2007年版(2007年)
なるほど。で、結局、日本は新エネルギーに消極的なの? それとも積極的なの?
努力はしておるぞ。太陽光発電の導入量は、数年前までは世界1位だったのじゃが、導入に熱心なドイツなどに抜かれてしまったのう。風力の導入量は世界水準からみれば少ないが、ここ数年は急速に伸びておる。
最近では、補助金制度が復活するなど、さらなる普及を目指しておるのう。太陽光発電もまた世界1位に返り咲いて欲しいものじゃ。

図2 世界の太陽光発電設備量
使用データ:資源エネルギー庁>経済産業省、エネルギー白書 2009年版(2009)
次回は「省エネルギー」の話でもしようかのう。
関連ページ:
●太陽光発電とは
●太陽光発電の発電設備量
●風力発電とは
●風力発電の発電設備量
●バイオマス資源
●太陽熱利用
●未利用エネルギー
●新エネルギーの定義
●再生可能エネルギーの長所と短所
関連サイト:
●(財)新エネルギー財団
●新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>よくわかる!技術解説
●電気事業連合会>情報ライブラリー
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