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元素の性質や用途(2009.07.07)


●元素の持つ性質を利用して、さまざまな用途で利用されている。

表1 主な元素とその性質や用途など
名前(元素記号)
原子番号
原子量
性質や用途など

水素(H)

1
1.008

●質量数1の同位体を水素(軽水素)、質量数2の同位体を重水素、質量数3の放射性同位体を三重水素と呼ぶ。
●宇宙で最も多い元素で、水をはじめ多くの化合物の成分として広く存在する。
●工業的には水、石炭、天然ガス、石油などから作る。
●環境汚染の少ないエネルギー源として注目されている。

ヘリウム(He)

2
4.003

●希ガス元素の1つ。大気中に5.2×10-6(体積比)含まれる。
●宇宙で水素の次に多く、恒星の核融合に関係する。
●水素についで軽く、理想気体にきわめて近い。
●化学的に安定で他の元素と化合物を作らない。
●極低温物性研究に不可欠である。

リチウム(Li)

3
6.941

●アルカリ金属の1つで、固体の単体では最も軽い。
●水分があると常温でも窒素と反応し、窒化物を生じる。
●電池の陽極材料、半導体材料として用られている。

ベリリウム(Be)

4
9.012

●X線管の窓や原子炉減速材などに用いられている。

ホウ素(B)

5
10.81

●中性子吸収性能が良いので中性子吸収材となる。

炭素(C)

6
12.01

●地球上に広く分布する。
●ダイヤモンドやカーボンナノチューブの構成元素である。
●耐熱材、電極材、発熱体、中性子減速材、宝石、研摩材などに用いられている。

窒素(N)

7
14.01

●大気中に78.1%(体積比)含まれる。生体中にもタンパク質などの形で存在する。
●工業的には液体空気の分留で作る。
●化学的に不活性で、酸化防止、爆発防止、食品貯蔵などに利用される。液体窒素は、食品の急速凍結などに用いられる。アンモニアの原料である。

酸素(O)

8
16.00

●大気中に20.8%(体積比)含まれる。海洋中には水として、地殻中には酸化物などとして広く存在する。
●工業的には液体空気の分留で作る。
●化学的に活性で、希ガス、ハロゲン、金、銀、白金以外の元素を直接酸化して酸化物とする。酸化のとき発熱し、炎を発し燃焼する場合もある。
●酸素製鋼、化学工業、溶接、溶断、金属加工、排水処理などに用いられている。

フッ素(F)

9
19.00

●ハロゲン元素の1つで、きわめて化学反応しやすい。
●ロケット燃料として酸素に代って使用される。
●単体は猛毒であり、強い腐食性をもつ刺激物である。

ネオン(Ne)

10
20.18

●希ガス元素の1つ。大気中に18.2×10-6(体積比)含まれる。
●ネオンサイン・ネオンランプとして利用されている。

ナトリウム(Na)

11
22.99

●アルカリ金属の1つで、ケイ酸塩の成分として地殻中に広く多量に分布し、海水中にも存在する。
●ナトリウムイオンは動物の生理に重要な役割を果たす。
●空気中では常温でも酸化され、融点以上では燃える。水と反応し、水素を発生する。
●高級アルコール、染料の合成などに用いられ、ナトリウム−カリウム合金は原子炉の冷却剤として重要である。

マグネシウム(Mg)

12
24.31

●空気中では表面が酸化され、高温で強い光を放ち燃える。
●熱水、希酸に溶けて水素を発生する。
●マグネシウム合金やアルミニウム合金に用いられる。

アルミニウム(Al)

13
26.98

●地殻中に多量に存在し、岩石や土壌の主要成分である。
●鉱石としてはボーキサイト、カオリンが重要である。
●軽量で加工性、耐食性、機械的性質にすぐれている。
●航空機、鉄道車輛、自動車、缶、サッシ、家庭用品などの用途として重要である。

ケイ素(Si)

14
28.09

●二酸化ケイ素(石英)などとして地殻中に多量に存在する。
●合金材料、半導体素子材料など多目的に使用されている。

リン(P)

15
30.97

●鉱物や生物体中に存在する。
●同素体に黄リン、紫リン、黒リンなどがある。
●黄リンは化学的に活性で空気中で自然発火し、猛毒。
●半導体の原料、マッチ、農薬の製造などに用いられる。

硫黄(S)

16
32.07

●岩石中、火山ガス中、海水中などに含まれる。
●生体に不可欠の元素であり、アミノ酸などを構成する。
●薬品、マッチ、火薬、医薬品の製造などに用いられる。

塩素(Cl)

17
35.45

●ハロゲン元素の1つで、岩塩鉱床や海水中に含まれる。
●希ガス、炭素、窒素、酸素以外の元素と化合し塩化物を作る。
●塩化ビニル、塩素系溶剤、染料、医薬、爆発物、さらし粉、酸化剤、漂白剤、消毒剤など多くの用途がある。
●単体は粘膜を侵し、有毒である。

アルゴン(Ar)

18
39.95

●希ガス元素の1つ。大気中に0.934%(体積比)存在する。
●溶接、製錬、製鋼用の保護ガス、電球、放電管の封入ガスとしての用途がある。

カリウム(K)

19
39.10

●アルカリ金属の1つで、長石,雲母などの成分として地殻中に広く分布し、植物の灰にも比較的多く含まれている。
●ナトリウムとほぼ同じ用途がある。

カルシウム(Ca)

20
40.08

●アルカリ土類金属の1つで、動物の栄養に不可欠(骨、歯、殻の主成分)で、植物にとっても必須元素である。
●還元剤、金属の脱酸剤などに用いられる。鉛‐カルシウム合金は鉛蓄電池の材料となる。

スカンジウム(Sc)

21
44.96

●希土類元素の1つ。

チタン(Ti)

22
47.88

●地殻中に少量ではあるが広く分布する。
●高温で酸化されやすい欠点はあるが、高強度、耐食性、軽量のため、航空機用構造材、電解用電極材などに用いられる。

バナジウム(V)

23
50.94

●合金鋼の添加剤、核燃料被覆材としての用途もある。

クロム(Cr)

24
52.00

●常温では安定で空気、水と反応しない
●各種合金(ステンレス鋼、耐熱合金など)製造のほか、めっきにも用いられている。

マンガン(Mn)

25
54.94

●鋼の脱酸剤や脱硫剤、合金成分として使用する。

鉄(Fe)

26
55.85

●地球上にひろく分布している。
●酸化物鉱石をコークス、石灰石とともに溶鉱炉に入れ、コークスの燃焼で生じた一酸化炭素で酸化鉄を還元して銑鉄を得る。銑鉄から不純物を除いて鋼とする。
●乾いた空気中では安定であるが、湿気があると酸化されてさびを生じる。微粉の鉄は発火する。
●工業的にひろく用いられ、最も重要な元素の1つである。

コバルト(Co)

27
58.93

●磁性合金、耐熱合金、高速度鋼、超硬合金などの成分として用いられている。

ニッケル(Ni)

28
58.6

●空気、湿気に対して鉄よりも安定である。
●ステンレス鋼材やニッケル合金の原料やめっきに使用される。触媒としての用途もある。

銅(Cu)

29
63.55

●銀につぐ電気の良導体である。
●電線や管・棒などにも用いられる。

亜鉛(Zn)

30
65.39

●めっき(トタン板)、乾電池用などに用いられている。

銀(Ag)

47
107.9

●延性、展性は金についで大きい。
●電気および熱伝導率は金属中で最大である。
●感光材料、装飾品、貨幣、電気接点などの用途がある。

カドミウム(Cd)

48
112.4

●やわらかく、延性、展性にとみ、加工しやすい。
●アルカリ蓄電池の陰極、合金、めっき、半導体の原料、原子炉の制御材などに用いられている。
●猛毒であるため、ニッケルカドミウム電池からリチウムイオン電池などへの転換などが進められた。

スズ(Sn)

50
118.7

●空気中では酸化されない。
●スズめっき鋼板(ブリキ)などのほか、合金(はんだ、活字合金など)の材料に用いられている。

白金(Pt)

78
195.1

●銀よりもかたく、延性、展性に富む。
●酸素とは反応しない。
●微粉はいちじるしく水素を吸蔵する。
●装飾品、熱電対、石油化学や自動車排気ガス処理用触媒などに利用されている。

金(Au)

79
197.0

●美しい黄色をなし、金属中最も延性、展性に富む。
●銀、銅につぐ電気の良導体である。
●空気中、水中で化学反応しない。
●貨幣、装飾品、歯科医療材料、電子工業部品、電気接点、めっき、箔、極板などとして用いられている。

水銀(Hg)

80
200.6

●室温で液体であるただ1つの金属である。
●電気機器などの材料に用いるが、環境汚染物質であるため、消費は減少しつつある。
●単体と無機化合物は猛毒、有機化合物は大部分有毒。

鉛(Pb)

82
207.2

●蓄電池用鉛板、薬品、管、板、活字合金などの製造に用いる。放射線遮蔽材としての用途もある。
●同位体組成から、考古学的遺物の産地推定などに利用される。

ウラン(U)

92
238.0

●アクチノイド元素の1つで、天然にはウラン238が99.275%、ウラン235が0.72%、ウラン234が0.0055%の割合で存在する。
●放射性物質であり、原子力発電燃料として用いられる。

プルトニウム(Pu)

94
[239]

●超ウラン元素の1つで、主に原子炉により、ウラン238から人工的に作られる。
●放射性物質であり、一般にウランとの混合酸化物(MOX)の形で原子力発電燃料として用いられる。

出典:理化学辞典(第5版)、岩波書店
注)プルトニウムの原子量は最も多い同位体のものを示す。
桃色は金属元素、水色は非金属元素である。   


解説:
 宇宙は約100種類の元素から構成されています。この元素の持つ性質を利用して、さまざまな用途で元素は利用されています。
関連ページ:
元素の周期表
分子と原子
物質の分類
化学変化とエネルギー
核反応とエネルギー
電子とイオン
いろいろな電池
関連サイト:
高エネルギー加速器研究機構キッズサイエンティスト原子・分子原子
関連書籍:
●岩波 理化学辞典 第5版、岩波書店(1999)
●スタジオ・ハードデラックス/編・著 満田深雪/監修、元素周期 萌えて覚える化学の基本、PHP研究所(2008)

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