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前回の「エネルギーと環境」は世界的な話じゃったが、今回は日本のエネルギー事情について話をしてみよう。

今は特に問題はないですよね。

表面上はあまり大きな問題はない様に感じるかもしれんが、いろいろとあるのじゃよ。

 まずは日本のエネルギーの現状をみてみようかのう。日本のエネルギー消費は経済成長とともに飛躍的に伸び、今では世界の約5%(2006年)を消費するエネルギー消費大国になっておる。そのエネルギーの半分は石油じゃ。


図1 日本の一次エネルギー供給量の推移
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)

世界の約5%か、結構な比率ですね。

しかし、日本はエネルギー資源が極度に乏しく、そのほとんどを海外に依存しなければならないという宿命にある。

 日本はイタリアなどと並んで自給率が低く、エネルギーのほとんどを海外から輸入しておる。輸入依存度が高いとエネルギーの入手が為替レートの変動やエネルギー輸出国の政治情勢などに左右され、私たちの生活も大きな影響を受けることになり、好ましいことでない。1973年と1979年に起きた「石油危機」はその大きな影響を受けた1つの例といえるのう。

 そこで、エネルギーの供給源の多様化やエネルギー自給率の向上などを行い、「エネルギーの安定供給」を実現するのが日本のエネルギーの目標の一つじゃ。


図2 各国のエネルギー自給率(2005年)
使用データ:資源エネルギー庁原子力AtoZ>>エネルギー自給率

自給率がこんなに低いなんて!! ということは、ほとんど輸入じゃないですか!!

そうじゃのう、日本のエネルギーはほとんど輸入じゃのう。この輸入したエネルギーを何に使っているかといえば、エネルギー消費割合は、産業部門が約1/2、民生部門、運輸部門がそれぞれ約1/4となっておる(2007年度)。

 推移をみれば、日本のエネルギー消費は、第1次石油危機(1973年)頃までは産業部門を中心に大きく増加してきたが、それ以後はエネルギー効率の改善もあり、産業部門はあまり増加しておらんのう。
 それに対し、1980年代半ば以降は、民生部門(家庭や商店、事務所ビルなど)・運輸部門を中心に増加しておる。


図3 日本の部門別最終エネルギー消費量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)

あれ?一次エネルギー供給量と最終エネルギー消費量の値が大きく違いますね?

そうなんじゃ。一次エネルギーの一部を電気などのエネルギーに変換するので、その時などに損失があって、利用するときはいくぶん量が少なくなるのじゃよ。


図1 日本のエネルギーバランス(2007年度)
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)

図にある「民生部門」というと私たちの暮らしに直接関係しているところですね。

そうなんじゃ。「民生部門」のエネルギーというのは家庭や事務所などで使われているエネルギーのことじゃのう。正に暮らしに直接関係しておるのう。

 暮らしに直接関係といえば、電気は便利で使い勝手が良いので、年々利用が拡大し、最終エネルギー消費に占める電力の比率(電力化率)は約1/4となっておる(2006年)。


図5 世界と各国の最終エネルギー消費に占める電力の比率(電力化率)
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)

日本はエネルギーの使いすぎなんじゃないですか?

そうじゃのう。沢山使っておることには違いないが、そうでもない面もあるのじゃ。
 日本のエネルギー消費は、戦後の経済成長とともに急速に増加したが、石油危機以後は省エネルギーに努め、世界的にみても日本は主要国中では最も効率の良いエネルギーの使い方をしている国になっておる。「省エネルギー」という意味では、日本は優等生じゃのう。


図6 各国のGDP当たりの一次エネルギー消費量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)

使う量も多いが、効率も良いということですね。

そうなんじゃ。でも効率も良いが使う量も多い。沢山使っておるので地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)の排出量も、世界の4%位となっておる。

 第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で、日本は温室効果ガスの排出量を削減することを約束したが、削減目標達成のためにも、抜本的な省エネルギーと非化石エネルギー(原子力・新エネルギーなど)の積極的な導入が必要とされておる。

 この「環境」に対する配慮が、日本のエネルギー問題で考えなければならないことの一つなのじゃ。


青色の国は京都議定書で削減義務がある   
緑色の国と中国は京都議定書で削減義務がない
アメリカは京都議定書に参加していない   

図7 世界のエネルギー起源二酸化炭素排出量(2005年)
使用データ:
資源エネルギー庁経済産業省、エネルギー白書 2008年版(2008)

特に問題はない、とはいえなくなってきました。

そう思ってくれるか。しかし、「安定供給の確保」「環境への適合」を達成してもコストが高くなっては経済活動にも影響するので、「市場原理の活用」で効率化を目指さねばならん。
 そこで、日本は持続可能な経済・社会の発展と、よりよいライフスタイルを築くため、「安定供給の確保」「環境への適合」「市場原理の活用」の3つをエネルギー政策の基本方針としておるのじゃ。

 国は「新・国家エネルギー戦略」などで達成すべき目標をかかげているが、目標の達成は容易ではないのう。

現状固定ケース:今後、機器の効率が現状(2005年度)レベルのまま推移した場合を想定したケース。
努力継続ケース:今後とも継続して効率改善の努力を行い、耐用年数を迎える機器と順次入れ替えていく効果を反映したケース。
最大導入ケース:省エネ性能の格段の向上が見込まれる機器・設備を最大限普及させることにより劇的な改善を実現するケース。

図8 日本のエネルギー需給とCO2排出量の見通し(長期エネルギー需給見通し(2008年5月))
使用データ:経済産業省白書・報告書>>長期エネルギー需給見通し

「目標の達成は容易ではない」では済まないじゃないですか。

そうじゃのう。「エネルギーをどうするか」というのは国の将来を決める基本的な問題の一つなのじゃから、皆も真剣に考えて欲しいのう。

 次回は、最も身近なエネルギーの一つである「電力の話」じゃ。 


関連ページ:
日本のエネルギー供給
日本のエネルギー消費
日本のエネルギー構成
日本のエネルギーバランス
日本のエネルギー政策
日本のエネルギー需給の予測
各国のエネルギー自給率
各国の最終エネルギー消費に占める電力の比率
世界のCO2排出量
各国のエネルギー利用効率
エネルギー政策基本法
エネルギー基本計画
新・国家エネルギー戦略
関連サイト:
資源エネルギー庁エネルギー白書
資源エネルギー庁エネルギー政策基本法とエネルギー基本計画
資源エネルギー庁個別施策情報
資源エネルギー庁パンフレット
資源エネルギー庁キッズページ
資源エネルギー庁統計情報

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