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16年度報告書概要版
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濃縮度5wt%を超えるウラン燃料の実用化に関する技術開発
平成16年度 審査委員会評価
 
実施者:
(株)テプコシステムズ、京都大学、武蔵工業大学、日本原子力研究所、(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、(株)東芝

【総合評価】
 軽水炉燃料の高燃焼度化のために燃料の濃縮度向上が求められている中で、本技術開発は高濃縮度燃料の基礎的な核特性データを習得するものであり、実用化研究としての意義は高いものであるとともに、原子力発電所の長期サイクル運転も見込んだ重要なテーマである。
 研究課題としては特に困難な点もなく、本年度の目標についても概ね達成されているが、今後は経済性評価等も踏まえた研究開発が望ましい。また、バックエンド側の環境評価が不足気味であり、燃料サイクル全体に関しての更なる検討が必要であると考えられる。
 
【参考コメント】
A. 研究開発テーマの妥当性・意義
  実施意義は概ね妥当であり、実用化研究としての意義も比較的高いものであると評価できる。
  * 軽水炉の高燃焼度化を図るために、燃料の濃縮度向上が求められている。本研究は、濃縮度を5wt%以上に高めたウラン燃料の基礎的な核特性データを習得するもので、革新性はあまりないが実用研究としての意義は高いと考えられる。
  * 高燃焼度化、長期サイクル運転を見込んだ重要なテーマである。
  * 現行軽水炉サイクルはU濃縮度5%までを前提に構築されているため、5wt%超燃料の使用はフロントエンド、バックエンドの両方に影響を及ぼすので簡単には変えられない。5wt%超燃料の臨界実験データが少ないのは事実であろうが、上述のような状態の中で、その部分の臨界データの取得を進める必要性はほとんど認められない。
  * 5wt%までを前提とした既存インフラストラクチャーを変えずに、何らかの補助的手段の導入で濃縮度をどこまで上げることが可能で、その結果どれだけの経済的メリットが得られるかという評価はどこかで行われても良いと思う。
  * 原子力技術としては、比較的容易に実現が可能であり、コストメリットも認められるため実施意義は高いものである。
  * 5wt%を超えるウラン燃料の実用化に向けて燃料サイクル全体での課題を調査したものであり、研究開発の実施意義は概ね妥当であると評価できる。
  * 濃縮度5wt%以上のウラン燃料実用化は再処理上の問題点を考えると経済性の上で得策とはいえない。何となく無理に臨界実験が必要だと持っていこうとしているが、前述の経済的得失を評価しないと5wt%以上の使用済み燃料の再処理の必要性も説得性がないようだ。
  ▲Top
B. 研究開発目標、計画の妥当性
  (1) 研究開発目標の革新性の観点からの妥当性
対象外
  (2) 研究開発目標の実用化の観点からの妥当性
当該実用技術体系の実用化可能性を概ね確保できる水準であると認められる。
    * 本研究は実用化研究であって、研究目標は達成されている。
    * 当該実用技術体系の実用化可能性を概ね確保できる水準である。
  (3) 研究開発計画の妥当性
計画は概ね妥当であると考えられるが、今後は各要所における実用化に向けた詳細な検討も必要であると考えられる。
    * フィージビリティスタディであり止むを得ないが、次の3点の詳細な検討が望まれる。①成型加工工場、再処理工場の問題点と解決策の具体化、②PWRの考慮、③臨界試験の計算による予測、代替性。また、次のステップとしては、臨界試験に移行するのではなく、上の課題をさらに煮つめる方向へ進めるのが合理的ではないか。
    * 計画は、概ね妥当であった。
  ▲Top
C. 研究開発実施者の事業体制、運用の妥当性
  概ね妥当な運用は行われていると思われるが、実用化にあたっては体制に多方面に渡る分野の専門家を加えて検討を進めていくことが望ましい。
  * 技術開発に参加する機関の連携が良く見えない。
  * 研究者が炉物理分野の人間中心であり、結果的に本件の実施意義検証のための炉物理的課題以外の要因に関する検討が大変甘いものに終っている。
  * 概ね妥当な事業体制・運用が行われたと思われるが、5wt%超の高濃縮度の燃料を使用している試験研究炉を運転する原研、京大炉がメンバーに入っていながら、5wt%超燃料の濃縮、再転換、加工、輸送の実態が調査されていないのが残念である。
     
D. 計画と比較した達成度、成果の意義
  (1) 計画と比較した目標の達成度
目標は概ね達成されている。今後は実用化に向けての詳細検討が望まれる。
    * 特に困難といえる研究課題はないことから研究終了時点で成果は目標水準を十分に達成できると思われる。
    * ひととおり目標を達成した点は評価できる。
    * 目標は概ね達成され、5wt%超ウラン燃料実用化の課題はよく整理されていると考える。実用に至る手続き、プロセス、確認項目などにこれまでの時代のやり方とはことなり、簡素化し、本質的に必要度の高いものを厳選して実施するべきであり、この観点での検討に必要ではないか。
    * 総合評価的研究である。
  (2) 要素技術としての成果の意義
要素技術としては概ね妥当と認められる。今後は本技術を生かした詳細検討を期待したい。
    * 特にバックエンド側の影響評価が、意味のある深さに全く至っていない。
    * 臨界実験をすれば、5wt%超燃料が実用化できるごとくみえるが、他に必要な課題(単なる指摘に留まらず)をきちっと押さえておくべきである。
    * 主たる成果は臨界実験データの必要性の検討と実験計画の立案であり、燃料サイクル全体についてはさらなる検討が必要であるが、今後の技術開発に向けて概ね妥当と認められる。
    * 総合評価的研究である。
  (3) その他特筆すべき成果
直接的な技術成果以外に、特段特筆すべき成果は認められない。今後、成果の公表が行われることを期待する。
    * 学会口頭発表、専門誌掲載論文が見当たらない。
    * 報告書をみる限り、成果の公表、人材育成の効果は認められない。
     
    ▲Top
 
     
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