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「燃える」ということ(2009.07.07)


●簡単に言えば、「燃える」ということは「一般に、光と熱の発生を伴って物質が酸素と化学反応すること」である。


図1 呼吸と燃焼の比較


解説:
 簡単に言えば、「燃える」ということは「一般に、光と熱の発生を伴って物質が酸素と化学反応すること」を意味します。普通は「物質の分子を構成する炭素原子(C)や水素原子(H)などを酸素原子(O)と化学反応」させてエネルギーを取り出しています。例えば天然ガスの主成分であるメタン(CH4)が燃えるということは化学式で表すと下記の様になります。

   CH4+2O2→CO2+2H2O+エネルギー(光、熱)

 つまり、「燃える」と炭素原子(C)と酸素原子(O)が化合して二酸化炭素(CO2)が、水素原子(H)と酸素原子(O)が化合して水(H2O)が出来ます。そして、その時の化学反応によりエネルギー(光や熱)が発生します。

 ちなみに、人間が生きるためのエネルギーも同じく、食物中の炭素や水素を用いて作られた物質を肺呼吸で取り入れた酸素と化学反応させて、つまり広い意味で「燃やし」て作っています。

 化石燃料(石炭・石油・天然ガスなど)を燃やしてエネルギーを得るということは上記の様な原理を使っているということです。

 しかし、実際には炭素原子(C)と水素原子(H)以外のものも「燃える」ので、その場合に汚染物質が発生することがあります。例えば燃料中に不純物として硫黄(S)が混じっていると、下記の様に硫黄酸化物(SOx)ができます。

   S+いくつかのO→SOx

 また、空気中の窒素(N)と酸素が反応して、下記の様に窒素酸化物(NOx)ができます。

   N+いくつかのO→NOx

 硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)は酸性雨など大気汚染の原因となる汚染物質です。また、二酸化炭素(CO2)も少量では無害なのですが、大量に排出されると地球温暖化の原因となるといわれています。

 水素が燃えると出来るのは水(H2O)ですから、燃料中の炭素と水素の成分の比率が水素が多いほどクリーンな燃料といえます。

 (燃料中に水素が多い燃料順:水素>天然ガス>石油>石炭)

 また、原子力発電でウラン燃料が「燃える」とか太陽が「燃える」という言い方をしますが、これらの「燃える」原理は、上記の様な「酸素原子(O)との化学反応」のことではなく、「核分裂や核融合」といった核反応であり、前者と同じく「エネルギー」を発生するところから「燃える」という表現を用いていますが、全く異なる現象です。

注:理化学辞典(第5版)によれば、燃焼とは「光と熱の発生を伴う化学反応で、定圧またはそれに近い条件下でおこるものをいい、爆発と区別する。一般に可燃物質と酸素との反応でおこるが,酸素や硝酸などとの酸化反応のほかに可燃物とフッ素や塩素などとの反応でもおこる。」としています。
江音留義(えね るぎ)博士の脱線話:
 上での説明のように、燃焼(燃える)というのは、簡単にいうと下記のようなことになる。つまり、燃える物が外にある酸素とくっつくことじゃのう。

  燃える物+酸素→燃えかす

 しかし、昔は逆に、燃える物の中に「フロギストン」というものがあって、それが燃える物の外に出るのが燃えることだと思っていたのじゃよ。

  燃える物→燃えかす+フロギストン

 これに対し、今のような燃焼の考えを発見したのはラボアジェという人で、密閉した容器の中での燃焼実験から燃焼の前後で質量が同じであることも発見しておる。これは今日では質量保存の法則と呼ばれておる。

 また、彼はこの燃える物と反応する物質(O)は、全ての酸に含まれていると勘違いして(実際は、たとえば酸の一種である塩酸(HCl)は酸素(O)の化合物ではない)、これを「酸素」と名付けたのじゃ。燃えるということは酸の素との結合(つまり酸化)であると考えたのじゃな。
 物質が酸素と化合することを「酸化」というが、別に「酸性の物質」になるのではないのじゃよ。

 燃えることの原理を発見したのは大手柄じゃったが、名前の付け方はちょっと間違えたようじゃのう。
関連ページ:
地球温暖化
温室効果ガス
酸性雨
各国のSOx、NOx排出量
水素エネルギー
光合成と呼吸
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酸化と還元
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