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一つ上の階層にリンクします。人類とエネルギーの歴史(2009.10.30)

前回の「エネルギーの法則」は理科の話じゃったが、今回は社会科じゃ。

今度こそ分かりやすい説明をお願いします。

よしよし。そもそも、人類が他の生き物と異なる要因として「言葉」とともに「火」の使用が挙げられている様に、人類とエネルギーの関係は密接なものがあるのじゃ。

 人が生きるために行うさまざまな活動には必ずそれに相応しいエネルギーが必要となる。寒い地域に生きるためには暖房用のエネルギーが必要であり、夜に活動するには照明用のエネルギーが必要となるのじゃよ。

昔はどんなエネルギーを使っていたんですか?

18世紀に始まった産業革命までの人類は、長い間、家屋の暖房用に木炭、照明用に植物油やろうそくといった植物のエネルギー、農作業や物資の輸送用に馬や牛等の動物の力といったものを利用しておった。また、農産物の潅漑や生産加工には水車や風車などの自然エネルギーも使われておったのう。

 これらのエネルギーは全て自然界からの再生可能なエネルギーで、人類の消費するエネルギーは自然界のもつエネルギーのごく一部を利用しているにすぎなかったのじゃよ。


図1 人類とエネルギーのかかわり
参考:資源エネルギー庁経済産業省、エネルギー白書 2006年版(2006年)

昔は自然のエネルギーを使っていたんですね。

昔といっても、日本でもわずか60年程前の第二次世界大戦頃までは、一部の近代化した工業分野を除き、一般国民のくらしは殆どこのようなエネルギーで賄われておったのう。

 儂の子供の頃は家の縁側の下に薪(まき)があって、母はこれを燃やし釜でご飯を炊いていたのう。お釜のご飯のうまいこと。特に「こげ」が旨い。あれは旨かった。最近は炊飯器でご飯を炊くので「こげ」ができないのがいかん。そもそも「こげ」というのは・・・・・・

博士、エネルギーの話からご飯の話になってますよ!!

ウン??、おお、すまんすまん。ご飯の話になるとつい我を忘れてしまっていかんのう。

ところで、人類はいつ頃から自然のエネルギー以外のエネルギーを使う様になったの?

人類とエネルギーの歴史にとって、一つの大きな転換点になったのが産業革命で、蒸気機関の発明等で石炭を利用したエネルギーの大量使用が可能となったんじゃ。逆にいうと、エネルギーの大量使用なくして産業革命はあり得なかったともいえる。1800年代中頃からエネルギー消費は急増したんじゃが、これは主に石炭を燃料にしてなされたのじゃよ。

人類は産業革命で石炭を大量に使うようになったんだね。

そうなんじゃ。石炭の次には石油が使われるようになるのじゃが、石油は1859年(安政6年)にアメリカのドレイク(E.L.Drake)という人の石油発掘から始まるといわれており、これが石油産業の始まりじゃな。20世紀になると電気やガソリンエンジンの利用等により、より使い勝手の良い石油エネルギーの利用が拡がったのじゃ。

石油は今では身近なエネルギーになってますね。

そうじゃのう。1973年と1979年に起こった石油危機は、世界があまりに石油に依存していたので起こったものともいえるのう。


図2 世界の一次エネルギー供給量
使用データ:資源エネルギー庁経済産業省、エネルギー白書 2009年版(2009)

石炭や石油以外のエネルギーにはどんなのがあるの?

そうじゃのう、天然ガス、原子力などが増大するエネルギー消費を支えるために利用されるようになってきておる。

 特に、20世紀後半における原子力の登場は特筆に値するものといえるのう。それまでのエネルギーは、水力や風力などの自然のエネルギーを除き、全て酸素との化学反応による「燃焼(燃える)」を利用するものなんじゃが、人類は質量をエネルギーに転換するというまったく原理の異なる原子力エネルギーの利用を新たに加えることになったのじゃ。

どんどんエネルギーを使って、どんどん生活を豊かに便利にしてきたんだね。

そうじゃ。人類の活動範囲の拡大はエネルギー消費の拡大と共にあったといっても良いのう。産業革命以後は、まさに石炭・石油・天然ガスといった化石燃料によるエネルギーの大量消費時代といえ、それが現在も続いているんじゃよ。

 今は、農業・交通・工場などあらゆるところに大量のエネルギーが使われており、電気や石油製品などのエネルギーを使う製品が普及して、くらしが便利になっておるが、今の生活は、大量のエネルギーに支えられているといえる。じゃから、万一エネルギーが不足するようなことがあれば、大変な事態が生じることは目に見えておるのう。


図3 エネルギーの供給と利用の概要
参考:資源エネルギー庁パンフレット日本のエネルギー 2009

エネルギーが不足するのは大変なことは分かったけれど、実際に不足することがあるの?

石炭の可採年数が100年以上であるのに対して、石油、天然ガスのエネルギー資源の可採年数は100年以下となっており、このままの利用を続けていれば21世紀中に資源が不足し、利用が困難になる可能性があるとの説もある。

 遠い未来の話の様じゃが、君たちの孫が生きている時代ともいえる。可愛い孫の幸せや末長い人類の繁栄を望むならば、化石燃料に替わるエネルギーの開発がどうしても必要になるのじゃよ。ただし、資源開発努力によりもっと資源を入手できるとの説もある。どちらにしても開発努力が必要という訳じゃよ。

表1 世界のエネルギー資源確認可採埋蔵量と可採年数(2006年末)
エネルギー資源
確認可採埋蔵量
可採年数(年)
石炭

9091(億トン)    
アジア・オセアニア:2969
欧州・ユーラシア:2871
北米:2544
アフリカ・中東: 508
中南米: 199

147
石油

1645(億トン)    
中東:1012
欧州・ユーラシア: 197
アフリカ: 155
中南米: 148
北米:  78
アジア・オセアニア:  54

40.5
天然ガス

1665(石油換算億トン)
中東: 674
ロシア: 437
アジア・オセアニア: 136
アフリカ: 130
北米:  73
中南米:  63

63.3
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2008年版)

そんなに早くなくなるなんて、エネルギーを使いすぎているのじゃないの?

「地球温暖化」という言葉を知っておるかのう? エネルギーの大量消費により、海面の上昇や異常気象の多発など地球環境を破壊する恐れが出るまでになっており、人類とエネルギーの関係を見直す動きも現れておる。
 もはや自由気ままにエネルギーを使える時代ではないということじゃ。

 次回は「エネルギーと環境」について話してみようかのう。


関連ページ:
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関連サイト:
資源エネルギー庁エネルギー・資源を取り巻く情勢
電気事業連合会日本の原子力

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