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●第2次世界大戦後、各国がさまざまな方式の原子力発電の開発を進めた。 ●現在最も利用されている原子炉の方式は、低濃縮度の濃縮ウランを使う軽水炉である。 解説: エンリコ・フェルミが1942年シカゴ大学で核分裂の連鎖反応実験に成功して以来、原子力エネルギーが制御棒の制御により取出せることが判明しましました。 不幸にして原子爆弾という形で第2次世界大戦末期日本に投下されましたが、同大戦後、1953年12月8日にアメリカのアイゼンハワー大統領が国連総会で行った「平和のための原子力(Atoms for Peace)」政策をきっかけに、原子力の発電用としての利用に目が向けられ、各国が、原子力発電の開発を進めてきましました。 2度の石油ショックなどで世界各国で原子力発電の開発が積極的に進められてきましたが、1980年代後半からは開発の伸びが低くなりました。 しかし、近年原子力見直しの気運が高まり、特にアジアでは、原子力開発が進んでいます。 (1)アメリカ 原子力の発電としては、1951年アルゴンヌ国立研究所に建設されたナトリウム・カリウム合金を冷却材とする高速増殖実験炉(EBR−1)で、200kWの発電を行ったのが最初といわれています。 現在最も利用されている軽水炉(燃料として低濃縮度の濃縮ウラン、減速材と冷却材として普通の水(軽水)を使う)の研究も同研究所にて併行して行なわれ、軽水炉の一種である沸騰水型原子炉(BWR、Boiling Water Reactor)の研究が行われました。その後、GE社に引き継がれ、開発が進められ、初号機は1960年に完成(運開)しましました。 一方、もう一つの軽水炉である加圧水型原子炉(PWR,Pressurized Water Reactor)はウエスティングハウス社が原子力潜水艦用として開発を始め、その後陸用発電用として初号機が1957年に完成しましました。 両型式とも出力規模は大型化し、アメリカ国内の発電電力量の約19%を発電しています。 (2)イギリス イギリスでは、燃料として天然ウラン、減速材として黒鉛、冷却材として炭酸ガスを利用するガス冷却型の初号機が1956年に完成しました。その後改良が重ねられ、改良型ガス冷却炉(AGR:Advanced Gas Cooled Reactor)を完成させ、運転を行ってきました。現在はPWRも採用しています。 (3)フランス フランスでは、イギリスと同様の黒鉛減速炭酸ガス冷却炉の1号炉を1964年に運開させましが、1970年代にアメリカからPWRを導入しています。 現在、原子力発電は国内総発生電力量の約79%にも達し、原子力発電への依存度の高い国となっています。こうして作られた原子力発電の電力をヨーロッパ諸国へ輸出しています。 (4)ドイツ 旧西ドイツでは第二次世界大戦後、原子力関係の研究が禁止されましたが、その後禁止措置が撤回され原子力発電開発が始まりました。アメリカからの技術導入で開発が進められ、1969年に初めて原子力による発電が行われました。 現在、運転中の原子力発電所の数は17基で電力量の約27%を発電していますが、1998年の社会民主党(SPD)と緑の党の連立政権の樹立により脱原子力政策がとられ、推進意見のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と議論が戦わされています。 (5)カナダ カナダでは、国内でウラン資源が豊富に存在することもあり天然ウラン燃料を使い減速材と冷却材に重水を使うなど独自の型式炉(CANDU炉:Canadian Deuterium Uranium)を開発しました。 実験炉(NPD−2炉)は1962年に完成し、その後同型式の商業用炉初号機は1968年に完成しました。以降同原子炉の改良を含む大型化を進めてきています。 (6)ロシア 旧ソ連では、低濃縮ウラン燃料を使用し、減速材に黒鉛、冷却材に加圧水を用いる方式を開発し、実用炉としては世界で初めて1954年に完成させました。その後改良を加え黒鉛減速沸騰水冷却型(チェルノブイリ発電所と同型)の原子炉を1969年に完成しました。 1986年4月に発生したチェルノブイリ事故以降、黒鉛減速型の新規着工は取止めています。新規着工は、全てPWR方式(VVER型)になっています。 ロシア政府は、総発電電力量に占める原子力発電の割合を2030年までに25%に拡大することを目指しています。 (7)アジア諸国 アジア諸国では、日本と同様、第2次世界大戦後に海外よりの技術をベースに取組んできました。アジアでは、建設中、計画中の原子炉が多数あり、原子力開発が今後も進められていくと思われます。 中国では、2007年12月末現在11基の原子力発電所が運転中であり、発電電力量の約2%を原子力発電で賄っています。中国政府は2020年には、4,000万kW(全発電容量の約4%)にする予定です。 韓国では、20基の原子力発電所が運転中であり、原子力発電の比率は発電電力量の約39%です インドでは17基の原子力発電所が運転中で、原子力発電の比率は発電電力量の2.5%程度です。 関連ページ: ●日本の原子力発電の歴史 ●世界の原子力発電の状況 ●各国の原子力発電所の運転状況 ●原子力発電のしくみ ●軽水炉(沸騰水型と加圧水型) 関連サイト: ●資源エネルギー庁>なるほど! 原子力AtoZ ●電気事業連合会 ●(財)日本原子力文化振興財団>あとみん>原子力百科事典ATOMICA ●原子力の科学館あっとほうむ 参考資料: ●(社)日本原子力学会、原子力技術開発50年の歴史(EXCELファイル) |