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原子力発電事故の評価尺度(2009.07.07)


●原子力発電事故やトラブルの評価尺度として、「国際原子力事象評価尺度(INES)」がある。
●過去の事例で最も重大なのは、旧ソ連のチェルノブイリ発電所事故(1986年)でレベル7、アメリカのスリーマイルアイランド発電所事故(1979年)はレベル5、日本で発生したJCO事故(1999年)はレベル4である。

表1 国際原子力事象評価尺度(INES)

レベル
基準(3つの基準の中で最も高いレベルが評価結果となる)
参考事例
基準1:所外への影響
基準2:所内への影響
基準3:深層防護の劣化
事故

(深刻な事故)

放射性物質の重大な外部放出
(ヨウ素131等価で数万テラベクレル相当以上の放射性物質の外部放出)

 

  

チェルノブイリ事故
(1986年)

(大事故)

放射性物質のかなりの外部放出
(ヨウ素131等価で数千〜数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出)

 


(所外へのリスクを伴う事故)

放射性物質の限られた外部放出
(ヨウ素131等価で数百〜数千テラベクレル相当の放射性物質の外部放出)

原子炉の炉心の重大な損傷

スリーマイルアイランド事故
(1979年)

(所外への大きなリスクを伴わない事故)

放射性物質の少量の外部放出
(公衆の個人の数ミリシーベルト程度の被ばく)

原子炉の炉心のかなりの損傷/従業員の致死量被ばく

JCO事故
(1999年)
異常な事象

(重大な異常事象)

放射性物質の極めて少量の外部放出
(公衆の個人の十分の数ミリシーベルト程度の被ばく)

所内の重大な放射性物質による汚染/急性の放射線障害を生じる従業員の被ばく

深層防護の喪失
スペインバンデロス発電所火災
(1989年)

(異常事象)
安全上重要ではない事象

所内のかなりの放射性物質による汚染/法定の年間線量限度を超える従業員の被ばく

深層防護のかなりの劣化
美浜発電所2号機蒸気発生器伝熱管損傷
(1991年)

(逸脱)
安全上重要ではない事象
運転制限範囲からの逸脱
もんじゅ
ナトリウム漏洩
(1995年)
尺度以下

(尺度以下)

0+:安全に影響を与え得る事象

 

0−:安全に影響を与えない事象

評価対象外
安全に関係しない事象

 

シーベルト(Sv):放射線が人体に与える影響を表す単位
ベクレル(Bq) :放射能の大きさを表す単位
深層防護:多重防護ともいう。原子炉施設の安全設計の思想を表したもので、まずは異常な事態が発生しないように設計し、且つ異常な状態が発生したとしても、それが拡大しないように設計するとともに、さらに万一事故状態に至った場合にも、その影響を緩和する設計とし、確実に安全を確保しようというもの。

参考:資源エネルギー庁なるほど! 原子力AtoZ など


解説:
 原子力発電事故やトラブルの程度を示す評価尺度として、国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)および経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA:Organization for Economic Cooperation and Development-Nuclear Energy Agency)が作った「国際原子力事象評価尺度(INES:International Nuclear Event Scale)」があります。

 過去の事例で最も重大なのは、旧ソ連のチェルノブイリ発電所事故(1986年)でレベル7(深刻な事故)、アメリカのスリーマイルアイランド発電所事故(1979年)はレベル5(所外へのリスクを伴う事故)、さらに日本で発生したJCO事故(1999年)の場合はレベル4(所外への大きなリスクを伴わない事故)などとなっています。
関連ページ:
スリーマイルアイランド発電所事故
チェルノブイリ発電所事故
美浜発電所2号機事故
高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏洩事故
JCO事故
日本の原子力発電トラブル報告件数
原子力発電所の安全確保のしくみ
放射線や放射性物質の監視
原子力発電の防災対策
IAEA(国際原子力機関)
関連サイト:
資源エネルギー庁なるほど! 原子力AtoZ
電気事業連合会電気事業のいま過去の事故・トラブル
(財)日本原子力文化振興財団あとみん原子力百科事典ATOMICA
原子力の科学館あっとほうむ

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