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イオンとイオン化傾向(2009.07.07)


●金属の単体が水の中で電子を放出し陽イオンになろうとする性質を金属のイオン化傾向という。
●イオン化傾向の大きい金属ほど酸化されやすく、電池に利用したときは起電力は負の値(負極)になる。
解説:
 原子や分子が電子を失ったり、受け入れたりして、電荷を持ったものをイオンといい、電子を失ってプラスの電荷を持ったものを陽イオン、電子を受け取ってマイナスの電荷を持ったものを陰イオンといいます。

 金属の単体が水の中で電子を放出し陽イオンになろうとする性質を金属の「イオン化傾向」といいます。例えば、鉄(Fe)は銅(Cu)よりイオン化傾向は大きいです。

 イオン化傾向の大きいものは下記のようなものです。

  (大)Li>K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb

 逆に、イオン化傾向の小さいものは下記のようなものです。

     Cu>Hg>Ag>Pt>Au(小)

[イオン化傾向と酸化]
 陽イオンになりやすい金属ほど、陰イオンである酸化物イオン(O2−)と結合しやすくなるので、イオン化傾向の大きい金属ほど酸化されやすくなります。。

注)酸化とは電子を放出すること、還元とは電子を受け取ること、という定義もあります。
  この定義を用いれば、イオン化傾向の大きい金属とは、陽イオンになりやすい→電子を放出しやすい→酸化されやすい、ということになります。

 Ag(銀)、Pt(白金)、Au(金)が、いつまでも美しい輝きを保てるのは、イオン化傾向が小さい、つまり酸化しにくいためです。

 また、リチウム(Li)イオン電池に安全対策が施されたり、高速増殖炉で冷却材として使われている液体金属ナトリウム(Na)が水・蒸気と直接反応しないように工夫がされているのもこのイオン化傾向の大きさ故、酸化されやすい(つまり燃えやすい)ためです。

[イオン化傾向と電池]
 金属を電池に利用した場合、イオン化傾向の大きい金属ほど起電力は負の値(負極)になり、イオン化傾向の小さい金属ほど起電力は正の値(正極)になります。

 なぜなら、金属が陽イオンになるときに電子を放出するので、下記のようになるからです。

 ・イオン化傾向が大きい→陽イオンになりやすい→負の電荷を持つ電子(e)を放出しやすい→起電力は負の値(負極)

 電池はこのイオン化傾向の差(つまり起電力の差)を利用して作られています。

 高性能な電池を作るには起電力の差(イオン化傾向の差)の大きな材料を使うことになるのですが、そうするとイオン化傾向の小さいものはAg(銀)、Pt(白金)、Au(金)といった値段の高い貴金属ですので、コストの面で問題があり、開発者は頭を悩ませる原因になります。


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