新しい原子力発電技術(2009.07.07)
●改良型軽水炉技術:BWRの改良型であるABWRが営業運転に入っている。
●プルサーマル発電:プルトニウムを軽水炉でウランとともに利用する発電方法である。
●高速増殖炉:速い中性子を用い、核分裂性物質を消費する以上に生産する原子炉のことである。そのため、エネルギー量を飛躍的に大きくするという長所がある。
表1 高速増殖炉(FBR)と軽水炉(PWR)の比較
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原子炉
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分裂に関係する中性子
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燃料
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減速材
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冷却材
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転換比*
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軽水炉
(BWR,PWR)
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熱中性子
(高速中性子に比べ速度が遅い)
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ウラン235 3〜 5%
ウラン238 95〜97%
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軽水
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軽水
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約0.6
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高速増殖炉
(FBR)
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高速中性子
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核分裂性
プルトニウム 約16〜21%
劣化ウラン 約79〜84%
(ブランケット燃料は劣化ウランのみ)
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−
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ナトリウム
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約1.2
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*:転換比:燃料が燃焼したときに、新たに生まれる燃料の割合
(例えば、燃料が1だけ燃焼して、新たに2の燃料が出来たら転換比は2です)
(高速増殖炉は転換比が1より大きいので、燃焼した燃料より多くの燃料が生まれ(つまり増殖)ます。)
解説:
現在、原子力発電のタイプとしては、軽水炉(LWR:Light Water
Reactor)が最も一般的ですが、新しいタイプの原子炉も研究・提案されています。例えば、今の軽水炉に引き続き計画されている「改良型軽水炉」「プルサーマル」「高温ガス炉」「高速増殖炉」、そして究極の原子炉といわれる「核融合炉」などです。
ここでは、「改良型軽水炉」「プルサーマル」「高速増殖炉」の3方式について述べます。
(1)軽水炉の改良型技術
従来レベルより一層安全性・耐久性に優れ、経済性も良い技術として提案されているのが、改良型軽水炉技術です。
BWRの改良型として開発されたのがABWR(Advanced Boiling
Water
Reactor)で、配管系の単純化や制御棒駆動源の多様化などがされています。
昭和53年より約20年間の開発により、その初号機は東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機に採用され、それぞれ、平成8年11月、平成9年7月に完成し、営業運転に入っています。
(2)プルサーマル発電
軽水炉の燃料を使用すると出来るプルトニウム239を、混合酸化物燃料(MOX燃料/MOXとはMixed-OXideの略称)に加工して、再びに軽水炉用の燃料として軽水炉で積極的にウランとともに利用する発電方法がプルサーマル発電です。
海外での実用例は多く、日本でも電気事業連合会が、2010年度までに合計で16〜18基の軽水炉でプルサーマルの導入を目指し取り組むことを公表しており、プルサーマルの導入を計画している発電所では、受入れ・使用に向けた準備を行っています。しかし、計画は遅れており、3〜5年程度の延期となるもようです。
(3)高速増殖炉
軽水炉では、核分裂で発生したスピードの速い中性子を、水などで減速させた遅い中性子を利用していますが、核分裂で発生した速い中性子を減速させないでそのまま使い、効率的に核分裂性物質(例えばプルトニウム239)を作るようにした原子炉のことです。
高速中性子を用いて、核分裂性物質を生産(増殖)する原子炉という意味で高速増殖炉(FBR:Fast
Breeder
Reactor)と名づけられています。この炉は、消費される核分裂性物質よりも、生成される核分裂物質の方が多い(増殖)ので、エネルギー量を飛躍的に大きくするために考えられたものです。
軽水炉では冷却材として普通の水(軽水)が使われましたが、高速増殖炉では冷却材としては液体金属ナトリウムが用いられます。ナトリウムは加圧する必要がないため機器の構造の点で利点となりますが、水と激しく反応するため、蒸気発生器中でナトリウムと水・蒸気が直接反応しないような工夫が必要です。
日本最初のFBR実験炉「常陽」は1977年4月に初臨界に達し、次段階の原型炉「もんじゅ」は、福井県敦賀市で完成し、1994年4月に初臨界に達しましたが、1995年12月8日に2次系ナトリウム漏えいが発生したため、原子炉が停止されました。現在、運転再開に向けて準備を進めており、プラント確認試験中です。
関連ページ:
●核分裂反応
●連鎖反応と臨界
●原子力発電のしくみ
●軽水炉(沸騰水型と加圧水型)
●軽水炉の燃料
●プルサーマル
●核反応とエネルギー
関連サイト:
●資源エネルギー庁>なるほど! 原子力AtoZ
●電気事業連合会
●(財)日本原子力文化振興財団>あとみん>原子力百科事典ATOMICA
●原子力の科学館あっとほうむ
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