省エネルギー(2009.11.24)
前回の「新エネルギー」の話も大事な話じゃったが、今回の「省エネルギー」の話もこれまた大事な話じゃ。
フムフム!!
「省エネルギー」といえば、つまりはエネルギーをより効率良く使い、使用量をなるべく減らそうということなんじゃが、現在の日本は世界の中でも最も効率の良いエネルギーの使い方をしておる国の一つなんじゃよ(図1)。

図1 各国のGDP当たりの一次エネルギー消費量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)
オッ、結構がんばってますね。
そうじゃろう。つまりは同じエネルギー量でより多くのGDPを生み出している国というわけじゃのう。ただし、最近ではその効率もあまり向上しておらんのう。
また、一人当たりのエネルギー消費量でみると、ヨーロッパ諸国と同程度で、世界平均の2倍以上を消費しておる。これは一人当たり1年で石油にして約4トン消費していることになるのう(図2)。
日本は一人当たりのGDPが大きい国であるから、生産・消費にそれだけ多くエネルギーを使っておるということじゃのう。

図2 各国の一人当たりの一次エネルギー消費量
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)
1年で約4トンか〜、結構凄いですねえ。
そうじゃろう、そうじゃろう。エネルギーを沢山使うということは、エネルギー資源の枯渇や地球温暖化にも繋がることじゃから、できるだけ効率良くエネルギーを使い、少しでも使う量を少なくする努力が必要なのじゃよ。
ほんと、そうですよね〜。今日の博士はめずらしくまともじゃない?
「めずらしく」は余計じゃ!!
ということで、日本は省エネルギーに努力してきたのじゃが、それを示す一例が下の図じゃ。この図にあるように、産業部門では、第一次石油ショック以降、積極的な省エネルギー努力が行われ、効率的なエネルギー利用が進められてきた。
しかし、近年ではエネルギー効率は横ばい状態もしくは悪化傾向にある。省エネルギーを進めるのもなかなか難しいのう。

注)IIP:鉱工業生産指数。鉱業と製造業が生産をしている量を指数としてまとめたもの
図3 製造業におけるエネルギー効率
使用データ:EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2009年版)
なかなか難しそうねえ。で、他の部門ではどうなの?
無論、運輸部門や民生部門でも省エネルギーの努力が積極的に進められておる。
運輸部門は、現在ではエネルギー消費のほとんどが自動車で占められておる。じゃから、この自動車をどうするのかというのが主な問題じゃのう。
したがって、この自動車の燃費改善努力がなされており、年々燃費は良くなっておる。
また、燃費が良くなっているとはいえ、自動車(バスを除く)のエネルギー効率はバス、鉄道などの大量輸送手段に比べ悪いので、自動車利用の割合が増えると、運輸部門におけるエネルギー効率は悪化するのう。じゃから、エネルギー効率の良いバス、鉄道などの大量輸送手段の利用を増やすことも有効じゃのう。この輸送手段の変更を図ることを「モーダルシフト」というのじゃよ。
残りの民生部門は?
民生部門(家庭やオフィスなど)でも、「トップランナー基準」などにより、省エネルギー対策を積極的に進めておる。その結果、電気製品などの消費電力が減少し、1世帯当たりのエネルギー消費量は減少傾向にある。
今の話に出てきた「トップランナー基準」って、なんですか?
おお、すまんすまん。
日本の改正「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)では、テレビ、エアコン、自動車などの特定機器の省エネルギー基準を、各々の機器において、エネルギー消費効率が現在商品化されている製品のうち最も優れている機器(トップランナー)の性能以上にする、という考え方を採用しておるのじゃよ。これが「トップランナー基準」じゃ。
このような制度によって日本は省エネで世界をリードしておるのじゃのう。
なるほど、省エネするには良い法律みたいですね。ところで、省エネに役立つ良い技術とかはないの?
よくぞ聞いてくれた。あるぞ!!
例えば、「コージェネレーション」「燃料電池」「ヒートポンプ」なんかが、それじゃのう。代表して、「コージェネレーション」の説明をしてみようかのう。
「コージェネレーション(cogeneration)」とは、電力と熱を同時に利用するシステムのことなのじゃ。今までは発電したら、その時出てくる排熱を無駄に捨てていたのじゃが、下の図のように排熱を給湯や冷暖房の熱源に利用して、高いエネルギー効率を得ようというものじゃ。

図4 コージェネレーションシステム
なるほど、これはいい!!。
そうじゃろう、そうじゃろう。じゃが、省エネルギーを技術者ばかりに頼ってはいかん。ワシらも努力せねばのう。せっかく良い制度や技術があっても、無駄に使っては何にもならんからのう。エネルギーを無駄に使わないようにすることも立派な省エネルギーじゃ。
確かに、そうですよね〜。
無駄に使わないといえば、電灯やガスコンロ、暖房機など直接にエネルギーを使用しているものだけでなく、生活用品などを大切に使ったり、リサイクルなどを行うことも省エネルギーになるのじゃよ。
エエッ、どういうこと?
つまりじゃな、生活用品などを私達が利用するために、それを生産し、輸送するためにもエネルギーが使われておるのじゃよ。したがって、大切に使ったり、リサイクルなどを行うことによりこのエネルギーを節約することで、省エネルギーになるということなのじゃよ。
例えば、アルミ缶を原料のボーキサイトから作るにはエネルギーが必要なのじゃが、350mLのアルミニウム缶1個を回収して再生利用すれば、40Wの蛍光灯を約10時間つける電気エネルギーを節約できるのじゃ。
表1 さまざまな製品を作るために必要なエネルギーの量
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品目
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生産工程
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投入エネルギー量
(原油換算)
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米栽培(玄米1kg)
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栽培 → 収穫 → 出荷→
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0.35リットル
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洋服(紳士ジャケット)1着(600g)
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素材 →布地製造→ 縫製→
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7リットル
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自動車(1800cc)
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製鉄→プレス→加工・組立→
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1442リットル
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住宅(戸建・床面積100m2)
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製材 → 加工・組立 →
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8774リットル
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カラーテレビ(21型)
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材料製造→組立 → 輸送→
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38リットル
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図書1冊(300g)
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製紙 → 印刷 → 製本→
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0.55リットル
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使用データ:資源エネルギー庁>経済産業省、エネルギー白書 2006年版(2006年)
それは、凄い!!。
そうじゃろう、そうじゃろう。
省エネルギーは大事なことじゃが、難しく考えることはない。超リサイクル社会であった江戸時代から伝わる「もったいない」精神を発揮すればよいことじゃ。ご先祖様は偉大じゃのう。
おおそうじゃ、「省エネルギー」でなく「もったいないエネルギー」と名付けよう!!
ダメ!!
トホホ ○| ̄|_
関連ページ:
●各国のエネルギー利用効率
●日本の省エネルギー政策
●産業部門の省エネルギー
●民生部門の省エネルギー
●運輸部門の省エネルギー
●新・国家エネルギー戦略
●省エネ法
●コージェネレーション
●燃料電池
●ヒートポンプ
●特定機器/トップランナー基準
●間接エネルギー
●循環型社会
関連サイト:
●資源エネルギー庁>エネルギー白書
●資源エネルギー庁>個別施策情報
●資源エネルギー庁>パンフレット
●新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>よくわかる!技術解説
●(財)省エネルギーセンター>パンフレット一覧>トップランナー基準
●(財)エネルギー総合工学研究所>定期刊行物>新エネルギーの展望>省エネルギー技術(PDF/10.80MB)
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