TOPページにリンクします。エネルギー解説集エネルギー教室リンク集

エネルギー全般化石エネ原子力再生可能エネ省エネ環境その他
エネルギーとエクセルギー(2009.07.07)


●エネルギーとは「仕事をする能力」を示す言葉である。
●エクセルギーとは「利用可能なエネルギー」を示す言葉である。


図1 エネルギーとエクセルギー


解説:
 エネルギーとは「仕事をする能力」という意味を持つギリシャ語の「エネルゲイア」から派生した言葉です。

 理科の授業で習うエネルギーには「力学的エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、光エネルギー、核エネルギー」など種々の形の種類があります。

 一方、社会科で習うエネルギーには、私たちが日常利用している石油や石炭といった意味のエネルギー(を発生させるもの)のことをいうことがあります。

 まず、理科の授業で習うエネルギーの法則として、「エネルギー保存の法則」があります。この法則は簡単に言えば「エネルギー全体の量は変わらない」ということです。どこかでエネルギー量がプラスになれば、どこかで同じ量のエネルギーがマイナスになっているということです。これと同じことを熱力学の面から「熱力学第一法則」といいます。

 実社会での例で説明すると、例えば石油を燃やすと石油の持つ化学エネルギーはなくなりますが、それと同じ量の熱エネルギーが発生して、燃やす前後でエネルギー量は同じということになります。

 「熱力学第一法則」ではエネルギーの量は変化しないということですが、実はエネルギーには価値の高低があり、同じエネルギー量でも「常に価値の高いエネルギーから低いエネルギーの方に変化する」という「熱力学第二法則」もあります。

 実社会での例で説明すると、例えば図1のように高温の物体と低温の物体が接触していれば、高温の物体から低温の物体に熱が移動し、いつかは両方とも中間の同じ温度になります。
 高温の物体と低温の物体の状態であれば、その温度差を利用して発電などによりエネルギーを取り出して利用できますので「価値の高いエネルギー状態」ですが、両方とも中間の同じ温度であればエネルギーを取り出したりできない「価値の低いエネルギー状態」となります。

 このように、変化の方向は「常に価値の高いエネルギーから低いエネルギーの方に変化する」のであり、その逆の変化(この例では、中間の温度の物体が高温の物体と低温の物体に分かれる変化)はないのです。ちなみに、このような逆方向の変化がない変化を不可逆変化といいます。

 このエネルギーの価値を表す言葉として「利用可能なエネルギー」という意味で「エクセルギー」という言葉が用いられています。

 また、「熱力学第二法則」の「常に価値の高いエネルギーから低いエネルギーの方に変化する」ということを、「常にエントロピーは大きくなる」という表現で「エントロピー増大の原理」ということもあります。これは、「熱力学第二法則」を「エントロピー(複雑さを表す量)」という量で数値化して表現したものです。
江音留義(えね るぎ)博士の脱線話:
 しかし、考えてみれば「熱力学の第一、第二法則」とは身もふたも無い法則じゃのう。エネルギーは増えず、「利用可能なエネルギー」が減っていくばかりとはのう。また、「エントロピー(複雑さを表す量)」が増えるとは無秩序状態に向かうということで、これも気が滅入る話じや。

 しかし、これは宇宙全体の場合や、外部から遮断された閉じた環境の中での話じゃ。実際の地球上では太陽からほぼ無限のエネルギーが降りそそいでおる様に、さまざまなエネルギー源があるので、これらのエネルギーにより秩序が保たれておる(エントロピーを減少させる)という訳じゃのう。人間などの生き物はこの秩序の高い最たるものじゃから、まさに、エネルギーなくして生命なしじゃ。

 それにじゃ、人間や社会にこの法則をあてはめて考えてみると、人間や社会も、なにもしなければ自堕落になり無秩序状態になっていくということで、何らかのエネルギー(文学的にいえば、心のエネルギーとでもいうのかのう)でもって秩序を保つ必要があるということかもしれんのう。「熱力学の第一、第二法則」は我々に常に努力の必要性を訴えているといえなくもないのう。

 こう考えると、「熱力学の第一、第二法則」とは身もふたも無い法則じゃなくて、実にありがたい法則じゃのう、ありがたやありがたや。      
関連ページ:
いろいろなエネルギー
熱と温度
状態変化とエネルギー
化学変化とエネルギー
核反応とエネルギー
関連サイト:
初歩のサイエンス熱とエネルギー

エネルギー全般化石エネ原子力再生可能エネ省エネ環境その他

TOPページにリンクします。エネルギー解説集エネルギー教室リンク集