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核反応とエネルギー(2009.07.07)


●原子がほかの原子に変わるとき、質量が変化し、エネルギーが発生する。
●核反応には核分裂と核融合がある。


図1 核反応の例


解説:
 原子がほかの原子に変わるとき、エネルギーが発生します。このような原子核が持つエネルギーを核エネルギーといいます。

 ウラン(U)のような重い原子核が分裂して質量数が半分程度のより軽い原子核に分裂(核分裂)すると、この核反応の前後で質量の合計が変わり、反応後の方が軽くなっています。この軽くなった分だけエネルギーが放出されます。

 また、水素(H)のような軽い原子核が結合して質量数が大きなより重い原子核に融合(核融合)すると、この核反応の前後で質量の合計が変わり、反応後の方が軽くなっています。この軽くなった分だけエネルギーが放出されます。

 質量の変化分と放出されるエネルギーの量は、物質の質量(m)とエネルギー(E)は本質的には同じ(等価)であるとした、下記のアインシュタインの式で求められます。

  E=m×c2
   
c:真空中の光速

 原子力発電は核分裂を利用してエネルギーを取り出しており、太陽は核融合を行って輝き、その光が地球を暖めています。

 化学反応と核反応を比較すると、化学反応が原子の中の電子の振る舞いによるものであるのに対し、核反応は原子の中の核の振る舞いによるものといえます。
江音留義(えね るぎ)博士の脱線話:
 核分裂でエネルギーが発生し、それとは逆の反応である核融合でもエネルギーが発生するとは「なんかおかしい?」と思ったことはないかのう?

 実は、核反応でエネルギーが発生するのは、「原子核の結合エネルギー」というものが関係しておるのじゃよ。
 この結合エネルギーというのは原子核をばらばらの核子(陽子、中性子)にするためのエネルギー(逆にいえば、ばらばらの核子が原子核に結合したら放出されるエネルギー)のことで、核子1個あたりの結合エネルギーは、大体軽い原子核ではより重くなるほど大きくなり、「鉄」付近の原子核で最大となり、それより重い原子核では逆により重くなるほど小さくなるのじゃよ。
 「鉄」付近の原子量を持つ原子核の結びつきが最も強いということじゃのう。

 したがって、鉄より軽い水素がより重いヘリウムに核融合したり、鉄より重いウランがより軽い2つの原子に分裂すると、核反応前後の結合エネルギーの差の分だけエネルギーが発生するという訳なのじゃ。

 であるからして、当然、水素の核融合とは逆の反応であるヘリウムから水素への核分裂では、エネルギーは発生するのではなく、逆にエネルギーが必要になる。

 「鉄」は人間の活動においても特別に重要なものじゃが、原子の世界でも「鉄」というのは、やはり特別なものなのじゃのう。
関連ページ:
核分裂反応
核融合
質量と重量
電磁波と光
状態変化とエネルギー
化学変化とエネルギー
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